14 / 17
ミレイユの願い
しおりを挟む
国王の目覚めは城中を震撼させた。
どのような手を打っても目覚めなかった王が、唐突に目を覚ました。
もちろん王を目覚めさせた者にも注目が集まることになり……テオドールの手柄だと知れ渡り、さらなる衝撃を与えることになる。
そしてミレイユは国王に招かれ、向かい合う形で座っていた。
「改めて礼を言おう、ミレイユ・フォルジェよ。まさか難病のレクサリア病を治してしまうとは……」
「いえ……私だけの力ではありません。テオドール殿下や薬師の方々の協力もあって、結果としてレクサリア病の治療薬が開発できたのです」
「殊勝な心がけよ。だがテオドールから聞いたぞ。お主なくして、治療薬の開発には至らなかったと」
ミレイユは極度に緊張している。
相手は国王陛下だし、どう振る舞えばいいのかわからない。
テオドールとは距離感も近まり、緊張せずに話せるようになったのだが。
「わしが植物状態となり、体を動かせぬ合間にも意識はあった。お主とテオドールの話も……申し訳ないが聞かせてもらったぞ。あの子がずいぶんと世話になったようだ」
「私の方こそお世話になりました。私を導いてくださって、なんとお礼を申し上げればよいか」
「お主には褒美を取らせればいかんな。何が望みだ? 遠慮なく言ってみるがよい」
ミレイユは逡巡した。
別に自分に欲望がないわけじゃない。
魔法薬のお店を開くためのお金や、滅多に手に入らない薬草や書物……色々な物が欲しかった。
だが、様々な欲望を差し置いて。
彼女には願いがあった。
「テオドール殿下を……救ってさしあげてほしいのです」
「救う……? どういう意味だ?」
ミレイユは包み隠さず話した。
国王が病で寝込んで以来、テオドールが受けてきた仕打ちを。
離宮で隔離されて、城中の人々から除け者にされて、弟のネストレ王子からしきりに嫌がらせを受けていたことなど……すべてを。
国王の顔は驚愕に染まっていた。
だが、ミレイユの話を聞くにつれ落ち着きを取り戻し、どこか納得したような顔つきに変わっていった。
「寝込んでいる間、暗闇の中でテオドールに関する悪評を幾度も聞いた。だが違和感を抱いておったのだ。あの子は幼少期はとても優しく聡明な子で……噂されるような冷酷な王子ではないと。それに、あの子が一度もわしのもとへ見舞いにこなかった理由もうなずける」
今、この状況を変えられるとすれば。
それは目の前にいる国王陛下に他ならない。
ミレイユは一縷の希望に縋って頼み込んだ。
どうかテオドールを救ってほしい……と。
「この件については徹底的に調査するとしよう。紋章を持たずにあの子が生まれてきたとき、危惧した事態が現実になってしまっていたか。まったく、くだらない話だ……紋章の有無で優劣が決まるわけではないというのに」
「どうして……紋章がないだけで、そんなに冷遇されるのですか?」
「紋章は王家の血筋であるということを示すもの。だが、それは見栄を張るための悪習に過ぎん。そろそろこの悪しき習わしと真剣に向き合わねばな……テオドールのような被害者を二度と出さぬためにも」
「テオドール殿下は素晴らしいお方です。とても賢くて、強くて、努力家で。それなのに……あまりにも浮かばれません」
「子を救うのは父の役目だ。心配するな」
国王の瞳には強い決意が宿っている。
ミレイユにはただ王の言葉を信じる他なかった。
「此度の手柄を考え、ミレイユ……お主を王宮仕えの薬師として登用することも考えておる。あるいは……いや、今はよそう。後ほど仔細を伝えるゆえ、しばし待ってほしい」
「……! 承知しました。どうかテオドールのこと、よろしくお願いいたします」
◇◇◇◇
国王の目覚めから数日が経った。
ミレイユは協力してくれた薬師たちに結果を報告し、自宅で待機していた。
いつも通り猫になってテオドールのもとへ……とも考えたが、さすがに今は忙しいだろう。
久方ぶりに会った父との時間も邪魔したくないし、控えることにした。
「次の魔法薬は……犬になる薬? ううん、鳥の方が飛べて便利そうだなぁ……」
机には文字を書き散らした紙が散乱している。
彼女はさっそく次の魔法薬開発に向けて取りかかっているのだった。
「猫になる魔法薬の技術を転用して、鳥になる魔法薬も作れそうだけど。鳥になるとしたら……空の外敵から身を守る方法とか、そもそもどうやって飛んでるのかとか、考えることが多いなぁ」
夢中になって考えていると。
不意に家の扉を叩く音がした。
テオドールだとしたら猫に変身して窓から来るはずだが……いや、今は普通に離宮を抜け出せている可能性もある。
ミレイユは急いで玄関に向かった。
「はい……って、え……」
期待して扉を開けたのに。
そこに立っていたのは、最も会いたくない人物……元同僚のロゼールだった。
思いがけない人物の登場に、ミレイユの心は恐怖に染まる。
「おはようミレイユ。さあ、出勤の時間よ? 早く支度しなさい?」
「な、なんで……私はもう、」
「もう辞めたって? あのね、アンタみたいなクズを雇ってくれるのはウチだけなのよ? あたしがこうしてわざわざ来てやったんだから、待たせないでね?」
ロゼールは許可なく家に入り込み、ミレイユの髪を引っ張った。
思い出す。こうして暴力を受けていた日々を。
テオドールに救われて、もう無縁になったはずの過去が。
「い、痛い……引っ張らないで、ください……」
「やめてほしいなら、さっさとあたしと一緒に来なさい。酷い目に遭いたくないならね」
「わ、わかりました……」
逆らえばどんな目に遭うか。
ロゼールと母のシュゼットは、ミレイユに対して一切の容赦がない。
どうしていつもこうなんだろう。
テオドールと出会えて運命が変わったと思ったのに、また振り出し。
結局自分は何も変えられないのだろうか。
ミレイユは瞳から涙を流して俯いた。
ロゼールに手を引かれて家を出た、その瞬間。
不意に自分の体が引き寄せられた。
「俺の大切な人に手を出すな」
二人を引き離した美丈夫。
テオドールがミレイユを抱擁していた。
「で、殿下……」
「間に合ってよかった。もう大丈夫だ」
彼はミレイユに微笑んだ後、ロゼールに鋭い視線を向けた。
どのような手を打っても目覚めなかった王が、唐突に目を覚ました。
もちろん王を目覚めさせた者にも注目が集まることになり……テオドールの手柄だと知れ渡り、さらなる衝撃を与えることになる。
そしてミレイユは国王に招かれ、向かい合う形で座っていた。
「改めて礼を言おう、ミレイユ・フォルジェよ。まさか難病のレクサリア病を治してしまうとは……」
「いえ……私だけの力ではありません。テオドール殿下や薬師の方々の協力もあって、結果としてレクサリア病の治療薬が開発できたのです」
「殊勝な心がけよ。だがテオドールから聞いたぞ。お主なくして、治療薬の開発には至らなかったと」
ミレイユは極度に緊張している。
相手は国王陛下だし、どう振る舞えばいいのかわからない。
テオドールとは距離感も近まり、緊張せずに話せるようになったのだが。
「わしが植物状態となり、体を動かせぬ合間にも意識はあった。お主とテオドールの話も……申し訳ないが聞かせてもらったぞ。あの子がずいぶんと世話になったようだ」
「私の方こそお世話になりました。私を導いてくださって、なんとお礼を申し上げればよいか」
「お主には褒美を取らせればいかんな。何が望みだ? 遠慮なく言ってみるがよい」
ミレイユは逡巡した。
別に自分に欲望がないわけじゃない。
魔法薬のお店を開くためのお金や、滅多に手に入らない薬草や書物……色々な物が欲しかった。
だが、様々な欲望を差し置いて。
彼女には願いがあった。
「テオドール殿下を……救ってさしあげてほしいのです」
「救う……? どういう意味だ?」
ミレイユは包み隠さず話した。
国王が病で寝込んで以来、テオドールが受けてきた仕打ちを。
離宮で隔離されて、城中の人々から除け者にされて、弟のネストレ王子からしきりに嫌がらせを受けていたことなど……すべてを。
国王の顔は驚愕に染まっていた。
だが、ミレイユの話を聞くにつれ落ち着きを取り戻し、どこか納得したような顔つきに変わっていった。
「寝込んでいる間、暗闇の中でテオドールに関する悪評を幾度も聞いた。だが違和感を抱いておったのだ。あの子は幼少期はとても優しく聡明な子で……噂されるような冷酷な王子ではないと。それに、あの子が一度もわしのもとへ見舞いにこなかった理由もうなずける」
今、この状況を変えられるとすれば。
それは目の前にいる国王陛下に他ならない。
ミレイユは一縷の希望に縋って頼み込んだ。
どうかテオドールを救ってほしい……と。
「この件については徹底的に調査するとしよう。紋章を持たずにあの子が生まれてきたとき、危惧した事態が現実になってしまっていたか。まったく、くだらない話だ……紋章の有無で優劣が決まるわけではないというのに」
「どうして……紋章がないだけで、そんなに冷遇されるのですか?」
「紋章は王家の血筋であるということを示すもの。だが、それは見栄を張るための悪習に過ぎん。そろそろこの悪しき習わしと真剣に向き合わねばな……テオドールのような被害者を二度と出さぬためにも」
「テオドール殿下は素晴らしいお方です。とても賢くて、強くて、努力家で。それなのに……あまりにも浮かばれません」
「子を救うのは父の役目だ。心配するな」
国王の瞳には強い決意が宿っている。
ミレイユにはただ王の言葉を信じる他なかった。
「此度の手柄を考え、ミレイユ……お主を王宮仕えの薬師として登用することも考えておる。あるいは……いや、今はよそう。後ほど仔細を伝えるゆえ、しばし待ってほしい」
「……! 承知しました。どうかテオドールのこと、よろしくお願いいたします」
◇◇◇◇
国王の目覚めから数日が経った。
ミレイユは協力してくれた薬師たちに結果を報告し、自宅で待機していた。
いつも通り猫になってテオドールのもとへ……とも考えたが、さすがに今は忙しいだろう。
久方ぶりに会った父との時間も邪魔したくないし、控えることにした。
「次の魔法薬は……犬になる薬? ううん、鳥の方が飛べて便利そうだなぁ……」
机には文字を書き散らした紙が散乱している。
彼女はさっそく次の魔法薬開発に向けて取りかかっているのだった。
「猫になる魔法薬の技術を転用して、鳥になる魔法薬も作れそうだけど。鳥になるとしたら……空の外敵から身を守る方法とか、そもそもどうやって飛んでるのかとか、考えることが多いなぁ」
夢中になって考えていると。
不意に家の扉を叩く音がした。
テオドールだとしたら猫に変身して窓から来るはずだが……いや、今は普通に離宮を抜け出せている可能性もある。
ミレイユは急いで玄関に向かった。
「はい……って、え……」
期待して扉を開けたのに。
そこに立っていたのは、最も会いたくない人物……元同僚のロゼールだった。
思いがけない人物の登場に、ミレイユの心は恐怖に染まる。
「おはようミレイユ。さあ、出勤の時間よ? 早く支度しなさい?」
「な、なんで……私はもう、」
「もう辞めたって? あのね、アンタみたいなクズを雇ってくれるのはウチだけなのよ? あたしがこうしてわざわざ来てやったんだから、待たせないでね?」
ロゼールは許可なく家に入り込み、ミレイユの髪を引っ張った。
思い出す。こうして暴力を受けていた日々を。
テオドールに救われて、もう無縁になったはずの過去が。
「い、痛い……引っ張らないで、ください……」
「やめてほしいなら、さっさとあたしと一緒に来なさい。酷い目に遭いたくないならね」
「わ、わかりました……」
逆らえばどんな目に遭うか。
ロゼールと母のシュゼットは、ミレイユに対して一切の容赦がない。
どうしていつもこうなんだろう。
テオドールと出会えて運命が変わったと思ったのに、また振り出し。
結局自分は何も変えられないのだろうか。
ミレイユは瞳から涙を流して俯いた。
ロゼールに手を引かれて家を出た、その瞬間。
不意に自分の体が引き寄せられた。
「俺の大切な人に手を出すな」
二人を引き離した美丈夫。
テオドールがミレイユを抱擁していた。
「で、殿下……」
「間に合ってよかった。もう大丈夫だ」
彼はミレイユに微笑んだ後、ロゼールに鋭い視線を向けた。
10
お気に入りに追加
207
あなたにおすすめの小説
従者は永遠(とわ)の誓いを立てる
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
グレイス=アフレイドは男爵家の一人娘で、もうすぐ十六歳。
傍にはいつも、小さい頃から仕えてくれていた、フレン=グリーティアという従者がいた。
グレイスは数年前から彼にほんのり恋心を覚えていた。
ある日グレイスは父から、伯爵家の次男・ダージル=オーランジュという人物と婚約を結ぶのだと告げられる。
突然の結婚の話にグレイスは戸惑い悩むが、フレンが「ひとつだけ変わらないことがある」「わたくしはいつでもお嬢様のお傍に」と誓ってくれる。
グレイスの心は恋心と婚約の間で揺れ動いて……。
【第三回 ビーズログ小説大賞】一次選考通過作品
エブリスタにて特集掲載

【完結】婚約破棄されたので田舎に引きこもったら、冷酷宰相に執着されました
21時完結
恋愛
王太子の婚約者だった侯爵令嬢エリシアは、突然婚約破棄を言い渡された。
理由は「平凡すぎて、未来の王妃には相応しくない」から。
(……ええ、そうでしょうね。私もそう思います)
王太子は社交的な女性が好みで、私はひたすら目立たないように生きてきた。
当然、愛されるはずもなく――むしろ、やっと自由になれたとホッとするくらい。
「王都なんてもう嫌。田舎に引きこもります!」
貴族社会とも縁を切り、静かに暮らそうと田舎の領地へ向かった。
だけど――
「こんなところに隠れるとは、随分と手こずらせてくれたな」
突然、冷酷無慈悲と噂される宰相レオンハルト公爵が目の前に現れた!?
彼は王国の実質的な支配者とも言われる、権力者中の権力者。
そんな人が、なぜか私に執着し、どこまでも追いかけてくる。
「……あの、何かご用でしょうか?」
「決まっている。お前を迎えに来た」
――え? どういうこと?
「王太子は無能だな。手放すべきではないものを、手放した」
「……?」
「だから、その代わりに 私がもらう ことにした」
(いや、意味がわかりません!!)
婚約破棄されて平穏に暮らすはずが、
なぜか 冷酷宰相に執着されて逃げられません!?

夫から「余計なことをするな」と言われたので、後は自力で頑張ってください
今川幸乃
恋愛
アスカム公爵家の跡継ぎ、ベンの元に嫁入りしたアンナは、アスカム公爵から「息子を助けてやって欲しい」と頼まれていた。幼いころから政務についての教育を受けていたアンナはベンの手が回らないことや失敗をサポートするために様々な手助けを行っていた。
しかしベンは自分が何か失敗するたびにそれをアンナのせいだと思い込み、ついに「余計なことをするな」とアンナに宣言する。
ベンは周りの人がアンナばかりを称賛することにコンプレックスを抱えており、だんだん彼女を疎ましく思ってきていた。そしてアンナと違って何もしないクラリスという令嬢を愛するようになっていく。
しかしこれまでアンナがしていたことが全部ベンに回ってくると、次第にベンは首が回らなくなってくる。
最初は「これは何かの間違えだ」と思うベンだったが、次第にアンナのありがたみに気づき始めるのだった。
一方のアンナは空いた時間を楽しんでいたが、そこである出会いをする。

不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
扇 レンナ
恋愛
スパダリ系執着王太子×愛を知らない純情令嬢――婚約破棄から始まる、極上の恋
伯爵令嬢テレジアは小さな頃から両親に《次期公爵閣下の婚約者》という価値しか見出してもらえなかった。
それでもその利用価値に縋っていたテレジアだが、努力も虚しく婚約破棄を突きつけられる。
途方に暮れるテレジアを助けたのは、留学中だったはずの王太子ラインヴァルト。彼は何故かテレジアに「好きだ」と告げて、熱烈に愛してくれる。
その真意が、テレジアにはわからなくて……。
*hotランキング 最高68位ありがとうございます♡
▼掲載先→ベリーズカフェ、エブリスタ、アルファポリス
【完】嫁き遅れの伯爵令嬢は逃げられ公爵に熱愛される
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
リリエラは母を亡くし弟の養育や領地の執務の手伝いをしていて貴族令嬢としての適齢期をやや逃してしまっていた。ところが弟の成人と婚約を機に家を追い出されることになり、住み込みの働き口を探していたところ教会のシスターから公爵との契約婚を勧められた。
お相手は公爵家当主となったばかりで、さらに彼は婚約者に立て続けに逃げられるといういわくつきの物件だったのだ。
少し辛辣なところがあるもののお人好しでお節介なリリエラに公爵も心惹かれていて……。
22.4.7女性向けホットランキングに入っておりました。ありがとうございます 22.4.9.9位,4.10.5位,4.11.3位,4.12.2位
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる