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王族の価値
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「……というわけでして。今はアントナンさんという方にお願いして、レクサリア病に関する文献を集めてもらっています」
ミレイユは現状をテオドールに報告しにきていた。
一応、進展はしている。
何も報告しないよりはマシだろう。
「想定していたよりも好調のようだな。貴様に託して正解だったようだ」
「ですが一朝一夕で達成できる目標ではありません。意外と事が大きくなっていて、アントナンさんの働きかけで他の薬師の方も協力してくださるとか。地道に実験を続けていきたいと思います」
「……まさかとは思うが、治療薬の開発が俺の頼みだということは誰にも言ってないだろうな?」
「ま、まさか! 内密にしております!」
冷たい視線で射貫かれ、ミレイユは必死に否定した。
仮に王子に頼まれたなんて言ったところで誰も信じないだろう。
普通は平民と王子につながりがあるなんて思われない。
「ならば良い。貴様が協力的な姿勢だとわかった以上、俺がレクサリア病の治療薬を求める理由を……」
そのとき。
テオドールが何かを感じ取ったかのように口を閉ざした。
彼は舌打ちして立ち上がる。
「チッ……不届き者が」
何も言い残すことはなく、苛立たし気に出て行ってしまった。
彼の突飛な行動にミレイユは困惑する。
慌ててテオドールの後を追う。
駆けた先、宮殿の入り口ではテオドールと官僚の服を着た男が向かい合っていた。
「ご機嫌麗しゅう、殿下。今日もお元気そうで何よりです」
「何の用だ」
「ネストレ殿下からのお手紙を預かりまして……」
官僚は懐から手紙を取り出し、恐るおそるテオドールに差し出した。
テオドールは手紙を一瞥した後、指先から炎を出して燃やしてしまう。
「くだらん。また嫌味しか書かれていないのだろう?」
「そ、そんなことは……」
「黙れ、今すぐに失せろ。俺は全て知っているのだ。封の内側に神経麻痺の毒が塗り込まれていることも、貴様がネストレに金をもらってここへ来たこともな」
「ひっ……!?」
「三度は言わん、失せろ。その命が惜しいのならな」
冷え切ったテオドールの声。
官僚は震える足を動かし、逃げるように去っていった。
そして今の一幕を見ていたミレイユもガタガタと震えている。
彼女が覗き見していたことなどとうに気がついていたのか、テオドールは振り返らずに声を発する。
「この離宮に来る連中は、大抵が第二王子ネストレの手先だ。俺に嫌がらせをすることしか考えていない」
彼はため息を吐きながら池の近くにある岩に腰を下ろした。
ミレイユはそっと歩みを進め、テオドールの隣に座る。
「そ、そうなんですね……仲が悪いのですか?」
「俺と仲の良い人間など城内に存在しない。王位継承権を持たぬがゆえに誰からも尊敬などされんし、弟たちからも見下されている」
何を言ってもテオドールの暗い事情に触れてしまいそうで。
ミレイユは口ごもっていた。
そんな状況に置かれたら、性格が荒れるのも仕方ないだろうと思ってしまう。
「で、でも……すごいですね。一瞬で手紙に毒が盛られていることとか、あの官僚が賄賂をもらっていることに気がついたんですよね?」
「いや……数刻前にすでに知っていた」
「えっ? どういうことですか?」
「俺はこの城内全域に魔力を巡らせている。城内で起こっている出来事ならば、大抵は知ることができるのだよ」
一瞬、彼の言っていることが信じられなかった。
数十秒もの間考えて、ようやくミレイユは彼の言っている意味を理解した。
「え……えぇっ!? このお城全域ですか!? それって……すごい魔力を持っているじゃないですか!」
「どうでもいい。いくら魔力があれど、学力や武力があれど……意味はない。能力ではなく紋章の有無で価値を決められるのが、この国の王族だからな。それに……城内のすべてを把握できるくらいの力がなければ、俺はとうの昔に毒で暗殺されていた。そうしなければ生き残れなかった」
進んで身につけた技能ではない。
敵しか周囲にいない環境で、必然的に身につけさせられた脅威の能力なのだ。
その事実を理解した瞬間、ミレイユは得も言われぬ哀切を覚えた。
「かわいそう、なんて安易な言葉をかけるのは無責任だと思いますが……日々、大変な思いをして生きているのですね」
「……かわいそうか。俺からしてみれば、この生き方が当たり前になっているからな。だが……昔は、幼少の砌は悔しかったのを覚えている。自分が無視され、居ない者のように扱われることが」
「小さいころ……ですか?」
「ああ。俺が幼いころ、まだ父上が健在だったころは……まともに王族としての待遇を受けていたんだ。父上が紋章を持たずに生まれた俺を気にかけ、配慮してくれていたからな。そして俺もまた父上の期待に応えるために、勉学、武術、魔術……すべてにおいて恥とならぬように努力していた。それでも官僚や使用人たちは弟たちだけを賞賛し、継承権を持たぬ俺を徹底的に無視した。それが悔しいと思う過去もあったのだ」
今は完全に諦めているがな、とテオドールは自嘲して笑った。
ミレイユは思う。
この人に少しでも居場所を作れたらいいと。
「その……もしかして、なんですが。レクサリア病の治療薬を求めているのは……国王陛下の病を治すために?」
「よくわかったな。父上はレクサリア病に罹り、今は目覚めることなく眠り続けておられる。ただひとり、俺を見てくれた父上に恩を返したい。だが、俺はこの離宮から出ることはできない」
「そこに現れたのが……私というわけですね」
「まさか都合よく薬師が現れるとはな」
最初に入ったのがこの離宮ではなかったら、テオドールと出会うことはなかったかもしれない。
ミレイユとしてはそれは嫌だ……と思う。
少し粗暴な人だが、心根は優しい。
それは猫として接しているときに知ったから。
「……! そうです、猫!」
「急に喚いてどうした。やかましい」
「殿下、私と一緒に街に出ましょう!」
そのときミレイユに天啓が降りてきた。
猫になれば、テオドールも外に出ることができる……と。
ミレイユは現状をテオドールに報告しにきていた。
一応、進展はしている。
何も報告しないよりはマシだろう。
「想定していたよりも好調のようだな。貴様に託して正解だったようだ」
「ですが一朝一夕で達成できる目標ではありません。意外と事が大きくなっていて、アントナンさんの働きかけで他の薬師の方も協力してくださるとか。地道に実験を続けていきたいと思います」
「……まさかとは思うが、治療薬の開発が俺の頼みだということは誰にも言ってないだろうな?」
「ま、まさか! 内密にしております!」
冷たい視線で射貫かれ、ミレイユは必死に否定した。
仮に王子に頼まれたなんて言ったところで誰も信じないだろう。
普通は平民と王子につながりがあるなんて思われない。
「ならば良い。貴様が協力的な姿勢だとわかった以上、俺がレクサリア病の治療薬を求める理由を……」
そのとき。
テオドールが何かを感じ取ったかのように口を閉ざした。
彼は舌打ちして立ち上がる。
「チッ……不届き者が」
何も言い残すことはなく、苛立たし気に出て行ってしまった。
彼の突飛な行動にミレイユは困惑する。
慌ててテオドールの後を追う。
駆けた先、宮殿の入り口ではテオドールと官僚の服を着た男が向かい合っていた。
「ご機嫌麗しゅう、殿下。今日もお元気そうで何よりです」
「何の用だ」
「ネストレ殿下からのお手紙を預かりまして……」
官僚は懐から手紙を取り出し、恐るおそるテオドールに差し出した。
テオドールは手紙を一瞥した後、指先から炎を出して燃やしてしまう。
「くだらん。また嫌味しか書かれていないのだろう?」
「そ、そんなことは……」
「黙れ、今すぐに失せろ。俺は全て知っているのだ。封の内側に神経麻痺の毒が塗り込まれていることも、貴様がネストレに金をもらってここへ来たこともな」
「ひっ……!?」
「三度は言わん、失せろ。その命が惜しいのならな」
冷え切ったテオドールの声。
官僚は震える足を動かし、逃げるように去っていった。
そして今の一幕を見ていたミレイユもガタガタと震えている。
彼女が覗き見していたことなどとうに気がついていたのか、テオドールは振り返らずに声を発する。
「この離宮に来る連中は、大抵が第二王子ネストレの手先だ。俺に嫌がらせをすることしか考えていない」
彼はため息を吐きながら池の近くにある岩に腰を下ろした。
ミレイユはそっと歩みを進め、テオドールの隣に座る。
「そ、そうなんですね……仲が悪いのですか?」
「俺と仲の良い人間など城内に存在しない。王位継承権を持たぬがゆえに誰からも尊敬などされんし、弟たちからも見下されている」
何を言ってもテオドールの暗い事情に触れてしまいそうで。
ミレイユは口ごもっていた。
そんな状況に置かれたら、性格が荒れるのも仕方ないだろうと思ってしまう。
「で、でも……すごいですね。一瞬で手紙に毒が盛られていることとか、あの官僚が賄賂をもらっていることに気がついたんですよね?」
「いや……数刻前にすでに知っていた」
「えっ? どういうことですか?」
「俺はこの城内全域に魔力を巡らせている。城内で起こっている出来事ならば、大抵は知ることができるのだよ」
一瞬、彼の言っていることが信じられなかった。
数十秒もの間考えて、ようやくミレイユは彼の言っている意味を理解した。
「え……えぇっ!? このお城全域ですか!? それって……すごい魔力を持っているじゃないですか!」
「どうでもいい。いくら魔力があれど、学力や武力があれど……意味はない。能力ではなく紋章の有無で価値を決められるのが、この国の王族だからな。それに……城内のすべてを把握できるくらいの力がなければ、俺はとうの昔に毒で暗殺されていた。そうしなければ生き残れなかった」
進んで身につけた技能ではない。
敵しか周囲にいない環境で、必然的に身につけさせられた脅威の能力なのだ。
その事実を理解した瞬間、ミレイユは得も言われぬ哀切を覚えた。
「かわいそう、なんて安易な言葉をかけるのは無責任だと思いますが……日々、大変な思いをして生きているのですね」
「……かわいそうか。俺からしてみれば、この生き方が当たり前になっているからな。だが……昔は、幼少の砌は悔しかったのを覚えている。自分が無視され、居ない者のように扱われることが」
「小さいころ……ですか?」
「ああ。俺が幼いころ、まだ父上が健在だったころは……まともに王族としての待遇を受けていたんだ。父上が紋章を持たずに生まれた俺を気にかけ、配慮してくれていたからな。そして俺もまた父上の期待に応えるために、勉学、武術、魔術……すべてにおいて恥とならぬように努力していた。それでも官僚や使用人たちは弟たちだけを賞賛し、継承権を持たぬ俺を徹底的に無視した。それが悔しいと思う過去もあったのだ」
今は完全に諦めているがな、とテオドールは自嘲して笑った。
ミレイユは思う。
この人に少しでも居場所を作れたらいいと。
「その……もしかして、なんですが。レクサリア病の治療薬を求めているのは……国王陛下の病を治すために?」
「よくわかったな。父上はレクサリア病に罹り、今は目覚めることなく眠り続けておられる。ただひとり、俺を見てくれた父上に恩を返したい。だが、俺はこの離宮から出ることはできない」
「そこに現れたのが……私というわけですね」
「まさか都合よく薬師が現れるとはな」
最初に入ったのがこの離宮ではなかったら、テオドールと出会うことはなかったかもしれない。
ミレイユとしてはそれは嫌だ……と思う。
少し粗暴な人だが、心根は優しい。
それは猫として接しているときに知ったから。
「……! そうです、猫!」
「急に喚いてどうした。やかましい」
「殿下、私と一緒に街に出ましょう!」
そのときミレイユに天啓が降りてきた。
猫になれば、テオドールも外に出ることができる……と。
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