20 / 31
私の心
しおりを挟む
その夜、私はリアさんのもとを訪れた。
実家からの使者がどんな話をしていたのかもう少し知りたかったし、何より非礼を謝罪するべきだと感じて。
「義姉上。眠れないのか?」
「ええ……そうですね。リアさんとお話ししたいこともあって」
「入ってくれ」
促されるまま部屋に入る。
リアさんの部屋は小綺麗に整えられていた。
几帳面な性格がうかがえる。
窓は開け放たれていて、涼やかな夜風が吹き込んでくる。
机の上に置かれているのは領地経営に関する書類だろうか。
リアさんは書類を片づけてお茶を淹れてくれた。
「ありがとうございます」
「スリタール子爵家からの使者に関する話だろうか。答えられる範囲でよければ答えよう」
「お見通しなんですね……その、当家の使者が大変な失礼を。申し訳ありません……」
「アレは義姉上ではなく、ドリカ嬢の使いだ。謝罪するべきはドリカ嬢だろう。あなたが頭を下げる必要はない」
そう言われても、責任を感じてしまう。
実家の使用人たちの礼節のなさは知っているから、どれだけ無礼だったのかは容易に想像できる。
「使者が変なことを……言っていませんでしたか?」
「変なことしか言っていなかった。だが、一般的感性を逸脱した者というのは普遍的に存在する。特に不快感は抱いていない。珍獣を見た気分だった」
ち、珍獣……どの使用人が来たのか知らないけど、なんとなく想像できる。
お姉様の命令を聞いて来たということは……パウラあたりだろうか。
「エルヴィスとは何をお話していたのですか?」
「スリタール子爵は、近いうちに大公閣下に対して夫人とドリカ嬢との離縁を公表するという。ドリカ嬢と血のつながりはなく、夫人が浮気して身ごもった子だという事実とともに。私と兄上も、その夜会に参列することとなった」
「……!」
話を聞く限り、お父様はよほど急いでいるらしい。
このまま放置していたらお母様とお姉様が悪評を流布し続けて、アリフォメン侯爵家に迷惑がかかるかもしれないし。
それに……財政もどんどん苦しくなっている。
お父様としては一刻も早く片をつけたいのだろう。
「わ、私も……その夜会に参加することはできますか?」
「スリタール子爵は、義姉上に離縁する場面など見せたくないと語っていた。しかし肝要なのは義姉上自身の心だろう。スリタール子爵家の一員として顛末を見届けたいのであれば、私たちにそれを拒む権利はない。エルヴィス・アリフォメンの妻として夜会に参加することも認めようと……少なくとも兄上とはそう話し合っている」
私自身の……心。
私は自分の実家の問題と向き合いたい。
これまではお母様とお姉様にいじめられて、目を背けていたけど。
今は一緒にいてくれる、支えてくれる人たちがいるから。
「私は……エルヴィス・アリフォメンの妻として、どんな壁も乗り越えていきたいです。目を逸らさずに、立派な侯爵夫人として育ちたい。これはそのための一歩だと思うのです。だから……私も一緒に行かせてください」
はっきりと自分の意思を伝える。
瞬間、リアさんはふっと笑った。
「やはり、あなたは当家に必要な人だ。義姉上にならば……兄上を任せてもいいだろうか。あの人が立派に、自分の足で立てるように……」
「リアさんはエルヴィスに侯爵として自立してほしいんですよね? なにか理由があるのですか?」
それはもちろん、侯爵の位に就いているエルヴィスが仕事をするべきだろう。
しかしリアさんが領地経営をしていても、取り立てて不都合があるわけでもない。
エルヴィスの言うとおり……リアさんと従弟の子爵さんが領地を管理していた方が、民も幸福に暮らせるかもしれないのだ。
リアさんは立ち上がり、窓の外から夜空を見上げた。
「……私はみなの幸せを願っている」
「幸せを……?」
「陳腐に聞こえるかな。だが、私の友人や家族が悲しむ姿を、苦しむ姿を見たくはないんだ。兄上は……このままではずっと過去に囚われて、一生を終えるだろう」
エルヴィスの過去。
それは……幾重にも重なった悲劇が形作っている。
私も漠然とした話しか聞いていない。
それでも彼が塞ぎ込むには十分すぎる過去だと知っていた。
「己が足で立ち、幸福な未来を迎えよ。何ひとつ切り捨てることなく、望んだ結末へ至れ――これが私の淵源である。私は目的のための踏み台、犠牲で構わない」
……難しい。
私に人の生き方をとやかく言う権利はないけど。
エルヴィスも、リアさんも……なんだか窮屈な生き方をしている、気がする。
私自身もきっとそうだった。
少なくともここに嫁いでくるまでは。
「悩みがあるなら相談に乗りますよ。私に話しても解決しないかもですけど、話せば気が楽になるかもしれません!」
「……いや、悩みはない。しかし……そうだね。私の将来について、義姉上には伝えておこう。これはまだ兄上にも話していないことだが」
リアさんは窓際を離れ、再び向かいの席についた。
そしていきなり切り出す。
「私は侯爵家を出ようと思う」
「……え? 出るって……」
「そのままの意味だ。ゆくゆくは侯爵家を発ち、世界を己が目で見て回るつもりだ。そのためには兄に自立してもらわなければならない」
自分から望んで侯爵家を出るなんて。
すごくもったいない気がする……けど、それが『リアさんの心』なのだ。
彼女が私の心を尊重してくれたように、私も尊重するべきだと思う。
「――わかりました。この話、誰にも話さないでおきます。だから……私、エルヴィスが立派な侯爵様になれるように尽くしますね!」
私がリアさんの意思を引き継ごう。
そして……エルヴィスの心の支えになろう。
そう固く決意した。
実家からの使者がどんな話をしていたのかもう少し知りたかったし、何より非礼を謝罪するべきだと感じて。
「義姉上。眠れないのか?」
「ええ……そうですね。リアさんとお話ししたいこともあって」
「入ってくれ」
促されるまま部屋に入る。
リアさんの部屋は小綺麗に整えられていた。
几帳面な性格がうかがえる。
窓は開け放たれていて、涼やかな夜風が吹き込んでくる。
机の上に置かれているのは領地経営に関する書類だろうか。
リアさんは書類を片づけてお茶を淹れてくれた。
「ありがとうございます」
「スリタール子爵家からの使者に関する話だろうか。答えられる範囲でよければ答えよう」
「お見通しなんですね……その、当家の使者が大変な失礼を。申し訳ありません……」
「アレは義姉上ではなく、ドリカ嬢の使いだ。謝罪するべきはドリカ嬢だろう。あなたが頭を下げる必要はない」
そう言われても、責任を感じてしまう。
実家の使用人たちの礼節のなさは知っているから、どれだけ無礼だったのかは容易に想像できる。
「使者が変なことを……言っていませんでしたか?」
「変なことしか言っていなかった。だが、一般的感性を逸脱した者というのは普遍的に存在する。特に不快感は抱いていない。珍獣を見た気分だった」
ち、珍獣……どの使用人が来たのか知らないけど、なんとなく想像できる。
お姉様の命令を聞いて来たということは……パウラあたりだろうか。
「エルヴィスとは何をお話していたのですか?」
「スリタール子爵は、近いうちに大公閣下に対して夫人とドリカ嬢との離縁を公表するという。ドリカ嬢と血のつながりはなく、夫人が浮気して身ごもった子だという事実とともに。私と兄上も、その夜会に参列することとなった」
「……!」
話を聞く限り、お父様はよほど急いでいるらしい。
このまま放置していたらお母様とお姉様が悪評を流布し続けて、アリフォメン侯爵家に迷惑がかかるかもしれないし。
それに……財政もどんどん苦しくなっている。
お父様としては一刻も早く片をつけたいのだろう。
「わ、私も……その夜会に参加することはできますか?」
「スリタール子爵は、義姉上に離縁する場面など見せたくないと語っていた。しかし肝要なのは義姉上自身の心だろう。スリタール子爵家の一員として顛末を見届けたいのであれば、私たちにそれを拒む権利はない。エルヴィス・アリフォメンの妻として夜会に参加することも認めようと……少なくとも兄上とはそう話し合っている」
私自身の……心。
私は自分の実家の問題と向き合いたい。
これまではお母様とお姉様にいじめられて、目を背けていたけど。
今は一緒にいてくれる、支えてくれる人たちがいるから。
「私は……エルヴィス・アリフォメンの妻として、どんな壁も乗り越えていきたいです。目を逸らさずに、立派な侯爵夫人として育ちたい。これはそのための一歩だと思うのです。だから……私も一緒に行かせてください」
はっきりと自分の意思を伝える。
瞬間、リアさんはふっと笑った。
「やはり、あなたは当家に必要な人だ。義姉上にならば……兄上を任せてもいいだろうか。あの人が立派に、自分の足で立てるように……」
「リアさんはエルヴィスに侯爵として自立してほしいんですよね? なにか理由があるのですか?」
それはもちろん、侯爵の位に就いているエルヴィスが仕事をするべきだろう。
しかしリアさんが領地経営をしていても、取り立てて不都合があるわけでもない。
エルヴィスの言うとおり……リアさんと従弟の子爵さんが領地を管理していた方が、民も幸福に暮らせるかもしれないのだ。
リアさんは立ち上がり、窓の外から夜空を見上げた。
「……私はみなの幸せを願っている」
「幸せを……?」
「陳腐に聞こえるかな。だが、私の友人や家族が悲しむ姿を、苦しむ姿を見たくはないんだ。兄上は……このままではずっと過去に囚われて、一生を終えるだろう」
エルヴィスの過去。
それは……幾重にも重なった悲劇が形作っている。
私も漠然とした話しか聞いていない。
それでも彼が塞ぎ込むには十分すぎる過去だと知っていた。
「己が足で立ち、幸福な未来を迎えよ。何ひとつ切り捨てることなく、望んだ結末へ至れ――これが私の淵源である。私は目的のための踏み台、犠牲で構わない」
……難しい。
私に人の生き方をとやかく言う権利はないけど。
エルヴィスも、リアさんも……なんだか窮屈な生き方をしている、気がする。
私自身もきっとそうだった。
少なくともここに嫁いでくるまでは。
「悩みがあるなら相談に乗りますよ。私に話しても解決しないかもですけど、話せば気が楽になるかもしれません!」
「……いや、悩みはない。しかし……そうだね。私の将来について、義姉上には伝えておこう。これはまだ兄上にも話していないことだが」
リアさんは窓際を離れ、再び向かいの席についた。
そしていきなり切り出す。
「私は侯爵家を出ようと思う」
「……え? 出るって……」
「そのままの意味だ。ゆくゆくは侯爵家を発ち、世界を己が目で見て回るつもりだ。そのためには兄に自立してもらわなければならない」
自分から望んで侯爵家を出るなんて。
すごくもったいない気がする……けど、それが『リアさんの心』なのだ。
彼女が私の心を尊重してくれたように、私も尊重するべきだと思う。
「――わかりました。この話、誰にも話さないでおきます。だから……私、エルヴィスが立派な侯爵様になれるように尽くしますね!」
私がリアさんの意思を引き継ごう。
そして……エルヴィスの心の支えになろう。
そう固く決意した。
33
お気に入りに追加
1,315
あなたにおすすめの小説
【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!
りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。
食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。
だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。
食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。
パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。
そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。
王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。
そんなの自分でしろ!!!!!
【完結】私、四女なんですけど…?〜四女ってもう少しお気楽だと思ったのに〜
まりぃべる
恋愛
ルジェナ=カフリークは、上に三人の姉と、弟がいる十六歳の女の子。
ルジェナが小さな頃は、三人の姉に囲まれて好きな事を好きな時に好きなだけ学んでいた。
父ヘルベルト伯爵も母アレンカ伯爵夫人も、そんな好奇心旺盛なルジェナに甘く好きな事を好きなようにさせ、良く言えば自主性を尊重させていた。
それが、成長し、上の姉達が思わぬ結婚などで家から出て行くと、ルジェナはだんだんとこの家の行く末が心配となってくる。
両親は、貴族ではあるが貴族らしくなく領地で育てているブドウの事しか考えていないように見える為、ルジェナはこのカフリーク家の未来をどうにかしなければ、と思い立ち年頃の男女の交流会に出席する事を決める。
そして、そこで皆のルジェナを想う気持ちも相まって、無事に幸せを見つける。
そんなお話。
☆まりぃべるの世界観です。現実とは似ていても違う世界です。
☆現実世界と似たような名前、土地などありますが現実世界とは関係ありません。
☆現実世界でも使うような単語や言葉を使っていますが、現実世界とは違う場合もあります。
楽しんでいただけると幸いです。
【本編完結】魔力無し令嬢ルルティーナの幸せ辺境生活
花房いちご
恋愛
あらすじ
「この魔力無しのクズが!」
ルルティーナ・アンブローズはポーション職人です。
治癒魔法の名家であるアンブローズ侯爵家の次女でしたが、魔力が無いために産まれた時から虐待され、ポーション職人になることを強要されました。
特に激しい暴力を振るうのは、長女のララベーラです。ララベーラは治癒魔法の使い手ですが、非常に残酷な性格をしています。
魔力無しのルルティーナを見下し、ポーションを治癒魔法に劣ると馬鹿にしていました。
悲惨な環境にいたルルティーナですが、全ては自分が魔力無しだからと耐えていました。
誰のことも恨まず、一生懸命ポーションを作り続けました。
「薬の女神様にお祈り申し上げます。どうか、このポーションを飲む方を少しでも癒せますように」
そんなある日。ルルティーナは、ララベーラの代わりに辺境に行くよう命じられます。
それは、辺境騎士団団長アドリアン・ベルダール伯爵。通称「惨殺伯爵」からの要請でした。
ルルティーナは、魔獣から国を守ってくれている辺境騎士団のために旅立ちます。
そして、人生が大きく変わるのでした。
あらすじ、タイトルは途中で変えるかもしれません。女性に対する差別的な表現や、暴力的な描写があるためR15にしています。
2024/03/01。13話くらいまでの登場人物紹介更新しました。
半月後に死ぬと告げられたので、今まで苦しんだ分残りの人生は幸せになります!
八代奏多
恋愛
侯爵令嬢のレティシアは恵まれていなかった。
両親には忌み子と言われ冷遇され、婚約者は浮気相手に夢中。
そしてトドメに、夢の中で「半月後に死ぬ」と余命宣告に等しい天啓を受けてしまう。
そんな状況でも、せめて最後くらいは幸せでいようと、レティシアは努力を辞めなかった。
すると不思議なことに、状況も運命も変わっていく。
そしてある時、冷徹と有名だけど優しい王子様に甘い言葉を囁かれるようになっていた。
それを知った両親が慌てて今までの扱いを謝るも、レティシアは許す気がなくて……。
恵まれない令嬢が運命を変え、幸せになるお話。
※「小説家になろう」「カクヨム」でも公開しております。
【完結】両親が亡くなったら、婚約破棄されて追放されました。他国に亡命します。
西東友一
恋愛
両親が亡くなった途端、私の家の資産を奪った挙句、婚約破棄をしたエドワード王子。
路頭に迷う中、以前から懇意にしていた隣国のリチャード王子に拾われた私。
実はリチャード王子は私のことが好きだったらしく―――
※※
皆様に助けられ、応援され、読んでいただき、令和3年7月17日に完結することができました。
本当にありがとうございました。
悪役令嬢に転生したら病気で寝たきりだった⁉︎完治したあとは、婚約者と一緒に村を復興します!
Y.Itoda
恋愛
目を覚ましたら、悪役令嬢だった。
転生前も寝たきりだったのに。
次から次へと聞かされる、かつての自分が犯した数々の悪事。受け止めきれなかった。
でも、そんなセリーナを見捨てなかった婚約者ライオネル。
何でも治癒できるという、魔法を探しに海底遺跡へと。
病気を克服した後は、二人で街の復興に尽力する。
過去を克服し、二人の行く末は?
ハッピーエンド、結婚へ!
虐待され続けた公爵令嬢は身代わり花嫁にされました。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
カチュアは返事しなかった。
いや、返事することができなかった。
下手に返事すれば、歯や鼻の骨が折れるほどなぐられるのだ。
その表現も正しくはない。
返事をしなくて殴られる。
何をどうしようと、何もしなくても、殴る蹴るの暴行を受けるのだ。
マクリンナット公爵家の長女カチュアは、両親から激しい虐待を受けて育った。
とは言っても、母親は血のつながった実の母親ではない。
今の母親は後妻で、公爵ルイスを誑かし、カチュアの実母ミレーナを毒殺して、公爵夫人の座を手に入れていた。
そんな極悪非道なネーラが後妻に入って、カチュアが殺されずにすんでいるのは、ネーラの加虐心を満たすためだけだった。
食事を与えずに餓えで苛み、使用人以下の乞食のような服しか与えずに使用人と共に嘲笑い、躾という言い訳の元に死ぬ直前まで暴行を繰り返していた。
王宮などに連れて行かなければいけない場合だけ、治癒魔法で体裁を整え、屋敷に戻ればまた死の直前まで暴行を加えていた。
無限地獄のような生活が、ネーラが後妻に入ってから続いていた。
何度か自殺を図ったが、死ぬことも許されなかった。
そんな虐待を、実の父親であるマクリンナット公爵ルイスは、酒を飲みながらニタニタと笑いながら見ていた。
だがそんあ生き地獄も終わるときがやってきた。
マクリンナット公爵家どころか、リングストン王国全体を圧迫する獣人の強国ウィントン大公国が、リングストン王国一の美女マクリンナット公爵令嬢アメリアを嫁によこせと言ってきたのだ。
だが極悪非道なネーラが、そのような条件を受け入れるはずがなかった。
カチュアとは真逆に、舐めるように可愛がり、好き勝手我儘放題に育てた、ネーラそっくりの極悪非道に育った実の娘、アメリアを手放すはずがなかったのだ。
ネーラはカチュアを身代わりに送り込むことにした。
絶対にカチュアであることを明かせないように、いや、何のしゃべれないように、舌を切り取ってしまったのだ。
継母や義妹に家事を押し付けられていた灰被り令嬢は、嫁ぎ先では感謝されました
今川幸乃
恋愛
貧乏貴族ローウェル男爵家の娘キャロルは父親の継母エイダと、彼女が連れてきた連れ子のジェーン、使用人のハンナに嫌がらせされ、仕事を押し付けられる日々を送っていた。
そんなある日、キャロルはローウェル家よりもさらに貧乏と噂のアーノルド家に嫁に出されてしまう。
しかし婚約相手のブラッドは家は貧しいものの、優しい性格で才気に溢れていた。
また、アーノルド家の人々は家事万能で文句ひとつ言わずに家事を手伝うキャロルに感謝するのだった。
一方、キャロルがいなくなった後のローウェル家は家事が終わらずに滅茶苦茶になっていくのであった。
※4/20 完結していたのに完結をつけ忘れてましたので完結にしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる