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第2章 入学
人の本質
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ヴェルナーが去った三階の食堂で、ノーラはペートルスから歓待を受けていた。
目の前ではペートルスが手ずから淹れてくれた紅茶が湯気を立てている。
「ごめんね。ヴェルナーは悪い人ではないんだけど、価値観が独特なんだ。そこで昼寝してる彼……マインラートは差別主義者だから、君とは話したくないみたいだね」
「おいおい、待てって。ペー様……俺は何も差別してるわけじゃない。純粋に身分にはそれぞれの役割があって、交わるべきじゃないって思想だろうよ。差別じゃなくて区別ね」
寝息を立てながらも話を聞いていたのか、マインラートは身を起こして異を唱える。
胸元に巻いた派手な赤スカーフを弄びながら、彼はノーラを冷めた視線で見た。
「その子、平民なんだろ? それなら貴族とは交流すべきじゃない。俺たちには青い血が、平民には赤い血が流れているんだ。別の生き物だから知能も違うし、言葉も通じないよな?」
「……うん、こういうわけだから。マインラートに話しかけたら怒られると思う」
「は、はいっ! あの差別主義者には絶対に話しかけないように気をつけます!」
「あーほら、やっぱり平民は言葉が汚ねぇや」
ノーラが本当は伯爵令嬢だと知ったら、マインラートはどういう反応をするのだろうか。
とりあえずマインラートは好かない性格だ。
ペートルスの言いつけどおり、不用意には近づかない方がいいかもしれない。
露骨に意地を張り合った会話をしているのに、まるで両者の間に険悪な雰囲気はない。
ノーラもマインラートも、互いを敵として見なしていないからだ。
互いに空気のようなものと認識しておけば、角が立つこともないだろう。
そのとき、ペートルスに窘められてからずっと黙っていたフリッツが口を開く。
一連の話を聞いていた彼は、小首を傾げて尋ねた。
「先程から会話をお伺いしていると……ペートルス卿とピルット嬢はお知り合いで?」
「うん。同じ屋根の下で過ごした仲だよ」
「!? ペ、ペートルス卿にもそういう御趣味があったのですね……まったく女気のない貴方が、まさか平民を囲うとは……」
フリッツの理知的な青い瞳が細められる。
彼は動揺を隠せない様子で側頭部を指で押さえた。
慌ててノーラが否定しようとすると、部屋の奥から響いたのはくつくつとした笑い声。
「ははっ。相変らずフリッツは頭が固いな。ペー様が女遊びとか天地がひっくり返ってもあり得ねえよ。アレだろ、その子は吟遊詩人だったらしいから、それ関係だろ? 屋敷に泊まらせて歌を聞かせてもらったとか、そういう言葉の綾だろうよ」
「そ、そうです! わたしはペートルス様と変な関係ではありません!」
「全力で否定するんだね。ノーラはそんなに僕が嫌い?」
「い、いや、嫌いではないですけど……あの、あの、」
いじわるな声色でペートルスに尋ねられてノーラは目を回す。
彼との会話は、とにかくどう答えたらいいのかわからない場面が多すぎる。
これはノーラの対人能力が低すぎるからなのか、それともペートルスが特殊なのか。
「ペートルス卿。ピルット嬢が困っています」
「知ってるよ。まあ、悪ふざけはここら辺にしておいて……ノーラ、時間割はもうもらった?」
「時間割ですか? まだもらってないです」
「クラスNの講義は二日間。講義と言っても、午前中だけで終わる部活みたいなものだけどね。その前の三日間は普通のクラスで講義を受けることになってる。クラスNの教室の場所はわかる?」
「わかんないけど……地図を見ればたぶん大丈夫です。あと二日講義を受けたら、その次の日は別の教室に行くってことですよね?」
「そう。講義の内容でわからない点があったら、いつでも僕に聞いてくれ。クラスNに在籍していると予習と復習が大変だから。あ、フリッツを頼ってもいいよ」
「ええ、頼りにしてください。こう見えて二年生では首席ですから」
頼もしい返事だ。
上級生のペートルスとフリッツが勉強を教えてくれるのなら、試験などで躓くことはないだろう。
……もっとも、ノーラがよほどの無能でなければの話だが。
「あとは……そうだね。君と同じく、クラスNの新入生の子がいる。入学式で新入生代表の式辞を述べていた子なんだけど……覚えてるかな」
「えっと……覚えてないですね。半分くらい寝てました」
「エルメンヒルデ・レビュティアーベというご令嬢だ。僕も面識はないんだが……目立つ桃色の髪の女子生徒だから、見かけたら話しかけてみるといい。でも見ず知らずの人に話しかけるのは、ノーラには難しいかな」
「よくおわかりですね。それらしき人を見かけても、たぶんわたしから声をかけることはないです。無理です」
「そっか。それじゃあ、僕からレディ・エルメンヒルデに会って伝えておこう。『右目に眼帯をつけている青髪の子がいたら話しかけてあげてほしい』と」
それもそれで困るのだが。
自分から話しかけても、相手から話しかけられても同じこと。
入学するまでの期間で必死に対人を鍛えてきたつもりだが、やはり彼女は変わらない。
「ペー様、もういいだろ。俺はこの後、女の子と会う予定があるんだ。失礼するぜ」
マインラートは気だるげに去っていく。
彼に続くようにフリッツも席を立った。
「私も私用のため失礼します。ペートルス卿、ピルット嬢。また後日」
ぺこりと頭を下げて、ノーラは二人を見送った。
この人たちとうまく付き合っていける自信がない。
フリッツはまだマシな方、マインラートとヴェルナーに至っては会話すら成立しそうになく。
ペートルスは話しやすい部類の殿方だったのだと、改めてノーラは認識する。
「……みんな、悪い人じゃないんだ。今は交流するのに壁を感じるかもしれない。だが、できるだけ彼らの本質を見てあげてくれ」
「わ……わかりました。だいたい人付き合いってそういうものですよね。最初の印象がどんどん変わって、その人の本質を理解していくんです。……まあ、わたしにまともな人付き合いの経験はないんですけど」
ノーラが自嘲気味に言うと、ペートルスは静かに笑った。
「僕の印象はどう? 初めて会った半年前から変わった?」
「えと……あんまり、というかまったく。ペートルス様はすげー仮面が厚いと思います」
「そうか、それならよかった。僕の振る舞いが素ではなく仮面だとバレてるあたり……ノーラは意外と観察眼に優れているのかもしれないね」
どう言葉を返せばいいのかわからなかった。
少なくともノーラは、ペートルスのことをもっと知りたいと……そう思っているけれど。
まだ彼の本質に踏み込むには覚悟が足りていないのかもしれない。
目の前ではペートルスが手ずから淹れてくれた紅茶が湯気を立てている。
「ごめんね。ヴェルナーは悪い人ではないんだけど、価値観が独特なんだ。そこで昼寝してる彼……マインラートは差別主義者だから、君とは話したくないみたいだね」
「おいおい、待てって。ペー様……俺は何も差別してるわけじゃない。純粋に身分にはそれぞれの役割があって、交わるべきじゃないって思想だろうよ。差別じゃなくて区別ね」
寝息を立てながらも話を聞いていたのか、マインラートは身を起こして異を唱える。
胸元に巻いた派手な赤スカーフを弄びながら、彼はノーラを冷めた視線で見た。
「その子、平民なんだろ? それなら貴族とは交流すべきじゃない。俺たちには青い血が、平民には赤い血が流れているんだ。別の生き物だから知能も違うし、言葉も通じないよな?」
「……うん、こういうわけだから。マインラートに話しかけたら怒られると思う」
「は、はいっ! あの差別主義者には絶対に話しかけないように気をつけます!」
「あーほら、やっぱり平民は言葉が汚ねぇや」
ノーラが本当は伯爵令嬢だと知ったら、マインラートはどういう反応をするのだろうか。
とりあえずマインラートは好かない性格だ。
ペートルスの言いつけどおり、不用意には近づかない方がいいかもしれない。
露骨に意地を張り合った会話をしているのに、まるで両者の間に険悪な雰囲気はない。
ノーラもマインラートも、互いを敵として見なしていないからだ。
互いに空気のようなものと認識しておけば、角が立つこともないだろう。
そのとき、ペートルスに窘められてからずっと黙っていたフリッツが口を開く。
一連の話を聞いていた彼は、小首を傾げて尋ねた。
「先程から会話をお伺いしていると……ペートルス卿とピルット嬢はお知り合いで?」
「うん。同じ屋根の下で過ごした仲だよ」
「!? ペ、ペートルス卿にもそういう御趣味があったのですね……まったく女気のない貴方が、まさか平民を囲うとは……」
フリッツの理知的な青い瞳が細められる。
彼は動揺を隠せない様子で側頭部を指で押さえた。
慌ててノーラが否定しようとすると、部屋の奥から響いたのはくつくつとした笑い声。
「ははっ。相変らずフリッツは頭が固いな。ペー様が女遊びとか天地がひっくり返ってもあり得ねえよ。アレだろ、その子は吟遊詩人だったらしいから、それ関係だろ? 屋敷に泊まらせて歌を聞かせてもらったとか、そういう言葉の綾だろうよ」
「そ、そうです! わたしはペートルス様と変な関係ではありません!」
「全力で否定するんだね。ノーラはそんなに僕が嫌い?」
「い、いや、嫌いではないですけど……あの、あの、」
いじわるな声色でペートルスに尋ねられてノーラは目を回す。
彼との会話は、とにかくどう答えたらいいのかわからない場面が多すぎる。
これはノーラの対人能力が低すぎるからなのか、それともペートルスが特殊なのか。
「ペートルス卿。ピルット嬢が困っています」
「知ってるよ。まあ、悪ふざけはここら辺にしておいて……ノーラ、時間割はもうもらった?」
「時間割ですか? まだもらってないです」
「クラスNの講義は二日間。講義と言っても、午前中だけで終わる部活みたいなものだけどね。その前の三日間は普通のクラスで講義を受けることになってる。クラスNの教室の場所はわかる?」
「わかんないけど……地図を見ればたぶん大丈夫です。あと二日講義を受けたら、その次の日は別の教室に行くってことですよね?」
「そう。講義の内容でわからない点があったら、いつでも僕に聞いてくれ。クラスNに在籍していると予習と復習が大変だから。あ、フリッツを頼ってもいいよ」
「ええ、頼りにしてください。こう見えて二年生では首席ですから」
頼もしい返事だ。
上級生のペートルスとフリッツが勉強を教えてくれるのなら、試験などで躓くことはないだろう。
……もっとも、ノーラがよほどの無能でなければの話だが。
「あとは……そうだね。君と同じく、クラスNの新入生の子がいる。入学式で新入生代表の式辞を述べていた子なんだけど……覚えてるかな」
「えっと……覚えてないですね。半分くらい寝てました」
「エルメンヒルデ・レビュティアーベというご令嬢だ。僕も面識はないんだが……目立つ桃色の髪の女子生徒だから、見かけたら話しかけてみるといい。でも見ず知らずの人に話しかけるのは、ノーラには難しいかな」
「よくおわかりですね。それらしき人を見かけても、たぶんわたしから声をかけることはないです。無理です」
「そっか。それじゃあ、僕からレディ・エルメンヒルデに会って伝えておこう。『右目に眼帯をつけている青髪の子がいたら話しかけてあげてほしい』と」
それもそれで困るのだが。
自分から話しかけても、相手から話しかけられても同じこと。
入学するまでの期間で必死に対人を鍛えてきたつもりだが、やはり彼女は変わらない。
「ペー様、もういいだろ。俺はこの後、女の子と会う予定があるんだ。失礼するぜ」
マインラートは気だるげに去っていく。
彼に続くようにフリッツも席を立った。
「私も私用のため失礼します。ペートルス卿、ピルット嬢。また後日」
ぺこりと頭を下げて、ノーラは二人を見送った。
この人たちとうまく付き合っていける自信がない。
フリッツはまだマシな方、マインラートとヴェルナーに至っては会話すら成立しそうになく。
ペートルスは話しやすい部類の殿方だったのだと、改めてノーラは認識する。
「……みんな、悪い人じゃないんだ。今は交流するのに壁を感じるかもしれない。だが、できるだけ彼らの本質を見てあげてくれ」
「わ……わかりました。だいたい人付き合いってそういうものですよね。最初の印象がどんどん変わって、その人の本質を理解していくんです。……まあ、わたしにまともな人付き合いの経験はないんですけど」
ノーラが自嘲気味に言うと、ペートルスは静かに笑った。
「僕の印象はどう? 初めて会った半年前から変わった?」
「えと……あんまり、というかまったく。ペートルス様はすげー仮面が厚いと思います」
「そうか、それならよかった。僕の振る舞いが素ではなく仮面だとバレてるあたり……ノーラは意外と観察眼に優れているのかもしれないね」
どう言葉を返せばいいのかわからなかった。
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