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第七話
父親の真実
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私達姉妹と祖母は前より田舎の街に引っ越した。
そこは、私は意外に好きな街だった。
家を出ると一面田んぼだらけ、雪が降る時は朝外に出ると運動場ほどのひらけた土地一面キラキラひかる白い絨毯が広がっている。
私は人に踏みつけられる前の、綺麗な雪が好きだった。
踏まれていない雪は、誰にも知られていないような感じに思えて、朝早く白く染まった街を見ると、宝物の第一発見者になった気分で爽快な気分になる。
(昼には踏みつけられ見るも無惨な真っ黒く汚くなるけど)
学校は夏は裸足で生活をする習慣があり、クラスも今までと違い2クラスしかない小さい学校・・・丁度いい感じが好きだった・・・
私は転校も多かったから、新しい学校にはすぐに慣れた。
母親は相変わらず気が向いた時に来てはお金を置いていく。
前と少し違うのは、この頃義父と母親は私達の引っ越しと同時期に二階が住居になったお好み焼き屋の経営を始めていて、そこで二人で働いていた。
子供の頃は一緒に暮らしていなかったからか、気づかなかったけど、義父は結構仕事が続かない人だったんだと思う。
母親と義父は一緒に経営しだしてから喧嘩を頻繁にしていた。
義父は機嫌が悪いと住居の二階に引きこもり仕事をしない・・・
私は学校が終わると、時々店を手伝った。
機嫌の悪い義父にバタバタ営業している中でつまみを作り二階へ運ぶ。
義父は日に日に仕事をサボるようになっていた。
お好み焼き屋の手伝いも慣れてきた頃、いつものように店の掃除をしていた私に母親は突然
「お父さんの弟さんから連絡があって、お父さんがボケたから引き取ってほしいみたい」
どうやって連絡を取る事になったか、なぜ今更連絡を取ったのかは分からないけど、父親は家族に迷惑をかけているんだろう・・・
母親は面倒をみるつもりは、全くないけど、ほんの小話のつもりで私に話した。
私は心のどこかで、見捨てていった父親が幸せになってくれてると、必死で思おうとしていたのに・・・
父親の話を小馬鹿にするようにザマアミロと言わんばかりの顔で話す・・・
(お父さん煙たがられてるんだ・・・幸せなんかじゃなかったんだ・・・もしかしたらあの時からずっと辛い思いをしていたのかもしれない)
「さっちゃんはお父さんに好かれてなかったか嫌いだったでしょ?だから平気よね?でもお姉ちゃんはお父さんこでお父さんも溺愛していたからお姉ちゃんには内緒よ。悲しがるから・・・」
そう私はなぜか父親にあまり可愛がられてはいなかった。
母親は私が幼い頃から私の前で
「さちゃんはどうしてお父さんに嫌われてるんだろうね。遊び連れていくのもいつもお姉ちゃんだし」
と言われていたからずっと前から気づいていた。
でも私にはお父さん・・・あまり構ってくれてないお父さんが私のお父さん。
幼い頃、嫌われているとハッキリ私に気づかせたのは母親のあんただ・・・
姉との差にあやふやなままでいれたら・・・言われなければ冷たいのがお父さんだと思えたのに・・・
本当に子供の気持ちを分からない馬鹿親・・・
私は平気なふりして1人泣いた
(お父さんごめんなさい・・・見捨ててしまってごめんなさい・・・)
私は最後に見た夕方の父親の背中を思い出し泣いた。
私11歳の終わり頃だった。
そこは、私は意外に好きな街だった。
家を出ると一面田んぼだらけ、雪が降る時は朝外に出ると運動場ほどのひらけた土地一面キラキラひかる白い絨毯が広がっている。
私は人に踏みつけられる前の、綺麗な雪が好きだった。
踏まれていない雪は、誰にも知られていないような感じに思えて、朝早く白く染まった街を見ると、宝物の第一発見者になった気分で爽快な気分になる。
(昼には踏みつけられ見るも無惨な真っ黒く汚くなるけど)
学校は夏は裸足で生活をする習慣があり、クラスも今までと違い2クラスしかない小さい学校・・・丁度いい感じが好きだった・・・
私は転校も多かったから、新しい学校にはすぐに慣れた。
母親は相変わらず気が向いた時に来てはお金を置いていく。
前と少し違うのは、この頃義父と母親は私達の引っ越しと同時期に二階が住居になったお好み焼き屋の経営を始めていて、そこで二人で働いていた。
子供の頃は一緒に暮らしていなかったからか、気づかなかったけど、義父は結構仕事が続かない人だったんだと思う。
母親と義父は一緒に経営しだしてから喧嘩を頻繁にしていた。
義父は機嫌が悪いと住居の二階に引きこもり仕事をしない・・・
私は学校が終わると、時々店を手伝った。
機嫌の悪い義父にバタバタ営業している中でつまみを作り二階へ運ぶ。
義父は日に日に仕事をサボるようになっていた。
お好み焼き屋の手伝いも慣れてきた頃、いつものように店の掃除をしていた私に母親は突然
「お父さんの弟さんから連絡があって、お父さんがボケたから引き取ってほしいみたい」
どうやって連絡を取る事になったか、なぜ今更連絡を取ったのかは分からないけど、父親は家族に迷惑をかけているんだろう・・・
母親は面倒をみるつもりは、全くないけど、ほんの小話のつもりで私に話した。
私は心のどこかで、見捨てていった父親が幸せになってくれてると、必死で思おうとしていたのに・・・
父親の話を小馬鹿にするようにザマアミロと言わんばかりの顔で話す・・・
(お父さん煙たがられてるんだ・・・幸せなんかじゃなかったんだ・・・もしかしたらあの時からずっと辛い思いをしていたのかもしれない)
「さっちゃんはお父さんに好かれてなかったか嫌いだったでしょ?だから平気よね?でもお姉ちゃんはお父さんこでお父さんも溺愛していたからお姉ちゃんには内緒よ。悲しがるから・・・」
そう私はなぜか父親にあまり可愛がられてはいなかった。
母親は私が幼い頃から私の前で
「さちゃんはどうしてお父さんに嫌われてるんだろうね。遊び連れていくのもいつもお姉ちゃんだし」
と言われていたからずっと前から気づいていた。
でも私にはお父さん・・・あまり構ってくれてないお父さんが私のお父さん。
幼い頃、嫌われているとハッキリ私に気づかせたのは母親のあんただ・・・
姉との差にあやふやなままでいれたら・・・言われなければ冷たいのがお父さんだと思えたのに・・・
本当に子供の気持ちを分からない馬鹿親・・・
私は平気なふりして1人泣いた
(お父さんごめんなさい・・・見捨ててしまってごめんなさい・・・)
私は最後に見た夕方の父親の背中を思い出し泣いた。
私11歳の終わり頃だった。
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