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アルバの高等学園編
高等学園は行事が目白押し
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ようやくブルーノ君の研究が発表されて、俺が完治したことが国中の話題になったんだよ。あらゆるところからラオネン病の家族がいますという連絡を貰って、今研究所はてんやわんや状態なんだ。国内ならまだ手が回るけれど、諸外国となると難しいので、そこら辺は王宮の外交担当と相談するってブルーノ君が言っていたんだ。
なにせ特効薬になるレガーレは、時間が経つと効果が薄れるから。レガーレを収穫した後にツヴァイト閣下が光魔法を使うことで特効薬が出来上がるんだけど、まずは収穫してから効果があるのがほんの数日。しかも時間を追うごとに効果は激減。他国まで持っていくのはとても難しいんだ。
それにもっと問題が。光属性になってしまうから、そのことをまず納得してもらってから処置しないといけないんだって。属性が二つになってラッキーだよね、と俺は思ったんだけど、実際には皆一つの属性しか持っていないから、前代未聞なので、どうやって扱っていいのかもまだまだ検討中らしい。
だから、実際にこの国に来ることが出来る子しか完治させられない状態なんだ。もちろん転移の魔術陣で跳べる場所にいる場合はその限りじゃないんだけど。こういうのを大々的に出来たのは、前陛下が退位をしたからこそ。
ヴォルフラム殿下には一つ残らず話しているので、良きようにしてくれる。まあそれもこれからのことだけど。
「そっかー、でも、もう病で死ぬことはないってのはいいことだよな」
二パッと笑うセドリック君には悪いけれど、病じゃなくて、今は魔力暴走の方でぽっくり逝きそうで怖いよね。
リコル先生がいてとても頼りになるけれど、やっぱりセドリック君とジュール君には教えておいたほうがいい気がしてくる。兄様たちが受け入れてくれたように、セドリック君とジュール君もきっと俺の『刻属性』を受け入れてくれるんじゃないかなって思うんだ。
ずっと秘密を抱えているのはまあ、兄様の害にならない限りは苦じゃないんだけども。
というもの、高等学園になると郊外の授業も多くなるから、リコル先生が中等学園の時のようにずっとついているというわけにもいかなくなると思うからなんだ。だって、高等学園は学園行事が目白押し。
四月は入学式と交流目的のレクリエーション。七月は文化祭というなの魔法と剣技のお披露目、十月はメノウの森でのサバイバル訓練。途中途中学力試験も入り、学年最後には進級試験。
二年次では同じスケージュールにプラスして中等学園生との合同キャンプ。
三年次は合同キャンプはないけれど、進路関係のあれこれが加わって、勉強だけしていればいいわけじゃなくなるという、結構なハードスケジュール。兄様も三年次には側近のための勉強がプラスされていてとても大変そうだった。
そんなこんなで、高等学園は下手すると一月に一回は何かしらがあるわけだ。
この世界、高等学園の上の教育機関は特になく、もし知識特化したい場合はその職に就いて、誰かに師事をするのが一番という感じ。医学系専門施設とかはあるけれど、魔法特化的なものなので、光属性か水属性の人ばかりがいる状態。
俺が将来やりたいことは、王宮にしか就職先がない魔術陣製作。そのためには国家資格が必要で、それを取得しないと魔術陣の売買をすることができず、そもそも特殊インクをちゃんと家名を添えていないと買えないという仕様。
国家資格があれば、使い切りの小さなインクじゃなくて、ちゃんと大きな何枚も一気に描けるインクを大手を振って買うことが出来るようになる。
魔術陣の紙なんかはそこらへんでは買えない。そもそも店に表立って売っていない。そっちも家名を伝えてしかるべきルートからしか入手できない仕組みになっている。だからこそ魔術陣はとてもお高い。なぜか義父はその普通に買えない特殊紙を大量に持っていた不思議。それを惜しみなく俺にくれる義父はかなり俺に甘いと思う。
どうして魔術陣技師になりたいかというと、王宮に兄様と共に通えるから。側近の制服を着た兄様と共に馬車に乗るという夢は、今俺の胸の中で盛大に膨らんでいる。それと、お疲れの兄様と義父のために、好きなだけ魔術陣を描いてお渡し出来るというのがとても大きい。もし仕事先にしたらもしかしたら紙も社員割とか効くかもしれないし。そうしたら俺のお給料だけで魔術陣が賄えてしまえるからね! 何より俺作魔術陣を兄様に肌身離さず持っていてほ……ゲフンゴフン。
絵は趣味でしか描かないことにした。だって兄様やルーナの絵が他の買い取っていったお宅に飾られると思うと絶対に売りたくなくなるから。そんな状態じゃ絵を売ってなんぼの画家になんてなれるわけがない。もちろん親しい人に描いてと言われたらプライベートでは断らないけれど。
王宮の温室の絵を描いてミラ王妃にプレゼントしたら、完全プライベートルーム……というか王宮にある二人のためだけの建物の一室に飾ってヴォルフラム陛下と共に楽しんでくれているみたいだった。
もちろんその建物にはミラ王太子妃専用キッチンがあるとかないとか兄様が言っていた。まだお邪魔したことはないので実際にはわからないけれどね。もしかしたらストレスフルになったミラ王妃がそこでクッキーを焼くのもそれほど先じゃないかもしれない。
そんな感じで、この三年の間に、俺たちは卒業後のやるべきことを考えないといけない。
跡継ぎなんかもたくさんいるから、その人たちはまた俺とは違った勉強があるんだろう。
今月は入学式及びレクリエーションがある。
入学式はきのう無事終わったから、今月の末辺りにあるレクリエーションが目玉だ。
ゲームでは一年次のレクリエーションは学園内の散策をしたんだったかな。二年からはメノウの森に行って、一年間の鍛錬の成果を見せるイベントになっていたけれど。この交流会で必ず顔を合わせるのが、第二王子殿下だったはず。そこから出会いを経るとルート分岐していく感じだったから。
でも、もう殿下も閣下に変わったし、流石に誰かと出会いイベントなんてないよね。俺ヒロインでも何でもないし。
だから純粋に楽しもう。
なにせ特効薬になるレガーレは、時間が経つと効果が薄れるから。レガーレを収穫した後にツヴァイト閣下が光魔法を使うことで特効薬が出来上がるんだけど、まずは収穫してから効果があるのがほんの数日。しかも時間を追うごとに効果は激減。他国まで持っていくのはとても難しいんだ。
それにもっと問題が。光属性になってしまうから、そのことをまず納得してもらってから処置しないといけないんだって。属性が二つになってラッキーだよね、と俺は思ったんだけど、実際には皆一つの属性しか持っていないから、前代未聞なので、どうやって扱っていいのかもまだまだ検討中らしい。
だから、実際にこの国に来ることが出来る子しか完治させられない状態なんだ。もちろん転移の魔術陣で跳べる場所にいる場合はその限りじゃないんだけど。こういうのを大々的に出来たのは、前陛下が退位をしたからこそ。
ヴォルフラム殿下には一つ残らず話しているので、良きようにしてくれる。まあそれもこれからのことだけど。
「そっかー、でも、もう病で死ぬことはないってのはいいことだよな」
二パッと笑うセドリック君には悪いけれど、病じゃなくて、今は魔力暴走の方でぽっくり逝きそうで怖いよね。
リコル先生がいてとても頼りになるけれど、やっぱりセドリック君とジュール君には教えておいたほうがいい気がしてくる。兄様たちが受け入れてくれたように、セドリック君とジュール君もきっと俺の『刻属性』を受け入れてくれるんじゃないかなって思うんだ。
ずっと秘密を抱えているのはまあ、兄様の害にならない限りは苦じゃないんだけども。
というもの、高等学園になると郊外の授業も多くなるから、リコル先生が中等学園の時のようにずっとついているというわけにもいかなくなると思うからなんだ。だって、高等学園は学園行事が目白押し。
四月は入学式と交流目的のレクリエーション。七月は文化祭というなの魔法と剣技のお披露目、十月はメノウの森でのサバイバル訓練。途中途中学力試験も入り、学年最後には進級試験。
二年次では同じスケージュールにプラスして中等学園生との合同キャンプ。
三年次は合同キャンプはないけれど、進路関係のあれこれが加わって、勉強だけしていればいいわけじゃなくなるという、結構なハードスケジュール。兄様も三年次には側近のための勉強がプラスされていてとても大変そうだった。
そんなこんなで、高等学園は下手すると一月に一回は何かしらがあるわけだ。
この世界、高等学園の上の教育機関は特になく、もし知識特化したい場合はその職に就いて、誰かに師事をするのが一番という感じ。医学系専門施設とかはあるけれど、魔法特化的なものなので、光属性か水属性の人ばかりがいる状態。
俺が将来やりたいことは、王宮にしか就職先がない魔術陣製作。そのためには国家資格が必要で、それを取得しないと魔術陣の売買をすることができず、そもそも特殊インクをちゃんと家名を添えていないと買えないという仕様。
国家資格があれば、使い切りの小さなインクじゃなくて、ちゃんと大きな何枚も一気に描けるインクを大手を振って買うことが出来るようになる。
魔術陣の紙なんかはそこらへんでは買えない。そもそも店に表立って売っていない。そっちも家名を伝えてしかるべきルートからしか入手できない仕組みになっている。だからこそ魔術陣はとてもお高い。なぜか義父はその普通に買えない特殊紙を大量に持っていた不思議。それを惜しみなく俺にくれる義父はかなり俺に甘いと思う。
どうして魔術陣技師になりたいかというと、王宮に兄様と共に通えるから。側近の制服を着た兄様と共に馬車に乗るという夢は、今俺の胸の中で盛大に膨らんでいる。それと、お疲れの兄様と義父のために、好きなだけ魔術陣を描いてお渡し出来るというのがとても大きい。もし仕事先にしたらもしかしたら紙も社員割とか効くかもしれないし。そうしたら俺のお給料だけで魔術陣が賄えてしまえるからね! 何より俺作魔術陣を兄様に肌身離さず持っていてほ……ゲフンゴフン。
絵は趣味でしか描かないことにした。だって兄様やルーナの絵が他の買い取っていったお宅に飾られると思うと絶対に売りたくなくなるから。そんな状態じゃ絵を売ってなんぼの画家になんてなれるわけがない。もちろん親しい人に描いてと言われたらプライベートでは断らないけれど。
王宮の温室の絵を描いてミラ王妃にプレゼントしたら、完全プライベートルーム……というか王宮にある二人のためだけの建物の一室に飾ってヴォルフラム陛下と共に楽しんでくれているみたいだった。
もちろんその建物にはミラ王太子妃専用キッチンがあるとかないとか兄様が言っていた。まだお邪魔したことはないので実際にはわからないけれどね。もしかしたらストレスフルになったミラ王妃がそこでクッキーを焼くのもそれほど先じゃないかもしれない。
そんな感じで、この三年の間に、俺たちは卒業後のやるべきことを考えないといけない。
跡継ぎなんかもたくさんいるから、その人たちはまた俺とは違った勉強があるんだろう。
今月は入学式及びレクリエーションがある。
入学式はきのう無事終わったから、今月の末辺りにあるレクリエーションが目玉だ。
ゲームでは一年次のレクリエーションは学園内の散策をしたんだったかな。二年からはメノウの森に行って、一年間の鍛錬の成果を見せるイベントになっていたけれど。この交流会で必ず顔を合わせるのが、第二王子殿下だったはず。そこから出会いを経るとルート分岐していく感じだったから。
でも、もう殿下も閣下に変わったし、流石に誰かと出会いイベントなんてないよね。俺ヒロインでも何でもないし。
だから純粋に楽しもう。
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