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2巻

2-1

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   プロローグ


『今日も今日とて推しが尊い……』

 最推しのスチルを見つめながら、俺はハァ、と満足の溜息を吐いた。
光凛夢幻こうりんむげん∞デスティニー』というスマホアプリ、俗にいう乙女ゲームの攻略対象者の一人であるオルシス・ソル・サリエンテを、俺は推しに推していた。
 神が作りたもうた最高の銀糸のような銀髪、まるでアメジストをそのまま瞳に嵌め込んだような紫の瞳、そして作り物のようにどんな時でも変わらない表情……
 どれも最高! この世に降り立った最高最強の女神……! 
 そう思っていたところ母の再婚によって、俺はそんな最推しの思い出の義弟になりました。
 ――最推しの義弟とは、不治のやまいわずらっており、本編の高等学園が始まる前に既に儚くなった人物。ゲーム内では最推しの心に闇を植え付けた「思い出の義弟」とだけ出てきていた。
 それが、この世界での俺だった。
 初めてそのことがわかった時、あまりの驚きと感動に俺は文字通り昇天しそうになった。
 初顔合わせで『ラオネン病』の発作を起こしてしまったのだ。
 最推しが義理の兄だなんて、テンションマックス振り切ってそりゃあ発作も起こすよね!!
 でも、その時見た最推しショタ兄様のちょっと遠慮がちな、けれどちゃんと俺を歓迎してくれようとしているのがわかる柔らかい笑顔がそれはもう可愛らしく、俺が今まで持っていなかったショタという属性の扉を無理やりこじ開け、新たなる境地を開拓してくれた。
 自分がショタ萌えなんていう属性を後天的に植えつけられるとは思ってなかった! 
 新しい父は生家とは比べ物にならないほどのお金持ちで、俺の持病である『ラオネン病』に効能もお値段も高い薬を惜しげもなく使ってくれた。そして兄様は俺が発作で苦しんでいる間中、ずっと手を握って魔力を分けてくれていた。兄様マジ女神。
 今世最高かよ、と思った時期もありました。
 けれど、俺は思い出の義弟。
 最推しの表情筋を死滅させるのが、俺と義父によるものだと前世のアプリ情報で知っている。
 犯人は俺だ。
 今はまだ、花もほころぶような笑みを浮かべる最推し。この最推しの最高に女神な会心の笑顔をなくさないよう、せっかく最推しの義弟になったのだからと俺は突っ走ることにした。
 まずは兄様を毎日たくさん褒める栄誉をいただき、兄様に冷たくする義父を注意しつつ、義父の代わりに俺が溢れんばかりの愛情を贈り続けた。
 その結果、義父は兄様を愛する息子と呼び、兄様はまるで花開く瞬間のような綺麗な笑顔を俺に向けてくれるようになった。
 ここは天国かな。天国だね。俺、そんなことを想うと、また発作が起きるんだけどね。
 さて、そんな俺は、兄様の栄えある九歳のお祝いの席で、盛大な発作を起こして一週間生死の境を彷徨さまよった。いつも以上に重い発作に、これは死亡フラグを破壊しないとだめだと一念発起した俺は、アプリ知識を総動員して、『ラオネン病』の特効薬を探しに、魔物蔓延はびこるメノウの森に行くことを思い立った。しかし兄様に見つかり、二人してメノウの森に転移してしまった挙句、結局は義父に助け出された。でも兄様も義父もとても優しくて、俺の言葉を全て信じてくれた結果、『ラオネン病』の特効薬の元になる植物をとうとう見つけることが出来たのだ。
 けれどやっぱりそれを食べるだけで治るほど『ラオネン病』は簡単なやまいではなくて……
 義父が助っ人として呼んだのは、もう一人の攻略対象者、ブルーノ君だった。
 天才ブルーノ君と、素晴らしさと賢さは誰にも負けない兄様は、まだ中等学園にも通っていない時からずっと俺の病気を治そうと、『レガーレ』と名付けられたメロン……間違えた、『ラオネン病』の特効薬を寝る間も惜しんで研究してくれていた。
 そんな兄様とブルーノ君の登場する『光凛夢幻∞デスティニー』というゲームは、市井しせいで育った主人公が、その莫大な魔力と光属性を認められて、高位貴族の下に養子に入り、貴族子息子女たちが通う王立ソレイユ高等学園に入学するところから始まる。
 選んだ攻略対象者と一定以上の好感度とレベルを満たし、二人で力を合わせて国のかなめである『守護宝石』に魔力を注入し、地脈だか魔脈だかを復活させれば、王国を救ってエンディング。
 恋愛ゲームの醍醐味、トゥルーエンドと呼ばれる告白エンドだ。
 上げた好感度、育てたステータス、選んだ分岐点によってルートの変わるマルチエンディングのこのゲームは、そのルートによってゲットできるスチルが違うので、やり込み要素が満載。
 最推しのスチルはもうどれも垂涎もので、ゲットするたびに尊さに涙を流したっけ……
 一番のお気に入りは、友人ルートの微微微笑。「今、笑った……のか?」と疑問符が付いてしまう程の口角の微上昇は、俺のハートを直撃し、しばらくの間もだえ転がったのはいい思い出だ……
 話が逸れた。
 そうそう、その攻略対象者である兄様とブルーノ君。
 ゲームではどちらも闇を抱えていたけれど、今は全然そんなことはない。
 兄様はお日様のような、いや、女神のような笑顔を惜しげもなく振りまくし、ブルーノ君はうちの研究所に居候のように住み着いて何やらのびのびと生活しているので、実家の侯爵家で冷遇されてなどいない。
 そして思い出となっているはずの義弟である俺は、今も元気に兄様の笑顔を見てはあまりの尊さに廊下で丸まっている。嗚呼、守りたい、兄様の女神の微笑み。
 さらには義父と母の間にルーナという天使のような妹も生まれ、これはもう死亡フラグはへし折ったのではないかと思いつつ、俺は無事中等学園生として兄様と共に学園に通うことになった。
 しかし、すっかり安心しきっていた俺は、死亡フラグがまだ立ったままだったことに気付かなかった。
 一年生の半ば、何の前振りもなく、特大の発作に襲われた。
 苦しい夢の中で見たのは、プレイしていたゲームの続きだった。レベルカンストと最推しの新しい服装『ラフ系制服』を手に入れたことによって起こる新要素イベント、新種の植物ゲットのその先のストーリー。
 最推しは、ゲットした新種の植物レガーレが光魔法を受けて『ラオネン病の特効薬』に変化していたことを伝えてくれる。それから最推しがぽつりぽつりと義弟に対する隠された気持ちを打ち明けて……

『新スチルゲットォォォォォォ!』

 俺は夢の中で最高に尊い最推しのスチルをゲットし、涙したのだった。
 その時の俺は、前世の世界が本物か、兄様のいる世界が本物か見分けがついていなかった。それから大興奮のまま寝入って、目が覚めた時、覗き込んでいた最推し……いや、兄様の顔が、夢なのか現実なのか判断が付かなかったのだから。
 そうして生還した俺の話を聞いた兄様が、光魔法の使えるツヴァイト第二王子殿下を連れ帰ってきてくれた。
 本来ならこんな簡単に王族を家に誘うなんてできないんだけど、さすが兄様。頼りになりすぎる。
 気さくにうちまで来てくれた殿下は、兄様たちと共に研究所にこもり、ベッドの上でソワソワしていた俺に、朗報をもたらしてくれた。
 目の前には夢で見た『ラオネン病の特効薬』であるレガーレの変異種。これを食べれば俺はもうあの苦しい発作に襲われないで済む。
 兄様がやってくれた。兄様とブルーノ君が。そして殿下が。
 信じられない想いでレガーレ改を食べれば、それはまるで兄様の笑顔のようなとても優しい味がした……
 そんなこんなで、俺は十一歳にして、不治のやまいを克服できた、らしい。ついでに光属性も手に入れてしまったようだ。
 第二王子殿下が鑑定してくれたから多分本当。
 そして、本当に俺のやまいが消え去ったのか確認するために、ブルーノ君が取った方法はというと。

「オルシスが、口移しでお前に果汁を飲ませたんだよ」

 ブルーノ君の言葉によるあまりの衝撃で、俺は意識を失ったのだった……



   一、最推しに迫りくる乙女ゲームの影


 俺の意識が覚醒したのは、ブルーノ君に爆弾発言をされてから一時間ほど経ってからだった。
 発作は、なかった。
 あんなことを聞いてしまった今までの俺なら、確実に発作を起こしていた。そうでなくても兄様の素晴らしい姿を見ると毎回動悸と息切れが酷くなって、ブルーノ君飴を手放せない状態だったのだ。く、く、口移……っ、そ、そんなことをされたなんて聞かされたら、確実にぽっくり逝く所だったはずだ。
 ということで、レガーレ改は成功。でも、話し合いの結果、レガーレ改はまだしばらくは世に出せないと義父が決めた。
 世に出すとしたら、殿下がしっかりと成人して、爵位をたまわって臣籍降下する時だそうだ。
 その時がきたら、殿下が一手に管理することとなったらしい。何せ食べたら超貴重な光属性がくっついてきちゃうから、悪用を防ぐため、殿下が責任を持って、レガーレ改で命を救った人を傘下に置けるようになってからじゃないと絶対に大変なことになるんだって話だ。確かに。
 幸い、ブルーノ君が今現在管理している薬は安価なうえに効果はあるし、市井しせいにもちゃんと販売ルートを確保しているらしいので、あと五年はそれで保たせるとのこと。
 俺がこの歳まで生き延びたっていう前例が出来たから、今まで半信半疑だったブルーノ君の薬も信用出来るものだと大々的に言えるそうだ。
 殿下は爵位をたまわったら、公爵として、義父と肩を並べることになるんだって。殿下はまだ中等学生にしてそういうことを既にがっつり頭に入れていて、義父も舌を巻くほどの大人顔負けの交渉術を持っていた。義父にとっても殿下と手を組むことは悪いことではないらしく、本格的に『第二王子殿下の後ろ盾』になることにしたみたいだった。
 そんな話を兄様たちが義父と共にしているのを聞いて、あなたたちは本当に十五歳ですか? と真顔で問いたかった俺。明らかに頭脳は大人って感じでしょう。
 もしかしてこの世界こんな人たちばっかりなのか? それとも、攻略対象者が段違いなのか? アドリアン君だって実は頭脳派だし。うん、こんな人たちが国の中枢にいるって、この国安泰だよね。
 兄様たちは俺を優秀って褒めてくれるけれど、どこをどうひっくり返しても俺にそんな素質はない、と断言しよう。

「アルバはこれから、どうしたい?」

 さて、そんなこんなで義父に問われて、俺はドキドキしながら顔を上げた。
 もし、病気が完治したら、絶対にしたいことがひとつだけあったんだ。
 今まで一度もできなかったこと。

「魔法を使ってみたいです」

 せっかく魔法のある世界に生まれたのに、魔法を使えないなんてどんな拷問だよ、ってずっと思ってたんだ。今まではラオネン病のせいで使えなかったけれど、病気が治ったなら、多分、きっと、もう使えるんだよね。
 隣で俺を支えるように座ってくれていた兄様は、俺の言葉を聞いてとても優しい顔で微笑んだ。

「そうか。アルバは小さなころから魔法が気になって仕方なかったもんね」

 はい、と言って、兄様を見上げた俺の視線は一ヶ所に釘付けになった。
 なんていうか、なんていうか。顔が熱いし、視線が唇から逸らせない。だって、だって。
 頭から噴火しそうな勢いの俺に、兄様は色気駄々洩れの微笑みをこれでもかと投げ付けてくるのが耐えられない。
 耐えられなさ過ぎて両手で顔を覆ってしまっても仕方ないと思う。兄様のご尊顔が、今はとてつもなく眩しすぎる。特に薄めのセクシーな唇が!
 ついに震え始めた俺を見て、兄様がじとっとした視線をブルーノ君に向ける。 

「ブルーノ……アルバが僕を見てくれなくなってしまったじゃないか。この落とし前どうしてくれる……」
「発作が起こらないと確認出来てよかったじゃないか」
「本当に発作が起きたらどうするつもりだったんだ!」
「オルシスが口移しでレガーレを流し込めば大丈夫だろ」
「ブルーノ!」

 あああ顔から火を噴きそうだ。
 俺の心臓破裂するんじゃなかろうか。だって、最推しとく、く、く……! 
 あっさりと解決策を提示するブルーノ君は何気に兄様の反応を楽しんでいるみたいだった。仲がいいのは嬉しいけれど、俺をダシに兄様をからかうのは本気でやめてほしい。俺がまず致命傷を負うから。口から心臓が飛び出しそうだ。
 抗議しようと視線を向けると、ブルーノ君がにやっと笑う。

「アルバはもう少し慣れないとな。オルシスはアルバを手放す気はないらしいから」
「な、慣れるって、ナニ、ナニに……」
「オルシスとの接触に」

 無理――! はい無理――! 最推しとの接触って、ナニ、ナニがナニに接触をすると……! 最推しが出てくる成人指定のほにゃらら同人誌を数点たしなんでしまったことがあるせいか、簡単に想像できすぎて鼻血が出そうだ。ヤバすぎる。
 中でも滅茶苦茶好きだった絵師さんのブルオル本でアレのナニするアレが詳細に描かれていたせいか、ブルーノ君の言葉にいちいち余計な反応をしてしまう! 
 ちなみにブルオルは解釈違いのため即読むのを止めたけれども。俺には公式で楽しむのがベストだったんだ。オルシス様単体推しだったんだ。同人誌は……自分では全年齢の物しか出したことがないから! あの絵師様の最推しは最高に素晴らしかったけれども! 

「そうだな」

 兄様の腕の中でおぐおぐもだえていると、兄様はいいことを思いついたとでも言うように、俺の顔を隠していた両手を強引に指で持ち上げた。
 あごクイ頂きました! はいもう許容量いっぱいいっぱいだよ! 
 心の中で叫んでいたら、兄様は顔を寄せて、あろうことか、俺の頬にチュッと唇を寄せた。

「はうわああぁぁぁ……」
「アルバ、これは挨拶だよ。父上とも義母上ともするだろ」
「そそそそうですけれども……!」
「アルバだって父上と挨拶するだろう」
「た、確かに頬を寄せて挨拶はしますけれども……!」
「アルバ、それと同じだよ。これからは毎日しよう。僕に慣れてくれるように。いつも僕が顔を寄せるとアルバは飴を口に放り込むから、中々こういうこともできなくてとても寂しかったんだ。僕だけアルバに挨拶できないなって思って」

 シュンとした兄様があまりにも可愛すぎて、俺の頭はショート寸前。
 確かに兄様とはハグの挨拶しかしなかった。だって最初にやられたとき、あわや発作が!? の状態になってしまったから。

「た、確かに……! 寂しがらせてしまっていたんですね、僕」
「それだけ僕を大好きでいてくれるってことかなって、自分に言い聞かせていたんだけど……もう発作が起きないなら、僕も挨拶をしたいし、少しずつ慣れていってくれないかな」
「はうう、頑張ります……! 兄様が嬉しいなら、あ、挨拶ちゅーの一つくらい……!」

 心臓が口から飛び出しそうになりながら、兄様の頬に唇を近づける。
 俺が、最推しに、ちゅー。頬だけど、ちゅー。
 心臓の音が煩くて、あまりの難易度にくらくらしながら、俺は意を決して目の前の白くてキメの細かい美しい頬に唇をくっつけた。
 一瞬で離して、もう一度手に顔をうずめる。
 すると、義父の「見ているこっちが恥ずかしくなるよ……」という呟きが聞こえてしまって、俺は撃沈した。

「本当にオルシス君は旦那様そっくりですね」

 母の呟きに、どこがどういう風に兄様と義父がそっくりなのか、絶対に知りたくないと思った俺だった。


 さて、そんな俺の初魔法は、ひそやかに、家族に見守られながら発動した。
 とはいえ、レガーレ改を通して定着したのは、殿下の光属性の回復魔法のみ。
 どう頑張っても、攻撃系の魔法はまったく発動しなかった。回復魔法は発動したみたいだけれど、実際に傷を治したわけじゃなくて、草花に掛けてみたらうなだれていた花が上を向いて少し元気になったかな? というくらいだったので、正直きちんと魔法が発動したのかどうかはよくわからない。
 ただ馴染みの魔力が抜ける感覚はあったので、魔法が発動したとは思うんだけども。ちなみに発作かと思ってちょっと怖くなったけれど、すぐ魔力が抜ける感覚は止まったのでホッとした。
 義父と兄様とルーナの魔法を見ているせいか、俺のショボさが浮き彫りになった瞬間だった。素人だもん、仕方ない。
 そんな色々なことを経てから、俺は学園通いを再開した。
 義父は、今年いっぱいくらいは学園を休んでもいいんじゃないかと言っていたけれど、兄様と一緒に同じ学園に通えるのは今年だけなんだよ。一緒に学園を満喫したい。
 そんな俺の我儘で、学園再登校と相成った。発作が起きてからゆうに二か月が過ぎていた。
 学園に行くと、どの授業でもリコル先生が教室に待機することになっていた。
 俺の発作は学園側にもかなりの傷跡を残したらしい。リコル先生はもちろん、俺のことを色々と言っていた生徒たちも、俺が学園に顔を出した瞬間ホッとした顔をしていた。
 とはいえ授業は粛々と進み、休み時間を迎えた。すると前に壁の向こうで話をしていたクラスメイトがそっと俺のそばに寄ってくる。
 そして、きまずい顔のまま、何か言い淀んだあと、勢いよく頭を下げた。

「あ、あの、すみません! ジュール様に聞きました。僕たちが言ったことをアルバ様が聞いてたって。それを気に病んでいて、発作を起こしたんじゃないかって思ったら、僕もう、いてもたってもいられなくて。謝りに行こうとしても僕の立場では公爵家に近付くこともできなくて……あの、どうしたらいいか、分からなくて。どうやったら、償えますか」

 一気に言われて面くらっていると、その生徒が大粒の涙をぼたぼたと落とし始めた。
 ええっとこの子、そもそも何をしたんだっけ。そうだ、俺がテストでお金を積んで順位を上げたとか言ってたんだっけ。
 自分のせいで俺が死んだら自分が生きていてはいけないのでは、と考えるくらい追い詰められたらしい。えっと、ジュール君、どんなことを言ったんだろう。結構口の悪いブルーノ君よりは丁寧なイメージがあるから、やんわり言ったんだとは思うけど。
 いつも思うけど、フォローの仕方が怖いよジュール君。
 目の前で泣かれるのも困るので、どうしようかとクラスをぐるりと見回すと、ちょうどこっちを見ていたジュール君と目が合った。多分自分の名前を呼ばれて、気になったんだろう。ジュール君は間違ったことは言ってない、とでも言いたげに憮然としていた。そうだけどね。
 助けてはくれなそうだな、と察して俺はポケットに入っていたハンカチを取り出すと、とりあえず目の前の子に差し出した。

「僕自身はもう大丈夫です。ほら、ちゃんと生きてるでしょ。謝ってほしいのはそこじゃなくて、父様と兄様を侮辱したところかな。そう侮辱したことを謝りに来るなら、うちに来てもいいです。でも謝りに来ないならしかるべきところに――」

 だんだんあの時聞いた言葉を思い出してふつふつと怒りが湧いてきて余計なことまで口をつきそうになる。さらに口を開こうとした瞬間、教室の後ろで待機していたリコル先生に名前を呼ばれた。

「アルバ君。廊下にオルシス君が来ていますよ。アルバ君が遅いから心配になったと」
「兄様が!? ほんとに!? うわあ、そんなに遅くなっちゃったんだ。ごめんなさい兄様! もう用事は終わりましたので、今すぐ行きます!」

 椅子から立ち上がって、リコル先生にお礼を言うと、俺はもうすっかり目の前で泣いていたクラスメイトの存在など忘れて教室を飛び出した。
 廊下にいた兄様とブルーノ君に駆け寄っていくと、ブルーノ君にすかさず「走るな」と注意されてぎこちなく早歩きに切り替える。兄様は俺のそんな姿を見て首を傾げた。

「何かあったの?」
「クラスメイトと話をしていただけです。あの、そういえば、その内クラスメイトがうちに来るかもしれません」

 そう言うと、兄様が意外そうに目を見開く。

「そうなんだ。友達?」
「友達……ではないんじゃないかな」
「これから友達になりたいの?」
「いえ、特には」
「じゃあ、どうして家に呼んだの?」
「謝罪を要求しました」
「謝罪……ええと、アルバ?」

 俺の言葉が足りず、兄様が眉根を寄せる。俺は慌てて彼が何をしたのかを語り始めた。
 義父と兄様を悪く言ったことだけは絶対にしっかりと二人に頭を下げるまで許さないつもりだ、と鼻息を荒くすると、ブルーノ君が「落ち着け」と俺の頬を突いた。
 ほら深呼吸、と言われてスーハー、と息を吸って吐く。そんな俺を一緒に教室から出て来たリコル先生は心配そうに見ていたけれど、リコル先生にも俺のラオネン病が治ったことはまだ秘密なんだよね。申し訳ない。
 あ、でもそれを教えちゃうと、安心したリコル先生が高等学園に戻って通常のゲーム設定に戻っちゃうのかな。
 うん、ありそうで怖い。
 気を引き締めよう。
 そう思った時、教室内からジュール君の声が聞こえてきた。

「アルバ様は、君が素直に陰口を言ったことを謝罪すれば許してくれるって言ってるんだよ」
「でも、こ、公爵家に行って公爵家の悪口言ってごめんなさいって謝るのはさらにハードル上がるんじゃ……」
「泣いたって状況は良くならないよ。……公爵家の方々は、アルバ様をとても大切にしているから、ハードルは下がったんだと僕は思う。早めに行った方がいいよ」
「う、うん。すぐに向かう。親に伝えたいから、今日はもう早退しようかな」
「わかった。僕から先生に伝えておく」

 何やらやっぱりジュール君はフォローをしてくれているようだ。申し訳なさとありがたさでちらちらと教室を見る。すると同じくブルーノ君が真顔で教室を見つめているのに気が付いた。
 もしかして、ブルーノ君ってジュール君と全然まともに話をしてないんじゃなかろうか。
 同じ学校だし、こんなに近くまで来るのに。
 でも、それを言い出せるほど、俺もジュール君とはあまり話さないんだ。ジュール君は悪い子じゃないけど、ブルーノ君を否定するところだけはちょっと好きになれないから。
 もういっそのこと、ブルーノ君はずっとうちにいればいいのに、なんて思う。
 兄様もルーナもブルーノ君と一緒にいるとすごく楽しそうだから。俺も頼りきりで、もう一人のお兄ちゃんのような感じがしているんだ。
 そんなブルーノ君の視線に思いを巡らせつつも、何も言えないままでいると、いつの間にか教室内の会話は終わっていた。兄様は俺たちの様子に気が付いていたのか、さりげなく「ランチに行こうね」と言って移動させてくれる。さすが兄様。
 俺は横を歩く兄様の制服をそっと掴んだ。


 その日家に帰ると、義父が俺たちを出迎えてくれた。

「テンダー伯爵から先触れがあって、どうしてもうちに来たいと言っていたんだが、心当たりがあるかい? 私はあまりテンダー家とは懇意ではないんだが」

 その言葉に俺は慌てて手を上げる。

「あ、それ、同じクラスにいる人の家です」
「お友達かい?」
「違います」
「違うのか。では、アルバに取り入ろうとする子かな?」
「それも違います。僕が家に呼びました」
「お友達になりたかったのかい?」
「違います」

 まったく同じような会話を兄様ともしたな、とおかしく思いながら、謝罪を要求しましたと言うと、義父は笑顔のまま頭にクエスチョンマークを乗せた状態になった。義父も兄様にそっくりでこういう時はすごく可愛い。

「謝罪、とは」
「兄様と父様を侮辱したので謝罪に来ないと許さないと言いました」
「侮辱?」
「彼が言うには僕が試験で上位になれたのは、不正をしたんじゃないかと。父様が寄付をたくさんして試験の順位を上げたのではないかと。僕が上位にいたのは兄様にたくさん勉強を教えてもらったからとまぐれであってお金の力じゃないのに。今日謝ってきたけど、うちに来て父様と兄様に頭を下げるまで許さないと突っぱねてしまったんです」
「アルバが不正……ふうん、そうか」

 俺の説明を聞いて、義父がすごく迫力のある笑顔を顔に浮かべた。雰囲気がなんていうか魔王のようでとても素晴らしい。ちょっとビビってしまいそうになる雰囲気がほんと、カッコよすぎて見惚れる。
 ついつい兄様の凍りつくような笑顔を思い出してときめいていたけれど、俺は慌てて首を振った。

「僕のことはいいんです。もともとそれほど頭はよくないですから。ただ兄様と父様が悪く言われるのだけはどうしても許せなくて」
「アルバ、怒るのはそこじゃないよ」
「父上、僕も同席してよろしいでしょうか」
「もちろん。謝罪に来る伯爵は私とオルシスに謝罪をするだろうからね。でもね、オルシス、本質を見失ってはいけないよ。相手が本当に謝らなければいけないのはどこか、本当にわかっているのかを見極めるんだよ。オルシスがまだ中等学園にいる間に、しっかりと釘を刺さないとね」
「大丈夫、ぬかりありません」

 ふふふ、と顔を見合わせて笑う二人は、なぜだかとても禍々しく、まるでここが魔王城のようで、胸が高鳴った。つい癖でブルーノ君の飴を探し出してしまう。あああ、うるわしい。
 そして迎え入れられたテンダー伯爵とそのご子息は滅茶苦茶青い顔をして応接室の椅子に座っているけれど、仕方ない。俺の両隣にいる二人から、ひしひしと魔王の気配がしているのだから。
 震える声で伯爵が謝罪の言葉を述べても、その雰囲気が緩和されることはなかった。
 ――結局、伯爵たちが帰っていくまで兄様たちは魔王のままだった。
 俺としては、兄様と義父への謝罪が聞けて大満足だったけど、二人にとってはそうではなかったらしく、テンダー親子が帰ってから、二人はぴたりと揃った溜息をついた。

「本当に私とオルシスへの謝罪だけとは……嘆かわしい」
「あれほど僕たちはアルバを可愛がっていると伝えていたのに」
「僕はちゃんと二人に誠心誠意謝ってくれたので大満足です!」

 ふんす、と鼻息荒く伝えると、両脇からハグされてしまった。役得じゃん! 

「アルバは本当に天使だ」
「アルバは本当にいい子」

 声をそろえてそんなことを言われて、思わず心でツッコむ。
 いい子で天使だったらまず家まで謝罪に来いなんて言わないよ。俺だって腹立ててたんだよ、と。天使のように全てを許すなんて無理だからね。
 とはいえ綺麗な銀髪に挟まれて幸せいっぱいになったので、二人の頭を撫でてさらに幸せに浸る。
 次の日、教室に入った瞬間にテンダー家のご子息に土下座されて泣きながら謝罪されることになるとは、この時の俺はまったく知りもしなかったのだった。


   ◇◆◇


 ――面白おかしい噂というものは、伝わるのは早いけれども、リークしてくれる友人がいないとまったく本人の耳には入らないものだ。

『公爵家の次男は同級生を泣かせて地面に頭を擦り付けて謝罪させる。奴に手を出せば地面に頭を擦り付けさせられて踏みつけられる』

 こんな噂が新入生の間で密かに囁かれていたのを知ったのは、テンダー家のご子息が俺に土下座してきてゆうに一週間を過ぎてからだった。
 そっと教えてくれたのは、隣の席の子爵家の次男のアーチー君。何かクラスの雰囲気がおかしいな、と思って話しかけたら、そっと教えてくれた。多分このクラスの子たちは事の真相を知っていると思うんだけど、俺を見る目はどこか恐れているようだ。
 初日から居心地悪かったけれど、今はさらに居心地が悪い。
 でも、俺が望んで再開させてもらった学園通いだから、甘んじて受ける。だって兄様との昼ランチは、学園に通っていないと出来ないし! ココダイジ。だから皆が俺を恐ろしいモノを見る眼つきでも全然気にならないのだ。
 大事なのは兄様と一緒ということ。朝も一緒に通うからこそ、同じ時間にご飯を一緒に食べられる。それがなかったら時間がズレて、ほぼ一日顔を合わせることなく過ごさないといけなくなる。それすら今年いっぱいだから、今はどんな状態でも兄様との時間を大切にしたい。
 ……来年からは、一緒に通えなくなるんだろうか。敷地自体は高等学園もお隣なんだけど、何せ学園敷地が広すぎて、中等学園から高等学園に行こうとすると、大分時間がかかるんだ。馬車だったらそこまでかからないんだけど。
 噂を聞いてから数分間、そんなことをぐるぐる考えて考えて――

「あ、いっそのこと馬術部に入ればいいんじゃないかな」

 俺の頭には名案が浮かんでいた。
 そうして部活動の時に馬で高等学園まで行けば時短になる。いい考えだと思ってつい呟いたら、お隣のアーチー君が驚いたような顔でこちらを見ていた。

「どうしたんですか?」

 何か言いたげな姿に声を掛けてみると、アーチー君は困ったような顔で声を潜めた。

「アルバ様は、お身体が本調子ではないのでしょう。その状態で乗馬は、危ないのではと気になってしまい……」

 なんてこった、アーチー君が優しい。それでも一瞬で兄様と乗馬という夢が消えるのは悲しくて、思わず彼に言い募る。

「最近はすごく体調がいいんですよ。だから、これを機にと思ったのですが」
「体調がいいのは喜ばしいことですね。ですが、あまり無理はしない方がいいかと。聡い馬は体調の良し悪しすら嗅ぎ分けると言いますし……」

 そう言ってからアーチー君は何か言いたげにもにもにと唇を動かしてから、俺に向かってちょこんと頭を下げた。

「……乗れることを、お祈りしております」
「……ありがとうございます」

 祈られてしまった。望み薄ってことか、と笑顔のまま溜息を呑み込む。
 カバンに教科書を詰め込んで帰りの用意を終えた俺は、ではお先に失礼します、と教室内の生徒に頭を下げてから廊下に出た。
 背後で空気が緩んだ気がしたけれど、気のせいじゃないよね。ちょっと寂しい。けど顔に出すと兄様たちを心配させちゃうから、にこやかに。
 そういえば、と廊下を歩きながら思う。
 兄様が馬に乗っているのを見たことがない。うちにも馬はいるけれど、うまやがどこにあるかもわからないし、馬車に繋がれた馬以外うちでは見たことがない。
 兄様に聞いてみようか。
 ワクワクしながら馬車まで急ぐと、馬車を停めておく場所には、うちのお抱えの御者さんが待っていた。

「アルバ坊ちゃま、おかえりなさいませ」
「いつもありがとうございます」

 笑顔で迎えてくれる御者さんに頭を下げた俺は、すぐには馬車に乗らないで、少しだけ前にいる馬に近付いた。すると御者さんがハッとしたようにこちらを見た。

「アルバ坊ちゃま、いきなり近付くとアマーリエがびっくりしてしまいます。今日はどうなさったんですか?」
「ちょっと馬が気になって。この子はアマーリエというのですね。撫でたらだめですか?」

 首を傾げると、御者さんはすぐに優しい笑顔になって馬――アマーリエの手綱を取った。

「いえいえ、ゆっくりと近付くなら大丈夫ですよ。ほら、アマーリエ、坊ちゃまがお前を撫でてくださるそうだぞ」

 アマーリエは御者さんの言葉が分かったのか、俺の前にぬっと顔を差し出してくれる。
 鼻の上を撫でてくださいと言われたので、そっと撫でる。思ったよりも馬の毛は硬くて、でも温かくて、ドキドキしてしまった。

「この子は大人しくて優しい子なんですよ。でも中には気性の荒い子もいますので、不用意に近付いてはいけません。蹴られたら命が危ないかもしれません」
「分かりました! ああ、可愛いなあ。撫でさせてくれてありがとう」

 俺のお礼に、アマーリエはまるで母様のような母性溢れる視線で俺を見下ろした。そしてその顔を俺にスリ……とくっつけてから顔を起こした。凛とした姿がかっこいい。
 そのまま馬車に乗らずに見ていると、兄様たちが近付いてきた。

「アルバ、馬車にも乗らずにどうしたの」
「アマーリエと親交を深めていました。本物の馬ってかわいいですね。兄様は乗馬できるんですか?」
「僕? 馬なら乗れるよ。今度馬に乗ってお出かけしようか。遠出はまだダメだけどね」
「いいんですか……!? じゃあ僕も早く馬に乗れるようにならないと!」

 ぐっと拳を握りしめると、兄様は苦笑しながら首を横に振った。

「違う違う。アルバは僕の前に座るんだよ」

 兄様に言われた衝撃の言葉に、俺は心臓が止まるかと思った。
 兄様とタンデム。
 兄様とタンデム。
 ……かかか考えつきもしなかったことに、思考が停止する。

「坊ちゃま⁉」
「大丈夫、多分、喜んでくれているみたいだから」
「ほ、本当ですか?」

 兄様に抱えられて、衝撃から立ち直れないうちに馬車に乗せられた俺は、想像もしていなかった兄様との馬二人乗りピクニックに、心臓をフル稼働させるのだった。


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