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『門番さんは……もしかして(震え声)』
しおりを挟む「すいません初書き込みです」
「お、久々の書き込み!」
「なんだなんだ? なんか情報あったのか?」
「さっき獣人の村に行こうとしてトレ付近の洞窟に行ったとき、薬師マックらしき人を見たんです……けど」
「ほうほう! 獣人の村! ちょっと顔見て来るかな!」
「俺も行こうかな。最近あの二人を全然見てないからちょっと心配になってたんだ」
「あ、いえ、彼は獣人の村には来なかったみたいで、一緒に連れてってもらった人を見てみたんですけど、なんかいなかったんです。でも、隣に金髪の大きな人がいたから、あの人が門番さんかなって」
「おお。門番さんだ! イケメンだっただろ」
「あの人スペック高えよな」
「顔もいいしガタイもいいし強いし」
「でも薬師マックがいないときは結構そっけない態度なのがまた」
「そうそう。薬師マックがいる時といないときのギャップがな」
「溺愛、って感じでいいんだよな」
「話題逸れた。それで。薬師マックと門番さんは元気だったのか?」
「あ、はい。なんか仲良さそうに手をつないでて。でもあの」
「なんかあったのか?」
「門番さん……って、幽霊、とかじゃないですよね……最近門番辞めたって書いてあったじゃないですか。なんか身体がどこか悪いのかなって」
「はぁ? んなことねえだろ。元気そうだろ」
「待って、どうしてそんなことを思ったのか聞きたいわ」
「あ、そうだそれ。何でだ?」
「ええと、マップに映ってなくて」
「???」
「は?」
「(-"-)?」
「なんだって?」
「プレイヤーマーカーもNPCマーカーもついてなかったんです。薬師マックはしっかりとプレイヤーマーカーついてたのに。だから、もしかして門番さんはもう……ここってそういうのなんでもありな感じじゃないですか。だから、もしかしてって」
「待て待て待て。今までは絶対にNPCマーカーだったぞ、門番さん」
「ええ。それがないって……」
「Σ(゜Д゜)何が起きた、門番さん」
「大事ないといいんだけど……」
「でもほら、薬師マックが付いてるんだし、何かあればすぐアイテムでササって治しちまうだろ」
「あ、はは、そうだよな。あの薬師マックだしな」
「……あ、俺、一度黒い鎧を着た門番さんと共闘したことあるんだけど」
「共闘、いいなあ」
「それでな。あの鎧、すっごく隠密が高いとかなんとか言ってて。もしかしたらそれ系のスキルを門番さん自身が覚えたのかもしれないぞ」
「スキル……? NPCがスキルって覚えるもんなのか?」
「NPCの人たちだってスラッシュ飛ばしたり魔法使ったりするじゃん。あれは私たちにとってはスキルでしょ。ってことは、ここの人たちにとってもスキルなのかもしれないわよ」
「ああ。そうか。そうかも。よかった……俺、てっきり」
「俺も門番さんみてえな。ほんとにマーカー出ないのか見てみてえ」
「聞きたいよね。どうやってるの、って」
「無自覚隠密かもしれねえぞ」
「それってすでに極めてるってこと……? 逆にパねえ……」
「とにかく、目撃されてよかった」
「ほんとに」
「別れてなくてよかった」
「ね」
「今日は祝杯だ」
「おー!」
「今日はおごりだ―――!この次にコメした奴の」
「言い出しっぺの法則というのがあってだな」
「お前の奢り!」
「言い出したお前の奢りな!」
「よーしじゃあ辺境に来い」
「行ってやる。お前の分だけは俺が奢ってやるよ!」
「俺も辺境に行ってやる! そして↑のコメのやつだけ奢ってやるよ!」
「じゃあ俺はすぐ上のやつに奢ってやるよ!」
「何この優しい世界。俺にも奢らせてください……辺境まだいけないけど。獣人の村から送金します」
「何この子イイ子。お姉さんが獣人の村で奢ってあげる」
「俺も獣人の村にいるから合流しよう」
「俺も俺も」
「俺は辺境」
「今日は祝杯だな」
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