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『門番さんとの馴れ初め聞いちゃった』
しおりを挟む「俺のフレが薬師マックと門番さんと共闘したらしい。新たなる情報ゲット。薬師マック魔法陣魔法を使える!」
「……そういやこのスレの動画にもそれっぽいものは使ってた様ななかったような。ってなんだその魔法。すげえ」
「どうやって覚えたんだ。俺も憶えたい」
「もしかして今まで転移してたの、門番さんじゃなくて、薬師マックか……?」
「転移は出来るかわからないけど、バフ掛けは魔法陣魔法でやってたらしい。そしてとんでもない威力のアイテム出してきたそうだ。水魔法が滝に変わったらしい」
「は?」
「え?」
「ええと、詳しく説明よろしく。わけわからない」
「俺もよくわからないんだが、薬師マックが投げたアイテムに水魔法をブチ当てたらそこに滝が出来たらしい」
「……やっぱりよくわからない。動画ないの?」
「緊急討伐クエでそれどころじゃなかったらしい」
「……それはあれか。門番さんと薬師マックが揃ってたからか?」
「出会う前からクエ来てたらしいけどな。丁度獣人の村の森の中でばったり会ったんだそうだ。そこで薬師マックも同じクエ出たらしくて、共闘したって流れだそうだ」
「なんか、なんだ。俺も獣人の村に入り浸るかな……」
「私結構入り浸ってるけど、なかなか会えないわよ」
「釣り場にも来ないし」
「行き先を予測してもことごとく覆されるしなあ」
「その緊急クエの報酬ききてえええええ」
「報酬は普通だったらしいけど、その時の流れで魔法陣魔法を獣人に教えてもらえることになったらしいぞ」
「Σ(゜Д゜)」
「マジか……!」
「なんていう羨ましい流れ……!」
「薬師マックの魔法陣魔法はそこで覚えたんじゃないかっていう予測を立てた」
「どこからそんな伝手を見つけてくるんだろうな、薬師マック」
「ほんとにな」
「でも門番さんを誑すくらいだし」
「誑すとかいうなよ。もしかしたら門番さんから言い寄ったのかもしれないだろ」
「あ、それ俺門番さんと世間話した時聞いたけど、門番さんの方が薬師マックにベタ惚れだったらしい。数か月間片想いだったらしいぞ。でもって、ドラゴンが出た時、門番さんヘマしたらしくて死にかけた時、薬師マックに口移しでポーション飲ませてもらって勢いで告白したらしい」
「Σ(゜Д゜)」
「なんてドラマティックな……」
「聞いてるだけでドキドキしちゃう……」
「僕もそんな風に恋してみたい」
「ほんとにね」
「そう言えば最近仕事変えてからログイン時間が変わったんだけどな、早朝ログアウトしよう思って街を歩くと門番さんとすれ違うようになったんだよ。でもって、夜にログインしてクエストに出ようとすると、またしても門番さんとすれ違うんだよ」
「???」
「だから?」
「巡回とかじゃねえの?」
「いやいや、街中の巡回は衛兵の仕事だろ」
「どういうこと?」
「なんていうか……個人工房みたいなところから出てきて、帰っていく、みたいなのを見ちまってな……図らずも薬師マックの工房の場所が判明したんじゃないかっていう……もちろん言えねえけどな。でも、門番さん、工房から門に通ってるみたいなんだよ」
「やあん! とうとう一緒に住み始めたのね!」
「まあ婚姻の儀を受けたくらいだしね。一緒に住むのは普通でしょ」
「でも薬師マックはプレイヤーだよ。ログアウトとかするじゃん」
「ああ……そこらへん、うまくやって欲しいな」
「ほんとにね」
「通い妻?」
「薬師マックの工房なんだから通い妻ってのはちょっと違わね?」
「じゃあ、ログイン妻?」
「それはもっと違うと思う」
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