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『とうとう二人は結ばれた模様!!おめでとう!!』

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「神殿の入り口で門番さんと薬師マックを見かけた」

「え」

「Σ(゜Д゜)」

「(゜Д゜;)」

「( ゜Д゜)」

「今日!? とうとうか!」

「多分。二人で手を繋いで神殿に入ってった」

「おおおおおお!」

「おめでとおおおおお!」

「ひゅうううう!」

「ってかちょっと待て。ADOって婚姻の儀を受けると何か変わるのか?」

「婚姻の儀受けたことあるやつ挙手」

「……」

「ねえよ」

「受けてみたいけどね。相手がいないわ」

「俺も……」

「あ、俺、別に恋人でも何でもねえやつと婚姻の儀を受けに行ったことならある」

「詳しく」

「kwsk」

「何でそんな状態で婚姻の儀を受けに行くんだよ」

「だって何かステータス補正とかついたらラッキーじゃん」

「確かに」

「で、どうだった?」

「補正ついた?」

「いや、結果から言うと、婚姻の儀は受けられなかった」

「Σ(゜Д゜)」

「どうもな、本気で相手と結婚したいとか思ってないと、婚姻の儀に使う扉が開かないんだ。無骨なかざりっけのねえ扉だったんだけど」

「え、俺が聞いた話と違う」

「そっちも詳しく」

「何かな、ADO内で仲良くなったやつが婚姻の儀を受けてきたっていうから話を聞いたら、神殿のすっげえ花が咲き乱れてる所を潜って、その花を好きなだけ持って儀式を受けるとかなんとか。感動したとか言ってたけど」

「マジか。そういうのバレるのか」

「流石ゲーム」

「婚姻は誤魔化せない仕様なんだな」

「本気じゃないと開かないって、あの限界突破神殿みたいだな」

「ほんとにな。そういうところだけ本腰入れることねえのに運営」

「な。でもNPCが受けたのを聞いただけってことは、ステータスの補正とかもわからず仕舞いって感じか」

「そうそれ。誰か受けて来て実況レポよろ」

「自分で行けよ」

「行けたらな!!!行きてえよ!」





「ねえ……今日、薬師マックを見かけたんだけど、ひ、左手の指に指輪が着いてた」

「マジか! やっぱり婚姻の儀うけたのか!」

「門番さんは……鎧着てるから確認できねえな」

「でもADOでも指輪って贈る物なの?」

「聞いたことねえ」

「っつうかそんな話題出たことねえ」

「確かに」

「それに指輪ったってアクセサリとしてなんかの効果がついてるようなのはじゃらじゃら付けてる奴らだっているだろ」

「でも薬師って手に何かつけるのかな」

「……」

「ご、ごちそうさま。俺、今度なんかお祝いを門番さんに渡すわ」

「あ、俺も」

「御祝儀、渡さないとな」

「ってかどこで会ったんだよ。指輪確認なんて、すっげえ近くに接近だろ」

「獣人の村に遊びに行ってみようと思って石像の所に行ったら、あとから薬師マックが来たのよ。ユイルちゃんを抱っこする薬師マックのスクショ撮っちゃったわ」

「だせ、だすんだ」

「今すぐ」

「はよ」

「無理。送るときに晒さないって約束したから」

「なんかそういうやつ増えたな。俺も遭遇したい」

「獣人の村のことはそっちのスレに書くわね」

「お、移動移動」

「wktk」

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