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38、有能侍女のお仕事
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領内を視察している間に、俺たちの服が仕上がった。
前に作った服もとても立派だったけれど、それ以上に立派で、銀糸がふんだんに使われていた。逆にアラン様の服は金糸がふんだんに使われていた。すごく豪華。
その金糸は色が濃いめで、何でも陽に透けた俺の髪がこんな色に見えるんだとかどうとかアラン様が説明してくれて、変な声が出そうになった。
「アラン様のお顔は最高に綺麗なのに、俺の色で包むとか……なんだか罪悪感が浮かんできました……」
顔を覆いながらそう呟くと、アラン様は声を出して笑い出した。
「たまには私にも惚気させてくれ。これが私の伴侶だと、これでも声高に言いたいのだ」
「こんな最っ高な人が俺の伴侶なんて信じられない!!」
「ははは、先に言われてしまった」
出来上がってきた服を脱ぎながら、笑うアラン様に見蕩れる。
脱いだ服は丁寧に周りの人達がしまってくれて、俺たちは普段着に戻った。
それにしてもアラン様がビシッとした上着を着ると本当にかっこいい。これぞ王族!! っていう気品が身体中から溢れている気がする。
明日はベルラッド侯爵と話し合いに行き、まとまり次第王都の俺の実家に向かって、そこから王宮の夜会に出ることになる。
うちから行く途中の道に魔物がいるから、侯爵がこっちに来ることは出来ないそうで、俺とフェンリル様と子フェンたちが出向くことになっている。アラン様は今年中に終わらせないといけないものがまだまだあるので、留守番だ。
「さっさと解決して戻ってきますね」
「それでも心配だ……マーレ、本当に気を付けて」
「アラン様の代理に俺と兄さんがフェンリル様を連れて出るんですよ。問題なんてなんもないです」
最強メンバーじゃないですかと笑うと、アラン様は上着を脱いだだけのラフなシャツ姿で俺を抱きしめた。
「今日は早めに仕事を終えて、少しだけ二人でゆっくりしよう。明日以降はきっと新年の夜会が終わるまで二人きりでゆっくりなど出来ないから」
「そうですね」
珍しく直接的なアラン様のお誘いに、俺は一も二もなく賛成した。
その日の夜。アラン様は本当に早めに仕事を終えて部屋に来てくれた。
今日は部屋付きの者たちはすでに下がっている。
二人きりの部屋で、俺たちは並んでソファに座った。
まずはこれから忙しくなるだろう新年に向けての気付けの乾杯。
二人でグラスを傾けたところで、俺は思い出したようにベッドに目を向けた。
「すごく気合い入れて侍女たちがあんなものを用意してたんですよ」
俺がベッド横のテーブルを指さすと、アラン様がそっちに視線を向けた後、ブホッといつものアラン様にあるまじき状態で吹き出した。
咽せたアラン様の背中をさすりながら、笑いそうになるのを我慢する。
侍女たちはそれはもう楽しそうに香り高い香油やら、粘度が素晴らしい香油やら、肌に優しい香油やらをたくさん用意してくれていた。おかげでサイドテーブルはとてもたくさんの華やかな瓶が並んでいる。
「どうしてこういう香油って華やかな瓶が多いんでしょうね。蓋がバラの瓶とか、普段は絶対に見かけないんですが」
「……っゴホ」
「しかも身体中から金星花の香りとかしたら逆に香り強すぎて気が削がれそうな気がします」
「っ、マーレ」
「あと、何やら興奮した状態になりやすい香油もあるとかどうとか。媚薬なんですかね。常用性があったりしたらちょっと問題ですよね……興味はあるけど」
でもアラン様と素肌を重ねただけで興奮するから、そういうのはいらない気もしないでもない。最初っからしっかりと勃ち上がってるから……。
「もし慣れちゃって興奮とかしないほどマンネリした時に使うやつとか……?」
「マーレ。興味津々なのはいいが……私としてはマーレとのそういう行為が館中に筒抜けなのは少しだけ、遠慮したいというか恥ずかしいというか……」
「……アラン様可愛い……!」
確かにね! 昨日はお楽しみでしたね、なんて真顔で言われたらいたたまれないよね。昼の会話でもうすっかり俺とアラン様が今日の夜いたすってこと皆に知れ渡ってるよね。
でももう伴侶だから、そういう行為はガンガンしていいと思うんだよ。仲良きことはいいことだから。
手に持ったグラスを一気に呷ると、俺はアラン様の手を取った。
「せっかくだし、色々使ってみましょ」
照れるアラン様を急かして、俺はベッドへと誘った。
アラン様のものがギチギチに俺の中に埋め込まれている。
動くたびにふわんと金星花の香りが立ち込めて、花びらの中で抱かれているような気持ちになる。
アラン様の首に腕を回しながら、俺は「これ、この香油だめだ……」と呟いた。
「だめか? なかなかいい香りだと思うが。本物の金星花そっくりの匂いだ」
「だからこそ……っ、だってこれ、領都の街路樹として育て始めたじゃないですか……っ、だから、街でこの香りを嗅いだら、アラン様が欲しくなりそうで、あっあっ……っ」
アラン様の動きが激しくなった。耳元で可愛いを連発するアラン様に、俺はなすすべなく揺すられるだけ。そのたびに金星花の香りに包まれて、半泣き状態になった。
アラン様は普通にいつも使う香油を手にしたんだけれど、どうせなら使ってみようと俺が勧めたので、自業自得と言えなくもない。でも、よすぎてだめだった。
動くたびにまぶたの裏に出来上がっていく街の大通りで笑顔を浮かべるアラン様が想像できてしまって、かといって目を開ければ気持ちよさそうに、けれど何かを我慢するように少し眉間に皺を寄せるアラン様が好きすぎて。
その顔を見るたびに昇天して、大変だった。
侍女たちはとてもいい仕事をしたわけだ……って、使ったのは二種類くらいだけれど。
「……なら、一度香りを消そうか」
アラン様はそう言うと、ずるりと俺の中から抜けていった。
腹の上とシーツの上が俺の出したものでドロドロになっている。出し過ぎて俺のものはすでに力ない状態になっているのに、腹の中はまだビクビクと快感を享受している。
アラン様は一度俺にキスをすると、ガウンを羽織り、ベッドから離れていった。
空の盥にアラン様が魔法で水をためると、そこに布を浸してぎゅっと絞る。
それを持ってきて俺の腹を拭くと、ひやりと冷たい布が熱くなっていた俺の体温を下げていった。
それと共に、香油の香りも和らぐ。
アラン様は丁寧に香油を塗りつけたところを布で拭いていった。それは表面だけじゃなくて……。
「次は香りが少ないものがいい……」
「わかった」
ぐったりとしながら香油に目をやり、無難そうなものに手を伸ばす。
特に説明は受けていないので、実際付けられているパッケージを見ないとどれがどれかはわからない。
「次は、これでお願いします……」
香りもなさそうな感じだったのでアラン様に渡すと、アラン様は驚いた様に目を見開いた。
「今から次をするのか?」
「え、でもアラン様まだ出してくれてないでしょ」
たくさん出して貰った方が回復するんです、と、俺を慮って行為をやめようとしていたアラン様の手を引く。
それに、アラン様のものはまだまだ硬く、しっかりと上を向いているのがわかってるから。ここでおわりにしたら絶対に辛いやつ。
「マーレ、でもこの香油……」
「金星花じゃなければ何でもいい……」
俺もまだ腹の中の熱が満足してないから、とアラン様を見上げれば、アラン様はゴクリと喉を鳴らしてから、手元の香油をみて、そっといつも使っている物と交換した。
「流石に今のを使うのは、明日に支障を来たすから……一日馬車だろう? 今のはあれだ、興奮する香油だから」
次の日ゆっくり出来る時に使わせて貰おうな、とアラン様が香油を俺の身体に垂らす。
いつもの香りが、何やら安心する。
ほっとしていると、自身のものにも香油をまとわせたアラン様がもう一度俺に覆い被さってくる。
それを嬉しく思いながら、アラン様を受け入れた。
早く興奮する香油も使ってみたいな、なんて思ったのは内緒。
前に作った服もとても立派だったけれど、それ以上に立派で、銀糸がふんだんに使われていた。逆にアラン様の服は金糸がふんだんに使われていた。すごく豪華。
その金糸は色が濃いめで、何でも陽に透けた俺の髪がこんな色に見えるんだとかどうとかアラン様が説明してくれて、変な声が出そうになった。
「アラン様のお顔は最高に綺麗なのに、俺の色で包むとか……なんだか罪悪感が浮かんできました……」
顔を覆いながらそう呟くと、アラン様は声を出して笑い出した。
「たまには私にも惚気させてくれ。これが私の伴侶だと、これでも声高に言いたいのだ」
「こんな最っ高な人が俺の伴侶なんて信じられない!!」
「ははは、先に言われてしまった」
出来上がってきた服を脱ぎながら、笑うアラン様に見蕩れる。
脱いだ服は丁寧に周りの人達がしまってくれて、俺たちは普段着に戻った。
それにしてもアラン様がビシッとした上着を着ると本当にかっこいい。これぞ王族!! っていう気品が身体中から溢れている気がする。
明日はベルラッド侯爵と話し合いに行き、まとまり次第王都の俺の実家に向かって、そこから王宮の夜会に出ることになる。
うちから行く途中の道に魔物がいるから、侯爵がこっちに来ることは出来ないそうで、俺とフェンリル様と子フェンたちが出向くことになっている。アラン様は今年中に終わらせないといけないものがまだまだあるので、留守番だ。
「さっさと解決して戻ってきますね」
「それでも心配だ……マーレ、本当に気を付けて」
「アラン様の代理に俺と兄さんがフェンリル様を連れて出るんですよ。問題なんてなんもないです」
最強メンバーじゃないですかと笑うと、アラン様は上着を脱いだだけのラフなシャツ姿で俺を抱きしめた。
「今日は早めに仕事を終えて、少しだけ二人でゆっくりしよう。明日以降はきっと新年の夜会が終わるまで二人きりでゆっくりなど出来ないから」
「そうですね」
珍しく直接的なアラン様のお誘いに、俺は一も二もなく賛成した。
その日の夜。アラン様は本当に早めに仕事を終えて部屋に来てくれた。
今日は部屋付きの者たちはすでに下がっている。
二人きりの部屋で、俺たちは並んでソファに座った。
まずはこれから忙しくなるだろう新年に向けての気付けの乾杯。
二人でグラスを傾けたところで、俺は思い出したようにベッドに目を向けた。
「すごく気合い入れて侍女たちがあんなものを用意してたんですよ」
俺がベッド横のテーブルを指さすと、アラン様がそっちに視線を向けた後、ブホッといつものアラン様にあるまじき状態で吹き出した。
咽せたアラン様の背中をさすりながら、笑いそうになるのを我慢する。
侍女たちはそれはもう楽しそうに香り高い香油やら、粘度が素晴らしい香油やら、肌に優しい香油やらをたくさん用意してくれていた。おかげでサイドテーブルはとてもたくさんの華やかな瓶が並んでいる。
「どうしてこういう香油って華やかな瓶が多いんでしょうね。蓋がバラの瓶とか、普段は絶対に見かけないんですが」
「……っゴホ」
「しかも身体中から金星花の香りとかしたら逆に香り強すぎて気が削がれそうな気がします」
「っ、マーレ」
「あと、何やら興奮した状態になりやすい香油もあるとかどうとか。媚薬なんですかね。常用性があったりしたらちょっと問題ですよね……興味はあるけど」
でもアラン様と素肌を重ねただけで興奮するから、そういうのはいらない気もしないでもない。最初っからしっかりと勃ち上がってるから……。
「もし慣れちゃって興奮とかしないほどマンネリした時に使うやつとか……?」
「マーレ。興味津々なのはいいが……私としてはマーレとのそういう行為が館中に筒抜けなのは少しだけ、遠慮したいというか恥ずかしいというか……」
「……アラン様可愛い……!」
確かにね! 昨日はお楽しみでしたね、なんて真顔で言われたらいたたまれないよね。昼の会話でもうすっかり俺とアラン様が今日の夜いたすってこと皆に知れ渡ってるよね。
でももう伴侶だから、そういう行為はガンガンしていいと思うんだよ。仲良きことはいいことだから。
手に持ったグラスを一気に呷ると、俺はアラン様の手を取った。
「せっかくだし、色々使ってみましょ」
照れるアラン様を急かして、俺はベッドへと誘った。
アラン様のものがギチギチに俺の中に埋め込まれている。
動くたびにふわんと金星花の香りが立ち込めて、花びらの中で抱かれているような気持ちになる。
アラン様の首に腕を回しながら、俺は「これ、この香油だめだ……」と呟いた。
「だめか? なかなかいい香りだと思うが。本物の金星花そっくりの匂いだ」
「だからこそ……っ、だってこれ、領都の街路樹として育て始めたじゃないですか……っ、だから、街でこの香りを嗅いだら、アラン様が欲しくなりそうで、あっあっ……っ」
アラン様の動きが激しくなった。耳元で可愛いを連発するアラン様に、俺はなすすべなく揺すられるだけ。そのたびに金星花の香りに包まれて、半泣き状態になった。
アラン様は普通にいつも使う香油を手にしたんだけれど、どうせなら使ってみようと俺が勧めたので、自業自得と言えなくもない。でも、よすぎてだめだった。
動くたびにまぶたの裏に出来上がっていく街の大通りで笑顔を浮かべるアラン様が想像できてしまって、かといって目を開ければ気持ちよさそうに、けれど何かを我慢するように少し眉間に皺を寄せるアラン様が好きすぎて。
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侍女たちはとてもいい仕事をしたわけだ……って、使ったのは二種類くらいだけれど。
「……なら、一度香りを消そうか」
アラン様はそう言うと、ずるりと俺の中から抜けていった。
腹の上とシーツの上が俺の出したものでドロドロになっている。出し過ぎて俺のものはすでに力ない状態になっているのに、腹の中はまだビクビクと快感を享受している。
アラン様は一度俺にキスをすると、ガウンを羽織り、ベッドから離れていった。
空の盥にアラン様が魔法で水をためると、そこに布を浸してぎゅっと絞る。
それを持ってきて俺の腹を拭くと、ひやりと冷たい布が熱くなっていた俺の体温を下げていった。
それと共に、香油の香りも和らぐ。
アラン様は丁寧に香油を塗りつけたところを布で拭いていった。それは表面だけじゃなくて……。
「次は香りが少ないものがいい……」
「わかった」
ぐったりとしながら香油に目をやり、無難そうなものに手を伸ばす。
特に説明は受けていないので、実際付けられているパッケージを見ないとどれがどれかはわからない。
「次は、これでお願いします……」
香りもなさそうな感じだったのでアラン様に渡すと、アラン様は驚いた様に目を見開いた。
「今から次をするのか?」
「え、でもアラン様まだ出してくれてないでしょ」
たくさん出して貰った方が回復するんです、と、俺を慮って行為をやめようとしていたアラン様の手を引く。
それに、アラン様のものはまだまだ硬く、しっかりと上を向いているのがわかってるから。ここでおわりにしたら絶対に辛いやつ。
「マーレ、でもこの香油……」
「金星花じゃなければ何でもいい……」
俺もまだ腹の中の熱が満足してないから、とアラン様を見上げれば、アラン様はゴクリと喉を鳴らしてから、手元の香油をみて、そっといつも使っている物と交換した。
「流石に今のを使うのは、明日に支障を来たすから……一日馬車だろう? 今のはあれだ、興奮する香油だから」
次の日ゆっくり出来る時に使わせて貰おうな、とアラン様が香油を俺の身体に垂らす。
いつもの香りが、何やら安心する。
ほっとしていると、自身のものにも香油をまとわせたアラン様がもう一度俺に覆い被さってくる。
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