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6、進路を決定。
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盟約とは、この国の興りまで遡る。
当時のヴィーダ家当主は、王となるべく国を興した男の大の親友だった。
その力の限りを使い、男を支持すると幻獣に浸透させた。そしてその男は生涯素晴らしい王として名を馳せた。まではいい。
共に立ったヴィーダも地位がなければ蹴散らされて終わるからと王から公爵位を賜った。
そこで、戴冠と共に、二度目の宣誓をしたのだ。
『我がヴィーダ公爵家は、メイユール王家の血を尊び、友として必ず横に立ち、力を尽くす』
と。
その宣誓をした瞬間、当時のヴィーダと契約していた幻獣が正当なる宣誓として世に刻んだ。
その時の幻獣が中位の幻獣や一族の長程度の幻獣だったらまだなんとかなったけれど、当時のヴィーダは人一倍魔力が多く幻獣に好かれていたらしく、契約した幻獣が次期幻獣王と言われたルシフェル様だったことで、その宣誓によってなされた盟約が数百年経った今でも破棄されることなく効力を発揮している。
これを我が家から破ろうとすると、幻獣たちとの絆は壊れることになり、ヴィーダ家としての力も、契約し愛を育んだ番も失うことになるので、うちは渋々王家と細々繋がっているのだ。
当時の王様は母さんの話では今の王家なんかより何倍も何十倍も立派で素晴らしい男だったということだ。当時から母さんは生きていて、しっかりと見定めているから本当の話だ。
「私は幻獣王の器ではないからあの忌々しい盟約を破棄することが出来ないのよね」
溜息と共に母さんが零す。
兄さんが王宮に従事するまでは、父さんが王宮に務めていた。滅茶苦茶下っ端の閑職だ。
なぜかと言うと、母さんに一目惚れして母さんをカンカンに怒らせた人が王宮の中枢にいたから。
人前で人妻である母さんに堂々と愛を乞い、あろうことか父さんのことを「こんなどこにでも転がっているような石ころみたいな男」と貶したのだ。その時壊れた王宮は、修繕に一年ほどかかったらしい。その人が中枢にいる限り母さんは絶対に王宮に行かないと啖呵を切り、でもヴィーダ家が一人でも王家に関わっていないと盟約反故となってしまうため、母さんを宥めてそっと閑職に潜り込んだらしい。
陛下は父さんを手元に置きたがり、その母さんを激怒させた男を辞めさせるとまで言っていたけれど、その男がまた名門で陛下の手下の一人だったため反発が凄すぎて辞めさせることも出来ず、父さんが下っ端にいることを了承したらしい。
だからこそ、兄さんが王宮を壊しても、前例があるから何とかなるんだそうだ。怖い。
今回は俺が行ったから修繕は一日で終わったけどね。
兄さんが学園卒業後、父さんたちのことを考えて王宮に就職してくれたことで、父さんはようやく当主としての仕事を全うできるようになったという訳だけれど。
兄さんもフェンリル様がいるから、母さんたちの二の舞になりそうなものなのに、実際もうなったのに王宮を辞められないのは建国時の厄介な盟約のせいなのだ。
「俺が王宮に行くのが一番簡単なんだろうけど」
「やめなさい。私があのクソガキたちを滅したくなるわ。そろそろメルクリオも辞めさせたいくらいなのに」
そうだよな、と溜め息を呑み込む。
他の人たちにはごく普通に接する王子たちは、実は学園ではかなり人気なのである。
ただ俺に毎回振られているので、身近に感じるなんて更に人気が出ていたりするんだけど、逆に俺がどうしてあれだけの人物を素気無く振るんだ、どこをとっても平凡だし幻獣も連れていないヴィーダ家の出来損ないなのにつけあがっているのではないか、なんて言われていたりするのを知っている。王子たちに直接迫られるよりは全然害がないので放置しているけれど。
でも、と溜め息を吐いて立ち上がる。
俺ももう三年生。今年で学園も卒業だ。その後は当主である父さん、と次期当主であるネーベルの補佐でもしていようと思ったけれど、どうしようか。
そんなことを考えているうちに、客が来たことを執事が教えてくれた。
王宮から帰ってくる兄さんたちと一緒の馬車で来てくれたらしい。
玄関先で父さんと母さんに頭を下げたグラシエール公爵は、俺を見ると、フッと目元を緩ませた。
晩餐後、一同が寛ぐと、幾分ラフな格好になったグラシエール公爵も晩酌に合流した。差し入れだと持ってきてくれた北の領地の酒を取り出すと、主に酒に強い幻獣様たちが大喜びした。
「マーレ殿。約束の私の領地の酒だが……マーレ殿の魔力が回復したらでいいので、ノームたちに渡して貰えないだろうか。でも今日はダメだ。もう魔力が枯渇しているだろう」
「優しい……」
思わず口をついてでてしまった言葉に、グラシエール公爵が苦笑した。
「優しいわけではない。普通の気遣いだろう」
全然普通の気遣いじゃないです、とにへらと笑う。だってあの王子たちは俺の気分も状態もお構いなしでガンガン来るから。同じ王家の血筋だとしても、どうしてここまで違うのか。
そう思って、ふと、今思ったことを反芻する。
王家の血筋。
盟約は、『メイユール王家の血を尊び、友として隣に立つ』こと。
血ならこの目の前の人も俺たちに尊ばれる血を持ってるってことだよな。
父さんと談笑するグラシエール公爵は、黙り込んだ俺に気遣いの視線を向けつつも、雰囲気を壊さないよう場を盛り上げてくれて、なかなかに楽しいひと時をくれた。
うちに一泊したグラシエール公爵は、このまま王宮には寄らずに北に向かうと言って帰っていった。
玄関外で見送った俺は、家の中に戻る時に父さんの呟きを拾ってしまった。
曰く。
「王宮を仕切る王族があの方のようなお方だったらよかったのに」
陛下の部下に苦労させられた父さんならではの言葉であり、重みだった。
咄嗟に俺と兄さんは深く頷いてしまった。
ネーベルはそんな俺たちを見て可哀そうなものを見る目を向けていた。
後日、グラシエール公爵から、追加の北の酒が届いた。めっちゃ沢山。
どうしたんだと思ったら、ノームたち全員に行きわたるようにとの采配だった。いい人。
魔力全快の時にノーム全員を呼び出してうちの庭で酒盛りをしていたら、母さん以下幻獣様たちが交ざってとても楽しい時間が持てた。俺も混ざって北の酒を堪能した。
それにお礼状を書いたら、そこから俺とグラシエール公爵の交流というか文通が始まった。
相変わらず学園では第二王子が俺を見掛けては気軽に口説いてくる日々。
ネーベルを風よけにして躱しながらも、俺はあることを目標に、勉学に力を入れた。
放課後図書室で本を読み漁り、昼は食堂に行かずに教室で持ってきたランチを食べ、とことん第二王子から逃げながら、北の大地の特色や地形などを頭に叩き込んでいく。
卒業してから行きたい場所が決まったら、勉強がかなり身に付いた気がした。やっぱり目標っていうのは大事だな、なんて思いながら、書の内容を覚えていった。
俺の目標。それは、グラシエール公爵領の領事館に務めること。いきなり行ったら面接してもらえるだろうか。その前に手紙で相談しよう。
幸い、文通仲間だ。
手紙の中にそれとなく北に行きたいことを書こう。
彼の元でならのびのび働けるんじゃないか。
そして一番大事なのは、王家の血筋に俺が付けば、兄さんが王宮で働くことがなくなるということだ。これ大事。
最初の王宮破壊事件から約半年。
あれから三度ほど王宮に呼ばれ、フェンリル様が壊した王宮を修繕した。
それだけ兄さんに対する当たりがきついということ。
そして、フェンリル様が強いが故に、忌避感があるということ。
何より、兄さんが気付かれしているとフェンリル様が更にイライラするのがヤバい。
そのうち本宮を全損させるのも時間の問題と思っている。
第一王子は王宮のどこかが壊れると俺が行くのが分かったのか、いそいそとやって来ては近付いてくるので、王宮内では俺は絶対にフェンリル様から離れないようにしている。
フェンリル様にとって俺は番の弟なので身内である。それもあって、かなり雰囲気が恐ろしいことになっているというのを、陛下と王子たちは知っているんだろうか。
第二王子はそこまで強引なことをしてこないけれど、それは実は俺のことを全然気に入らないどころか見た目が嫌だということを愚痴っていたとノームにこっそり教えて貰えるので、案外安心している。学園内で問題を起こすとそれだけで王位継承が遠くなるしね。
第二王子の外見の好みがネーベルでよかったと安心しながら過ごした学園の最終学年。
約三の季節が巡る間に更に仲良くなったグラシエール公爵に北への就職希望の手紙を出して渋られ渋られ、ようやくギリギリでお試し期間を設けられた俺は、卒業と同時に一路北へ向かった。
当時のヴィーダ家当主は、王となるべく国を興した男の大の親友だった。
その力の限りを使い、男を支持すると幻獣に浸透させた。そしてその男は生涯素晴らしい王として名を馳せた。まではいい。
共に立ったヴィーダも地位がなければ蹴散らされて終わるからと王から公爵位を賜った。
そこで、戴冠と共に、二度目の宣誓をしたのだ。
『我がヴィーダ公爵家は、メイユール王家の血を尊び、友として必ず横に立ち、力を尽くす』
と。
その宣誓をした瞬間、当時のヴィーダと契約していた幻獣が正当なる宣誓として世に刻んだ。
その時の幻獣が中位の幻獣や一族の長程度の幻獣だったらまだなんとかなったけれど、当時のヴィーダは人一倍魔力が多く幻獣に好かれていたらしく、契約した幻獣が次期幻獣王と言われたルシフェル様だったことで、その宣誓によってなされた盟約が数百年経った今でも破棄されることなく効力を発揮している。
これを我が家から破ろうとすると、幻獣たちとの絆は壊れることになり、ヴィーダ家としての力も、契約し愛を育んだ番も失うことになるので、うちは渋々王家と細々繋がっているのだ。
当時の王様は母さんの話では今の王家なんかより何倍も何十倍も立派で素晴らしい男だったということだ。当時から母さんは生きていて、しっかりと見定めているから本当の話だ。
「私は幻獣王の器ではないからあの忌々しい盟約を破棄することが出来ないのよね」
溜息と共に母さんが零す。
兄さんが王宮に従事するまでは、父さんが王宮に務めていた。滅茶苦茶下っ端の閑職だ。
なぜかと言うと、母さんに一目惚れして母さんをカンカンに怒らせた人が王宮の中枢にいたから。
人前で人妻である母さんに堂々と愛を乞い、あろうことか父さんのことを「こんなどこにでも転がっているような石ころみたいな男」と貶したのだ。その時壊れた王宮は、修繕に一年ほどかかったらしい。その人が中枢にいる限り母さんは絶対に王宮に行かないと啖呵を切り、でもヴィーダ家が一人でも王家に関わっていないと盟約反故となってしまうため、母さんを宥めてそっと閑職に潜り込んだらしい。
陛下は父さんを手元に置きたがり、その母さんを激怒させた男を辞めさせるとまで言っていたけれど、その男がまた名門で陛下の手下の一人だったため反発が凄すぎて辞めさせることも出来ず、父さんが下っ端にいることを了承したらしい。
だからこそ、兄さんが王宮を壊しても、前例があるから何とかなるんだそうだ。怖い。
今回は俺が行ったから修繕は一日で終わったけどね。
兄さんが学園卒業後、父さんたちのことを考えて王宮に就職してくれたことで、父さんはようやく当主としての仕事を全うできるようになったという訳だけれど。
兄さんもフェンリル様がいるから、母さんたちの二の舞になりそうなものなのに、実際もうなったのに王宮を辞められないのは建国時の厄介な盟約のせいなのだ。
「俺が王宮に行くのが一番簡単なんだろうけど」
「やめなさい。私があのクソガキたちを滅したくなるわ。そろそろメルクリオも辞めさせたいくらいなのに」
そうだよな、と溜め息を呑み込む。
他の人たちにはごく普通に接する王子たちは、実は学園ではかなり人気なのである。
ただ俺に毎回振られているので、身近に感じるなんて更に人気が出ていたりするんだけど、逆に俺がどうしてあれだけの人物を素気無く振るんだ、どこをとっても平凡だし幻獣も連れていないヴィーダ家の出来損ないなのにつけあがっているのではないか、なんて言われていたりするのを知っている。王子たちに直接迫られるよりは全然害がないので放置しているけれど。
でも、と溜め息を吐いて立ち上がる。
俺ももう三年生。今年で学園も卒業だ。その後は当主である父さん、と次期当主であるネーベルの補佐でもしていようと思ったけれど、どうしようか。
そんなことを考えているうちに、客が来たことを執事が教えてくれた。
王宮から帰ってくる兄さんたちと一緒の馬車で来てくれたらしい。
玄関先で父さんと母さんに頭を下げたグラシエール公爵は、俺を見ると、フッと目元を緩ませた。
晩餐後、一同が寛ぐと、幾分ラフな格好になったグラシエール公爵も晩酌に合流した。差し入れだと持ってきてくれた北の領地の酒を取り出すと、主に酒に強い幻獣様たちが大喜びした。
「マーレ殿。約束の私の領地の酒だが……マーレ殿の魔力が回復したらでいいので、ノームたちに渡して貰えないだろうか。でも今日はダメだ。もう魔力が枯渇しているだろう」
「優しい……」
思わず口をついてでてしまった言葉に、グラシエール公爵が苦笑した。
「優しいわけではない。普通の気遣いだろう」
全然普通の気遣いじゃないです、とにへらと笑う。だってあの王子たちは俺の気分も状態もお構いなしでガンガン来るから。同じ王家の血筋だとしても、どうしてここまで違うのか。
そう思って、ふと、今思ったことを反芻する。
王家の血筋。
盟約は、『メイユール王家の血を尊び、友として隣に立つ』こと。
血ならこの目の前の人も俺たちに尊ばれる血を持ってるってことだよな。
父さんと談笑するグラシエール公爵は、黙り込んだ俺に気遣いの視線を向けつつも、雰囲気を壊さないよう場を盛り上げてくれて、なかなかに楽しいひと時をくれた。
うちに一泊したグラシエール公爵は、このまま王宮には寄らずに北に向かうと言って帰っていった。
玄関外で見送った俺は、家の中に戻る時に父さんの呟きを拾ってしまった。
曰く。
「王宮を仕切る王族があの方のようなお方だったらよかったのに」
陛下の部下に苦労させられた父さんならではの言葉であり、重みだった。
咄嗟に俺と兄さんは深く頷いてしまった。
ネーベルはそんな俺たちを見て可哀そうなものを見る目を向けていた。
後日、グラシエール公爵から、追加の北の酒が届いた。めっちゃ沢山。
どうしたんだと思ったら、ノームたち全員に行きわたるようにとの采配だった。いい人。
魔力全快の時にノーム全員を呼び出してうちの庭で酒盛りをしていたら、母さん以下幻獣様たちが交ざってとても楽しい時間が持てた。俺も混ざって北の酒を堪能した。
それにお礼状を書いたら、そこから俺とグラシエール公爵の交流というか文通が始まった。
相変わらず学園では第二王子が俺を見掛けては気軽に口説いてくる日々。
ネーベルを風よけにして躱しながらも、俺はあることを目標に、勉学に力を入れた。
放課後図書室で本を読み漁り、昼は食堂に行かずに教室で持ってきたランチを食べ、とことん第二王子から逃げながら、北の大地の特色や地形などを頭に叩き込んでいく。
卒業してから行きたい場所が決まったら、勉強がかなり身に付いた気がした。やっぱり目標っていうのは大事だな、なんて思いながら、書の内容を覚えていった。
俺の目標。それは、グラシエール公爵領の領事館に務めること。いきなり行ったら面接してもらえるだろうか。その前に手紙で相談しよう。
幸い、文通仲間だ。
手紙の中にそれとなく北に行きたいことを書こう。
彼の元でならのびのび働けるんじゃないか。
そして一番大事なのは、王家の血筋に俺が付けば、兄さんが王宮で働くことがなくなるということだ。これ大事。
最初の王宮破壊事件から約半年。
あれから三度ほど王宮に呼ばれ、フェンリル様が壊した王宮を修繕した。
それだけ兄さんに対する当たりがきついということ。
そして、フェンリル様が強いが故に、忌避感があるということ。
何より、兄さんが気付かれしているとフェンリル様が更にイライラするのがヤバい。
そのうち本宮を全損させるのも時間の問題と思っている。
第一王子は王宮のどこかが壊れると俺が行くのが分かったのか、いそいそとやって来ては近付いてくるので、王宮内では俺は絶対にフェンリル様から離れないようにしている。
フェンリル様にとって俺は番の弟なので身内である。それもあって、かなり雰囲気が恐ろしいことになっているというのを、陛下と王子たちは知っているんだろうか。
第二王子はそこまで強引なことをしてこないけれど、それは実は俺のことを全然気に入らないどころか見た目が嫌だということを愚痴っていたとノームにこっそり教えて貰えるので、案外安心している。学園内で問題を起こすとそれだけで王位継承が遠くなるしね。
第二王子の外見の好みがネーベルでよかったと安心しながら過ごした学園の最終学年。
約三の季節が巡る間に更に仲良くなったグラシエール公爵に北への就職希望の手紙を出して渋られ渋られ、ようやくギリギリでお試し期間を設けられた俺は、卒業と同時に一路北へ向かった。
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