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5、ヴィーダ公爵家。
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追ってくる気配はない。
少しの間きらびやかな廊下を歩き、グラシエール公爵は一つの部屋に俺を誘ったので、その誘いに乗ることにする。
部屋に入ると、誰も使っていないのに部屋の隅にはメイドが控えていて、グラシエール公爵の指示で隣の部屋に消えていった。
ホッとして小さい声でお礼を言うと、スッとグラシエール公爵の手が離れた。
「リヒト殿下はあそこまで愚かな行動をする者ではなかったと思うんだが……甥が済まなかった」
「それはグラシエール公爵閣下が謝ることじゃないです」
まずは座って落ち着こうか、という声と共に、隣の部屋からメイドが茶器を乗せたワゴンを押して来た。タイミングバッチリ。
「それに、あの方のテリトリーに入ってしまった俺が迂闊だったんです。学校ではあそこまで強引には来なかったので」
「それほどまでにリヒト殿下は君に懸想をしているということか?」
「そうではないですね。俺がヴィーダ家だから手に入れたいだけだと思います。王位に就くために」
「ああ……」
グラシエール公爵も王子たち兄弟の王位争いを知っているのか、それはそれは深い溜息を吐いた。
「それにしても……あのように強引に行くなど……」
「俺、殿下方に舐められてるんですよね。俺だけ番になる契約獣がいないし、能力も見た目も平均くらいだし飛び抜けたところが何もないんで。だからちょっと顔がいい自分が迫ればいちころだと思ってるっぽいんですよ」
「なんだそれは……」
俺のセリフに、グラシエール公爵は呆れた様な表情になった。
「俺以外には普通に対応するし、必殺王子スマイルでなんでもそつなくこなすから、素晴らしい王子と思われてたらしいんですよ。でも俺しかいない時はだいぶ強引ではありましたね。余りにもしつこくて兄さんに協力してもらって逃げ回りましたが。王家に抗議してもするっと躱されるし」
「だからといって、嫌がる君を自分の物だと言っても意味がないだろう」
「それなんですよね。本当は俺が本気で嫌がってるのわかってると思うんですよ。でも絶対聞かないふりして、自分の物にしたいらしくて。第二王子も全く同じ行動をしてるんですけど。今は弟を盾にしてます」
はぁ、と溜め息を吐くと、同じようにグラシエール公爵も溜息を吐いた。
「通りかかってよかったよ。確かにあのまま部屋に閉じ込められたら、何もなくても君が自分の物になったと思われるだろうな。ここには部屋付きの者がいるから商談などに使われるので安心だが」
飲みなさい、とお茶を勧められ、少しだけ温くなったお茶を一口飲んだ。
フワッと香る花の香りが、胃の気持ち悪さをやわらげてくれる。というよりも、目の前の人がいることが何やらホッとするというか。
不思議な気持ちのまま、グラシエール公爵の「ところで私に用事というのは、方便かな?」という言葉で本来の目的を思い出した。
「違います。本当に用事があって。先程拾った書類、一枚残っていたので届けに来たんです」
カバンから拾った書類を取り出すと、グラシエール公爵はその書類を受け取り、少しだけ皮肉気に口角を上げた。
「もう必要ない物だな。もう一度提出し交渉する時間は私にはなくてね」
北に戻らないといけないから、と書類を小さく折りたたんでサッと懐にしまってしまう。
「しかし今日は君に沢山世話になってしまったな。私のために怖い思いまでしてしまって。どうお詫びすれば」
「ああ、いいです。きっとここにはそうそう来ないんで。兄の所に行くにしても、執務棟だけでしょうし。きっとまたフェンリル様はお城を壊すと思うんですけどね」
「壊すこと前提か」
「ええ。あの騎士団子息がいる限り。それと、兄の陰口がある限り」
「召喚一族の陰口か……そんなことをする者がいるとは……」
少しだけ眉を顰めるグラシエール公爵は、盟約のことを知っていそうだ。それはそうか。王弟ということは、王家直系だ。どうして北の地を賜ったのかは知らないけれど。
なんとなく、俺も助けてもらったし、このまま北に送りだすのも残念な気がした。
「あ、そうだ。じゃあ、今日のお礼代わりに、今夜家に招待してもいいですか?」
「招待? それは、迷惑になるのでは」
「ならないならない。うち広いですし。何かあっても幻獣様たちがいるから、下手したら王宮より安全ですから。俺に詫びたいのであれば、ぜひうちに来て欲しいです」
俺のお願いに、グラシエール公爵は躊躇いがちにだけれど頷いてくれた。
王族なのに嫌悪感が全くないのも不思議だった。
俺は早速一人ノームを呼び出して、家に伝言を伝えて貰おうとして、魔力がほぼ空っぽだったことを思い出した。
その後は多くは語るまい。
そう、俺はとても胃がむかむかしていたのだ。
更に魔力を使った俺は……
グラシエール公爵の目の前でとてもお見苦しい物を見せてしまった俺は、ぐったりしながらグラシエール公爵に抱えて貰って馬車に乗ったのだった。
後でお邪魔させてもらうよ、というグラシエール公爵の言葉と共に、俺が家に誘ったことを父さんと母さんに伝えれば、二人ともあの方なら、と頷いてくれた。
「ところでどうしてグラシエール公爵って王弟なのに北の地に行かされたんだ?」
父さんを捕まえて気になっていたことを聞くと、父さんは少しだけ困ったような顔をして、おいで、と自室に俺を招き入れた。
「今日は魔力をたくさん使ったんだろう? とりあえず座りなさい。まだ辛いかい?」
「今のところは。でもグラシエール公爵に迷惑を掛けちゃって」
今日の出来事をかいつまんで話すと、父さんは大変だったな、ととても穏やかな顔で労ってくれた。俺にそっくりの顔で。
「グラシエール公爵閣下はな、マーレが五歳の時に即位した陛下の指示で北の地に向かったんだよ。名目は、『多数の女性を弄ぶ王家の恥』として」
「あの方そんなことをする人には見えないけど」
「そうだねえ。閣下が北に行ったときの閣下の御年は十三歳。そんな歳に多数の女性を弄ぶなど、まずは出来ないだろうね。出入りがきっちり管理されている王子宮では特に。でも、王子宮に多数の女性が出入りしていたという公式の記録がある。それと、女性の証言だな。高位貴族の女性が多かったという触れだった」
「嘘くさ」
「そうだね。嘘臭いね。陛下が自ら証拠を突き付け、閣下に沙汰を申し付けたからね。公爵位を貰えるだけありがたいと思えと」
うわあ、と思わず変な顔をすると、お茶を片手に部屋に入って来た母さんの笑い声が聞こえた。
「お疲れ様マーレ。メルクリオの手伝いありがとう」
「いいよ。母さんは手が空いたの?」
見上げると、綺麗な青い髪を結いあげた母さんが艶やかな笑みを顔に湛えながら、父さんの横に座った。
母さんはとてつもなく美人で、その顔は兄さんとネーベルに余すことなく遺伝している。
そして、母さんは幻獣だ。水の女王であるウンディーネだ。
父さんが三度目の召喚をした十五歳の時に出て来た母さんは、父さんの素朴な顔がとても和むと一発で父さんを気に入って、番契約をしたらしい。父さんも母さんに見惚れてしばらく動けなかったんだと、いまだに母さんにからかわれて、それは言わないでくれよ、と毎回焦っている。
俺の家であるヴィーダ公爵家は、まず血筋が普通の人間と違う。
当主の伴侶は必ず幻獣でないといけないのだ。
だからこそ、四男だった父さんが女性体幻獣である母さんと番契約をした時点で次期当主となっている。伯父さん伯母さんたちは皆、同性体の幻獣と契約したから。兄さんのように番になる者もいれば、番ではなく相棒のように必要な時に呼び出される関係の者もいる。
なので、今回の俺たちの代は、三男のネーベルが当主となる。血は繋いでいかないといけないからね。もし子を残せる番契約をした人がいなかった場合の救済もあるらしいけれど、詳しくは知らない。母さんがフェニックス様に直接伝えるらしいからその点は心配していない。
そして幻獣たちは皆、人間にはない程の強大な力を持っている。
母さんが怒ったら王都くらい一瞬で水に沈むし、フェニックス様だったら一瞬で王都が火の海になる程に。フェンリル様だってそう。
そういう強大な力を何人も抱えているのがうちなのだ。
だったらその力を使って王家から逃げればいいと思うかもしれないけれど、それは出来ないのだ。
王家とヴィーダ家の盟約により。
少しの間きらびやかな廊下を歩き、グラシエール公爵は一つの部屋に俺を誘ったので、その誘いに乗ることにする。
部屋に入ると、誰も使っていないのに部屋の隅にはメイドが控えていて、グラシエール公爵の指示で隣の部屋に消えていった。
ホッとして小さい声でお礼を言うと、スッとグラシエール公爵の手が離れた。
「リヒト殿下はあそこまで愚かな行動をする者ではなかったと思うんだが……甥が済まなかった」
「それはグラシエール公爵閣下が謝ることじゃないです」
まずは座って落ち着こうか、という声と共に、隣の部屋からメイドが茶器を乗せたワゴンを押して来た。タイミングバッチリ。
「それに、あの方のテリトリーに入ってしまった俺が迂闊だったんです。学校ではあそこまで強引には来なかったので」
「それほどまでにリヒト殿下は君に懸想をしているということか?」
「そうではないですね。俺がヴィーダ家だから手に入れたいだけだと思います。王位に就くために」
「ああ……」
グラシエール公爵も王子たち兄弟の王位争いを知っているのか、それはそれは深い溜息を吐いた。
「それにしても……あのように強引に行くなど……」
「俺、殿下方に舐められてるんですよね。俺だけ番になる契約獣がいないし、能力も見た目も平均くらいだし飛び抜けたところが何もないんで。だからちょっと顔がいい自分が迫ればいちころだと思ってるっぽいんですよ」
「なんだそれは……」
俺のセリフに、グラシエール公爵は呆れた様な表情になった。
「俺以外には普通に対応するし、必殺王子スマイルでなんでもそつなくこなすから、素晴らしい王子と思われてたらしいんですよ。でも俺しかいない時はだいぶ強引ではありましたね。余りにもしつこくて兄さんに協力してもらって逃げ回りましたが。王家に抗議してもするっと躱されるし」
「だからといって、嫌がる君を自分の物だと言っても意味がないだろう」
「それなんですよね。本当は俺が本気で嫌がってるのわかってると思うんですよ。でも絶対聞かないふりして、自分の物にしたいらしくて。第二王子も全く同じ行動をしてるんですけど。今は弟を盾にしてます」
はぁ、と溜め息を吐くと、同じようにグラシエール公爵も溜息を吐いた。
「通りかかってよかったよ。確かにあのまま部屋に閉じ込められたら、何もなくても君が自分の物になったと思われるだろうな。ここには部屋付きの者がいるから商談などに使われるので安心だが」
飲みなさい、とお茶を勧められ、少しだけ温くなったお茶を一口飲んだ。
フワッと香る花の香りが、胃の気持ち悪さをやわらげてくれる。というよりも、目の前の人がいることが何やらホッとするというか。
不思議な気持ちのまま、グラシエール公爵の「ところで私に用事というのは、方便かな?」という言葉で本来の目的を思い出した。
「違います。本当に用事があって。先程拾った書類、一枚残っていたので届けに来たんです」
カバンから拾った書類を取り出すと、グラシエール公爵はその書類を受け取り、少しだけ皮肉気に口角を上げた。
「もう必要ない物だな。もう一度提出し交渉する時間は私にはなくてね」
北に戻らないといけないから、と書類を小さく折りたたんでサッと懐にしまってしまう。
「しかし今日は君に沢山世話になってしまったな。私のために怖い思いまでしてしまって。どうお詫びすれば」
「ああ、いいです。きっとここにはそうそう来ないんで。兄の所に行くにしても、執務棟だけでしょうし。きっとまたフェンリル様はお城を壊すと思うんですけどね」
「壊すこと前提か」
「ええ。あの騎士団子息がいる限り。それと、兄の陰口がある限り」
「召喚一族の陰口か……そんなことをする者がいるとは……」
少しだけ眉を顰めるグラシエール公爵は、盟約のことを知っていそうだ。それはそうか。王弟ということは、王家直系だ。どうして北の地を賜ったのかは知らないけれど。
なんとなく、俺も助けてもらったし、このまま北に送りだすのも残念な気がした。
「あ、そうだ。じゃあ、今日のお礼代わりに、今夜家に招待してもいいですか?」
「招待? それは、迷惑になるのでは」
「ならないならない。うち広いですし。何かあっても幻獣様たちがいるから、下手したら王宮より安全ですから。俺に詫びたいのであれば、ぜひうちに来て欲しいです」
俺のお願いに、グラシエール公爵は躊躇いがちにだけれど頷いてくれた。
王族なのに嫌悪感が全くないのも不思議だった。
俺は早速一人ノームを呼び出して、家に伝言を伝えて貰おうとして、魔力がほぼ空っぽだったことを思い出した。
その後は多くは語るまい。
そう、俺はとても胃がむかむかしていたのだ。
更に魔力を使った俺は……
グラシエール公爵の目の前でとてもお見苦しい物を見せてしまった俺は、ぐったりしながらグラシエール公爵に抱えて貰って馬車に乗ったのだった。
後でお邪魔させてもらうよ、というグラシエール公爵の言葉と共に、俺が家に誘ったことを父さんと母さんに伝えれば、二人ともあの方なら、と頷いてくれた。
「ところでどうしてグラシエール公爵って王弟なのに北の地に行かされたんだ?」
父さんを捕まえて気になっていたことを聞くと、父さんは少しだけ困ったような顔をして、おいで、と自室に俺を招き入れた。
「今日は魔力をたくさん使ったんだろう? とりあえず座りなさい。まだ辛いかい?」
「今のところは。でもグラシエール公爵に迷惑を掛けちゃって」
今日の出来事をかいつまんで話すと、父さんは大変だったな、ととても穏やかな顔で労ってくれた。俺にそっくりの顔で。
「グラシエール公爵閣下はな、マーレが五歳の時に即位した陛下の指示で北の地に向かったんだよ。名目は、『多数の女性を弄ぶ王家の恥』として」
「あの方そんなことをする人には見えないけど」
「そうだねえ。閣下が北に行ったときの閣下の御年は十三歳。そんな歳に多数の女性を弄ぶなど、まずは出来ないだろうね。出入りがきっちり管理されている王子宮では特に。でも、王子宮に多数の女性が出入りしていたという公式の記録がある。それと、女性の証言だな。高位貴族の女性が多かったという触れだった」
「嘘くさ」
「そうだね。嘘臭いね。陛下が自ら証拠を突き付け、閣下に沙汰を申し付けたからね。公爵位を貰えるだけありがたいと思えと」
うわあ、と思わず変な顔をすると、お茶を片手に部屋に入って来た母さんの笑い声が聞こえた。
「お疲れ様マーレ。メルクリオの手伝いありがとう」
「いいよ。母さんは手が空いたの?」
見上げると、綺麗な青い髪を結いあげた母さんが艶やかな笑みを顔に湛えながら、父さんの横に座った。
母さんはとてつもなく美人で、その顔は兄さんとネーベルに余すことなく遺伝している。
そして、母さんは幻獣だ。水の女王であるウンディーネだ。
父さんが三度目の召喚をした十五歳の時に出て来た母さんは、父さんの素朴な顔がとても和むと一発で父さんを気に入って、番契約をしたらしい。父さんも母さんに見惚れてしばらく動けなかったんだと、いまだに母さんにからかわれて、それは言わないでくれよ、と毎回焦っている。
俺の家であるヴィーダ公爵家は、まず血筋が普通の人間と違う。
当主の伴侶は必ず幻獣でないといけないのだ。
だからこそ、四男だった父さんが女性体幻獣である母さんと番契約をした時点で次期当主となっている。伯父さん伯母さんたちは皆、同性体の幻獣と契約したから。兄さんのように番になる者もいれば、番ではなく相棒のように必要な時に呼び出される関係の者もいる。
なので、今回の俺たちの代は、三男のネーベルが当主となる。血は繋いでいかないといけないからね。もし子を残せる番契約をした人がいなかった場合の救済もあるらしいけれど、詳しくは知らない。母さんがフェニックス様に直接伝えるらしいからその点は心配していない。
そして幻獣たちは皆、人間にはない程の強大な力を持っている。
母さんが怒ったら王都くらい一瞬で水に沈むし、フェニックス様だったら一瞬で王都が火の海になる程に。フェンリル様だってそう。
そういう強大な力を何人も抱えているのがうちなのだ。
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