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1、費用は請求するよ。
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「フェンリル様が王城を壊した……」
ようやくフォークを口に運んだ俺の元にやってきたのは、うちの家令だった。
そして耳打ちされた内容がこれだ。
どうやら、兄さんを悪く言う者がいたらしく、それを耳にした兄さんの召喚獣であるフェンリル様が激高して城を破壊したらしい。
溜息も出ない。
「出来れば、マーレ坊ちゃまに修繕をお願いしたいとフェンリル様のご希望です」
「わかった。王城に行けばいいんだな。これから行くよ」
「よろしくお願いいたします」
俺の返事に安堵の表情を浮かべた家令は、俺が食べ終えたら下膳するべく、横に待機したので、慌てて掻き込んだ。
家令の乗って来た馬車を使っていいというので、ネーベルとフェニックス様に見送られながら学園からまっすぐ王城に向かう。家令はしばらく待機してネーベルたちと共に帰るそうだ。
馬車の窓から、城下町が見える。とても栄えており、広い道では馬車の往来も激しい。
遠くに見える王城はとても立派で、門から更に馬車でしばらく走らないと城までたどり着けないほどに敷地が広い。王城を挟んだ向こう側には貴族たちが住まう貴族街があり、そちらの街では高級商会が幅を利かせている。学園側は庶民派の店が立ち並んでいて、雰囲気がとても活気があって楽しい。
家令が乗って来た馬車は、うちにある馬車の中では小さい方で、王城にはちょっと不釣り合いな大きさだ。
けれど、別に陛下に謁見したり王子たちに会いに行くわけではないので問題はない。
問題があるとすれば、フェンリル様が壊した王城の場所と規模。出来れば、第一王子の行動範囲外であってほしい。ようやく卒業して離れられると思ったのに、またウザがらみされたらやだし。
メルクリオ兄さんの契約獣であるフェンリル様は、銀狼族の族長を務めていたお方だ。こちらもだいぶ上位の幻獣で、フェニックス様よりもよほど激情家で気性が荒い。
こちらは兄さんを一目見た時点で惚れ、まだ十歳だった兄さんをひたすら保護し守護しまんまと番の座を手に入れたお方だ。勿論こちらもラブラブ。けれど育った兄さんに若干尻に敷かれ気味。それがいいと豪快に笑うとても爽快なお方でもある。
まあ、こちらも怒らせると王城くらい一瞬で消し飛ぶので、フェンリル様にはお咎めはない。そこらへんは陛下もご存じだとは思う。怒らせた相手はどうなるかわからないけれど。
この状態で俺が城に呼ばれたのには訳がある。
俺には決まった契約獣がいない。
これは極稀にあることで、数代に一人は特定の幻獣と契約できなかったりする。俺もその一人だ。幻獣たちに言わせれば、俺の魔力は兄と弟よりも魔力の質が透明なんだそうだ。わけが分からない。人間にとってはどれも同じ魔力だけれど、幻獣にとっては魔力が透明か濁っているかで雲泥の差があるらしい。
その質が良くないとそもそも召喚師にはなれないのだけれど、俺の場合、今生きている血族の中ではピカ一でクリアーなんだそうだ。
俺たちの血族の掟では、魔力の落ち着いてきた十歳に、初めての召喚を行う。その召喚が最初で最後になる人もいれば、幻獣と合わずに何度か召喚する人もいる。はたまた、特殊な事例もあったりして、バリエーションが豊富だ。
そんな中、俺が十歳の時に召喚の儀を行うと、少しの間召喚陣が沈黙し、どうしたんだろうと不安になったあたりで、ズタボロのノームたちが一斉に召喚陣に現れたのだ。
どうやら俺の召喚に、ほぼすべての中位精霊たちが立候補したらしい。そこでバトルロワイヤルが行われ、地の利でノーム一族が召喚される権利を勝ち取ったらしい。
ということで、俺の召喚契約獣は、ノーム一族全てという異例の大規模契約となったんだ。勿論、そういうことで、俺が呼んだ時だけ出て来てくれるノームたちは、俺の素晴らしき仲間たちだった。全部で百人以上いるらしいけれど。ずっと出してたら一瞬で魔力が枯渇するレベル。あれを見た時は父さんも兄さんもドン引きしてた。母さんは滅茶苦茶大笑いしていたけれど。
そしてそのノームたち。土魔法と建築が得意なので、フェンリル様からご指名が来たという訳。俺と、上位幻獣の言うこと以外は絶対にきかないから。
「そもそも、城を直したことで給金貰えるのかな」
いやでも、壊したのがフェンリル様だから、相殺されて終わるかも。
あれだったら、フェンリル様を怒らせた相手から分捕ればいいんだろうか。
そんなことを考えているうちに、王城の西門に到着し、一旦確認をされてから中に通される。門の人たちは俺が来ることを言付かっていたらしく、揉めることなく馬車は王城を迂回する様に進んでいった。
着いた先は、王城の横に立つ執務棟の方だった。本城じゃなかったことにホッとしつつ、瓦礫の山がある場所の近くで馬車を降りる。
そこには、兄さんがフェンリル様を正座させてプンスカ怒っていた。
「だって聞きたくなくても自然と耳に入ってくるんだから仕方ないだろ」
「それでも! これは酷すぎます! それに授業のあるマーレを呼ぶなんて」
「マーレのノームたちが一番腕いいんだぞ、なあ、マーレ」
俺が着いたことに気付いたらしいフェンリル様が、くるんと後ろを向いてこっちに手を振った。
兄さんは注意することに一生懸命だったのか、少しだけ驚いた顔をすると、盛大に溜め息を吐いた。
「大分派手にやったねフェンリル様。壊したことと軽い説明しか聞いてないんだけど、詳細を聞いても?」
「聞かなくていいよマーレ。ごめんね授業があるのに呼び出して」
へにょりと垂れた眉の兄さんに「問題ないよ」と答えると、それで、とフェンリル様の隣に詰め寄った。兄さんはサラッと終わりにしたい様だけど、フェンリル様が場所もわきまえず破壊活動するということは、よほどのことを言われたんだと思う。そこらへんは呼ばれた方としても把握しておきたいし、相手の家に請求書を突き付けたい。
「いやな、あのクソ王子の取り巻きがメルの陰口をたたいていたのが耳に入って頭に血が上った」
「陰口。クソ王子の取り巻きが……取り巻きってことは、宰相のとこの息子? それとも、王子の護衛してるあのイキリ団長息子?」
「イキリの方だ。あいつ、いまだにメルが王子に引っ付いてると思ってるようでな、『その美貌で王子殿下を誑かそうとしている』だの『色目使いだけは誰にも引けを取らない』だの『城の中の男どもを全てあの顔で篭絡させようとしている』だの目を開きながら寝言をほざいていたので、優しい俺がねんねさせてやったんだ。あいつはアレだ。メルが好きなのに希望なしで拗らせた童貞野郎だ。二度と近寄らせねえ!」
フンスと鼻息荒くするフェンリル様は、ちょっとだけ得意げだった。兄さんの敵を撃退したからね。とりあえず拍手。
「こら、マーレ。拍手しない」
「だってあの勘違い王子の取り巻き、学園の時から酷かったじゃん。フェンリル様を褒め称えこそすれ、怒るのは間違ってるよメルクリオ兄さん」
どうやら王城まで追いかけて来てどうのこうのと他の人たちに零していたのを、とても耳のいいフェンリル様が聞いてしまったらしい。
もともと兄さんが学生の時も、第一王子に絡まれ、側近たちにやっかまれていたのだ。こういうことが起こらない方がおかしい。三カ月。よく持ったと思うよ。
「やっぱり王城の仕事、辞めた方がいいんじゃない?」
「そうはいかないよ……私が王城で働かないと、父様と母様が城に出仕しないといけないでしょ。私はフェンがいるから何とかなるけれど、母様を怒らせたら平穏な暮らしなんてもうこの地で出来なくなるからね」
はぁ、と溜め息を吐く兄さんは、王城の仕事がそれほど好きではないらしい。環境も職場状況もよろしくないようだ。まだ入りたてのペーペーだから仕方ないとはいえ。
「だったらせめてあの王子に接近禁止令出したらいいじゃん」
「王子殿下は来ないんだよ。だから、こちらも強く言えない」
「でも今回のこの費用はあの兄さんより弱い護衛さん家に請求するからね。直す人として」
俺がはっきりとそう言うと、フェンリル様がそれでこそマーレだと囃し立てた。
「さて、ノームさんたち。この城の修繕をよろしく。費用はあとでしかるべきところに請求するから、概算で出してもらえる?」
呼び出した二十名のノームたちにそう声を掛けると、親方がやってきて、サッと懐から紙の束を取り出した。
「費用計算がめんどくさいのう。材料とこの修繕に使う魔力量を書いておくから、適当に費用を算出してくれ」
そう言うと、紙にサラサラと数字を書き入れて、俺に渡して来た。これに手数料と技術料、そして慰謝料もろもろを入れて、第一王子の護衛に請求、と。
「了解。ぼったくっとくよ」
「それでこそマーレ殿じゃ」
やるぞーとあまり気合の入っていない親方の号令を聞きながら、俺は頭の中で計算をし、その紙に概算を書き入れた。
兄さんがそれを覗き込んで、こめかみを押さえた。
高すぎるって言いたいのはわかる。けれど、俺としては妥当。ほら、フェンリル様もうんうん頷いているよ。
ようやくフォークを口に運んだ俺の元にやってきたのは、うちの家令だった。
そして耳打ちされた内容がこれだ。
どうやら、兄さんを悪く言う者がいたらしく、それを耳にした兄さんの召喚獣であるフェンリル様が激高して城を破壊したらしい。
溜息も出ない。
「出来れば、マーレ坊ちゃまに修繕をお願いしたいとフェンリル様のご希望です」
「わかった。王城に行けばいいんだな。これから行くよ」
「よろしくお願いいたします」
俺の返事に安堵の表情を浮かべた家令は、俺が食べ終えたら下膳するべく、横に待機したので、慌てて掻き込んだ。
家令の乗って来た馬車を使っていいというので、ネーベルとフェニックス様に見送られながら学園からまっすぐ王城に向かう。家令はしばらく待機してネーベルたちと共に帰るそうだ。
馬車の窓から、城下町が見える。とても栄えており、広い道では馬車の往来も激しい。
遠くに見える王城はとても立派で、門から更に馬車でしばらく走らないと城までたどり着けないほどに敷地が広い。王城を挟んだ向こう側には貴族たちが住まう貴族街があり、そちらの街では高級商会が幅を利かせている。学園側は庶民派の店が立ち並んでいて、雰囲気がとても活気があって楽しい。
家令が乗って来た馬車は、うちにある馬車の中では小さい方で、王城にはちょっと不釣り合いな大きさだ。
けれど、別に陛下に謁見したり王子たちに会いに行くわけではないので問題はない。
問題があるとすれば、フェンリル様が壊した王城の場所と規模。出来れば、第一王子の行動範囲外であってほしい。ようやく卒業して離れられると思ったのに、またウザがらみされたらやだし。
メルクリオ兄さんの契約獣であるフェンリル様は、銀狼族の族長を務めていたお方だ。こちらもだいぶ上位の幻獣で、フェニックス様よりもよほど激情家で気性が荒い。
こちらは兄さんを一目見た時点で惚れ、まだ十歳だった兄さんをひたすら保護し守護しまんまと番の座を手に入れたお方だ。勿論こちらもラブラブ。けれど育った兄さんに若干尻に敷かれ気味。それがいいと豪快に笑うとても爽快なお方でもある。
まあ、こちらも怒らせると王城くらい一瞬で消し飛ぶので、フェンリル様にはお咎めはない。そこらへんは陛下もご存じだとは思う。怒らせた相手はどうなるかわからないけれど。
この状態で俺が城に呼ばれたのには訳がある。
俺には決まった契約獣がいない。
これは極稀にあることで、数代に一人は特定の幻獣と契約できなかったりする。俺もその一人だ。幻獣たちに言わせれば、俺の魔力は兄と弟よりも魔力の質が透明なんだそうだ。わけが分からない。人間にとってはどれも同じ魔力だけれど、幻獣にとっては魔力が透明か濁っているかで雲泥の差があるらしい。
その質が良くないとそもそも召喚師にはなれないのだけれど、俺の場合、今生きている血族の中ではピカ一でクリアーなんだそうだ。
俺たちの血族の掟では、魔力の落ち着いてきた十歳に、初めての召喚を行う。その召喚が最初で最後になる人もいれば、幻獣と合わずに何度か召喚する人もいる。はたまた、特殊な事例もあったりして、バリエーションが豊富だ。
そんな中、俺が十歳の時に召喚の儀を行うと、少しの間召喚陣が沈黙し、どうしたんだろうと不安になったあたりで、ズタボロのノームたちが一斉に召喚陣に現れたのだ。
どうやら俺の召喚に、ほぼすべての中位精霊たちが立候補したらしい。そこでバトルロワイヤルが行われ、地の利でノーム一族が召喚される権利を勝ち取ったらしい。
ということで、俺の召喚契約獣は、ノーム一族全てという異例の大規模契約となったんだ。勿論、そういうことで、俺が呼んだ時だけ出て来てくれるノームたちは、俺の素晴らしき仲間たちだった。全部で百人以上いるらしいけれど。ずっと出してたら一瞬で魔力が枯渇するレベル。あれを見た時は父さんも兄さんもドン引きしてた。母さんは滅茶苦茶大笑いしていたけれど。
そしてそのノームたち。土魔法と建築が得意なので、フェンリル様からご指名が来たという訳。俺と、上位幻獣の言うこと以外は絶対にきかないから。
「そもそも、城を直したことで給金貰えるのかな」
いやでも、壊したのがフェンリル様だから、相殺されて終わるかも。
あれだったら、フェンリル様を怒らせた相手から分捕ればいいんだろうか。
そんなことを考えているうちに、王城の西門に到着し、一旦確認をされてから中に通される。門の人たちは俺が来ることを言付かっていたらしく、揉めることなく馬車は王城を迂回する様に進んでいった。
着いた先は、王城の横に立つ執務棟の方だった。本城じゃなかったことにホッとしつつ、瓦礫の山がある場所の近くで馬車を降りる。
そこには、兄さんがフェンリル様を正座させてプンスカ怒っていた。
「だって聞きたくなくても自然と耳に入ってくるんだから仕方ないだろ」
「それでも! これは酷すぎます! それに授業のあるマーレを呼ぶなんて」
「マーレのノームたちが一番腕いいんだぞ、なあ、マーレ」
俺が着いたことに気付いたらしいフェンリル様が、くるんと後ろを向いてこっちに手を振った。
兄さんは注意することに一生懸命だったのか、少しだけ驚いた顔をすると、盛大に溜め息を吐いた。
「大分派手にやったねフェンリル様。壊したことと軽い説明しか聞いてないんだけど、詳細を聞いても?」
「聞かなくていいよマーレ。ごめんね授業があるのに呼び出して」
へにょりと垂れた眉の兄さんに「問題ないよ」と答えると、それで、とフェンリル様の隣に詰め寄った。兄さんはサラッと終わりにしたい様だけど、フェンリル様が場所もわきまえず破壊活動するということは、よほどのことを言われたんだと思う。そこらへんは呼ばれた方としても把握しておきたいし、相手の家に請求書を突き付けたい。
「いやな、あのクソ王子の取り巻きがメルの陰口をたたいていたのが耳に入って頭に血が上った」
「陰口。クソ王子の取り巻きが……取り巻きってことは、宰相のとこの息子? それとも、王子の護衛してるあのイキリ団長息子?」
「イキリの方だ。あいつ、いまだにメルが王子に引っ付いてると思ってるようでな、『その美貌で王子殿下を誑かそうとしている』だの『色目使いだけは誰にも引けを取らない』だの『城の中の男どもを全てあの顔で篭絡させようとしている』だの目を開きながら寝言をほざいていたので、優しい俺がねんねさせてやったんだ。あいつはアレだ。メルが好きなのに希望なしで拗らせた童貞野郎だ。二度と近寄らせねえ!」
フンスと鼻息荒くするフェンリル様は、ちょっとだけ得意げだった。兄さんの敵を撃退したからね。とりあえず拍手。
「こら、マーレ。拍手しない」
「だってあの勘違い王子の取り巻き、学園の時から酷かったじゃん。フェンリル様を褒め称えこそすれ、怒るのは間違ってるよメルクリオ兄さん」
どうやら王城まで追いかけて来てどうのこうのと他の人たちに零していたのを、とても耳のいいフェンリル様が聞いてしまったらしい。
もともと兄さんが学生の時も、第一王子に絡まれ、側近たちにやっかまれていたのだ。こういうことが起こらない方がおかしい。三カ月。よく持ったと思うよ。
「やっぱり王城の仕事、辞めた方がいいんじゃない?」
「そうはいかないよ……私が王城で働かないと、父様と母様が城に出仕しないといけないでしょ。私はフェンがいるから何とかなるけれど、母様を怒らせたら平穏な暮らしなんてもうこの地で出来なくなるからね」
はぁ、と溜め息を吐く兄さんは、王城の仕事がそれほど好きではないらしい。環境も職場状況もよろしくないようだ。まだ入りたてのペーペーだから仕方ないとはいえ。
「だったらせめてあの王子に接近禁止令出したらいいじゃん」
「王子殿下は来ないんだよ。だから、こちらも強く言えない」
「でも今回のこの費用はあの兄さんより弱い護衛さん家に請求するからね。直す人として」
俺がはっきりとそう言うと、フェンリル様がそれでこそマーレだと囃し立てた。
「さて、ノームさんたち。この城の修繕をよろしく。費用はあとでしかるべきところに請求するから、概算で出してもらえる?」
呼び出した二十名のノームたちにそう声を掛けると、親方がやってきて、サッと懐から紙の束を取り出した。
「費用計算がめんどくさいのう。材料とこの修繕に使う魔力量を書いておくから、適当に費用を算出してくれ」
そう言うと、紙にサラサラと数字を書き入れて、俺に渡して来た。これに手数料と技術料、そして慰謝料もろもろを入れて、第一王子の護衛に請求、と。
「了解。ぼったくっとくよ」
「それでこそマーレ殿じゃ」
やるぞーとあまり気合の入っていない親方の号令を聞きながら、俺は頭の中で計算をし、その紙に概算を書き入れた。
兄さんがそれを覗き込んで、こめかみを押さえた。
高すぎるって言いたいのはわかる。けれど、俺としては妥当。ほら、フェンリル様もうんうん頷いているよ。
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