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番外編5
魔大陸開墾編 4
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魔大陸に行くと、始まりの村が人で溢れかえっていた。
俺の後からも次々来るから、人波に紛れたまま抗うことも出来ずに村の中心部まで流れてしまう。
押すな押すなそれは振りか的な会話が聞こえてちょっとだけ和みながらも、ぎゅうぎゅう詰めの俺はなかなか村の外に抜けることが出来ない。
「なんでこんな……」
身動きの取れない満員電車状態の村は、ヤル気に漲っているプレイヤーが占拠したと言っても過言ではない。プレイヤー以外はクラッシュしかいないけれど。
遠くではクラッシュの張り上げる声も辛うじて聞こえてくる。もしやこの流れはクラッシュの店に向かっているんだろうか。
「村の外に出たいのに……」
横にずれることも出来ずに思わず呟くと、真横にいた人に「なあもしかして」と声を掛けられた。横にいた人も身動き取れずに流されている。
「ごめーん! 今ちょうどハイパーポーション売り切れー! こんな一気に来られたらすぐなくなっちゃうよ。ところで薬師マックを見掛けた人、いる?」
隣の人が口を開こうとしたところで、クラッシュの叫び声が聞こえて来た。
ああ、あれだけメンテ後に向けて用意していたのに、もうなくなっちゃったんだ、と遠い目をしていると、隣の人が俺を指さした。
「薬師、マック?」
「そうです……」
ぎゅうぎゅうに潰されながらなんとか答えた瞬間、俺の目の前に一本の道が出来た。
早業だった。
「薬師マックがいたぞ! 道を開けろーーーー!」
「なんでこんなところに埋もれてるんだよ! 薬師マックの大きさじゃ潰れちゃうだろ! 皆気を付けろ!」
「そんなこと言ったってこんなに混んでるなんて普通思わないだろ!」
「考えることは皆一緒なんだよ仕方ねえだろ!」
沢山の文句が出ながらも、俺の前にはしっかりと道が開いている。
もしやこれはクラッシュの店に行って臨時の納品をしないといけないやつ、だったり?
溜息を呑み込みながらも、もうあの腕すら動かせない程の人波に戻るのは嫌で、目の前に出来た道を進む。
一応手持ちはインベントリ三枠分は一杯詰め込んできたから、少しは足しになると思うけど、作るための素材は今日は手持ちにない。
作ってと言われたら素材採取から始めないといけないな、と思いつつ、遠くから手を振るクラッシュに手を振り返して、足を速める。
「ありがとうございます。助かりました」
クラッシュの所に着いたので道を開けてくれた人たちに礼を言うと、皆がとても慈愛の目でいいよいいよと首を振ってくれた。きっと「ハイパーポーションを納品してくれるならいいよ」という意味なんだろうな。
本当はルーチェさんを探して『浄水石』を納品する予定だったのに。
「マックが来てくれてほんとに助かったよー。ヒイロにまでお願いして揃えてたはずなのにたった一日でなくなるなんて……異邦人たちを舐めてたよ……」
大分ボロボロに見えるクラッシュに空笑いを返すと、クラッシュはサッと俺に両手を並べて差し出した。
「ハイパーポーション、マジックハイパーポーション、もし持ってたら納品してくださいマック様!」
「お願いします! マック様!」
「お願いします!」
クラッシュの言葉に合わせて、並んでいたプレイヤーたちが声をそろえて嘆願した。
それは波になって、後の方の人たちにまで波及していく。
きっと後ろの方の人は何でお願い合戦になってるかわからない状態で「お願いします!」って声を張り上げてるんだろうなあ。ADOのプレイヤーの謎のノリのよさがなせる業だ。
「今納品できるのは、250くらいずつだよ。この分だと一人一本ずつでもすぐなくなるよね。でも今日は素材持ち歩いてないんだ。他に用事があったからさ。とりあえずあるだけでいい?」
「魔大陸産の素材は奥にあるんだけどね。未浄化なんだよなあ……浄化してくれる人募集しようか。やってくれる人!」
クラッシュの声に合わせてまたしても一斉に「はい!」と声と手が上がる。
まるで何かのライブを見ているみたいだ。
何も言えなくて突っ立っていると、おーれおれおれー! と聞き慣れた声が聞こえて来た。
「俺ら手伝うよ! 素材洗い! 本人からレクチャー済みだからお得だよ!」
人波の上から頭一つ飛び出したのは、雄太がリーダーのパーティー『高橋と愉快な仲間たち』だった。
勝手知ったる『高橋と愉快な仲間たち』が黒い素材をディスペルポーションで洗い、それを俺が次々調薬していく。ハイパーポーションを作る素材は全て魔大陸で手に入るので、ディスペルポーションさえあれば何とかなる。
素材を洗うのから始めるのが手間なだけで。
ついでにサブジョブに薬師を入れている人たちが手分けしてディスペルポーションを片っ端から作ってくれているので、本当に俺は調薬だけ。
他にもハイパーポーションを作れる人がいるか探したら、サブだからあんまり上げてないという人が殆どだった。だよね。薬師なんてそうそう魔大陸来ないよね。ははは。
必死で手を動かし、時に素材を洗濯している雄太たちの会話に吹き出しつつ調薬すること二時間。既に時計は夜の九時を指しているのに、並んでいる人は全くはけて行かないことにげんなりしていると、クラッシュがそっと後ろ手に「終わり」の合図をして来た。
今作り上げたばかりの物をカウンターに乗せると、クラッシュがまだ店に群がっているプレイヤーに向かって声を張り上げた。
「ごめーん。素材が切れちゃった。今日はもうソールドアウトってことで解散ねー」
はーい出て出て―という軽快な声と共に、店の外にプレイヤーを手際よく追い出していき、皆が外に出たところで店の鍵を閉めてクラッシュが戻って来た。
残っているのは、俺と雄太たち四人と、サブジョブで薬師を取っていた人たち四人。
雄太たちはフレンドらしく、親しそうに労いの言葉をかけている。
「高橋たちもルルーたちもマックもありがとう。めっちゃ助かったよ。今日は絶対に売れるって言うから多めに用意してたのに全然足りなかったよー最近マックも忙しいしねえ」
扉にロックの魔法陣を飛ばしたクラッシュは、肩をコキコキさせながらも、にこやかにそう言った。
「いいっていいって。今日からリニューアル魔大陸開墾開始だから仕方ないよな」
「ほんとにね。すっごく楽しみにしてたんだ」
雄太とユイが伸びをしながらクラッシュに答える。
その奥では、ディスペルポーションを作り続けてくれていた人たちが調薬器具をしまっていた。副業薬師の四人、実は一組のパーティーだった。
「俺たち『副業薬師』ってパーティーを組んでるんだ。俺がリーダーのルルー。メインジョブは『暴風軽戦士』バリッバリの前衛だ。よろしく」
「私はフィット。魔導師やってるの」
「僕はTPO。通称『トッポ』って言われてる。盾持ちだけど、その盾で攻撃するのがお気に入り」
「あたしはまんまる。戦える商人『辣腕商人』でっす」
丁寧な自己紹介をしてもらったけれど、内容はなんというか、一癖も二癖もある人達だということがうかがい知れるものだった。
盾職って敵のヘイト管理をしつつ防御する人のことだと思ってたけど。違うのかな。それに戦える商人って、ルーチェさんを思い出す。
「いやあ、それにしても尊敬する薬師マックさんと共闘できるなんて今日はついてる」
「ほんとに! フレンドになってください!」
「僕たち皆薬師マックさんの講習を受けてからサブジョブを薬師にした同志なんだ」
「あたしもあれに感銘受けたの」
四人とも俺をキラキラの目で見てくる。
今日の手つきは感動ものだったとかそんな目で言われると照れるよ。
「ええと、ありがとう、ございます……?」
ちょっとだけ赤くなったであろう頬を手で隠していると、空き瓶片付けをしてくれていた海里が後ろから覆いかぶさって来た。ブレイブ、海里を止めてくれ。柔らかいものがくっついてくるから。
半眼で後ろを振り返ると、丁度こっちを見ていたクラッシュと目が合った。
「マック大人気だね」
俺が照れたのをわかっているのか、クスクス笑っているのが何とも憎たらしい。
クラッシュに「煩いよ!」と返しながら飛んできたフレンド申請を承認すると、『副業薬師』の人たちが文字通り飛び上がって喜んでいた。そ、そんなにいいもんじゃないと思うんだけど。
ニヤニヤ顔のまま、クラッシュは今日の報酬を皆に渡した。俺もだいぶ沢山貰ってしまった。
「ってそうだった。今日はほんとは納品じゃなくて、ルーチェさんに用事があったんだった! 納品しないといけない物があってさ」
「そうだったんだ。それはちょっと悪いことしちゃったかな。待ってて」
お金をしまいながら、これからルーチェさんを探す手間を考えて溜息を吐いていると、クラッシュがスッと魔法陣を描いた。
「ルーチェさん。今大丈夫ですか」
クラッシュの言葉で、念話の魔法陣だということに気付く。
ああ、その手を使えばいいのか。足で探そうと思っていたから、念話の魔法陣なんて失念していた。
「マックがルーチェさんに用事あるらしくて。ちょっと俺の店まで来て貰ってもいいですか?」
クラッシュが笑顔でお願いします、と言った瞬間、目の前にルーチェさんとサラさんが現れた。
俺の後からも次々来るから、人波に紛れたまま抗うことも出来ずに村の中心部まで流れてしまう。
押すな押すなそれは振りか的な会話が聞こえてちょっとだけ和みながらも、ぎゅうぎゅう詰めの俺はなかなか村の外に抜けることが出来ない。
「なんでこんな……」
身動きの取れない満員電車状態の村は、ヤル気に漲っているプレイヤーが占拠したと言っても過言ではない。プレイヤー以外はクラッシュしかいないけれど。
遠くではクラッシュの張り上げる声も辛うじて聞こえてくる。もしやこの流れはクラッシュの店に向かっているんだろうか。
「村の外に出たいのに……」
横にずれることも出来ずに思わず呟くと、真横にいた人に「なあもしかして」と声を掛けられた。横にいた人も身動き取れずに流されている。
「ごめーん! 今ちょうどハイパーポーション売り切れー! こんな一気に来られたらすぐなくなっちゃうよ。ところで薬師マックを見掛けた人、いる?」
隣の人が口を開こうとしたところで、クラッシュの叫び声が聞こえて来た。
ああ、あれだけメンテ後に向けて用意していたのに、もうなくなっちゃったんだ、と遠い目をしていると、隣の人が俺を指さした。
「薬師、マック?」
「そうです……」
ぎゅうぎゅうに潰されながらなんとか答えた瞬間、俺の目の前に一本の道が出来た。
早業だった。
「薬師マックがいたぞ! 道を開けろーーーー!」
「なんでこんなところに埋もれてるんだよ! 薬師マックの大きさじゃ潰れちゃうだろ! 皆気を付けろ!」
「そんなこと言ったってこんなに混んでるなんて普通思わないだろ!」
「考えることは皆一緒なんだよ仕方ねえだろ!」
沢山の文句が出ながらも、俺の前にはしっかりと道が開いている。
もしやこれはクラッシュの店に行って臨時の納品をしないといけないやつ、だったり?
溜息を呑み込みながらも、もうあの腕すら動かせない程の人波に戻るのは嫌で、目の前に出来た道を進む。
一応手持ちはインベントリ三枠分は一杯詰め込んできたから、少しは足しになると思うけど、作るための素材は今日は手持ちにない。
作ってと言われたら素材採取から始めないといけないな、と思いつつ、遠くから手を振るクラッシュに手を振り返して、足を速める。
「ありがとうございます。助かりました」
クラッシュの所に着いたので道を開けてくれた人たちに礼を言うと、皆がとても慈愛の目でいいよいいよと首を振ってくれた。きっと「ハイパーポーションを納品してくれるならいいよ」という意味なんだろうな。
本当はルーチェさんを探して『浄水石』を納品する予定だったのに。
「マックが来てくれてほんとに助かったよー。ヒイロにまでお願いして揃えてたはずなのにたった一日でなくなるなんて……異邦人たちを舐めてたよ……」
大分ボロボロに見えるクラッシュに空笑いを返すと、クラッシュはサッと俺に両手を並べて差し出した。
「ハイパーポーション、マジックハイパーポーション、もし持ってたら納品してくださいマック様!」
「お願いします! マック様!」
「お願いします!」
クラッシュの言葉に合わせて、並んでいたプレイヤーたちが声をそろえて嘆願した。
それは波になって、後の方の人たちにまで波及していく。
きっと後ろの方の人は何でお願い合戦になってるかわからない状態で「お願いします!」って声を張り上げてるんだろうなあ。ADOのプレイヤーの謎のノリのよさがなせる業だ。
「今納品できるのは、250くらいずつだよ。この分だと一人一本ずつでもすぐなくなるよね。でも今日は素材持ち歩いてないんだ。他に用事があったからさ。とりあえずあるだけでいい?」
「魔大陸産の素材は奥にあるんだけどね。未浄化なんだよなあ……浄化してくれる人募集しようか。やってくれる人!」
クラッシュの声に合わせてまたしても一斉に「はい!」と声と手が上がる。
まるで何かのライブを見ているみたいだ。
何も言えなくて突っ立っていると、おーれおれおれー! と聞き慣れた声が聞こえて来た。
「俺ら手伝うよ! 素材洗い! 本人からレクチャー済みだからお得だよ!」
人波の上から頭一つ飛び出したのは、雄太がリーダーのパーティー『高橋と愉快な仲間たち』だった。
勝手知ったる『高橋と愉快な仲間たち』が黒い素材をディスペルポーションで洗い、それを俺が次々調薬していく。ハイパーポーションを作る素材は全て魔大陸で手に入るので、ディスペルポーションさえあれば何とかなる。
素材を洗うのから始めるのが手間なだけで。
ついでにサブジョブに薬師を入れている人たちが手分けしてディスペルポーションを片っ端から作ってくれているので、本当に俺は調薬だけ。
他にもハイパーポーションを作れる人がいるか探したら、サブだからあんまり上げてないという人が殆どだった。だよね。薬師なんてそうそう魔大陸来ないよね。ははは。
必死で手を動かし、時に素材を洗濯している雄太たちの会話に吹き出しつつ調薬すること二時間。既に時計は夜の九時を指しているのに、並んでいる人は全くはけて行かないことにげんなりしていると、クラッシュがそっと後ろ手に「終わり」の合図をして来た。
今作り上げたばかりの物をカウンターに乗せると、クラッシュがまだ店に群がっているプレイヤーに向かって声を張り上げた。
「ごめーん。素材が切れちゃった。今日はもうソールドアウトってことで解散ねー」
はーい出て出て―という軽快な声と共に、店の外にプレイヤーを手際よく追い出していき、皆が外に出たところで店の鍵を閉めてクラッシュが戻って来た。
残っているのは、俺と雄太たち四人と、サブジョブで薬師を取っていた人たち四人。
雄太たちはフレンドらしく、親しそうに労いの言葉をかけている。
「高橋たちもルルーたちもマックもありがとう。めっちゃ助かったよ。今日は絶対に売れるって言うから多めに用意してたのに全然足りなかったよー最近マックも忙しいしねえ」
扉にロックの魔法陣を飛ばしたクラッシュは、肩をコキコキさせながらも、にこやかにそう言った。
「いいっていいって。今日からリニューアル魔大陸開墾開始だから仕方ないよな」
「ほんとにね。すっごく楽しみにしてたんだ」
雄太とユイが伸びをしながらクラッシュに答える。
その奥では、ディスペルポーションを作り続けてくれていた人たちが調薬器具をしまっていた。副業薬師の四人、実は一組のパーティーだった。
「俺たち『副業薬師』ってパーティーを組んでるんだ。俺がリーダーのルルー。メインジョブは『暴風軽戦士』バリッバリの前衛だ。よろしく」
「私はフィット。魔導師やってるの」
「僕はTPO。通称『トッポ』って言われてる。盾持ちだけど、その盾で攻撃するのがお気に入り」
「あたしはまんまる。戦える商人『辣腕商人』でっす」
丁寧な自己紹介をしてもらったけれど、内容はなんというか、一癖も二癖もある人達だということがうかがい知れるものだった。
盾職って敵のヘイト管理をしつつ防御する人のことだと思ってたけど。違うのかな。それに戦える商人って、ルーチェさんを思い出す。
「いやあ、それにしても尊敬する薬師マックさんと共闘できるなんて今日はついてる」
「ほんとに! フレンドになってください!」
「僕たち皆薬師マックさんの講習を受けてからサブジョブを薬師にした同志なんだ」
「あたしもあれに感銘受けたの」
四人とも俺をキラキラの目で見てくる。
今日の手つきは感動ものだったとかそんな目で言われると照れるよ。
「ええと、ありがとう、ございます……?」
ちょっとだけ赤くなったであろう頬を手で隠していると、空き瓶片付けをしてくれていた海里が後ろから覆いかぶさって来た。ブレイブ、海里を止めてくれ。柔らかいものがくっついてくるから。
半眼で後ろを振り返ると、丁度こっちを見ていたクラッシュと目が合った。
「マック大人気だね」
俺が照れたのをわかっているのか、クスクス笑っているのが何とも憎たらしい。
クラッシュに「煩いよ!」と返しながら飛んできたフレンド申請を承認すると、『副業薬師』の人たちが文字通り飛び上がって喜んでいた。そ、そんなにいいもんじゃないと思うんだけど。
ニヤニヤ顔のまま、クラッシュは今日の報酬を皆に渡した。俺もだいぶ沢山貰ってしまった。
「ってそうだった。今日はほんとは納品じゃなくて、ルーチェさんに用事があったんだった! 納品しないといけない物があってさ」
「そうだったんだ。それはちょっと悪いことしちゃったかな。待ってて」
お金をしまいながら、これからルーチェさんを探す手間を考えて溜息を吐いていると、クラッシュがスッと魔法陣を描いた。
「ルーチェさん。今大丈夫ですか」
クラッシュの言葉で、念話の魔法陣だということに気付く。
ああ、その手を使えばいいのか。足で探そうと思っていたから、念話の魔法陣なんて失念していた。
「マックがルーチェさんに用事あるらしくて。ちょっと俺の店まで来て貰ってもいいですか?」
クラッシュが笑顔でお願いします、と言った瞬間、目の前にルーチェさんとサラさんが現れた。
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