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746、見られちゃった……あああ
しおりを挟むそろそろヴィデロさんが行かなきゃいけない時間だから、と雄太の所から辞すると、俺たちはトレに戻った。
ヴィデロさんはこれから馬を借りて中央山脈の方に行くんだって。
「先に寝ててくれ。いつ部屋に戻れるかわからないから」
「うん。でも、無理しないでね」
今から行くとなると、夜中に着くことになるから。
ヴィルさん、無茶振りしまくってるんじゃないかな。
前よりヴィデロさんとゆっくりする時間が減った気がする。
ヴィルさんの顔も最近パソコン越しにしか見てないし、二人とも身体を壊さないかな。
ヴィデロさんを見上げると、ヴィデロさんはくすっと笑って俺の唇にチュッとキスをした。
「口が尖ってる。可愛いな」
「だって。ヴィデロさんが忙しそうであんまり一緒にいれないから」
「そうか。でもな、マック。俺は少しでもあいつの力になりたいんだ。今あいつがやってることは前代未聞のことだ。そしてそれは、俺と母のためっていうのが一番かもしれない。詳しい話はあいつに聞いてもらった方がいいが、少しの間だけ目を瞑っていてくれないか」
「……ちゃんと、ご飯を食べて寝るなら」
「わかった。出来る限り一緒にご飯を食べて、一緒に寝る」
「一緒じゃなくてもいいけど。心配だから」
ホントは一緒に、がいいんだけど、それを言っちゃうと一緒に何かをするために無理しそうだから、と首を振る。
ヴィデロさんはそんな俺を優しい目で見下ろすと、「じゃあ、行ってくるな」とサッとキスして出ていった。
一人になったので、卵を回復しつつ、錬金釜を弄ってみることにした。
新しい錬金釜はとても快適で、あんまり重いってことが本当にない。一人ですいすい掻き混ぜることが出来るから、上腕二頭筋は育たなそうだ。
そんなことを考えながら素材が続く限り錬金を続けていると、気付けばもう夜中になっていた。
「あ、寝なきゃ」
明日の朝起きれなくなる。
明日は休みだからこのままやっててもいいんだけど、ヴィデロさんが帰ってきた時ギアを被ってるのもな、と思って席を立つ。
卵に声を掛けながら回復魔法を掛けて、俺は卵を片手に寝室に向かった。
ログアウトして、ギアを充電器に載せる。
シャワーを浴びて、ベッドに戻ってきた時の時間が夜中の一時。
まだヴィデロさんは戻ってきてないらしく、ベッドにもリビングにもヴィデロさんはいなかった。
時間的に、すでに目的地には着いてると思う。けれど、そこで何をするのかは詳しく知らないから、終わりの時間がいつごろかさっぱりわからない。
ヴィデロさんとエッチしたいな、とだれもいないベッドに転がって溜息を吐く。
ヴィデロさんは凄く丁寧に慣らしてくれるから、愛し合う様になってからちゃんと気持ちよくなれるようにはなったけれど、愛し合う期間に間が開くと、また沢山柔らかくしてもらわないととにかくきつくなるんだ。いつになったら慣れるんだろ。
ちらりとベッドヘッドの引き出しに目を向ける。そこにローションとかゴムとか入ってて、いつもヴィデロさんが俺の上から手を伸ばしてそれを取って……。
思い出したら股間が大変なことになっていた。
あの、下から見上げるヴィデロさんの胸筋が凄くドキドキして、腕を回した時の背中が最高にかっこいい手触りで。
勃った時のヴィデロさんのヴィデロさんが、血管が浮いてたりして俺のブツとは一線を画したイチモツで、なんていうか、全身がとんでもなく俺の官能を刺激する。
あの剣だこのできた男らしい手が、俺の中を慣らしていくのがまた良くて。
……なんて考えたのが悪かったのか、俺のブツはしっかりと硬くなって、ズボンを持ち上げて存在を主張し始めた。
今日はヴィデロさんいないのに。
それなのに気分はとてもピンク色で。
俺はごくりと喉を鳴らして、少しだけズボンをずらした。
一人でするのはいつ以来だったか。
クチ……と先走って零れたのが手の動きに巻き込まれてささやかにやらしい音を立てる。
手を動かすと気持ちいけれど、やっぱりというかなんて言うか、違う。
気持ちよさとかが全然違う。
気持ちいいっていうのは、奥の奥でヴィデロさんを感じて、愛されてるって思えるような視線に頭が沸騰しそうになって、あのイケボな甘い声で「ケンゴ」って呼ばれて。
「ん……」
ベッドに転がって手を動かしながら、ヴィデロさんの表情を思い出す。
前を刺激してるのに、その顔を思い出すと、お尻がキュッとなって物足りなさを感じる。
ああ、もう俺、ヴィデロさんがいないとイけない身体になっちゃったのかな。
気持ちいいんだけど、足りない。すごく足りない。
「ふ……ヴィデロさん……」
思わず声を出しちゃって、恥ずかしくてTシャツを噛む。
手を動かしても決定的な気持ちよさが足りなくて、ふ、と嘆息する。
後ろ、後ろを弄ったら愛し合ったときみたいに気持ちよくなるかな。
ふとそんな考えがよぎった俺は、ちょっとだけ指を動かして、自分で後ろを撫でてみた。
全く濡れてない指はもちろん、入口を撫でても気持ちよくなんてなくて、ちらりと頭の上の方に視線を向ける。
主にヴィデロさんが色んな時間に駆り出され過ぎて、旅行から帰って来て以来、キスくらいしかしてないんだもんな。
そろそろきつくなっちゃいそうだから、慣らしてた方がいいよな……なんてわけのわからない屁理屈を脳内で呟いて、夜用品の入っている引き出しに手を伸ばす。
お腹の奥がジンジンと熱い。
エッチしたいなあ、なんて思うのは欲求不満だからかな。
引き出しからローションを取り出して、ドキドキしながら手に垂らす。
自分ではほぼ弄ったことのない場所なせいか、手を伸ばすのも躊躇うけれど、でも、どうしても奥がじんじんして我慢が効かなそう。
仰向けに転がって、ローションでヌルヌルする指を後ろの方に添えると、それだけで俺のブツから透明な体液が一筋零れた。
思った以上に入り口は硬くて、ほんとにこんなんでいつもヴィデロさんのヴィデロさんが入ってたのかな、って本気で思った。
ヴィデロさんは、いつもどうやって慣らしてたんだっけ。一本位は余裕で入ると思ってたけれど。
入口を指で撫でて、少しだけ差し込んで、キツさと違和感に眉が寄る。
ヴィデロさんはいつも、耳元で「愛してる」って囁きながら、前を撫でたり胸を弄ったりして、指を。
「い……っ」
「まだ起きてたのか、ケンゴ」
キツイ、と思わず声を上げた瞬間、ドアがカチャっと開いてヴィデロさんが顔を出した。
え!
今俺、物凄い恰好をしてるんだけど!
ヴィデロさんが帰ってくるってこと想定してなかったよ!
今の俺の格好、下半身丸出しで自分の指を、指を。
「……ケンゴ」
ああああああ、なんて物を見せてるんだ俺。
ヴィデロさんすごく驚いてるじゃん!
ナニ一人で気分盛り上がって一人エッチなんかしてたんだ俺。
羞恥とかその他諸々の感情が瞬時に湧き出て固まった俺に、ハッと我に返ったヴィデロさんがずかずかと近付いてきた。
そして、覆いかぶさってきて、パニクって泣きそうになってる俺に、キスをした。
「滅茶苦茶可愛い姿で待っててくれたんだな……でも」
ごくりと喉を鳴らしながら、ヴィデロさんの次の言葉を待つ。
ドン引かれたかな。
一人で後ろまで弄って、淫乱、とか言われたら立ち直れない。
「そんな姿見たら、俺も我慢できなくなりそうだ。指、挿ってなかったが、ケンゴが気持ちいいのは、もう少し奥の方じゃないか?」
と思ってたら、ヴィデロさんの言葉は俺の想像の上を言っていた。
ヴィデロさんは俺のヌルヌルの手を取ると、さっき挿入しようと悪戦苦闘してた指を縁になぞるように動かした。
自分の指のはずが、自分の指じゃない気分で、されるがままに手を委ねる。
さっきまでは全然はいりそうもなかった入り口は、ヴィデロさんの動かす手の動きと、重なる唇の感触だけで、嘘みたいに指を呑み込んだ。
自分の中に自分の指が挿ってるのがなんか信じられない。
ヴィデロさんは自分の手にローションを追加して、俺の指と一緒に自分の指も一本挿し入れてきたけれど、それもぬるり、と呑み込んだ。
「ほら、ここまで指を挿れないと、気持ちよくなれないだろ」
「あ、あ! 何で……っ」
ヴィデロさんが俺のイイところを刺激する。
「さっきは全然、挿らなかったのに……っあ、あ、あ」
指を動かされて、見られた恥ずかしさとかでぐったりしてた俺のブツが、またしても元気を取り戻してしまう。
「挿らなかったのか? 今はこんなに蕩けてる……」
あ、あ、と指が擦れる度に声が上がる。
さっきとは雲泥の差の気持ちよさに、眩暈がする。
俺、もう一人エッチじゃ満足できないんだ。
「二人、二人で愛し合うのがいい……っ」
一人はよくなかった、と気持ちよさで飛びそうになる頭のまま暴露すると、ヴィデロさんが噛みつくように口を塞いできた。
ぐり、と指が増やされて、一瞬腰が跳ねる。
広げられるような感覚に息が上がる。
俺の指ごと抜かれて、はう、と息を吐くと、ヴィデロさんがのしかかるように俺の上に乗って、ベッドヘッドに手を伸ばした。
ああ、このアングル、好き。
ちょっときゅっと眉を寄せて、我慢できないような顔で手を伸ばすヴィデロさんが凄く好き。
目の前のヴィデロさんの胸筋にちゅ、と吸い付くと、ヴィデロさんが「あ、ばか」と焦ったように身を起こした。
「ゴムをつける前にそんなことしたら、このまま挿入したくなるだろ」
「このまま挿れて欲しい」
一人エッチにドン引きされなかったことが嬉しくて、そしてセクシーヴィデロさんに煽られて本音を零すと、ヴィデロさんはもう一度きゅっと眉を寄せてから、「だぁめ」と甘い声で答えた。
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