これは報われない恋だ。

朝陽天満

文字の大きさ
上 下
723 / 830

720、再起不能になりそう

しおりを挟む

 ヴィデロさんが俺の中から抜けていったのは、俺のブツがすでに何も出せなくなってから。

 それでもヴィデロさんのヴィデロさんはまだまだ元気で、その元気なモノからゴムを外すその行為がやけにエロくて、俺は怠い腕を伸ばして、頭の付近にあるコンドームのパッケージをもう一つ手に取った。

 それを開けて、上半身を起こしてヴィデロさんに被せようとすると、ヴィデロさんが困ったような声で俺を呼んだ。



「もう体力ないんだろ。終わりにするから、ケンゴ」

「でも、ヴィデロさんのがまだ硬いから。それに……俺ももっとここに挿れて欲しいし」



 お腹をさすると、ヴィデロさんが呻き声を零した。

 ヴィデロさんのヴィデロさんもさらにぐっと硬さを増したので、止められる前に必死で被せる。前に破いちゃったから、慎重に。

 被せ終わってなんだか達成感に浸っていると、ぐい、と顔にヴィデロさんの素敵な胸が押し付けられた。ローションに手を伸ばしたみたいだったけれど、俺はそのままくっついてヴィデロさんの身体を堪能する。

 ヴィデロさんは胸にくっついていた俺を優しくベッドに倒すと、たった今被せたばっかりのゴムの上に垂らした。

 胸が高鳴る。

 出し過ぎて身体は疲れてるけど、ヴィデロさんが俺で気持ちよくなってくれてると思うと、それだけでまた萎えたものが復活しそうだった。実際にはくたっとしてるだけだったけど。

 開き切って柔らかくなった俺のお尻に、ヴィデロさんのヴィデロさんが挿ってくる。

 今度こそきつさもなくすんなり挿っていく。

 さっきは殆ど動かさなかったから、今度こそ動いて、ちょっとだけ掠れた声でそう言うと、ヴィデロさんは困ったような顔をした。



「辛くないか……?」

「ん……大丈夫だから」



 返事をすると、ヴィデロさんのヴィデロさんがゆっくりと奥まで来た。こつん、と奥を突かれて思わず「あ」と声を出すと、今度はさっきと違って、ゆっくりとヴィデロさんが腰を引いた。

 その抜けていく感覚に、俺は思わず大きな声を出してしまった。

 なんていうか、なんていうか! 力が入るのか抜けるのかわからないようなゾクゾクした感覚に、排泄感と快感らしきものがまじりあって、声が抑えられなかったんだ。

 出ちゃうギリギリで止めたヴィデロさんは、またもゆっくりと俺の中に挿ってきた。

 さっきの感覚からまた擦られる感覚に、わけが分からなくなる。

 そして、今度は最後まで挿入しないで、ヴィデロさんは途中で腰を止め、ソコを軽く突くように動かし始めた。



「う、あ、あ! んん、ん―――……!」



 突かれる度に、甲高い声が洩れる。

 俺のイイところを、ヴィデロさんのヴィデロさんが容赦なく攻め始め、もう出しきって勃たなくなってた俺のブツが、へなへなのまま透明な液体を零した。



 胸の突起を指で弄られて、ヤバいところをひたすら攻められて、段々とあのマック姿で感じていた脳天が突き抜けるような腰が抜けるような感覚がせり上がっていく。



「あ、あっ、あっ! や、そこだけ、じゃなくて、奥、奥に、奥にして! なんか、あああ!」



 耐えられない、と叫ぶと、ヴィデロさんが俺の言葉に従ってくれて、今度こそその勢いのまま、最奥を突いた。

 その衝撃で、頭の中がパーンとなる。

 お腹が痙攣して、ヴィデロさんの形が物凄くハッキリと感じ取れる。

 ヴィデロさんが脈打ってるのがわかって、それもまた熱に変わっていく。じわじわと身体中に広がっていく熱は、ヴィデロさんがどこを触れてもそこからさらに加速していき、留まることを知らない。



「……っ、ケンゴ……ごめ、良すぎて」



 びくびくする俺の腰を押さえつけるように、ヴィデロさんが更に腰を動かす。

 そのたびにわけが分からなくなって、俺は嬌声なのか悲鳴なのかわからない声を上げて、ヴィデロさんの首に縋りついた。







 朝起きると、身体中がギシギシと痛んだ。特に昨日開きっぱなしだった太腿の内側が筋肉痛だった。これ、毎日したら太腿にいい感じで筋肉がつくんじゃないかな、なんて思いながら寝がえりを打つと、ぐい、と身体を抱き寄せられた。

 頬にヴィデロさんの鍛え抜かれた胸筋がくっつく。今は力を抜いてるからか、柔らかくて包まれるような気持ちよさが頬から伝わってきて、朝一でその胸を堪能していると、ハッとしたようにヴィデロさんの目が開いた。



「ケンゴ、身体は」



 心配そうに俺を抱き締めるヴィデロさんに、顔が綻ぶ。

 大丈夫、と答えると、ヴィデロさんの腕にさらに力がこもった。

 少しだけ身体を上に引き寄せられて、チュッとキスされる。



「昨日はどうしても手加減できなかった……傷は、ついてないか?」



 そろり、とヴィデロさんの指が、昨日散々ヴィデロさんのヴィデロさんを突っ込んだ所に伸びて、ちょんと触れる。触れた瞬間、俺の身体がピクッと震えた。



「ちょっと腫れてる……こういう場合、ハイポーションはないから、治せる薬はあるのか……?」



 少しだけ眉を寄せて呟くけれど、その間ずっとそこに触れてるのはやめて欲しい。

 朝なのもあるけど、俺のブツが元気になっちゃうじゃん。

 今日は二人とも仕事があるんだから、これ以上触られたら……。

 んん、と洩れる声を我慢していると、俺の下半身の突起物に気付いたヴィデロさんが、ハッとしたように手を離して、苦笑した。



「これ以上転がってたら、ケンゴを一日再起不能にしそうだから、起きようか」

「……そう、だね」



 くは、と下半身の熱を逃がそうと息を吐くと、ヴィデロさんが耳元で、「それとも」と囁いた。



「一度、出したほうがいいか……?」



 それこそ俺、再起不能になっちゃうよ。頭がパーンってなって。





 ヴィデロさんが離れたことで何とか深呼吸で下半身を収めた俺は、服を着て朝ご飯を作りに隣の部屋に行くことにした。

 ヴィデロさんも乾いたシャツに袖を通して、上着を腕に持って「行こうか」と声を掛けてくる。

 返事しながら振り向いて、今日もまたヴィデロさんのセクシースーツ姿(上着は腕)に撃沈されるのだった。

 もう、かっこよすぎてどうにかなっちゃいそう。好き。





 何とか仕事をこなして、夜ご飯も皆で食べて、後ろ髪を引かれる思いでヴィデロさんと別れて自室に戻って来た俺は、そのうちヴィデロさんとヴィルさんと、部屋割りについて相談しようと心に決めつつ、ギアを被ってログインした。

 気を紛らわすにはADOしかないよね。

 ヴィデロさんアバターは静かに目を閉じている。今日はログインするのかな。昼ずっとログインしてたから、プライベートなときはログインしないかな。

 寝てるヴィデロさんにちょっと寂しさを感じながら、寝室を出る。

 そういえばセイジさんのお父さんからまた納品して欲しいと頼まれてたんだった、と腕慣らしにハイポーションを作っていく。

 出来上がったそれをもって、夜だけど、と雑貨屋に向かうと、丁度裏に回ろうとしていたクラッシュとばったり会った。



「わ、マックだ。久しぶりな気がする」

「俺もそう思う。クラッシュ、魔大陸にずっと行ってたって聞いたけど」

「うん。今はだってこっちにおじいちゃんもいるし、向こうが思った以上に楽しくてさ」



 ニコニコと「大丈夫、拠点はマックが浄化した村の中だから」なんて気軽に言うクラッシュに、有無を言わせず聖魔法を浴びせた俺は、クラッシュと共に裏口から雑貨屋に入れてもらった。



「こんばんは、フォンディアさん。納品しに来たんですけど」

「おお。マック君夜遅くまでありがとうな。納品助かるよ」



 大歓迎で迎え入れられて、セイジさんのお母さんに勧められるままにクラッシュと共に席に着く。

 その場で納品していると、クラッシュが「あ、そうだ」と声を上げた。



「マックさあ、すっごく珍しい物があるんだけど、いらない?」



 クラッシュがいいこと考えた、とでも言うように手を打った。

 これ、この流れ、錬金釜を買わされた時と全く同じ流れだ。

 少し身構えると、俺の警戒に気付いたのか、クラッシュはあははと声を上げて笑った。



「怖い物じゃないよ。俺さ、まだ二人の婚姻祝いあげてなかったじゃん。ずっと何がいいか考えてたんだけど、この間リザを見てふと思い出してさ。ヴィデロとだと子供出来ないじゃん。だから二人で育てられるものだったら二人の子代わりに可愛がれていいんじゃないかなって思ってさ」

「え、何、生き物? でも俺たち、普段はログインしてないから」

「結構日中ヴィデロを見かけるよ。だからヴィデロに預ければ大丈夫でしょ。俺からの、お祝い」



 クラッシュは戸惑う俺の手の上に、大きめの卵を一つ乗せた。

 ほんのり温かいのが、この卵が生きてるんだってことがわかる。

 っていうかこれ、何の卵?

 どうやって孵せばいいんだよ。

 ってか、何で俺にこういう変な物を渡すんだよクラッシュ。





しおりを挟む
感想 508

あなたにおすすめの小説

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

心からの愛してる

マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。 全寮制男子校 嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります ※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください

【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する

SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。 ☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます! 冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫 ——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」 元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。 ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。 その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。 ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、 ——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」 噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。 誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。 しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。 サラが未だにロイを愛しているという事実だ。 仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——…… ☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので) ☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……? ※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

処理中です...