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701、ヴィデロさんのお仕事
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ヴィデロさんはしっかりと名前の書かれた婚姻届けをしまうと、にこ、と笑った。
「早くこの世界でも婚姻できるように、ケンゴのご両親に早めに挨拶に行かないとな」
早めに挨拶。その言葉に「息子さんを俺にください」と親の前で頭を下げるヴィデロさんを想像してしまって、俺はああああと顔を覆った。
俺もアリッサさんに……もう言ってた。もう息子さんと結婚しちゃいましたって事後承諾で言ってたよ。でもそれは向こうの世界だからなしになるのかな。でもアリッサさんは一番あの世界が本物の世界だって知ってる人な訳で。
俺はどうしたらいいんだろう。とりあえず、こういう場合旦那様の兄弟にはなんていえばいいんだろう。
ドキドキしながらじっとヴィルさんに視線を向けた俺は、バッチリとヴィルさんと目が合ってしまった。
「早く本物の弟になることを楽しみにしているよ」
ニコッとヴィデロさんと同じ笑顔を浮かべられて、俺は考えることを放棄して、小さく「はい」と答えていた。どうしよう。素直に嬉しすぎる。
その晩、俺は久しぶりに両親に連絡を取り、二人とも休みの日を教えてもらった。
二人とも研修が終わったから帰って来るのかと思ってたみたいだけど、それも含めて話をしたいと伝えて、最後に「紹介したい人がいるんだ」と素早く伝えると二人の返事を待たずに携帯端末を切ってしまった。あードキドキした。
ホッと息を吐くと、ヴィデロさんはそっと俺の腰に腕を回しておでこにキスをしてくれた。
「俺はこの世界では職もない、金銭も持っていない状態だ。せめて挨拶に行く前に仕事だけは探さないとなんだが……まずは文字を覚えないとな」
肩を竦めてヴィデロさんがそう言うと、ヴィルさんはさっき部屋から持ってきた封筒を「ほら」とヴィデロさんに渡した。
「君は何を言っているんだ。貴重な戦力を他にやるわけないだろ。すでに君の身の振り方は決まってる。所属は母の所になるが、こちらも向こうの世界を自由に動く人員が欲しかったんだ。心して仕事をしてくれ。それは一応何かの折に必要になるかもしれない採用書類と君の社員証、そして給料を振り込むための口座カードとクレジットカード、そして当座の生活費だ。安心しろ。その生活費は母からだ」
「え?」
「は?」
驚いている俺の横で、ヴィデロさんも驚いていたことから、ヴィデロさんの仕事がすでに決まっているということは本人も知らなかったらしい。すっごく怪訝な顔でヴィルさんを見上げていた。
「母に色々書類を書かされただろう。その中には『雇用契約書』も入っていたんだけれど、その様子を見るに、説明は受けなかったようだな。自分の力で仕事を探す、と言い出す君が目に見えていたんだろうな。先手を取られたな。そうそう、業務内容は……」
ヴィルさんはヴィデロさんの手に渡っていた封筒の中から一枚を取り出すと、俺には全く読めない文字の書かれた書類をヴィデロさんに見せた。
ヴィデロさんの顔に驚愕の色が浮かぶ。もしかして、この文字ってグランデの文字? いつも翻訳された文字になるから、こうしてしっかりと文字を見るのは新鮮だ。
「通報された者の追跡と記録、両国の犯罪者取り締まり……」
「今まではグランデの騎士所属だったものが、こちら側所属になり、固定じゃなくてフリーで動く、という感じかな。赤片喰と同じような業務内容になる。それだったら、出社はここでもいいし、何なら部屋でもいい。ただし、かなり難しい役なんだが……君なら適役だ。今までも街門騎士団として同じようなことをしていたんだから。いいか、血がつながっているからと言って甘やかさないからそのつもりでいろよ」
ニヤリと笑うヴィルさんに、ヴィデロさんは盛大に溜め息を吐いた。
「既に甘やかされてる気がするんだが。これは、不慣れな俺がこの世界に馴染むまでの措置か?」
「いいや、本気で人手不足なんだ。ある程度腕が立って、ADO内の治安に奔走し、こちらよりむしろ向こうを拠点として動かないといけないとなると、なかなか適任がいない。前に赤片喰とともにその任に当たった者は向こうがゲームの世界ではないという実態を知っているせいか、グランデの盗賊に剣を向けることが出来なくてすぐにお役御免になったな。今は管理部であらゆる調整を任されているが。それだけこちらの世界の者にとっては精神的に過酷な業務になるんだ。場合によっては殺人も、となり得るからな。その点、君は躊躇いなく斬ることが出来るだろ」
笑みを浮かべながら説明をするヴィルさんに、ヴィデロさんが少し首を傾げた。
いまいちピンとこない顔をしている。
「そもそも、盗賊の場合、生かしていたらこっちの命が危ないだろ。どうして躊躇うんだ」
「それ、その感覚だ。こちらの世界は、よほどのことがない限り殺人はタブーとされているんだ。例え相手がこちらに剣を構えていても、だ。やり過ぎたら逆にこちらが捕まるという何とも中途半端な世界なんだよ。かといって殺人を容認してしまうと、そもそもの平和が成り立たなくなってしまう。そのせいか、時に殺人もしないといけないというこの業務に着く者はかなり厳選しないといけないんだ。途中から精神が病んで快楽殺人者と化してしまっても困るし、いざというとき取り逃がして治安を守ることが出来なくても困るからな。脳がゲームだと認識しているなら何とかなっても、向こうで生きている人々もこちらの人と同じだと理解している者がそれをするのはなかなか難しいんだ」
「そういうものなのか」
「ああ。俺も魔物相手じゃないと多分多少は躊躇うだろうし」
二人の言葉に、俺は息を呑んだ。確かにそうだ。あの時はまだ、俺はADOをゲームだと認識していて。だからこそ、あのクラッシュを襲った人を斬ることが出来て。今だったら? 今だったらきっと躊躇う。
ぐ、と手を握ると、身体に力の入った俺に気付いたのか、ヴィデロさんがそっと背中を撫でた。
「わかった。確かに適任だな。俺なら躊躇いなく斬る。あとで詳しく教えてくれ」
「ああ。そう言ってもらえると助かるよ。詳しくは、後々母から説明があると思うし、明日の午後から赤片喰……日暮というんだが、そいつがここにくるから、同時にログインしてくれ」
「ああ……でも、ずっとアレを被って寝転がっているというのは……体型維持が難しそうだな」
「あとで近くのジムを紹介するよ。健吾と通うといい」
席を立ちながら、ヴィルさんが俺に向かってウインクした。様になってる。
でも、一緒にジムに? そ、それはどんなボーナスステージですか。是非行かせてください。きりっとした顔で頷くと、ヴィルさんが肩を揺らした。
「早くこの世界でも婚姻できるように、ケンゴのご両親に早めに挨拶に行かないとな」
早めに挨拶。その言葉に「息子さんを俺にください」と親の前で頭を下げるヴィデロさんを想像してしまって、俺はああああと顔を覆った。
俺もアリッサさんに……もう言ってた。もう息子さんと結婚しちゃいましたって事後承諾で言ってたよ。でもそれは向こうの世界だからなしになるのかな。でもアリッサさんは一番あの世界が本物の世界だって知ってる人な訳で。
俺はどうしたらいいんだろう。とりあえず、こういう場合旦那様の兄弟にはなんていえばいいんだろう。
ドキドキしながらじっとヴィルさんに視線を向けた俺は、バッチリとヴィルさんと目が合ってしまった。
「早く本物の弟になることを楽しみにしているよ」
ニコッとヴィデロさんと同じ笑顔を浮かべられて、俺は考えることを放棄して、小さく「はい」と答えていた。どうしよう。素直に嬉しすぎる。
その晩、俺は久しぶりに両親に連絡を取り、二人とも休みの日を教えてもらった。
二人とも研修が終わったから帰って来るのかと思ってたみたいだけど、それも含めて話をしたいと伝えて、最後に「紹介したい人がいるんだ」と素早く伝えると二人の返事を待たずに携帯端末を切ってしまった。あードキドキした。
ホッと息を吐くと、ヴィデロさんはそっと俺の腰に腕を回しておでこにキスをしてくれた。
「俺はこの世界では職もない、金銭も持っていない状態だ。せめて挨拶に行く前に仕事だけは探さないとなんだが……まずは文字を覚えないとな」
肩を竦めてヴィデロさんがそう言うと、ヴィルさんはさっき部屋から持ってきた封筒を「ほら」とヴィデロさんに渡した。
「君は何を言っているんだ。貴重な戦力を他にやるわけないだろ。すでに君の身の振り方は決まってる。所属は母の所になるが、こちらも向こうの世界を自由に動く人員が欲しかったんだ。心して仕事をしてくれ。それは一応何かの折に必要になるかもしれない採用書類と君の社員証、そして給料を振り込むための口座カードとクレジットカード、そして当座の生活費だ。安心しろ。その生活費は母からだ」
「え?」
「は?」
驚いている俺の横で、ヴィデロさんも驚いていたことから、ヴィデロさんの仕事がすでに決まっているということは本人も知らなかったらしい。すっごく怪訝な顔でヴィルさんを見上げていた。
「母に色々書類を書かされただろう。その中には『雇用契約書』も入っていたんだけれど、その様子を見るに、説明は受けなかったようだな。自分の力で仕事を探す、と言い出す君が目に見えていたんだろうな。先手を取られたな。そうそう、業務内容は……」
ヴィルさんはヴィデロさんの手に渡っていた封筒の中から一枚を取り出すと、俺には全く読めない文字の書かれた書類をヴィデロさんに見せた。
ヴィデロさんの顔に驚愕の色が浮かぶ。もしかして、この文字ってグランデの文字? いつも翻訳された文字になるから、こうしてしっかりと文字を見るのは新鮮だ。
「通報された者の追跡と記録、両国の犯罪者取り締まり……」
「今まではグランデの騎士所属だったものが、こちら側所属になり、固定じゃなくてフリーで動く、という感じかな。赤片喰と同じような業務内容になる。それだったら、出社はここでもいいし、何なら部屋でもいい。ただし、かなり難しい役なんだが……君なら適役だ。今までも街門騎士団として同じようなことをしていたんだから。いいか、血がつながっているからと言って甘やかさないからそのつもりでいろよ」
ニヤリと笑うヴィルさんに、ヴィデロさんは盛大に溜め息を吐いた。
「既に甘やかされてる気がするんだが。これは、不慣れな俺がこの世界に馴染むまでの措置か?」
「いいや、本気で人手不足なんだ。ある程度腕が立って、ADO内の治安に奔走し、こちらよりむしろ向こうを拠点として動かないといけないとなると、なかなか適任がいない。前に赤片喰とともにその任に当たった者は向こうがゲームの世界ではないという実態を知っているせいか、グランデの盗賊に剣を向けることが出来なくてすぐにお役御免になったな。今は管理部であらゆる調整を任されているが。それだけこちらの世界の者にとっては精神的に過酷な業務になるんだ。場合によっては殺人も、となり得るからな。その点、君は躊躇いなく斬ることが出来るだろ」
笑みを浮かべながら説明をするヴィルさんに、ヴィデロさんが少し首を傾げた。
いまいちピンとこない顔をしている。
「そもそも、盗賊の場合、生かしていたらこっちの命が危ないだろ。どうして躊躇うんだ」
「それ、その感覚だ。こちらの世界は、よほどのことがない限り殺人はタブーとされているんだ。例え相手がこちらに剣を構えていても、だ。やり過ぎたら逆にこちらが捕まるという何とも中途半端な世界なんだよ。かといって殺人を容認してしまうと、そもそもの平和が成り立たなくなってしまう。そのせいか、時に殺人もしないといけないというこの業務に着く者はかなり厳選しないといけないんだ。途中から精神が病んで快楽殺人者と化してしまっても困るし、いざというとき取り逃がして治安を守ることが出来なくても困るからな。脳がゲームだと認識しているなら何とかなっても、向こうで生きている人々もこちらの人と同じだと理解している者がそれをするのはなかなか難しいんだ」
「そういうものなのか」
「ああ。俺も魔物相手じゃないと多分多少は躊躇うだろうし」
二人の言葉に、俺は息を呑んだ。確かにそうだ。あの時はまだ、俺はADOをゲームだと認識していて。だからこそ、あのクラッシュを襲った人を斬ることが出来て。今だったら? 今だったらきっと躊躇う。
ぐ、と手を握ると、身体に力の入った俺に気付いたのか、ヴィデロさんがそっと背中を撫でた。
「わかった。確かに適任だな。俺なら躊躇いなく斬る。あとで詳しく教えてくれ」
「ああ。そう言ってもらえると助かるよ。詳しくは、後々母から説明があると思うし、明日の午後から赤片喰……日暮というんだが、そいつがここにくるから、同時にログインしてくれ」
「ああ……でも、ずっとアレを被って寝転がっているというのは……体型維持が難しそうだな」
「あとで近くのジムを紹介するよ。健吾と通うといい」
席を立ちながら、ヴィルさんが俺に向かってウインクした。様になってる。
でも、一緒にジムに? そ、それはどんなボーナスステージですか。是非行かせてください。きりっとした顔で頷くと、ヴィルさんが肩を揺らした。
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