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648、臨時トレ雑貨屋店主
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日課のヴィデロさんとの朝食を済ませ、手早く片付けていってらっしゃいをした俺は、ログアウトして仕事に行く準備を始める。朝に余裕があるっていうのはなんていうか、ゆとりが出来る気がするよね。
パーカーを羽織って小さな肩掛けカバンを下げて、ギアを充電器に乗せると、俺は家をあとにした。
部屋には着々と本が増えて行ってる。母さんが「料理がメインなら、もっと勉強しないとだめじゃない」と言って、次々買って来ては渡してくれるんだ。でも知ってる。たまに母さんが部屋に入ってその本を読んでることを。エロ本が一冊もないから止めはしないけど。
俺も大活用させてもらっていて、何冊かは会社に置かせてもらっている。
そしたら今度は佐久間さんが料理本を差し入れてくれるようになった。付箋付きで。今度これ作ってみねえ? くらいの勢いでかなり頻繁に持ってくるようになって、食器棚の隣に本棚が置かれた。
本が増えてレパートリーが増えるのはすごく喜ばしいけどね。そのうち本棚がもっと大きい物になりそうだよ。
「健吾おはよう。今日はちょっと俺たち二人とも外に出るから、昼飯は健吾の分だけで、やってて欲しいことがあるんだ」
会社に入るなり、ヴィルさんがそんなことを言ってきた。
そして渡されたのは、かなり分厚い紙の束。
「これをこの欄に入力していってくれないか? すごく大量に見えるが、入力する数字はこれとこれだけだから、そこまで時間はかからないはずだから。俺たちが帰って来るのが夕方頃になるはずだから、もし時間が余ったらそこのギアを使って遊んでいてもいいから。頼む。何なら昼間弁当を届けさせるから」
「あ、はい……」
返事をしながらも、俺は手元の紙の束を半眼で見下ろした。
ヴィルさんは打ち込みが神業だから時間かからないだろうけど。俺、あんまりキーボード弄らないんだよ。二人が帰って来るまでに終わる気がしない。
奥の部屋から荷物を抱えて出てきた佐久間さんとヴィルさんが慌ただしく出ていくと、俺は早速頼まれた仕事を開始した。
全て打ち込み終わったのは、3時頃だった。途中ヴィルさんが頼んでくれた弁当が届いて食べた以外はずっと画面を見続けていたので、肩が凝って目が疲れた。
椅子から立ち上がって伸びをした俺は、飲み物を入れようと奥のキッチンに向かった。夕方頃っていつ頃だろうなと思いつつインスタントコーヒーの入ったカップにポットからお湯を注ぐ。
すると、携帯端末にメッセージが入った。
『ちょっとトラブルで帰れそうもないから、作業が終わったら上がってくれていい』
トラブルって、何があったんだろ。
大事にならないといいなあ、と思いながら、俺は了解ですと返送して、コーヒーを飲んだ。
帰り道、自転車で道を走っていると、雄太とユイにばったり会った。
「あれ、2人でデート?」
「お前仕事サボり?」
「健吾君もデートに混ざる?」
ユイさんユイさん、にこやかに言うセリフじゃないよ。
それにサボりじゃないから。
自転車を降りて、結局はデートに混ざった俺。
そのまま雄太の家に行くという二人と一緒に歩く。
そして魔大陸の話になった。
「俺ら以外のやつらが魔大陸で活動してるってのは面白いんだけど、素材が減るのはかなり痛い」
「他の人たちもとっちゃうしね。雄太ね、まだ誰も手を付けてない薬草群生地を探してるんだよ」
「雄太、俺のために……」
「いや、俺のためだ」
キリッとした顔をして、ダメな発言をする雄太に、ユイが笑う。
「雄太、そこは健吾君の薬師の腕を上げる協力をするためにって言わないと」
「いや、俺のためだ。というわけで健吾頼む。俺のために取ってきた薬草を薬ヤクにしてくれ。中毒性が高くて禁断症状が出始めてるんだ」
真顔でそんなことを言う雄太に、もっと危ないブツを渡してやろうかと突っ込むと、2人とも顔を輝かせて喜んでいた。どういうことだ。
魔大陸進出は、雄太たちは飛翔を使って進んでいくから、皆とは行動範囲が違うらしい。
しかも一回それで進んでからユイの転移魔法陣で移動するから、皆雄太たちはもう先に進んでるっていう認識になっているとか。情報操作してるんだとか言ってたけど、どういうことだろう。
意味が解らなかったのでふうんと答えると、雄太がトップの奴らにも色々あるんだよ、と意味深な答えを返してくれた。俺はトップじゃないから関係ないね。
そして、なんだかんだで、雄太たちは既に魔王が封印されている場所がある国の国境まで進んだとかもっと先まで進んだとか。早すぎだろ。
「ほんとはもっと広いからさ、色々見て回りてえけど、今まわっても景色が同じなんだよなあ。だからさ、あの大陸を見て回るのは魔王をブッ倒して綺麗にしてからの方がいいんじゃないかってガンガン進んでるんだ」
朗らかに言ってるけど、確実に雄太たちが魔王討伐の時期を早めてるよね。
でもいいのかな。セイジさんはクラッシュのも合わせると、確かクリアオーブ揃ってるはず。もしくは残り一つくらいだった気がする。今度ハッキリ聞いておこう。
まだ日が高い時間に帰り着いた俺は、早速ギアを被ってログインした。
そういえばレインさんが何かを送ってくれたんだっけ、と思い出し、冒険者ギルドに向かうことにする。
すると、クラッシュの店の前で、見たことあるような人が外側を掃除していた。
もしかして、ナスカ村に住んでた、セイジさんの……。
思わず駆け寄って声を掛ける。
「こんにちは! あの、お久しぶりです!」
俺が声を掛けると、優しそうな顔つきの老齢の女性が顔を上げた。やっぱり。
「あら、本当にお久しぶりね。クラッシュのお友達の。いつもクラッシュがお世話になって」
「いいえ、俺の方がお世話になってます。もしかして、またこのお店を?」
「そうなのよ。クラッシュに頼まれちゃってね。あの子、他の場所にお店を出すんでしょ。頑張ってくれてるから、少しくらいならと思ってお爺さんと一緒にここに来たのよ」
どうぞ、とにこやかにドアを開けてもらってしまったので中に顔を出すと、カウンターの外ではお爺さんが店の商品を手に取ってしげしげと眺めていた。
「お爺さん、クラッシュのお友達の薬師さんが顔を出してくれましたよ」
おばあちゃんがお爺さんに声を掛けると、お爺さんが振り返って、俺に視線を向けた。
険しかった顔がふっと緩む。
「ああ、クラッシュの」
「ええ、クラッシュのお友達」
「よく来てくださった。今日は何か入用かな?」
「私が誘ってしまったんですよ。だって本当にお久しぶりですから」
二人に歓迎されて、俺は店にお邪魔することにした。
元気そうで何より。
カウンター奥のテーブルに案内されて、お茶を出してもらった。
お爺さんはカウンターに落ち着き、おばあちゃんは俺の前に腰を下ろす。
こんなに歓待されていいんだろうか。
「今日はクラッシュはいないんですね」
「すっかり新しいお店にかかりきりなんですよ。でもどこに出したのか教えてくれなくて。ね、お爺さん」
「ああ……あいつも無茶をやりおる。母親そっくりだ」
口調から、お爺さんはクラッシュがどこに向かったのかわかってるみたいだった。でもさすがにおばあちゃんには言ってないみたいだった。言えないよね。というか、お爺さんは止めなかったんだ。
パーカーを羽織って小さな肩掛けカバンを下げて、ギアを充電器に乗せると、俺は家をあとにした。
部屋には着々と本が増えて行ってる。母さんが「料理がメインなら、もっと勉強しないとだめじゃない」と言って、次々買って来ては渡してくれるんだ。でも知ってる。たまに母さんが部屋に入ってその本を読んでることを。エロ本が一冊もないから止めはしないけど。
俺も大活用させてもらっていて、何冊かは会社に置かせてもらっている。
そしたら今度は佐久間さんが料理本を差し入れてくれるようになった。付箋付きで。今度これ作ってみねえ? くらいの勢いでかなり頻繁に持ってくるようになって、食器棚の隣に本棚が置かれた。
本が増えてレパートリーが増えるのはすごく喜ばしいけどね。そのうち本棚がもっと大きい物になりそうだよ。
「健吾おはよう。今日はちょっと俺たち二人とも外に出るから、昼飯は健吾の分だけで、やってて欲しいことがあるんだ」
会社に入るなり、ヴィルさんがそんなことを言ってきた。
そして渡されたのは、かなり分厚い紙の束。
「これをこの欄に入力していってくれないか? すごく大量に見えるが、入力する数字はこれとこれだけだから、そこまで時間はかからないはずだから。俺たちが帰って来るのが夕方頃になるはずだから、もし時間が余ったらそこのギアを使って遊んでいてもいいから。頼む。何なら昼間弁当を届けさせるから」
「あ、はい……」
返事をしながらも、俺は手元の紙の束を半眼で見下ろした。
ヴィルさんは打ち込みが神業だから時間かからないだろうけど。俺、あんまりキーボード弄らないんだよ。二人が帰って来るまでに終わる気がしない。
奥の部屋から荷物を抱えて出てきた佐久間さんとヴィルさんが慌ただしく出ていくと、俺は早速頼まれた仕事を開始した。
全て打ち込み終わったのは、3時頃だった。途中ヴィルさんが頼んでくれた弁当が届いて食べた以外はずっと画面を見続けていたので、肩が凝って目が疲れた。
椅子から立ち上がって伸びをした俺は、飲み物を入れようと奥のキッチンに向かった。夕方頃っていつ頃だろうなと思いつつインスタントコーヒーの入ったカップにポットからお湯を注ぐ。
すると、携帯端末にメッセージが入った。
『ちょっとトラブルで帰れそうもないから、作業が終わったら上がってくれていい』
トラブルって、何があったんだろ。
大事にならないといいなあ、と思いながら、俺は了解ですと返送して、コーヒーを飲んだ。
帰り道、自転車で道を走っていると、雄太とユイにばったり会った。
「あれ、2人でデート?」
「お前仕事サボり?」
「健吾君もデートに混ざる?」
ユイさんユイさん、にこやかに言うセリフじゃないよ。
それにサボりじゃないから。
自転車を降りて、結局はデートに混ざった俺。
そのまま雄太の家に行くという二人と一緒に歩く。
そして魔大陸の話になった。
「俺ら以外のやつらが魔大陸で活動してるってのは面白いんだけど、素材が減るのはかなり痛い」
「他の人たちもとっちゃうしね。雄太ね、まだ誰も手を付けてない薬草群生地を探してるんだよ」
「雄太、俺のために……」
「いや、俺のためだ」
キリッとした顔をして、ダメな発言をする雄太に、ユイが笑う。
「雄太、そこは健吾君の薬師の腕を上げる協力をするためにって言わないと」
「いや、俺のためだ。というわけで健吾頼む。俺のために取ってきた薬草を薬ヤクにしてくれ。中毒性が高くて禁断症状が出始めてるんだ」
真顔でそんなことを言う雄太に、もっと危ないブツを渡してやろうかと突っ込むと、2人とも顔を輝かせて喜んでいた。どういうことだ。
魔大陸進出は、雄太たちは飛翔を使って進んでいくから、皆とは行動範囲が違うらしい。
しかも一回それで進んでからユイの転移魔法陣で移動するから、皆雄太たちはもう先に進んでるっていう認識になっているとか。情報操作してるんだとか言ってたけど、どういうことだろう。
意味が解らなかったのでふうんと答えると、雄太がトップの奴らにも色々あるんだよ、と意味深な答えを返してくれた。俺はトップじゃないから関係ないね。
そして、なんだかんだで、雄太たちは既に魔王が封印されている場所がある国の国境まで進んだとかもっと先まで進んだとか。早すぎだろ。
「ほんとはもっと広いからさ、色々見て回りてえけど、今まわっても景色が同じなんだよなあ。だからさ、あの大陸を見て回るのは魔王をブッ倒して綺麗にしてからの方がいいんじゃないかってガンガン進んでるんだ」
朗らかに言ってるけど、確実に雄太たちが魔王討伐の時期を早めてるよね。
でもいいのかな。セイジさんはクラッシュのも合わせると、確かクリアオーブ揃ってるはず。もしくは残り一つくらいだった気がする。今度ハッキリ聞いておこう。
まだ日が高い時間に帰り着いた俺は、早速ギアを被ってログインした。
そういえばレインさんが何かを送ってくれたんだっけ、と思い出し、冒険者ギルドに向かうことにする。
すると、クラッシュの店の前で、見たことあるような人が外側を掃除していた。
もしかして、ナスカ村に住んでた、セイジさんの……。
思わず駆け寄って声を掛ける。
「こんにちは! あの、お久しぶりです!」
俺が声を掛けると、優しそうな顔つきの老齢の女性が顔を上げた。やっぱり。
「あら、本当にお久しぶりね。クラッシュのお友達の。いつもクラッシュがお世話になって」
「いいえ、俺の方がお世話になってます。もしかして、またこのお店を?」
「そうなのよ。クラッシュに頼まれちゃってね。あの子、他の場所にお店を出すんでしょ。頑張ってくれてるから、少しくらいならと思ってお爺さんと一緒にここに来たのよ」
どうぞ、とにこやかにドアを開けてもらってしまったので中に顔を出すと、カウンターの外ではお爺さんが店の商品を手に取ってしげしげと眺めていた。
「お爺さん、クラッシュのお友達の薬師さんが顔を出してくれましたよ」
おばあちゃんがお爺さんに声を掛けると、お爺さんが振り返って、俺に視線を向けた。
険しかった顔がふっと緩む。
「ああ、クラッシュの」
「ええ、クラッシュのお友達」
「よく来てくださった。今日は何か入用かな?」
「私が誘ってしまったんですよ。だって本当にお久しぶりですから」
二人に歓迎されて、俺は店にお邪魔することにした。
元気そうで何より。
カウンター奥のテーブルに案内されて、お茶を出してもらった。
お爺さんはカウンターに落ち着き、おばあちゃんは俺の前に腰を下ろす。
こんなに歓待されていいんだろうか。
「今日はクラッシュはいないんですね」
「すっかり新しいお店にかかりきりなんですよ。でもどこに出したのか教えてくれなくて。ね、お爺さん」
「ああ……あいつも無茶をやりおる。母親そっくりだ」
口調から、お爺さんはクラッシュがどこに向かったのかわかってるみたいだった。でもさすがにおばあちゃんには言ってないみたいだった。言えないよね。というか、お爺さんは止めなかったんだ。
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