これは報われない恋だ。

朝陽天満

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631、入手下着の身に着け方

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 二セットの下着は、どんな意味合いで使う物か俺にはよくわからなかった。

 このレースのわっか何。ストッキングとかないのに何でガーターベルトだけはあるの。っていうかこのパンツは穿く意味があるのか。隠すべき場所に切れ目が入ってるんだけど!

 紐を持ち上げて改めて開いてみてみると、小さな三角がついた紐がまた……ええとこれ、ナンデシタッケ?

 遠い目をしながら首を傾げていると、ヴィデロさんが笑いながら「着けてみるか?」と冗談めかして訊いてきた。



「着けるって、これ、どこに?」

「胸に」

「ヴィデロさん着け方知ってる?」

「……多分?」



 ヴィデロさんもちょっと自信なさげに言ってるので、ちょっとだけホッとする。



「これは?」



 レースのわっかを指で引っ張って見せると、ヴィデロさんもちょっとだけ首を傾げた。



「一度身に着けてみないか?」

「え?」

「マックが着けたところ、見たい」

「え?」

「せっかく買ってきたんだ。それ、身に着けて欲しい。ダメか?」

「……え?」



 レースのわっかをみにょーんと伸ばしながら、俺はちょっとヴィデロさんの言葉を頭の中で反芻した。

 ダメか? って言われたら、断るなんて……え? このフリフリレースのえっちい下着、俺が装着するの? 



「……に、似合わなくても笑わない……?」



 絶対似合わない自信あるんだけど。可愛い子がこれを身に着けたらそれこそエロエロしくて垂涎ものなんだろうけど、俺だよ? 

 そう思ってヴィデロさんを見上げると、ヴィデロさんは俺の腰に手を回して、耳元で「絶対に笑わない」と囁いた。





 取り出した下着を袋に戻して、俺は寝室に連行された。

 ヴィデロさんがサイドテーブルに袋の中身をひっくり返すと、下着が山積みになった後から、ひらりと一枚の紙が。

 ご丁寧に、下着の着け方が描かれたイラストの紙が入っていた。えええ、こんなサービスまでしてるのあの人……。



「じゃ、じゃあ、ヴィデロさんも、これ身に着けてくれる……?」



 俺は、サービスで貰ったあのほっそいお尻半分出る下着をインベントリから取り出して、ヴィデロさんに渡した。

 それを受け取って、ヴィデロさんが苦笑する。



「マックが見たいっていうんなら」

「見たい」



 ヴィデロさんに間髪入れず答えると、ヴィデロさんの目が楽しそうに細くなった。う、その顔可愛い。好き。



 ローブを脱がされ、胸当てを外されて、自分で出来るっていうのにひとつ残らずヴィデロさんの手で脱がされた俺は、ドキドキしながら細い紐を腰で結んだ。

 切れ目の入った下着は、股間が心もとなく、一応レースで隠れてはいるものの、これは元気になったらその切れ目から絶対に顔を出すぞっていうような作りだった。

 ベッドに座らされて、足を上げさせられて、さっき伸ばしたわっかを足に通される。太腿に落ち着いたそれは、なんだかよくわからない存在感を主張していた。こんな長い靴下を持っていない俺には全く意味をなさない物なのに。

 そして、ヴィデロさんが俺の背中で男性用ブラという代物の紐を結んでいる。これ、絶対に自分で着ける仕様じゃないよね。誰かにしばって貰う仕様だよね。っていうか、なんていうか、乳首付近に申し訳程度に重なる小さな三角がとんでもなくおかしい。絶対似合わないだろこれ、って見下ろして恥ずかしくなる。卑猥だ……!

 そして、腰にはガーターベルト。そこから垂れている紐は、ガーターリングっていう太腿にあるわっかに取り付ける場所があったので、くっつけられた。

 最後、ビスチェとかいうやつ。お腹部分から胸までを覆う物らしくて、ちょっと硬いのが防御力高そう。後ろ側に編み込まれた紐が付いてるので、それを締めて固定するらしいんだけど、これもやっぱり誰かにしばって貰う物だと思う。

 長さ的にへその上あたりで終わってて、ガーターベルトは隠さない。そして、胸元の三角布を隠さないようになっている。防御力は高そうだけど、やっぱり意味わからない。



 身に着けてみてわかったことは。

 とにかく恥ずかしい。

 こんなレースフリフリの下着、めちゃくちゃ恥ずかしい。着てみたいなんて思ったこともなかったから、本っ気で恥ずかしすぎる。

 ついつい腕で身体を隠すと、ヴィデロさんがホッと息を吐いた。



「……マック可愛い」

「ううう、も、もう脱いでいい?」

「もう少し。まだ俺もあの下着を身に着けてないだろ」



 そのまま待ってて、と囁いて、ヴィデロさんは今着ている服をバッと脱いだ。

 いつ見ても惚れ惚れする身体を惜しげもなくさらして、下も全て脱ぐ。引き締まったお尻がすっごくセクシー。見てるとちょっとムラムラして下着の隙間が大変なことになるから、そっと視線を外す。だって勃っちゃったら絶対顔出しちゃうもん。

 いつも以上に足をしっかりと閉じてヴィデロさんを待っていると、ヴィデロさんが「ごめんマック」と謝罪を口にした。

 なんで謝られたのかわからなくて視線をヴィデロさんに向けると、ヴィデロさんが困ったような顔をして、下着を引っ張っていた。

 それは、なんていうか、ああ、アダルト下着だったんだなっていう謎の納得感があった。

 細い下着なんだけど、お尻はしっかりと割れ目まで見えてるんだけど、前部分は伸縮性のいい布を使ってるのか、しっかりと主張したヴィデロさんのヴィデロさんが形まではっきりとわかる様になっていた。そして、ヴィデロさんのヴィデロさんは元気だった。



「マックのそんな姿を見たら……ごめん」

「御馳走様です」



 ヴィデロさんのヴィデロさんの元気な布越しの姿を見てしまって、俺も一瞬にして元気になったのは言うまでもない。

 パンツの切れ目から、生の息子が顔を出してしまって、恥ずかしさと興奮と何やら野獣じみたヴィデロさんを押し倒してあの主張しているものをどうにかしたい気分が一気に湧いてきた。これが発情だって本気で納得するレベル。

 ムラムラした気分でヴィデロさんを見上げると、ヴィデロさんが俺の目を手の平で覆ってしまった。



「今そんな目で見上げられると酷くしそうだから」



 って、酷くしてもいいっていうか、ガンガン来いな気分なんだけど。

 下腹部の奥が熱くなりながら、俺は間近にあるヴィデロさんの身体に腕を伸ばした。





 ヴィデロさんはすぐに下着を脱ぎ、俺は身に着けたレースをそのままに、愛し合った。

 ナイトショーツはとてもナイト仕様で、穿いたまま愛し合えて、直に手で扱くことが出来る本当のナイト仕様だった。さすがエロアイテム。

 ヴィデロさんのヴィデロさんを下着のまま身体の奥に迎え入れた俺は、それだけで一度ビスチェを汚してしまった。

 俺の足を抱えて、奥までしっかりと挿入したヴィデロさんも、動く前から満足げな溜め息を吐いている。



「……今日は、持たなそうだ……」



 挿れたまま動きを止めたヴィデロさんは、困ったような顔をして、そんな弱音を吐いた。沢山出して欲しい。っていうか俺なんてもう出しちゃったよ。持たなかったよ。気持ちよすぎて!

 布を開くようにして指で解されるのも、下着に沿う様に愛撫されるのも、三角布の上から胸を摘ままれるのも、全部気持ちよすぎてどうしようかと思ったよ。

 一人だけ先に出しちゃったのがすごく居たたまれないから。



「早く、出して欲しい……」



 この中に、とビスチェの下に出てるへそ部分を手の平で撫でると、ヴィデロさんの喉が鳴った。





 それからは、2人で心行くまで愛し合った。

 何度頭がパーンとなったかわからないくらい。途中スタミナポーションで補充して、さらに愛し合い、ようやく満足した時には、俺のブツはくたっとしていて、身に着けた下着は目も当てられない状態だった。ブラなんてすでに外れかけて乳首は丸見え。パンツは半分紐が外れてて辛うじて腰についてる感じで、でもずっとヴィデロさんのヴィデロさんが挿ってたから外れてはいなくて、レースはぐちゃぐちゃの濡れ濡れ状態。

 すっかり空になったスタミナにより、俺はヘロヘロ状態で、ヴィデロさんも珍しくスタミナポーションで回復を図っていた。何回中に出したのかは、すでにわからないけど、ちょっと力を入れると何かが零れだしてるのが自分でわかる。



「脱がせるから、うつ伏せになって」



 ヴィデロさんに言われて、渾身の力を使って転がると、はらりとパンツが脱げた。片紐だけだったから。紐パンって脱ぐのは楽かも。もう俺のブツも力ないから引っかからないし。ビスチェの紐を解かれて、絞められてたお腹が開放感で満たされて脱力すると、またしてもお尻から何かが零れ落ちた気がした。







 普通の下着とインナーを身に着けると、ヴィデロさんは汚れたシーツを交換してくれた。そして一言。



「ソファーを買ったら、カバーだけはしっかりとつけないとな。ソファーは、この部屋に置いて寛ごうな」

「あ、うん」



 あっちに置かなくていいのかな、と思ったけど、一緒に寛ぐならここが一番かもね、と俺は頷いた。

 
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