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613、前戯ヤバイ、前戯蕩けすぎる
しおりを挟む足の指の間まで舐められて、足の裏に歯を立てられて、俺は必死で口を押さえていた。
なんか、なんか、足なのにすごくゾクゾクする。普段だったら臭くないかとか水虫がとかそういうことしか考えないような足が、ヴィデロさんに性感帯に塗り替えられていくみたいだ。
ズボンをゆっくり脱がされた後、手が太腿に置かれ、唇が足の脛を辿る。
「マック、口を押さえてたらエロい話が出来ないだろ……」
足を持ち上げられてふくらはぎにキスをされながら、ヴィデロさんの言葉に首を振る。
こんなことされてて話とかする余裕ない。
足がこんなに気持ちいいとか、どういうことなんだ。
確かに、こんな風に全身可愛がられたら、弄られなくても身体の中が蕩けるよ。だって、いつもヴィデロさんを受け入れてるところがギュッて反応するから。しかも足を可愛がられただけなのに、しっかりと俺のブツは勃ってるし。
「蕩けて来たか?」
「もう……トロトロ」
「まだ始まったばっかりなんだけどな……指とか、腕とか、身体とか、耳とか、隅々まで」
「そ、そんなことされたら俺……っあ、待って!」
今度は太腿に軽く歯を立てられて、身体が跳ねる。歯を立てた場所を舐められて、はぅ、と声が洩れる。
チュッと吸われてヴィデロさんが離れていった場所に、赤い印が残っていく。
「す、吸われると、なんか……っ」
「痛かったか……?」
「痛いんじゃなくて……んんっ」
元気になってるブツのすぐ近くまでヴィデロさんの唇が近付いたのに、そこには全く触れて貰えずじれったくて悶える。
つい自分で手を伸ばそうとすると、ヴィデロさんの手に阻まれた。
「まだ。もっと蕩けさせたい」
「もうすっかり蕩けてる……!」
じわじわする快感よりも直接的なものが欲しくて首を振ると、ヴィデロさんが立ち上がって俺の上半身をベッドに倒した。
唇に軽いキスをして、ふふ、と笑う。
「足、気持ちよかったか?」
目を細めて訊いてくるヴィデロさんに頷くと、ヴィデロさんが「じゃあ今度はこっち……」と上半身のインナーの中に手を差し込んだ。
うさ耳のローブはまだ着けたまま。胸元までめくりあげられたインナーから、俺の貧弱な胸元がヴィデロさんの目にさらされる。
小さな突起に指が添えられて、指の腹でくりくりと捏ねられて、「あっ」と口から喘ぎ声が零れた。
両乳首を摘ままれて、軽く引っ張られて、背中に電気が走る。
ヴィデロさんはめくりあげられた服からちらっと見える刺青に唇を這わせて、太腿の時の様にキュッと吸った。
「……っ!」
刺青の所にキスマークを付けられただけで、直接触られたわけじゃないのに一瞬目の前が真っ白になる。
下着の中で、イっちゃった……。
一瞬も触られてないのに、下着すら脱いでないのに……。
出した直後の脱力と、瞬殺されたことにちょっと呆然としていると、ヴィデロさんが満足そうに口もとを緩めて俺の唇にキスをした。
それからも触って貰えないまま、触らせてもらえないままに、ヴィデロさんの唇と手にひたすら翻弄されていく。
ヴィデロさんの心臓の音までしっかりと聞こえて、いつもより少し早いその音にさらにドキドキする。
脱がされた下着はドロドロで、滅茶苦茶恥ずかしい。あとで手洗いするのかと思うとさらに恥ずかしい。
でも俺のブツは一回出したくらいじゃ萎えてなくて、ツライ。
脇のオプション傷を丁寧に愛撫されて、もう一回恥ずかしい液体を飛ばした俺は、腹と足と胸にかなりのキスマークをつけられながら、息も絶え絶えになっていた。
先輩騎士、ヴィデロさんに何を教えてるんだ……。これじゃヴィデロさんのヴィデロさんを挿入される前に俺のスタミナが切れちゃうよ。
摘ままれて捏ねられて舐められて噛まれた乳首が、ヒリヒリしてジワジワしてちょっと触られただけで変な声が出てくる。乳首ってこんなに気持ちよかったっけ、とちょっとびっくりする。
は、は、と浅い息を繰り返していると、ヴィデロさんがカタッと何かを手にした音がした。
「マック、まだまだ前戯なんだから、力尽きるなよ」
瓶の蓋が開けられて、俺のブツに潤滑香油が垂らされる。
力尽きるなよって、その香油を垂らされた刺激だけでイきそうなんだけどどうしよう。
とろとろとブツの周りを垂れていく香油でイくのだけはやだ、と歯を噛みしめて耐えていると、ヴィデロさんの大きな手が、俺のブツを包み込んだ。
「あぁああ!」
触られただけでまたしてもイった俺のブツを、ヴィデロさんが容赦なく扱いていく。
「あ、あ、まって、今、イったばっかり……っ!」
敏感な状態を手で扱かれて、わけがわからなくなってくる。
「や、離して……っ、あ、あ、今、ダメ、敏感、だから……っ! でな、出ないのに……っ!」
下半身に熱が渦巻いて、目の前がチカチカしてくる。口からはあんまり意味をなさない単語が飛び出すだけで、シーツを掴んだ手の力を抜くこともできない。きっと青筋とか立ってる気がする。それくらい、全身に力がこもっていた。
よすぎてよすぎて、つらい。開きっぱなしの口から涎が垂れてるけど、構ってられない。
下半身の熱は、段々と全身に回って、ヴィデロさんの手から聞こえるぐちゅぐちゅという音がダイレクトに耳に飛び込んでくる。
音、音がヤバい。聞こえすぎる耳は、エロい音を全て余すことなく拾ってくる。
ダラダラと垂れる香油を、ヴィデロさんがもう片方の手で、ヴィデロさんを挿れるところに塗り付ける。それも粘着質な音が立って、全身が粟立つ。
もう、もう中まで刺激して欲しい。でもきっとまた、挿れられた瞬間頭がパーンってなるのは知ってる。
入口をヌルヌルと刺激していたヴィデロさんの鍛えられた太い指が、ぐ、と少しだけ入った瞬間、また目の前が真っ白になる。
「……っ、あ、ああぁあ……は、前戯、し過ぎ……っ」
「感じやすいマック可愛い……。でもまだし足りない」
「も、や……」
「でも、確かに中はすっかり蕩けてる……」
蕩けてるから、もう、とヴィデロさんに視線を向けると、ヴィデロさんはまだ何一つ乱れていない状態だった。俺だけ。その状態がじれったくて、俺は腕を伸ばした。
そして、何とか捕まえたヴィデロさんのシャツを脱がそうと、手で引っ張る。
蕩けて力の入らない手じゃ脱がすことなんてできないのはわかるけど、でも。
「も、蕩けてるから、ヴィデロさんも脱いで、早く、ここに」
シャツから手を離して、足を抱える様に、ヴィデロさんの指が収まってるところを手で開く。太ももまで香油が伸びていて、ぬるっとした感触がすごく興奮する。
クチ……と音を立てて、指が抜かれていく。俺のブツからも手が離れて、衣擦れの音がし始めた。
服が床に落ちて、ベッドが沈む。
息を整えつつ見上げると、全裸になったヴィデロさんが覆いかぶさって来た。
「俺の、インナーとローブ……」
「そのままで」
囁くようなヴィデロさんの声も、優秀なローブの性能が拾ってしまう。
ヴィデロさんのヴィデロさんを押し当てた時の音すらも。
ヌルヌルと熱が入り口を行き来し、ぐ、と押し付けられては引いていく。
その行動のじれったさに思わず太腿を掴んでいた手でヴィデロさんのヴィデロさんを掴むと、手に着いた香油のヌルヌルをヴィデロさんのヴィデロさんに塗り付けて、挿入するよう導いた。
「マック……っ、全身蕩けさせたけど、そこはまだ十分には解してないから」
「でも……ヴィデロさんが欲しい……っ」
叫ぶように懇願すると、ヴィデロさんの息を呑む音が聞こえた。
「自分で押さえて、広げててくれ……なるべくゆっくり挿れるから」
俺の手を足の付け根部分に置き、ヴィデロさんがもう一度香油を手に取る。
シッカリとヌルヌルになったヴィデロさんのヴィデロさんを、もう一度入り口に押し付けると、今度こそぐぐ、と挿ってきた。
「あ、ん……っ」
欲しかった刺激が来て、身体が勝手にギュッと締める。
ヴィデロさんの口からも小さな吐息が洩れて、俺を煽っていく。
それでもやっぱりきつくて、俺はもっとスムーズに入る様に、手に力を込めた。柔らかいお尻と太腿の肉を押さえつける様に。
はぁ、とヴィデロさんの悩ましい声が聞こえて、更にヴィデロさんのヴィデロさんが奥に進んでくる。
きっつい、けど、丁度気持ちいい場所に頭が当たって、あんまりの気持ちよさに身体が跳ねた。
ヴィデロさんはひたすら我慢してるらしく、時折洩れる吐息が凄く俺を煽ってくる。耳だめだ、全部音を拾っちゃう。
繋がったところの粘着音だけじゃなくて、ヴィデロさんの状態まで音が拾う。
さっきよりさらに上がった心音に、ヴィデロさんがすっごく興奮してるのがわかる。
まだ半分くらいしか入っていないせいか、ヴィデロさんの口から洩れる吐息が切羽詰まった感半端ない。
ゆっくりと進むヴィデロさんのヴィデロさんが発する音が耳を刺激する。中に感じる感覚と、その音で、もういっぱいいっぱい。
ようやくすべてを収めた時のヴィデロさんの吐息にイきそうになった俺は、もう二度とこのローブでこんなことしない、と蕩ける脳みそで思った。音ヤバい。音ってすごく煽られる。
それからはもう猥談も何もなく、2人で心行くまで愛し合った。
俺のはもう空っぽで、イく! ってなったあたりからずっとイきっぱなし状態が続いて最後はヘロヘロになっていたけど、きっとヴィデロさんはそこまでは満足してないんじゃないか、とダルダルの身体を拭いてもらいながら思った俺。
だって俺の身体を綺麗にする余力があるんだよ。スタミナポーションに手を伸ばすスタミナもないよ俺。
「猥談……しないで終わっちゃった気がする……」
ヴィデロさんに口移しでスタミナポーションを飲ませてもらいながら、思わずそう零すと、ヴィデロさんが楽しそうに笑った。
「じゃあ、マックはどういう体位が好きなんだ?」
「体位……? えーと、座ったヴィデロさんに乗るのは、すごくくっつくから好き。あとは……普通のが、ヴィデロさんの身体が見えるから好き、かな。ヴィデロさんは?」
猥談の続きをしてくれるヴィデロさんに、ワクワクしてそう返すと、ヴィデロさんはそうだな、と考えてから、徐に俺の身体を転がしてうつ伏せにした。
そして、ぐいっと腰を持ち上げて、ついさっきまでヴィデロさんのヴィデロさんが挿っていた場所に、未だ元気なヴィデロさんを押し当てた。
「待って、好きな体位のこと……っあああ!」
そのままズズズと挿入されて、大きな喘ぎ声を出してしまう。
トロトロだった俺は、抵抗もなくヴィデロさんを呑み込んだ。
ヴィデロさんは奥まで挿入すると、動かすわけじゃなくて、奥を腰を押し付けるようにしてぐりぐりとし始めた。
「や、あ、深いって……っ、も、あああ」
「この体位だと、マックが凄く喘ぐのが……ぐっとくる」
「だって、ふか、深すぎて、う、あ」
そうやって二回戦に突入した俺たちなのだった。
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