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546、そこでドヤ顔されても……
しおりを挟む学校も始まり、ログイン時間が冬休みよりぐっと短くなっても、ヴィデロさんは工房に帰って来て、工房から職場に行っている。
俺は、前よりも朝一時間早く起きるようになって、朝いちログインしてヴィデロさんを見送ってから自分の用意をして学校に行くようになった。
前よりも遅刻が減ったのはヴィデロさん効果だよ。
この時期になるとクラスの大半は進路が決まっていて、教室の雰囲気が二分されている。
休み時間でも参考書を開く人がいる中、俺と雄太はあいも変わらずADOの話をするために教室を後にする。教室でADOの話で盛り上がると、三名ほど受験でログインできない人がいるらしく恨みがましい視線を向けられるんだよね。
くっそ大学受かったら絶対に高橋から神殿の場所を聞いてやる! なんて唇をかみしめながら叫んでいたから、大分レベルは高いと見た。唇をかみしめたままだったからほとんど何言ってるかわからなかったけど。器用だな。
「俺らそろそろ魔大陸でもやっていけるって太鼓判押されたんだけど」
「レベル幾つ?」
「287」
サラッと答えられたレベルに顎が外れそうになる。あれえ、この間限界突破して200になったばっかりだと思ってたのに。
何でそんなにレベル上がってるんだよ。
ジト目で雄太を見ると、雄太は「俺ら誰の弟子になったと思ってんだよ」と嘆息した。
「そういう健吾はジョブレベルどうなってんだよ」
「草花薬師レベルは150くらい、錬金術師は90くらい。メインなんてパーソナルレベルより高くなっちゃって笑えない」
「それこそびっくりな内容だろ。俺らのメインジョブレベルだって150行くか行かないか辺りだぞ。どうしたらそんなレベルになるんだよ……」
「だって俺のジョブってジョブ経験値の方ばっかり貯まるんだもん。戦闘をあんまりしないからパーソナルレベルはあんまり上がらないんだよ。これでも100超えしたのが奇跡だろ」
「そうだよね。トレ付近に生息していてレベル100超えって逆に脅威だよね」
「増田、生息って何。拠点と言って」
「新居ね。ごめんね」
笑いながら謝る増田につられて笑う。
冬場は屋上は寒いから、使われてない視聴覚準備室を借りて三人でご飯を食べてるんだけど。三人で頼みにいった時、仕方ない、なんて言いながらも貸してくれた担任の先生に感謝だよ。呆れたように笑いながら「どうせゲームの話で盛り上がるんだろ。教室でされるよりは全然マシだ」なんて言ってたから、受験組に配慮してたんだと思う。
「もっと郷野のレベルを上げるためにガンガンヴィデロさんと辺境に来るといいよ。一緒に歩いてるとパーティー認識されてるんだろ」
「そうなんだけどね。学校始まるとなかなか一緒に出れないよ」
冬休みが懐かしい、と数日前のことを思い出して溜め息を吐いていると、雄太と増田も同じ顔でほんとにね、と同意した。
一日ゲームが出来る環境って、実は学生時代がメインなんじゃなかろうか。雄太たちはあと4年学生を謳歌するけど、俺は就職だしな。
「っつうか仕事でログインする場合もあるだろうが。そっちの方が羨ましいわ」
呟いた瞬間、雄太にチョップを食らってそんなふうに反撃される。
「なんにせよ、勇者は後続のやつらを育て始めるみたいなんだ。俺らが4人で一軒家を借りたのもいいきっかけになったらしい。すでに『白金の獅子』は300超えたからとかって卒業してったし」
「そうなんだ。雄太たちも勇者卒業なんだ」
「俺らが勇者なわけじゃないから」
勇者は雄太たちだけじゃなくて、他の人もたくさん鍛えて、わんさか魔大陸に連れてく気満々なんだろうな。それの仲介役がセイジさんか。すっごく連携取れてるよね。
なんて感心していると、雄太がとある提案をしてきた。
「今日はバイトないんだろ。辺境来ねえ? 面白いダンジョンがあるんだよ」
「面白い? どんな?」
「入る度にマップが変わるダンジョン。でも出てくる魔物はゴースト系オンリー。俺一人だとすぐ死に戻る。物理特化だからな。物理はほぼノーダメージ。魔法は効くけど、そこまで致命傷は受けない。この間ユキヒラが一人で制覇してたな。聖魔法使いには温いとか言いながら」
「うわあ行きたい。俺も戦闘で活躍できるじゃんそれ」
「おう。来い」
ワクワクしながらいい返事をしてると、昼休み終わりの予鈴が鳴った。
というわけで辺境。
ギルド経由しないで転移した俺は、雄太たちと合流した。
今回はゴースト系ってことで、『ホーリーハイポーション』をわんさか皆に渡しておく。
飲むと聖属性が付くし、ある程度の時間は闇属性の攻撃が無効になるから。
行先を訊くと、北側の壁のさらに先にひっそりとあるとか。
結構腕試しに入る人はいるらしいけど、余裕なんて言えたのはユキヒラくらいだって。それくらい物理は通らない魔物がわんさか現れるとか。
「……どうやってそこまで行くんだよ」
ジト目にして雄太を見ると、雄太はガシッと俺の腕を掴んだ。
「もちろん『飛翔』で……」
「他にもっと穏便な行き方はないのかよ!」
「マック君、冗談だよ」
「冗談じゃないよ! ……へ?」
ユイにくいっとローブの袖を引っ張られて、俺は間抜けな顔になる。
隣にいた雄太を見上げると、その顔は小憎らしいほどにやけていた。
「あのね、私の転移魔法陣で行くから、大丈夫だよ」
ユイが無邪気な顔でニコニコとそう言った。
え、あ、うん。
へーそうなんだ。
頭が理解できないまま生返事をすると、ユイが可愛く笑った。
「魔法陣魔法、面白いね。まだ難しいけど、戦闘中じゃなければ私も使えるようになったよ」
「……ほんとに!? すごいじゃん! ユイのMPだったら怖いものなしだね!」
「うん!試しに全員でここからウノの街まで跳んでみたけど、往復余裕だったよ!」
段々とユイが大魔導士になっていく。もしかして最強はユイなんじゃなかろうか。これにプラスして短剣スキルもゲットしたわけだろ。最強オブ最強だよね。攻撃力及び心の強さ。
雄太、頑張れ、と心の中でエールを送っていると、何かを感じ取ったらしい雄太にヘッドロックをかまされた。くそ。グリグリ地味に痛いから!
ユイの魔法陣魔法で、ジェットコースターを味わうことなく無事洞窟に着いた俺は、とりあえずユイを拝んでおくことにした。ユイのおかげで怖い想いをしないで済みました。ありがとう女神様。雄太と海里って俺の悲鳴を面白がってわざとギリギリを飛ぶんだもん。しかもトップスピードで。どれだけ動体視力がいいんだよ二人とも。
長い草の間からひょっこり現れた洞窟は、入り口に立っただけで嫌な雰囲気がわかるくらい、中が淀んでいる気がした。
これは、何もでないよって言われた方が信ぴょう性が低いよ。じわじわする。
でもまわりには数人プレイヤーたちがいて、中に入って行ったり出てきたりしていた。
「くっそまた銀蛸のやつ死に戻ったよ」
「何度目だよ」
「あ、俺じわじわ来てるからあと数歩で死に戻る」
「おま……っ、何やってんだよ!」
出てきた一人が慌ててもう一人に何かをかけている。あの瓶は見たところ聖水かな。
「よう、今日はどうだった?」
「よう『高橋と愉快な仲間たち』。今日は銀蛸とヒルダンが死に戻りして俺らも命からがら逃げて来たところだ。今まさにHPじわじわ削られてて、残り17だ」
「おもしれえことやってるな。俺らも今日も挑戦する」
「高橋お荷物になるなよー」
「なに言ってんだよ。俺はここではお荷物以外の何物でもねえだろ」
「あははは、自分で言ってどうするんだよ」
仲良く挨拶を交わして、すれ違う。
洞窟に足を踏み入れると、途端に目の前に黒い影が迫ってきた。
ゴースト系魔物だ。
取り敢えずどれだけ聖魔法が効くのか試すべく、俺は聖短剣を引き抜いた。
でも待って、引き抜いた時点でゴーストビビってるんだけど。
ヒッ、っていう悲鳴が聞こえたんだけど! これ、ユキヒラが抜身の剣で入った瞬間ゴーストたちは逃げまどうんじゃないかな。
「流石マック。連れてきて正解だったわ」
海里がビビってるゴーストを見て笑う。
俺が攻撃魔法を繰り出すと、たった3発でゴーストは消滅した。えっと、弱い?
「弱いとか思ってるだろ。実は全然弱くねえんだよ。次、見てろよ。俺が剣で攻撃してみるから」
雄太が大剣を構えながらそんなことを言うので、素直に頷いておく。
魔物のHPバーは二本分である黄色。大体ホーリーボム一撃でHPバーの3分の2削れるから、紙防御なのかと思ったけれど。
雄太の剣が魔物を切り裂き、半分にする。でも、魔物はすぐに引っ付いて元の姿に戻る。削れたHPはほんのわずか。確かに物理攻撃効かない。
「俺、ソロでここを通過しろなんて言われたら泣いて逃げ帰るか、死に戻りだ」
魔物をザクザクしながら雄太がそんなことを言ってニヤリと笑う。
そこにユイの水属性の魔法が飛び出した。
魔法が被弾すると、ようやくまともにHPが削れる。
そこにブレイブの魔法で出来た矢が突き刺さり、海里が剣に魔法を纏って魔物を切り裂いていく。三人の攻撃は結構まともにHPを削れるんだけど、雄太の攻撃だけは、スキルを使おうとも物理判定されるのか、ほぼ減らなかった。確かに、ここは雄太には相性最悪のダンジョンだ。
「な」
ドヤ顔で「な」って言われてもどう反応していいのかわからないよ雄太。自分が使えないことにドヤ顔する男ってどうなんだよ。ユイはそんな雄太に声を出して笑ってるけど。アレだね。相性抜群なんだね君たち。
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