これは報われない恋だ。

朝陽天満

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492、今度こそ! 釣りデート!

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 カバンに山のように詰め込まれるアイテムを、ヴィデロさんは苦笑しながら見ていた。

 ヴィルさんも「あのカバンの中にはひと財産入ってるな……」と呟いている。

 いいのだ。備えあれば嬉しいな、じゃなくて憂いなしっていうだろ。

 その呟きが聞こえたのか、ヴィルさんと赤片喰さんが吹き出している。

 ヴィデロさんはマックが嬉しいならいいけど、と苦笑しているのが朝から可愛い。最高。

 ついでに赤片喰さんとヴィルさんにもおすそ分けを渡したら、じゃあこれをと言って物々交換になってしまったのは言うまでもない。

 ヴィデロさんも何かを渡そうとしたので、腕を押さえてチュッとキスをして、いただきました、と言ったらまたも外野が笑っていた。「マック男前~」という声と共に。

 だって夫婦だよ。財産は共有だよ。だからガンガンアイテム使って、絶対に怪我しないでね。





 今日は週末なので、ヴィルさんたちが付いているあの人たちが朝から始動するらしく、珍しくヴィルさんも赤片喰さんも一日ログインしているらしいんだ。大変だね。

 英気を養いたいということで、俺の家でご飯を食べようというわけだけど。



 朝ご飯は、『深層塩の野菜チリスープ』。



 今日もまたとてつもなくヤバい色の朝ご飯なせいか、ヴィルさんと赤片喰さんの顔が引きつっている。

 ヴィデロさんから絶賛されたし、味は保証付きなんだけど、見た目は魔女風薬草鍋よりも素敵。

 火にかけていなくてもぐつぐつと煮立ち、色は紫色。

 ふわっと香る匂いはとてつもなく美味しそうなのに、見た目がそれを裏切っているという代物。ちなみに効能も見た目を裏切ってるよ。

 なんたってスタミナ上昇、力上昇、耐寒作用、聖属性付与のスープだからね。

 それを説明すると、2人ともさらに顔を引きつらせていた。



「何つうか、この世界の料理の概念が覆される思いだ……向こうで作る飯はほんと普通なのに」

「本当に。向こうの飯がまともで良かった」

「何言ってるんだ。食べないなら俺が一人で食べるぞ」



 遠くを見ている二人に、ヴィデロさんが突っ込む。

 既に食べ始めてるヴィデロさんは、やっぱりこれが好きみたいで嬉しくなる。うまいを連発しては、自分で掬って食べている。パンもあるんだけど、なんかスープだけで満足そう。

 ヴィデロさんの食べっぷりを見て、2人ともそっとスープに手を伸ばした。俺も食べよう。だってこれ、美味しいから。

 二人ともお椀に口を付けた瞬間、カッと目を見開いていたのがなんだか面白かった。

 たくさん作ったはずのスープはすっかり完食されて、満足した俺。



 

 じゃあ気合い入れて行ってくる、とドアから出ていった二人を見送りながら、鍋をしまってヴィデロさんの隣に座る。今日の予定を立てないと。

 だって二人とも久しぶりの一日フリー! 納品の約束も全て片付けたから、今日一日はもう依頼は受けない気満々だし。



「今日はノヴェの方にデートしようよ!」



 身を乗り出すように提案すると、ヴィデロさんは笑顔でもちろん、と頷いてくれた。

 ようやく実現できるかもしれない、釣りデートを敢行しようと思う。

 まずはヴィデロさんの部屋に行って釣り竿を持ち出して。

 釣り餌は何がいいのかな、と首を捻りながら俺とヴィデロさんは転移でトレの街を離れたのだった。





 やってきましたノヴェの街。



「とはいえ、はっきりとした釣り場がわからないんだよね」

「色々と情報を手に入れようか」

「うん」



 ヴィデロさんは、手っ取り早くノヴェの街の門番さんの所に足を進めた。

 ノヴェの街の鎧はトレとはまた違った、ごつくて重そうな感じの物だった。そういえばこの間王宮にいた団長さんたちの中にこの鎧を着た人もいたな。

 ヴィデロさんは近付いていくと、挨拶と、今の街の周りの状況と、もしかしたら近くに湖はないのかということを門番さんたちに聞いた。

 いつも集めている情報だから、何を訊けばいいのかピンポイントで聞けるのがすごい。カッコいい。好き。



「湖だったら、ここから東の方に行くとあるけど、徒歩だと一日掛かりだぜ。途中呪いの……と、今は違うな、獣人の村への入り口があるが、そこからさらに東に行って、山裾を北に向かうととても綺麗な湖があることはある。でもそこらへんは魔物が強いから二人で行くのはあんまりお勧めしないぞ」

「ありがとう。もしかして、境界線の向こうに湖があるのか?」

「境界線を知ってるんだな。ああ、そうだ。本当に山ギリギリにあるから、水も綺麗なんだ。でもゆっくり釣りは出来ないと思うぜ。魔物が結構頻繁に出るからな。もし行くなら、誰か護衛を雇ったほうがいいんじゃないか?」

「護衛か……わかった、ありがとう」

「気を付けろよ」



 最初の場所で欲しい情報が全部わかってしまった。

 さすが門番さん。入ってくる情報が違う。

 そう言って拍手すると、ヴィデロさんが苦笑して肩を竦めた。でも門番さんは街中の情報には疎いんだって。街中は基本衛兵の仕事だからって。管轄があるから口もあんまり出せないんだって。色々大変だね。



「でも魔物が強いのかあ……」

「マックが釣りをしている間、俺が護衛するっていうのは?」

「却下。だって二人で並んで釣り糸を垂らしたいのに、せっかく二人でいくのに俺一人で釣りなんてやだ。すっごくやだし、ヴィデロさんが一人で強い魔物と戦ってるのかと思うと集中して楽しめないよ」

「マック……」



 じゃあやっぱりコースト村に行って釣りをした方がいいのかな、なんて考えていると、ピロン、とチャットが来た。

 雄太だった。



『長光の鎧が出来上がった。見せたいからそっちに行ってもいいか?』



 そんな内容のモノだった。そういえば前に頼んでいたって言ってたもんな。ようやく出来たってことは……ほんとに長光さんはヴィデロさんの鎧は他の注文そっちのけで一番に作ってくれたってことか。ありがたい。

 でも俺、トレにいないんだよね。

 お返事を返そうとして、ヴィデロさんと目が合った。

 どうした? と首を傾げるヴィデロさんが可愛いですはい。好き。

 そしてそこで浮かんだ名案。

 俺はこんな風に返事をした。



『これから釣りデートだからトレにはいないよ。今ノヴェ。いいだろ』

『何い! 行く!』



 こうして、護衛役が図らずも向こうから食いついてきてくれた。魚もこんな風に釣れたらいいのに。

 ヴィデロさんに高橋たちが来ることを告げると、ヴィデロさんは俺の考えをお見通しだったらしく、ふふっと小さく吹き出した。 



「楽しそうだな。皆で釣りに行こうか」



 そういう風に肯定してくれるヴィデロさん好きです。







 ノヴェのギルドに行って、魔法陣を登録するついでに雄太たちを待っていると、それほど時間がかからずに雄太たちは現れた。

 今日も4人揃ってるね。

 雄太は、自慢したいと言った通り、とてもかっこいい鎧を身に着けてやってきた。

 黒に近い紺色メタリックの鎧で、装飾はいたってシンプル。胸元に輝いているのは、何かの魔石かな。

 そしてよく見ると、鎧の細部に細かい模様が入っていた。凹凸のみの模様だから、ぱっと見よくわからない。

 そして一番気になったのが。



「胸元に防御力向上の魔法陣がデザインみたいに刻まれてる……」



 長光さん、すっかり魔法陣を自分のモノにしてる……恐るべし。

 雄太は俺とヴィデロさんが感嘆の眼差しで鎧を見てるのでご満悦そうだった。



「これな、門番さんの鎧と同じように、魔法攻撃を受けるとこの溝が光るようにしてもらったんだ。長光さん、門番さんの鎧を参考にしたって言ってた」

「何の魔法?」

「最近炎系のユニークボス倒したから、炎の魔力を吸収。ドラゴンのブレスも魔力が入ってれば吸収できるかもしれないって言われた。でもダメージはしっかり入るから、多分門番さんのとは違うんだろうけど。試しに魔法攻撃してみろよ」



 胸を張ってそんなことを言ったので、俺は魔法陣魔法で火球を出してみた。本人に「ほんとにいいの?」と確認してから、それを鎧にぶつける。

 すると、火球は雄太の鎧に被弾して、ボムっと爆発した。煙がモワッと上がったかと思うと、鎧の溝が薄っすら赤く光っているっぽい。威力を滅茶苦茶弱めたから光ってる? ってくらいにしかわからないんだけど。



「おおお! 確かにかっこいい! あれ、でもこの間大陸の鎧貰わなかったっけ」

「あれはあれ! これはこれ! だってどっちもかっこいいだろ!」



 雄太理論が炸裂したけど華麗にスルーしてハイパーポーションを渡す。だってしっかりダメージは入るって言ってたし。義玉系じゃないからすっかり吸収ではないんだな。



「パーセンテージが溜まったら、火魔法を出せるらしいぜ。すっげえよな!」



 すっごくいい笑顔で雄太は笑った。鎧とか絡むとほんと雄太ってハイテンションになるよな。

 でも、この魔石、錬金で義玉にならないのかな。なりそう。でも鎧にくっついてるのを触っただけじゃレシピに登録できないよな。

 胸元の石を触りながらサラさんのレシピを取り出して中を見てみるけど、やっぱりというか出ていなかった。でも手順が一緒なら何とかなるかもしれないよな。



「門番さんは長光の鎧着ねえの? めちゃくちゃかっこいいのに」



 雄太が不思議そうに軽装のヴィデロさんを見ると、ヴィデロさんは肩を竦めた。



「鎧を着るとマックを抱き締めた時の感触がよくないからな」

「うわ、ごちそうさま」



 キャッと口元に手を当てる雄太を、ヴィデロさんがじっと見つめた。

 何、なんかあったの? 



「高橋、お前は名を教えても呼び方が『門番さん』のままなんだな」



 ヴィデロさんの言葉にちょっとだけ衝撃を受けた俺。え、名前教えてたんだ。

 まあでも、これだけ一緒に戦ったり行動してたりして、名乗ってないのもおかしいかな、なんてちょっとは思ってたけど。いつ、いつ名乗ったんだろ。

 そんなことを考えていると、雄太が困ったような顔をして笑った。



「……気にしてたならわりい。何かな、俺が名前を呼んだら、マックが拗ねそうな気がして呼べなかったんだ。そんなことでマックの気分を悪くするのってお互い嫌だろ」

「そうか、それはすまない。気遣ってくれてありがとう」



 ヴィデロさんも表情を苦笑に変えて、雄太の肩をポン、と叩く。

 俺はというと。確かに、雄太がヴィデロさんの名前をいつの間にか呼んでたりしたらちょっとショックかも、なんて考えていた。

 でもそんなこと言ったら俺狭量すぎてかっこ悪い。複雑だけど、雄太の配慮ありがたいけど、でも、うーん。



「まあ、マックが全然気にしねえんならこれからガンガン呼ばせてもらうけど」



 雄太が意味ありげにこっちを見た事で、俺は咄嗟に「気にするわけないじゃん!」と叫んでいた。嘘、気にするけど。

 でもヴィデロさんが名乗って、雄太たちを認めたことに意味があるんだし。だから、そこは俺の胸中は無視してヴィデロさんを尊重しないと。



「高橋たちとヴィデロさんが仲良くなるのはすごく嬉しい。だって自慢の伴侶だし、自慢の友人だもん」



 ヴィデロさんにギュッとくっついてそういうと、ヴィデロさんの肩が揺れた。

 腰を抱き寄せられて、見上げるとおでこにチュッと唇が降って来る。



「マックの許可も得たことだし、これからは俺らも『ヴィデロさん』って呼ばせてもらうか」



 雄太が笑いながら右手を挙げたので、ヴィデロさんにくっついたまま俺も手を挙げて打ち合わせた。

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