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448、殲滅作戦開始
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重度リル中毒と思われる魔物は、身体中から甘い香りを漂わせて、だらんと伸びていた。大蛇のような魔物は、ほぼなくてもいいような小さな前足を緩慢に動かしながら、何も見えていないような目で辺りを見回している。大きな牙の生えた口からは細長い舌がだらんと出ていて、粘液のような唾液が常に口から流れ出ていた。それは驚くほどに粘度が高そうだった。
そして、まるで脈打つようにうねる鱗が、一つ上下するたびに、頭上のHPが少しずつ減っていた。すでに瀕死の状態だった。
鑑定眼を使ってみると中毒症状からの内臓機能停止及び腐敗、となっている。え、生きながら内臓が腐るの……?
ヴィデロさんが眉をしかめながら、魔物に近付いていく。それが目に入っているはずなのに、魔物の目はヴィデロさんと俺を捉えてはいなかった。
ヴィデロさんが剣を振るい、一撃で魔物の頭を落とす。とんでもなくあっけなく魔物は光となった。
「……呆気なさ過ぎて、怖いな」
消えて行く光を見ながら、ヴィデロさんがポツリと呟く。
俺も同じように思ってたから、ヴィデロさんの服の裾を掴んで、「うん」と頷いた。
怖い。あんな状態の獣人さんが出来上がる前に何とかしないと。
俺は慎重に『生物枯死薬』を撒いて足元に生えた蔦を枯らすと、ヴィデロさんと共にヒイロさんたちの所に戻っていった。
「師匠、あの魔物、内臓が機能停止して腐ってました……」
「んじゃあの実はそういう特性なんだろ」
あっけらかんと答えるヒイロさんは、俺の言葉に何も思わなかったらしい。そういう実もあるんだくらいの呆気ない返事に、フッと肩の力が抜ける。
「そういうもんなんですか」
「そういうもんだ。いろんなもんがあって面白くもあるし、怖くもあるな。それを見極めるってのは生きるためには普通のことだ」
「……あんまり、面白くないですけど」
「食い過ぎればな。でも少量だったら薬としても使えるんだよ。アレ、痛みを消す作用もあるから、少量だったら痛み止めとして使えるみたいなんだ。まあ怖いし中毒性が群を抜いて危険だからそんなもん作らねえけどな」
俺も、とヒイロさんに同意して、何とか復活した獣人さんたちと近くの村に足を向けた。
村には閑散とした空気が漂っていた。皆避難した後だから、残ってる訳はないんだよね。
と見回していると、森からガヤガヤと声が聞こえて来た。
「うわあ、これが獣人の村かあ」
「でも誰もいねえな。毒持ちの魔物って村の中まで入ってきたのか?」
「これじゃ現地にいる獣人の指示に従えっての無理じゃ……いた!」
俺たちに気付いたのか、声の主たちはこっちを指さして駆け寄ってきた。
完全武装したプレイヤーのパーティーだった。
「助っ人にきたぜ! あとは俺らに任せとけ!」
気合いを入れて獣人さんたちに声を掛けてきた4人パーティーのプレイヤーは、エミリさんが厳選して送り込んできた人たちらしかった。ってことは、獣人の見張りの目でも合格した人たちってことだよね。
魔物は倒してきたけど、まだいるんだったらお任せでいいのかな。
「んじゃマック、ヴィデロ。俺らは一旦戻るか」
「はい」
「ああ」
プレイヤーに指示を出すのは任せて、俺たちはその集団から抜けてヒイロさんの村に戻るために森に向かった。
足元を注意しながら進んだけれど、今のところはリルの実は見つからない。もっと奥まで入らないとだめなんだろうな。
村に帰ると、モントさんを中心に、数人のプレイヤーがいた。その中には輪廻もいて、俺を見つけるなり滅茶苦茶驚いた顔をした。
「マック!? こんなところで何やってんだ!?」
「俺は、ここのヤバい蔦を枯らす薬を作ってたんだ。もしかして草花薬師ってこんなにいるの?」
数えてみると、全部で12人。プレイヤーが10人と、現地の人が2人。現地の人は二人とも年配の方だった。
「緊急クエストが舞い込んできたと思ったらさ、ギルドからセィの農園に転移させられたんだよ。そこで集まってたのがこれだけ。他にも数人いたみたいなんだけど、今日はログインしてないんだってさ」
「そうなんだ」
「ちょっといいか、マック」
輪廻と話していたところで、モントさんが割り込んできた。そうだった。立ち話をしてる場合じゃなかった。
皆をヒイロさんの家に連れて行くと、さっき必死で作った中和剤と枯死薬を順番に説明した。
そして、ありったけの中和剤と毒消し、そして枯死薬を二本持たせると、モントさんが村に向かうよう指示を出した。もしなくなったら深追いせずにこの村に戻ってくることをきつく言い添えて。
さっきケインさんが拾ってきた長老様たちが先導して、草花薬師と共に森に消えて行く。
勿論魔物の様子もヴィデロさんが色々詳しく説明して、こうしちゃだめだ、こうすると効果がある等の助言を来てくれたプレイヤーに伝えるよう頼んでいた。
皆を見送って、さらに中和剤を増やしといた方がいいかヒイロさんと相談していると、森の方からジャル・ガーさんがやってきた。後ろには『マッドライド』が歩いていた。
「マックも来てたのか。いやあ、こんなすげえクエスト、ログインしててよかったよ俺」
こっちに手を振りながら、ハルポンさんがワハハと笑う。
実力は知ってるから、『マッドライド』で良かった、とちょっと心の中でホッとする。
やっぱ門番さんもいるのか、とヴィデロさんの腕を軽く叩いたハルポンさんは、「んで、どこから魔物を狩って行けばいいんだ?」と首を傾げた。
「マックはこの村のリルの実殲滅、ヴィデロはこいつらと一緒に森の探索だな。俺が中和剤作っとくよ。あと毒消しも。危なくなったらすぐ戻って来いよ」
ヒイロさんに言われて、俺もリルの実殲滅部隊の一員であることを思い出した。そうだった。俺も草花薬師だった。
いい返事を返すと、ヒイロさんがどさっと俺の手に毒消しと中和剤Sを持たせてくれた。そして俺が作った中途半端な中和剤の詰め合わせを奪っていった。
ジャル・ガーさんはそのままUターンして、また人の選定をするらしい。第一陣だけで足りないときのためにだって。人手が多いほど殲滅時間は短縮されるからね。
匂いで近付けば実の有無がわかるという鼻の利く獣人さんも二人ほど同行することになって、最初に村の周りを一緒に見て回った獣人さんたちがやってきた。
森の中をかき分けながら、向こうの方はもう探したから今度はこっちの方だと迷いなく進んでいく獣人さんの後を付いていく。
ヴィデロさんは俺の横を歩きながら、ちらりと俺を見下ろした。
「マック、すまない」
いきなり謝られて、へ? と首を傾げる。
俺、何かヴィデロさんが謝るようなことされた?
「さっき違う村で、マックの蘇生薬を4本使った」
「……」
そんなに使うくらい、ヤバかったんだ。そうだよね、後ろでほんとにぐったりしていたもんね。ヒイロさんが口に瓶を突っ込んで容赦なく飲ませてからは普通に立ち上がってたけど、蘇生薬を使うくらいに切羽詰まってたんだ。生きててよかった。
「なんでそれでごめんなさいって言うんだよ」
「貴重な薬だからな」
「だから、薬師の薬なんて使ってなんぼなんだよ。作って作って作って、そして腕を上げて行くんだよ。でもその作った物を消費しないと、使った素材勿体ないじゃん。だから、使って。躊躇わないで使って。ヴィデロさんに使ってもらうためだけにその中に大量に突っ込んだんだから」
ギュッとヴィデロさんの袖を握りしめて、俺はヴィデロさんを見上げた。
澄んだ緑色の瞳が俺を見下ろす。その目が優し気に細められて、俺の胸はきゅんとした。好き。
「なあなあお二人さん。ラブラブなところ悪いんだけど、聞き捨てならねえアイテム名を呟いてなかったかお前ら」
いきなりハルポンさんが俺たちの間に乱入してきたので、ヴィデロさんの顔がムッと顰められる。その顔もちょっと可愛くて好き。でも笑ってるのが一番だけど。
そして、まるで脈打つようにうねる鱗が、一つ上下するたびに、頭上のHPが少しずつ減っていた。すでに瀕死の状態だった。
鑑定眼を使ってみると中毒症状からの内臓機能停止及び腐敗、となっている。え、生きながら内臓が腐るの……?
ヴィデロさんが眉をしかめながら、魔物に近付いていく。それが目に入っているはずなのに、魔物の目はヴィデロさんと俺を捉えてはいなかった。
ヴィデロさんが剣を振るい、一撃で魔物の頭を落とす。とんでもなくあっけなく魔物は光となった。
「……呆気なさ過ぎて、怖いな」
消えて行く光を見ながら、ヴィデロさんがポツリと呟く。
俺も同じように思ってたから、ヴィデロさんの服の裾を掴んで、「うん」と頷いた。
怖い。あんな状態の獣人さんが出来上がる前に何とかしないと。
俺は慎重に『生物枯死薬』を撒いて足元に生えた蔦を枯らすと、ヴィデロさんと共にヒイロさんたちの所に戻っていった。
「師匠、あの魔物、内臓が機能停止して腐ってました……」
「んじゃあの実はそういう特性なんだろ」
あっけらかんと答えるヒイロさんは、俺の言葉に何も思わなかったらしい。そういう実もあるんだくらいの呆気ない返事に、フッと肩の力が抜ける。
「そういうもんなんですか」
「そういうもんだ。いろんなもんがあって面白くもあるし、怖くもあるな。それを見極めるってのは生きるためには普通のことだ」
「……あんまり、面白くないですけど」
「食い過ぎればな。でも少量だったら薬としても使えるんだよ。アレ、痛みを消す作用もあるから、少量だったら痛み止めとして使えるみたいなんだ。まあ怖いし中毒性が群を抜いて危険だからそんなもん作らねえけどな」
俺も、とヒイロさんに同意して、何とか復活した獣人さんたちと近くの村に足を向けた。
村には閑散とした空気が漂っていた。皆避難した後だから、残ってる訳はないんだよね。
と見回していると、森からガヤガヤと声が聞こえて来た。
「うわあ、これが獣人の村かあ」
「でも誰もいねえな。毒持ちの魔物って村の中まで入ってきたのか?」
「これじゃ現地にいる獣人の指示に従えっての無理じゃ……いた!」
俺たちに気付いたのか、声の主たちはこっちを指さして駆け寄ってきた。
完全武装したプレイヤーのパーティーだった。
「助っ人にきたぜ! あとは俺らに任せとけ!」
気合いを入れて獣人さんたちに声を掛けてきた4人パーティーのプレイヤーは、エミリさんが厳選して送り込んできた人たちらしかった。ってことは、獣人の見張りの目でも合格した人たちってことだよね。
魔物は倒してきたけど、まだいるんだったらお任せでいいのかな。
「んじゃマック、ヴィデロ。俺らは一旦戻るか」
「はい」
「ああ」
プレイヤーに指示を出すのは任せて、俺たちはその集団から抜けてヒイロさんの村に戻るために森に向かった。
足元を注意しながら進んだけれど、今のところはリルの実は見つからない。もっと奥まで入らないとだめなんだろうな。
村に帰ると、モントさんを中心に、数人のプレイヤーがいた。その中には輪廻もいて、俺を見つけるなり滅茶苦茶驚いた顔をした。
「マック!? こんなところで何やってんだ!?」
「俺は、ここのヤバい蔦を枯らす薬を作ってたんだ。もしかして草花薬師ってこんなにいるの?」
数えてみると、全部で12人。プレイヤーが10人と、現地の人が2人。現地の人は二人とも年配の方だった。
「緊急クエストが舞い込んできたと思ったらさ、ギルドからセィの農園に転移させられたんだよ。そこで集まってたのがこれだけ。他にも数人いたみたいなんだけど、今日はログインしてないんだってさ」
「そうなんだ」
「ちょっといいか、マック」
輪廻と話していたところで、モントさんが割り込んできた。そうだった。立ち話をしてる場合じゃなかった。
皆をヒイロさんの家に連れて行くと、さっき必死で作った中和剤と枯死薬を順番に説明した。
そして、ありったけの中和剤と毒消し、そして枯死薬を二本持たせると、モントさんが村に向かうよう指示を出した。もしなくなったら深追いせずにこの村に戻ってくることをきつく言い添えて。
さっきケインさんが拾ってきた長老様たちが先導して、草花薬師と共に森に消えて行く。
勿論魔物の様子もヴィデロさんが色々詳しく説明して、こうしちゃだめだ、こうすると効果がある等の助言を来てくれたプレイヤーに伝えるよう頼んでいた。
皆を見送って、さらに中和剤を増やしといた方がいいかヒイロさんと相談していると、森の方からジャル・ガーさんがやってきた。後ろには『マッドライド』が歩いていた。
「マックも来てたのか。いやあ、こんなすげえクエスト、ログインしててよかったよ俺」
こっちに手を振りながら、ハルポンさんがワハハと笑う。
実力は知ってるから、『マッドライド』で良かった、とちょっと心の中でホッとする。
やっぱ門番さんもいるのか、とヴィデロさんの腕を軽く叩いたハルポンさんは、「んで、どこから魔物を狩って行けばいいんだ?」と首を傾げた。
「マックはこの村のリルの実殲滅、ヴィデロはこいつらと一緒に森の探索だな。俺が中和剤作っとくよ。あと毒消しも。危なくなったらすぐ戻って来いよ」
ヒイロさんに言われて、俺もリルの実殲滅部隊の一員であることを思い出した。そうだった。俺も草花薬師だった。
いい返事を返すと、ヒイロさんがどさっと俺の手に毒消しと中和剤Sを持たせてくれた。そして俺が作った中途半端な中和剤の詰め合わせを奪っていった。
ジャル・ガーさんはそのままUターンして、また人の選定をするらしい。第一陣だけで足りないときのためにだって。人手が多いほど殲滅時間は短縮されるからね。
匂いで近付けば実の有無がわかるという鼻の利く獣人さんも二人ほど同行することになって、最初に村の周りを一緒に見て回った獣人さんたちがやってきた。
森の中をかき分けながら、向こうの方はもう探したから今度はこっちの方だと迷いなく進んでいく獣人さんの後を付いていく。
ヴィデロさんは俺の横を歩きながら、ちらりと俺を見下ろした。
「マック、すまない」
いきなり謝られて、へ? と首を傾げる。
俺、何かヴィデロさんが謝るようなことされた?
「さっき違う村で、マックの蘇生薬を4本使った」
「……」
そんなに使うくらい、ヤバかったんだ。そうだよね、後ろでほんとにぐったりしていたもんね。ヒイロさんが口に瓶を突っ込んで容赦なく飲ませてからは普通に立ち上がってたけど、蘇生薬を使うくらいに切羽詰まってたんだ。生きててよかった。
「なんでそれでごめんなさいって言うんだよ」
「貴重な薬だからな」
「だから、薬師の薬なんて使ってなんぼなんだよ。作って作って作って、そして腕を上げて行くんだよ。でもその作った物を消費しないと、使った素材勿体ないじゃん。だから、使って。躊躇わないで使って。ヴィデロさんに使ってもらうためだけにその中に大量に突っ込んだんだから」
ギュッとヴィデロさんの袖を握りしめて、俺はヴィデロさんを見上げた。
澄んだ緑色の瞳が俺を見下ろす。その目が優し気に細められて、俺の胸はきゅんとした。好き。
「なあなあお二人さん。ラブラブなところ悪いんだけど、聞き捨てならねえアイテム名を呟いてなかったかお前ら」
いきなりハルポンさんが俺たちの間に乱入してきたので、ヴィデロさんの顔がムッと顰められる。その顔もちょっと可愛くて好き。でも笑ってるのが一番だけど。
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