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380、勇者の目にも涙
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まだ朝だし、魔法陣で行くか徒歩で向かうかヴィデロさんと協議していた俺は、いきなり肩を掴まれてビクッとなった。不意打ちダメだって雄太。
振り返ると、やっぱり雄太だった。
「デートとはいい御身分じゃねえか」
「俺平民。身分ない。じゃあさよなら」
そのまま去ろうとしても、がしっと掴まれた肩は離して貰えない。
「今日は無理。ヴィデロさん壁向こうに行けないし、俺もレベル足りなくて壁向こうに行けないし」
「まあそうだよな。それは知ってた」
「知ってたなら解放して」
「でも何があるか知りたくないか?」
「知りたいけど」
痛いところを突いてくる雄太に口を尖らす。でも物理的に行けないから。あっちに跋扈してるような魔物にぶち当たったら、俺、即死に戻る。
半分ほど空いている扉からは、がっちりと鎧を着たプレイヤー集団が出入りしている。こんなに壁向こうでレベル上げしてる人たちがいるのか。
「よお高橋、何ナンパしてるんだよ」
通りすがりの知らない戦士に雄太が声を掛けられ、雄太が「ナンパじゃねえよ」と呆れた顔をしたりして。こっちで活動してる人たちって結構皆顔見知りだったりするんだろうな。
「たまには飲むの付き合えよ。ユイちゃんと一緒にな」
「残念ながら俺もユイも未成年だっつの。知ってて誘うなよ」
「じゃあ海里ちゃんだけでも」
「ブレイブに殺されるぞ」
「つうか羨ましいぜ。パーティーにあんなかわいい子二人もいて。一人くれ」
「やるわけねえだろ。そこら辺のフリーのやつでもナンパしろよ」
「辺境でフリーでやってるような女、ナンパなんかしたら一瞬で粉々にされるだろ」
「ブレンディそんなに弱いのかよ」
「俺は弱くねえよ。女が強すぎるんだよ」
話を始めた雄太からいまのうちにとそっと離れようとすると、「待て」とがしっと肩を掴まれた。
「本気で行かねえのか?」
「だってそっちに行くのにはレベル150必要なんでしょ。俺そんなにないもん」
「マックだったら今のままでも十分行ける。何なら俺らがガードするし」
「ヴィデロさんが行けないじゃん」
「あのな、辺境の壁向こうはそこまで長い間じゃなければ現地の奴だって行けるんだぜ。もちろん腕さえあれば。こっちの人とパーティー組んでる奴らも結構頻繁に壁向こうに行ってる」
呆れたように教えてくれる雄太に、俺はあんぐりと口を開けた。知らなかった。壁向こうはもう魔大陸みたいになってると思ってた。
ってことは、ヴィデロさんも行けるってことかな。
ちらりと隣を見ると、ヴィデロさんは静かに俺を見ていた。
「ついてくか? マック」
「でもヴィデロさん」
「俺も一度壁の向こうに行ってみたい。どんなところなのか。俺でも活動できるのか」
まっすぐ俺を見下ろしながらそう言うヴィデロさんは、何の迷いもなかった。
そうは言っても壁向こうは魔素が濃かったはず。具合悪くなったりしたら、なんて考えたところで、雄太が「んじゃ決まりな」とがしっとヴィデロさんの肩に手を置いた。
「全力でサポートはする。何か身体に異変が起きたらすぐ教えろよ。マックが壁のこっち側にすぐに連れ帰ってくれるから。今日の目標は、門番さんの兄ちゃんの言ってた場所探索な」
「わかった。恩に着る」
俺が何かを言う前に、雄太とヴィデロさんでそんな風に取り決めてしまった。
行こうマック、なんてこっちを見下ろしてくるけど、ここまで強引にことを進めることなんて、ヴィデロさんは今までほとんどなかったんじゃなかろうか。ええと、ヴィデロさんもしかして本気で行ってみたいのかな。壁の向こうに。
じゃあ俺に否やはないけど……でも。
「顔色悪くなったら即強制的に連れ帰るからね」
「その時は隠さず言うから」
「うん」
はらはらしつつ、雄太に連れられて、俺たちは初めて、壁の向こうに続く扉を潜った。
レベルが低いから通れないとかそんなこともなく、俺たちはあっさりと壁の外側に立つことが出来た。
確かに、たった壁一枚なのに、空気の味が違う気がする。
重力が少しだけ重くなったような、酸素が濃くなって身体に纏わりつくような、そんな感じがする。
ヴィデロさんが心配で横をちらっと見ると、ヴィデロさんはいつもと変わりない顔で目の前に広がった森を見ていた。
壁の上から見る景色とはまるで違う下からの景色に、少しだけ身震いしてしまう。
上から見ればここがとてもちっぽけなものに見えるのに、いざ壁の下に立つと、自分自身がとてもちっぽけになってしまったような気がしてくる。それほどに、目の前に広がる森は広大だった。
「こっちでみんなが先に行ってるから、合流するぞ」
「あれ、さっきまで馬に乗ってなかった?」
「馬はこっちの空気が苦手だから、門から外には絶対に出ないんだ」
そうなのか馬はこの重苦しい空気を嫌ってるんだ。でも確かに気持ちいいとはいいがたい。
纏わりつくような空気の中、雄太の後を追う様に俺たちは壁沿いを進んだ。
しばらく行くと、他のメンバーが立ち止まって辺りを見ていた。
「遅いよ高橋……って、あれ、マック、そして門番さん」
海里が俺たちを見つけて目を見開く。
その声に一斉に皆の注目が俺たちに集まった。
「ちょうどいたから連れてきた」
「だからさっき離脱したのね。こんにちは」
手をひらひらと振る海里にヴィデロさんが手を上げる。勇者はいつもの渋い顔で表情を変えずにじろりとヴィデロさんを見た。
「ヴィデロ、気分はどうだ」
「ここの空気を吸っていると、胸がざわめきます」
「だろうな。それが自分で押さえられなくなる前に向こうに戻れよ」
「はい」
二人の会話を聞いて、ドキッとする。やっぱり壁のこっち側はヴィデロさんに何かしらの影響を与えているんだ。
「ヴィデロさん、もし、ヤバいと思ったら俺にすぐ言ってね。すぐに街に跳ぶから」
「ああ。その時は頼む。でも今はまだ大丈夫だから」
うん、と頷いて思わずヴィデロさんに抱き着く。なんかもうこのまますぐに街に連れ帰りたい。
でもヴィデロさんが来たいって言ってたのを無視して帰るのもヴィデロさんの意志を無視したみたいでやだ。
胸の中で葛藤していると、ヴィデロさんが俺の髪をその大きな手で優しく梳いた。
「おお! 生イチャイチャ! よし、俺たち今日はレアアイテムゲットじゃないか?」
ブレイブの楽しそうな声に顔を上げると、ブレイブはニヤリと笑って「そのままキスとかしてもいいんだぜ」とサムズアップしてきた。
っていうかなんだよそれ。生イチャイチャでレアアイテムって。
俺の怪訝な顔を見て、ブレイブが「もしかしてマック知らないのか?」とちょっと驚いた。
「今ちょっとした人気を博してる掲示板の一つが、「薬師マックスレ」なんだ。その中で『門番タックル』を見たらレア魔物に遭遇できるとか、『生イチャイチャ』で魔物のドロップがレアの確率が上がるとか話題になってるんだぜ」
「ちょ、何それ?! 何で?!」
「何でって言われても。ノリのいい奴らがそんなことを言い出したら皆が乗った、みたいな感じになってるけど」
え、何でそんなことになってるんだ?! と焦っていると、ヴィデロさんが納得したように「なるほど」と頷いた。
「だから最近俺が門に立っているとマックを探す奴が増えたんだな。どうして今日は一緒にいないんだとか聞かれたりするようになったしな。そのマックスレ? とかいう物のせいだったのか」
「え、ヴィデロさんの仕事にまで影響してるの?!」
「大丈夫。問題は起きていないから。それよりも俺とマックの仲が歓迎されてるのが嬉しい」
「ヴィデロさん……」
笑顔を向けられて、胸がきゅんとする。好き。
思わずうっとりと見上げていると、ブレイブの「今日は面白い物が手に入るってことだな」と言う呟きで我に返った。
そう言えばヴィルさんの気になる物を探すんだった。忘れてたよ。
ヴィルさんが地図を指さしたのを実際に見ていたのは俺とヴィデロさん。
俺は自分の地図を取り出して、ここらへんだったかな、と指さした。瞬間盛大に吹き出す音がして、雄太の鎧が地面に転がった気がしたけど、何で鎧装備解除してるんだ? と思ったら雄太本人が転がっていた。「おま、それ、イ、犬? 何で魔大陸に幽霊いるんだよ……」なんて息も切れ切れに雄太が足元で唸っているので、ついついつま先で突く。
「違うって。これはジャル・ガーさん。そしてこれ、幽霊じゃなくてサラさんだよ」
教えた瞬間、今度は勇者の口から変な音が洩れた。そして勇者が頽れる。肩を揺らし顔を手で覆っている勇者に、どこか具合が悪いのかなと思って声を掛けようとした瞬間、勇者の笑い声が辺りの森に響き渡った。たまに咽ったりするほどの大爆笑だった。
え、何で?! どこに笑う要素あったの?!
二人が復活してから、ようやく俺たちは行動開始することにした。
勇者、目に涙が溜まってるんだけど。普段は渋い顔でニヤリとしか笑わないはずの勇者の目に涙。……見なかったことにしよう。
肩で息をした勇者が「地図は俺が出すからその地図は頼むからしまってくれ」と自分の懐から地図を取り出したので、おとなしくしまう。その勇者の地図は、俺の持ってる物より大雑把な感じの地図だった。やっぱり俺の地図の方が、と言ったところで勇者に「頼むからやめてくれ。俺が再起不能になる」と止められてしまった。解せぬ。
横から「勇者を再起不能って、実はマックが最強じゃね」なんて雄太の声が聞こえてきたけど、そんなことないって。この中で最弱だよ。
振り返ると、やっぱり雄太だった。
「デートとはいい御身分じゃねえか」
「俺平民。身分ない。じゃあさよなら」
そのまま去ろうとしても、がしっと掴まれた肩は離して貰えない。
「今日は無理。ヴィデロさん壁向こうに行けないし、俺もレベル足りなくて壁向こうに行けないし」
「まあそうだよな。それは知ってた」
「知ってたなら解放して」
「でも何があるか知りたくないか?」
「知りたいけど」
痛いところを突いてくる雄太に口を尖らす。でも物理的に行けないから。あっちに跋扈してるような魔物にぶち当たったら、俺、即死に戻る。
半分ほど空いている扉からは、がっちりと鎧を着たプレイヤー集団が出入りしている。こんなに壁向こうでレベル上げしてる人たちがいるのか。
「よお高橋、何ナンパしてるんだよ」
通りすがりの知らない戦士に雄太が声を掛けられ、雄太が「ナンパじゃねえよ」と呆れた顔をしたりして。こっちで活動してる人たちって結構皆顔見知りだったりするんだろうな。
「たまには飲むの付き合えよ。ユイちゃんと一緒にな」
「残念ながら俺もユイも未成年だっつの。知ってて誘うなよ」
「じゃあ海里ちゃんだけでも」
「ブレイブに殺されるぞ」
「つうか羨ましいぜ。パーティーにあんなかわいい子二人もいて。一人くれ」
「やるわけねえだろ。そこら辺のフリーのやつでもナンパしろよ」
「辺境でフリーでやってるような女、ナンパなんかしたら一瞬で粉々にされるだろ」
「ブレンディそんなに弱いのかよ」
「俺は弱くねえよ。女が強すぎるんだよ」
話を始めた雄太からいまのうちにとそっと離れようとすると、「待て」とがしっと肩を掴まれた。
「本気で行かねえのか?」
「だってそっちに行くのにはレベル150必要なんでしょ。俺そんなにないもん」
「マックだったら今のままでも十分行ける。何なら俺らがガードするし」
「ヴィデロさんが行けないじゃん」
「あのな、辺境の壁向こうはそこまで長い間じゃなければ現地の奴だって行けるんだぜ。もちろん腕さえあれば。こっちの人とパーティー組んでる奴らも結構頻繁に壁向こうに行ってる」
呆れたように教えてくれる雄太に、俺はあんぐりと口を開けた。知らなかった。壁向こうはもう魔大陸みたいになってると思ってた。
ってことは、ヴィデロさんも行けるってことかな。
ちらりと隣を見ると、ヴィデロさんは静かに俺を見ていた。
「ついてくか? マック」
「でもヴィデロさん」
「俺も一度壁の向こうに行ってみたい。どんなところなのか。俺でも活動できるのか」
まっすぐ俺を見下ろしながらそう言うヴィデロさんは、何の迷いもなかった。
そうは言っても壁向こうは魔素が濃かったはず。具合悪くなったりしたら、なんて考えたところで、雄太が「んじゃ決まりな」とがしっとヴィデロさんの肩に手を置いた。
「全力でサポートはする。何か身体に異変が起きたらすぐ教えろよ。マックが壁のこっち側にすぐに連れ帰ってくれるから。今日の目標は、門番さんの兄ちゃんの言ってた場所探索な」
「わかった。恩に着る」
俺が何かを言う前に、雄太とヴィデロさんでそんな風に取り決めてしまった。
行こうマック、なんてこっちを見下ろしてくるけど、ここまで強引にことを進めることなんて、ヴィデロさんは今までほとんどなかったんじゃなかろうか。ええと、ヴィデロさんもしかして本気で行ってみたいのかな。壁の向こうに。
じゃあ俺に否やはないけど……でも。
「顔色悪くなったら即強制的に連れ帰るからね」
「その時は隠さず言うから」
「うん」
はらはらしつつ、雄太に連れられて、俺たちは初めて、壁の向こうに続く扉を潜った。
レベルが低いから通れないとかそんなこともなく、俺たちはあっさりと壁の外側に立つことが出来た。
確かに、たった壁一枚なのに、空気の味が違う気がする。
重力が少しだけ重くなったような、酸素が濃くなって身体に纏わりつくような、そんな感じがする。
ヴィデロさんが心配で横をちらっと見ると、ヴィデロさんはいつもと変わりない顔で目の前に広がった森を見ていた。
壁の上から見る景色とはまるで違う下からの景色に、少しだけ身震いしてしまう。
上から見ればここがとてもちっぽけなものに見えるのに、いざ壁の下に立つと、自分自身がとてもちっぽけになってしまったような気がしてくる。それほどに、目の前に広がる森は広大だった。
「こっちでみんなが先に行ってるから、合流するぞ」
「あれ、さっきまで馬に乗ってなかった?」
「馬はこっちの空気が苦手だから、門から外には絶対に出ないんだ」
そうなのか馬はこの重苦しい空気を嫌ってるんだ。でも確かに気持ちいいとはいいがたい。
纏わりつくような空気の中、雄太の後を追う様に俺たちは壁沿いを進んだ。
しばらく行くと、他のメンバーが立ち止まって辺りを見ていた。
「遅いよ高橋……って、あれ、マック、そして門番さん」
海里が俺たちを見つけて目を見開く。
その声に一斉に皆の注目が俺たちに集まった。
「ちょうどいたから連れてきた」
「だからさっき離脱したのね。こんにちは」
手をひらひらと振る海里にヴィデロさんが手を上げる。勇者はいつもの渋い顔で表情を変えずにじろりとヴィデロさんを見た。
「ヴィデロ、気分はどうだ」
「ここの空気を吸っていると、胸がざわめきます」
「だろうな。それが自分で押さえられなくなる前に向こうに戻れよ」
「はい」
二人の会話を聞いて、ドキッとする。やっぱり壁のこっち側はヴィデロさんに何かしらの影響を与えているんだ。
「ヴィデロさん、もし、ヤバいと思ったら俺にすぐ言ってね。すぐに街に跳ぶから」
「ああ。その時は頼む。でも今はまだ大丈夫だから」
うん、と頷いて思わずヴィデロさんに抱き着く。なんかもうこのまますぐに街に連れ帰りたい。
でもヴィデロさんが来たいって言ってたのを無視して帰るのもヴィデロさんの意志を無視したみたいでやだ。
胸の中で葛藤していると、ヴィデロさんが俺の髪をその大きな手で優しく梳いた。
「おお! 生イチャイチャ! よし、俺たち今日はレアアイテムゲットじゃないか?」
ブレイブの楽しそうな声に顔を上げると、ブレイブはニヤリと笑って「そのままキスとかしてもいいんだぜ」とサムズアップしてきた。
っていうかなんだよそれ。生イチャイチャでレアアイテムって。
俺の怪訝な顔を見て、ブレイブが「もしかしてマック知らないのか?」とちょっと驚いた。
「今ちょっとした人気を博してる掲示板の一つが、「薬師マックスレ」なんだ。その中で『門番タックル』を見たらレア魔物に遭遇できるとか、『生イチャイチャ』で魔物のドロップがレアの確率が上がるとか話題になってるんだぜ」
「ちょ、何それ?! 何で?!」
「何でって言われても。ノリのいい奴らがそんなことを言い出したら皆が乗った、みたいな感じになってるけど」
え、何でそんなことになってるんだ?! と焦っていると、ヴィデロさんが納得したように「なるほど」と頷いた。
「だから最近俺が門に立っているとマックを探す奴が増えたんだな。どうして今日は一緒にいないんだとか聞かれたりするようになったしな。そのマックスレ? とかいう物のせいだったのか」
「え、ヴィデロさんの仕事にまで影響してるの?!」
「大丈夫。問題は起きていないから。それよりも俺とマックの仲が歓迎されてるのが嬉しい」
「ヴィデロさん……」
笑顔を向けられて、胸がきゅんとする。好き。
思わずうっとりと見上げていると、ブレイブの「今日は面白い物が手に入るってことだな」と言う呟きで我に返った。
そう言えばヴィルさんの気になる物を探すんだった。忘れてたよ。
ヴィルさんが地図を指さしたのを実際に見ていたのは俺とヴィデロさん。
俺は自分の地図を取り出して、ここらへんだったかな、と指さした。瞬間盛大に吹き出す音がして、雄太の鎧が地面に転がった気がしたけど、何で鎧装備解除してるんだ? と思ったら雄太本人が転がっていた。「おま、それ、イ、犬? 何で魔大陸に幽霊いるんだよ……」なんて息も切れ切れに雄太が足元で唸っているので、ついついつま先で突く。
「違うって。これはジャル・ガーさん。そしてこれ、幽霊じゃなくてサラさんだよ」
教えた瞬間、今度は勇者の口から変な音が洩れた。そして勇者が頽れる。肩を揺らし顔を手で覆っている勇者に、どこか具合が悪いのかなと思って声を掛けようとした瞬間、勇者の笑い声が辺りの森に響き渡った。たまに咽ったりするほどの大爆笑だった。
え、何で?! どこに笑う要素あったの?!
二人が復活してから、ようやく俺たちは行動開始することにした。
勇者、目に涙が溜まってるんだけど。普段は渋い顔でニヤリとしか笑わないはずの勇者の目に涙。……見なかったことにしよう。
肩で息をした勇者が「地図は俺が出すからその地図は頼むからしまってくれ」と自分の懐から地図を取り出したので、おとなしくしまう。その勇者の地図は、俺の持ってる物より大雑把な感じの地図だった。やっぱり俺の地図の方が、と言ったところで勇者に「頼むからやめてくれ。俺が再起不能になる」と止められてしまった。解せぬ。
横から「勇者を再起不能って、実はマックが最強じゃね」なんて雄太の声が聞こえてきたけど、そんなことないって。この中で最弱だよ。
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