これは報われない恋だ。

朝陽天満

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364、ニコロさんと二人で奥の部屋にひきこもります

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「だから、俺は、ニコロ導師みたいな人にここに立って欲しくて、どうせならこの世界をもっともっと良くして欲しくて。それがニコロ導師のような人だったら絶対に出来ると思って」



 はぁ、と息を吐くと、ユキヒラは声を荒げたことを恥じるように目を背けた。

 俺もわかる。ニコロさんだったら、そういうふうに人を導ける人だよ。

 でも、ニコロさんはそういう人だからこそ、教皇を辞退してるんだ。

 聖魔法を唱えるだけの魔力がないっていうのは、ニコロさんにとってはすごく重要なことだから。聖魔法を頼りに教会に来た人を充分に治すこともできず、ただ目の前で苦しんでいる人を見てるだけなんて、きっとニコロさんには出来ないんじゃないかな。だからこそ、そういう魔法を唱えられる人が教皇になるべきだと思っているんだと思う。



「ニコロさん、2人きりで、お話できませんか」



 俺は意を決してニコロさんに声を掛けてみた。

 途端に横に立っていた信者の人が「ご遠慮ください!」と叫ぶ。



「セイユさん、すいません。彼は大丈夫です。私の恩人なので」



 声を荒げた信者を穏やかにいなしてから、ニコロさんが俺を真っすぐ見た。

 そしてすぐさま謝罪の言葉を紡ぐ。



「マックさん、不快にさせてしまい申し訳ありません。私がここに来てからというもの、少しだけ周りが騒がしくなってしまいまして、そのせいで皆さんがとても警戒しているのです。私はそんな恐れ多い座には就かないと申し上げたのに全く聞いてもらえず、後ろ盾の申し出や余計な金品の寄付が後を絶たなかったので、皆さん少しお疲れなのです」

「あ、そんな中「弟子です」なんて来ちゃったら、確かに信用とかしてもらえないですね」

「マックさんで、自称私の弟子さんは5人目になります。私は弟子を取ったことはないつもりなんですけど。でも、マックさんにとって私が「祈り」の師匠であるならば、そうなのでしょう。覚えのいい生徒でとても楽しかったですから」



 名前すら聞いてもらえないわけがわかったよ。俺は5人目の弟子だったのか。教皇とかなるとそういう権力とか色々関わってきて大変だなあ。

 遠い目をしながらついついニコロさんに同情してしまう。

 でももし名前を訊かれて「マックと言います」なんて名乗ったりして、教会を潰した張本人だなんてばれたら、それこそ俺は危険人物視されてたから、よかったのか悪かったのか。ユキヒラを呼び出してよかった。じゃなかったら、ニコロさんに会えずじまいだったよ。ユキヒラ、かなり顔が利くよなあ。すごい。ありがとう。

 それに、これでニコロさんに会えなかったら、せっかくレガロさんが編んでくれたショールを渡せないで終わっちゃうし。

 教会とは手を切るってレガロさんが言ってたのに、なのに俺のお願いを快く聴いてくれたってことに、何か意味がありそうで。レガロさんはニコロさんの人となりとか、もしかしたら知ってるのかもしれないな、なんて漠然と思う。だってレガロさんだし。もしニコロさんみたいな人が教皇の座に就かなかったら、レガロさんは本当に教会を切り捨てちゃうよ。それが未来にどう繋がるのかは全く分からないけど、レガロさんにはどんな風な未来が見えてるのかすごく気になる。



「では、そちらの私室としてお借りしている部屋に行きましょうか」



 止める信者に笑顔を見せて、ニコロさんは俺を隣の部屋に誘った。

 ニコロさんの後をついて、隣の部屋に向かう。信者の人は困惑したようにこっちを見ていて、ユキヒラは無言で俺たちを見送っていた。





 前に入った時はとても豪華絢爛だった教皇の私室は、ニコロさんらしい質素な部屋へと変わっていた。本棚にはたくさんの教会関係の本と、手書きと思われる紙の束が紐でくくられてたくさん詰まっている。前にスイッチとなっていた本は、綺麗さっぱりなくなっていた。部屋がなくなってるとは思わないけど、ニコロさんは隣の部屋の存在を知ってるのかな。

 そんなことを思いながら本棚を見ていると、ニコロさんが応接用のソファに俺を促した。



「本当はお茶の一つでも出したいのですが、ここでは何をするにも皆さまの手を借りないといけないらしいのです。何もお構いできなくて申し訳ないのですが」



 本当に申し訳なさそうな顔をしながら、ニコロさんが謝る。勝手にいきなり押しかけて来たのは俺なんだし、そんな気を遣わなくていいのに。

 っていうか、じゃあお茶は俺が用意しようかな。

 ちょっとインベントリを開いて、俺は入っているお茶セットを取り出した。



「お茶は俺が用意します。すぐできますので待っていて下さいね。あ、お菓子もいります? 俺のお手製なんですけど。お腹空いてませんか? 顔色が良くないですけど。前みたいに無理をしてたらと思うといてもたってもいられなくて、ついつい来てしまいました」



 いつも持ち歩いていた、すでに淹れてある聖水茶は切れていたので、空のティーポットを目の前に置くと、モントさんから買った、元気になれるというHP回復(微小)のついた茶葉を取り出す。

 そしていつものように沸騰したお湯を魔法陣で出して、お茶成分を抽出。その間に、ニコロさんに習った「祈り」を、ニコロさんの目の前で唱えた。



 俺が祝詞を口ずさんでいる間、ニコロさんは目をまん丸にして俺を見ていた。ここで祈るとは思ってなかったみたい。まあ、そうだよね。

 キラキラな聖水茶になったお茶をカップに注いで差し出すと、ニコロさんは「え? これ……」と絶句していた。



「聖水茶です。味は保証します。何せセィ農園産の茶葉ですから。これを飲み続けると聖魔法の威力が高くなるというおまけつきです」

「聖水茶……聖、魔法の、威力が……」



 俺の説明を噛み締めるようにゆっくりと繰り返し、ニコロさんは目の前のカップに視線を落とした。



「この間ユキヒラにも勧めてみました。俺もずっと飲み続けてるんですが、聖魔法自体を知らないので、威力が上がったかどうか、自分では検証してないんです」

「そんな、ことが……」



 ニコロさんが、じっとカップの中を見つめている。そして、一度目を閉じると、そっとカップに口をつけた。



「……美味しい」



 飲んだ最初の感想は、それだった。さすがに獣人たちの「清められたー」っていうのはないか。俺もその清められた感はわからないから、これが普通かな。

 作り方も今見たから、きっとニコロさんだったら作れるだろうし。

 これできっと聖魔法の威力は上がるから、ぜひこれを飲み続けて欲しい。

 一口一口味わう様に飲んでいるニコロさんに、俺は意を決して、考えていたことを話すことにした。



「ニコロさん、魔力、増幅したくないですか」



 それはまるで、悪魔の誘いのような響きだった。と思った俺は、自分で言っててちょっとだけ可笑しくなった。





 俺が前にケインさんに教えて貰った魔法陣魔法で魔力を最大値まで持って行ってもいい。もしくは、命を懸けることになるけど、あの神殿に一緒に行く、という手もある。

 魔力を上げるか上げないかはニコロさん次第なんだけど、もし魔力を上げたいと言えば俺はそれを手伝いたい。ニコロさんみたいな人が教会のトップに立ってくれれば、もうオランさんの時みたいなことは絶対に起きないだろうから。そしてユキヒラが手が空いたときにでもニコロさんを手伝ってくれたら、どこかで悪事を働こうとしている教会の人がいたとしても、宰相の人と一緒にすぐにその人を罰してくれると思うし。ニコロさんは聖魔法を全部暗記してるらしいから、それを習うことだってできるかもだし。

 悪いことはない、と思う。

 今もはっきり言って教会は好きじゃないし、あんまりこの建物に入りたいとは思わないけど、ニコロさんがここにいるってわかるだけでなんか教会が嫌いじゃなくなる気がするし。

『教会何それやめときな』っていう評価が、そのうち『困りごとなら教会に行きな』ってなるのも、ニコロさんだったら夢じゃないかもしれない。

 だから、もう少ししたら俺たちも神殿解禁になるし、また誰かに手伝ってもらってニコロさんを連れて行ってもいい。命を懸けれるならだけど。それを言ったらニコロさんは一も二もなく了承しそうで逆にこっちが躊躇う。



「魔力増幅なんて、そんな夢物語は」

「俺は増幅しました。やり方も知ってます。他の人が何を言うかわからないから、こっそりになりますけど、今すぐ魔力を限界値まで引き上げることもできると思います。それでも足りない場合は、命を懸けることになっちゃいますが、もっと魔力が手に入る場所を知っています。その場合は俺じゃ頼りないかもしれないけど、一緒に行けますし、勇者の所で力をつけてる人に助っ人を頼むっていう手もあります。どうしますか?」

「マックさん……」



 困惑した様な顔で、ニコロさんが俺を見ている。

 何を言ってるんだと思われてるんじゃないかな。だって怪しいお誘いだし。

 こっちの常識じゃ、成長した後の魔力増幅ってありえないみたいだしね。

 俺はそこまで一息で言って、じっとニコロさんの反応を待った。

 ニコロさんは手に持ったカップを少し弄びながら、困惑の表情のまま考え込んでいる。



 少しの間黙っていたニコロさんは、そっと、吐息のような声で、一言零した。



「……魔力が、欲しい、と言ったら、浅ましい願いなんでしょうね。どれだけ修行しても、魔力は増えませんでしたから。持って生まれた私の資質が、この魔力量なのだと、諦めていました」



 だから、上げられるんだってと言おうとしてハッとする。そもそも上限が低かったらそれ以上あげれないのが魔法陣。それ以上に欲しかったら、神殿なんだった。ニコロさんの魔力上限がわからないから、どっちがいいのか今更ながら悩む。

 鑑定眼とかで見れないのかな。レベルは出てこないだろうけど。勝手に見るのはプライバシー抵触しそうでしたくないし。



「一度、試させてもらってもいいですか? 上がるかもしれない、上がらないかもしれない。もし上がらなかったら、違うほうに挑戦でもいいので」

「マックさんは、どうしてそこまでして私の魔力を上げようとするのですか?」



 俺の問いに答えずに、逆にニコロさんが質問してきた。

 俺は、ニコロさんにまっすぐ向き合って、それは、と口を開いた。



「ニコロさんに、教会を引っ張っていって欲しいからです。これを言ったら俺もうこの建物出入り禁止になりそうなんですが、前の教皇の悪事を暴いちゃったの、偶然とはいえ俺なんです。そして、教会の地位を引きずり下ろすようなアイテムを作ったのも、俺なんです。しかもニコロさんに教わった「祈り」を使って聖水を作って。だから、少しだけ前の教皇を知ってるんです。あんなんじゃダメだって、頭の良くない俺だってわかります。だからこそ、この世界をよくするためにはニコロさんのような人が教会を引っ張っていってくれたらなって、思います」

「マックさん……それは、大変なことだったでしょう。猊下が囚われたことに関しては、事実を事実として受け止めることしかしません。私も、猊下も、道を間違えた者の一人ですから。その道を、マックさんが正してくれたということですね。ありがとうございます」



 そして、言いにくいことを言わせてしまってすいません、と謝るニコロさんに、やっぱりこの人に教皇になって欲しいと思ってしまう。



「そうですか。ディスペルハイポーションを世に広めてくださったのは、マックさんでしたか。その点に関しても、お礼を言わないといけないですね。あなたのおかげでナスカ村でも簡単に呪いを解けるようになりました。もちろん、ナスカ村にいる薬師の方が作ってくださっていますので、私が僭越ながら聖水を渡しておりました。今はこちらに身を寄せておりますが、一人「祈り」を唱えられる子がおりましたので、その子に聖水作りを託してきました。そうですか。あなたが……私は、とても素晴らしい方を弟子に持ったのですね。マックさんなら信頼に値します。そのうえで、甘えてみてもいいでしょうか。対価は必ず。私の魔力を、少しでもいいので、増やしてもらえないでしょうか」

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