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331、合流!
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セイジさんも後ろから付いてきてくれた。
俺たちの道と同じような90度の曲道を曲がると、向こうから必死で走って来る鎧集団が目に入った。
黒い鎧は……いる!
「ヴィデロさん!」
「マック?! 早く戻れ! こっちは危ない!」
すごいスピードで走って来るヴィデロさんたちは、俺の姿を見た途端すごい形相で「戻れ!」と一斉に叫び始めた。
でも戻らない。
後ろから追ってくるダークスライムは、波打ちながらドロドロと距離を詰めて来る。
俺はさらに必死で鎧集団に向かって走った。
セイジさんが走りながら魔法陣を描く。
ダークスライム全体を雨が包み込んだのを見て、俺も走りながら手を組んだ。
そして祝詞を唱えながら、鎧集団に突っ込んでいく。
走りながらでも効力を発揮してくれるといいんだけど、もう止まって「祈り」を使ってる余裕はないくらいに迫ってたんだ。
「……守る力をお授けください!」
最後まで唱え切ったところで、走ってきたヴィデロさんに抱きかかえられた。
目の前では、雨がキラキラと光り始め、ジュウウウとダークスライムが溶ける音が聞こえてくる。
「……なんだこれ……」
勇者の呟きが聞こえる。
スライムがキラキラと消えていくのを見ながら、はぁ、と安堵の息を吐いた。間に合ってよかった。
全員が足を止めてダークスライムの消えていく光に見入っているみたいだった。
ヴィデロさんも目を見開いて、眩いその光景を凝視していた。
あ、そうだ。月都さん、スライムに鎧の中に侵入されてたんじゃなかったっけ。あれ、本気で痛いんだよな。
同じように足を止めた月都さんに聖水を渡そうとヴィデロさんの腕から抜けた瞬間、俺の足がカクンとなってたたらを踏んだ。
スタミナ切れだった。回復を挟まないで全力疾走と祈りを繰り返したから自然回復が追い付かなかったみたいだ。
ヴィデロさんは慌ててふらついた俺に手を伸ばして支えてくれた。
「マック、どこか怪我を?」
「ううん、スタミナ切れ。怪我はないから大丈夫。ヴィデロさんは?」
「俺も大丈夫」
お互いの答えに2人で顔を見合わせて微笑みあった。好き。
そしてはっと思い出す。
月都さんに聖水渡さないと。
「月都さん、これ」
取り出した聖水を月都さんに差し出す。
険しい顔をした月都さんは、何だこれ、と言いながら受け取った。
「まだ体にダークスライムがついてるんですよね。それで今みたいに消せるんで、鎧を脱いで掛けてください」
「……っサンキュ、助かる」
冷や汗まで出ている月都さんは、かなりダークスライムに侵食されているようだった。耐えられなかったらしく、その場で鎧を脱いだ。
さっきの俺の足のような状態が、月都さんの上半身を埋め尽くしていて、そこにはまだ薄黒いゼリー状の物体がまとわりついていた。
「……貸せ。掛けてやる」
ガンツさんは月都さんの手から聖水をひったくり、黒い物体に満遍なくかけていった。月都さんの身体から蒸気とあのスライムの溶ける音が聞こえてきて、月都さんが少しだけ呻く。
一緒に穢れも浄化してるみたいだ。痛そう。
「……いってぇ……」
「死ななくてよかったな」
そんなことを言いながらガンツさんが月都さんの爛れた様な上半身に今度はハイパーポーションを掛けていく。
皮膚が綺麗になり、傷がなくなると、月都さんは大きく息を吐いて裸になった上半身を見下ろした。インナー、すっかり溶けちゃったんだ。鎧は全然溶けてなかったのは何でだろう。
「あああ、肩の所が溶けてる……」
「お前も追加料金出して腐食防止とかつければよかったのに」
「ガンツさん俺が金ねえの知ってるよな?!」
「貯めろよ」
そんなガンツさんと雄太のやり取りで、月都さんの鎧には腐食防止の措置がされていることが判明。そんなことも出来るんだ。
ヴィデロさんに支えられたまま、俺はそんな漫才のようなやり取りを見ながら、スタミナポーションで回復した。
皆と合流出来たけど、まだクリアをしたわけじゃないから気を引き締めないと。
追手もいなくなったので、今度は走ることなくエミリさんたちと合流した俺たち。
勇者とエミリさんとセイジさんが今通って来た道を振り返っていた。
「それにしても、あれだけでかいダークスライムを倒しちまうなんてな。一体何したんだ」
「俺が高濃度魔素の雨を降らせて、マックがそれを聖水に変えただけだ。ランクSとか言ってたな」
「ランクSの聖水……そんなもんがこの世に存在してたなんて」
「それにしても面白い発想をしてるのね」
「俺はマックと会ってから、常識を覆されっぱなしだ。何せ最初の辺りのトラップで俺ら複合呪いに掛かったからな」
「複合呪い?! ちょ、セイジ、まだこれからって時に……!」
「もう呪いはねえよ。マックの持ち込んだディスペルハイポーションで呪いは解けたからな」
「どういうことだ……?」
「ランクSを作り上げたそうだ」
「……」
「……」
聞くとはなしに聞いていたセイジさんたちの会話。最後はだんまりになった二人に、俺はすごい目で見られた。あれは絶対「なにこいつマジ頭おかしい」って思われてるよ。だって二人の目が、変態を見る時の目みたいだったもん。
そっと二人の視線から目を逸らし、我関せずの体で足を進める。月都さんは無事鎧を着直したみたいだった。よかったね腐食しなくて。
ユイは海里にローブを借りて、ぼろぼろのローブは脱いでいた。
怖かったよおって雄太にくっつくユイは本気で泣きそうで、雄太はちらちらユイの足を見つつも、無言でユイの背中を撫でていた。視線、視線ヤバいよ雄太。でも後でユイにローブを買わされるのは海里的決定事項だから、ちょっとくらいはいいのかな。
「マック、ここが溶けてる」
「え?」
ヴィデロさんが俺の肩を手の平で撫でる。最初にポタっとダークスライムが垂れてきた場所だった。
俺は慌ててローブを脱いで、肩の所を見た。
ホントに穴が開いている。
大事なローブなのに。
大事な、ヴィデロさんに買ってもらった……。
おのれダークスライムめ……!
「もっとド派手に殲滅……」
「十分派手だったから、な、マック」
一瞬で怒りがこみ上げた俺をなだめるように、ヴィデロさんが俺の髪を指で梳く。そして、「これくらいいつでもプレゼントするから。それと、ブーツも」と耳元で囁いた。
「マックこそ無茶したんだろ。足、大丈夫か?」
「うん。もう治したよ」
ブーツが違うことに気付かれてたらしい。ヴィデロさんすごい。
でもそんなにプレゼントばっかりだと、俺が全然返せないんだけど。
俺も今度こそ白い鎧を……と思いながらヴィデロさんの鎧に視線を向ける。すっかり蓄積雷はなくなってるらしく、買った当初の色合いに戻っていた鎧は、どこも傷ついているようには見えなかった。
「さてと、ちょっと休んだところで、進むか」
セイジさんの一言で、俺たちは先に進むことになった。
広い回廊を進んでいくと、目の前に鉄でできた頑丈そうな扉が見えてくる。
セイジさんはその扉を見て、声を上げて笑った。
「多分あのダークスライム、ここから先には進めねえようになってるんだぜ。ここまで逃げるのが正解だったってことか」
「倒しちまったけどな」
「ああ。倒しちまったな」
笑いながら扉を開け、中を目視で確認すると、セイジさんが一番乗りで潜っていった。
中に入ると、そこは最初の所と同じように、青い岩で囲まれた広い洞窟だった。
青く光る壁に照らされて、そこまで部屋は暗くはなかった。ただ、床に変なマークが複数個ついてるのが気になる。
「ここでおのれの限界と対峙せよ」
誰かが天井に書かれた文字を読む。
おのれの限界? それってどういうことだろう。
首を傾げていると、段々と壁の青い光が落ち、薄暗くなっていった。
そして、闇に包まれた。
自分の指先も見えないほどの闇。
身体に纏わりつく様な闇が、不安を煽る。
せっかくヴィデロさんと合流したのに、またしても離れちゃうなんて。
辺りを見回しても誰も見えない声も聞こえない。目が開いてるのか閉じてるのかすらわからないくらいの闇。
ただ一つ、視界に入るのが、さっきの変なマーク。それだけが闇の中、光っていた。
「あそこに立てばいいのかな」
そっとステータス欄を開くと、そこだけはしっかりと見ることが出来たので、回復用の物をインベントリから取り出して、普通にカバンに入れておく。インベントリが使えなくなっても、これなら取り出せるから。
HPとMPもしっかりと回復させてから、俺は辺りをもう一度見回した。うん、全然わからない。
溜め息を吐いて、俺は半ばあきらめながら、光っている変なマークの方に足を動かした。
俺たちの道と同じような90度の曲道を曲がると、向こうから必死で走って来る鎧集団が目に入った。
黒い鎧は……いる!
「ヴィデロさん!」
「マック?! 早く戻れ! こっちは危ない!」
すごいスピードで走って来るヴィデロさんたちは、俺の姿を見た途端すごい形相で「戻れ!」と一斉に叫び始めた。
でも戻らない。
後ろから追ってくるダークスライムは、波打ちながらドロドロと距離を詰めて来る。
俺はさらに必死で鎧集団に向かって走った。
セイジさんが走りながら魔法陣を描く。
ダークスライム全体を雨が包み込んだのを見て、俺も走りながら手を組んだ。
そして祝詞を唱えながら、鎧集団に突っ込んでいく。
走りながらでも効力を発揮してくれるといいんだけど、もう止まって「祈り」を使ってる余裕はないくらいに迫ってたんだ。
「……守る力をお授けください!」
最後まで唱え切ったところで、走ってきたヴィデロさんに抱きかかえられた。
目の前では、雨がキラキラと光り始め、ジュウウウとダークスライムが溶ける音が聞こえてくる。
「……なんだこれ……」
勇者の呟きが聞こえる。
スライムがキラキラと消えていくのを見ながら、はぁ、と安堵の息を吐いた。間に合ってよかった。
全員が足を止めてダークスライムの消えていく光に見入っているみたいだった。
ヴィデロさんも目を見開いて、眩いその光景を凝視していた。
あ、そうだ。月都さん、スライムに鎧の中に侵入されてたんじゃなかったっけ。あれ、本気で痛いんだよな。
同じように足を止めた月都さんに聖水を渡そうとヴィデロさんの腕から抜けた瞬間、俺の足がカクンとなってたたらを踏んだ。
スタミナ切れだった。回復を挟まないで全力疾走と祈りを繰り返したから自然回復が追い付かなかったみたいだ。
ヴィデロさんは慌ててふらついた俺に手を伸ばして支えてくれた。
「マック、どこか怪我を?」
「ううん、スタミナ切れ。怪我はないから大丈夫。ヴィデロさんは?」
「俺も大丈夫」
お互いの答えに2人で顔を見合わせて微笑みあった。好き。
そしてはっと思い出す。
月都さんに聖水渡さないと。
「月都さん、これ」
取り出した聖水を月都さんに差し出す。
険しい顔をした月都さんは、何だこれ、と言いながら受け取った。
「まだ体にダークスライムがついてるんですよね。それで今みたいに消せるんで、鎧を脱いで掛けてください」
「……っサンキュ、助かる」
冷や汗まで出ている月都さんは、かなりダークスライムに侵食されているようだった。耐えられなかったらしく、その場で鎧を脱いだ。
さっきの俺の足のような状態が、月都さんの上半身を埋め尽くしていて、そこにはまだ薄黒いゼリー状の物体がまとわりついていた。
「……貸せ。掛けてやる」
ガンツさんは月都さんの手から聖水をひったくり、黒い物体に満遍なくかけていった。月都さんの身体から蒸気とあのスライムの溶ける音が聞こえてきて、月都さんが少しだけ呻く。
一緒に穢れも浄化してるみたいだ。痛そう。
「……いってぇ……」
「死ななくてよかったな」
そんなことを言いながらガンツさんが月都さんの爛れた様な上半身に今度はハイパーポーションを掛けていく。
皮膚が綺麗になり、傷がなくなると、月都さんは大きく息を吐いて裸になった上半身を見下ろした。インナー、すっかり溶けちゃったんだ。鎧は全然溶けてなかったのは何でだろう。
「あああ、肩の所が溶けてる……」
「お前も追加料金出して腐食防止とかつければよかったのに」
「ガンツさん俺が金ねえの知ってるよな?!」
「貯めろよ」
そんなガンツさんと雄太のやり取りで、月都さんの鎧には腐食防止の措置がされていることが判明。そんなことも出来るんだ。
ヴィデロさんに支えられたまま、俺はそんな漫才のようなやり取りを見ながら、スタミナポーションで回復した。
皆と合流出来たけど、まだクリアをしたわけじゃないから気を引き締めないと。
追手もいなくなったので、今度は走ることなくエミリさんたちと合流した俺たち。
勇者とエミリさんとセイジさんが今通って来た道を振り返っていた。
「それにしても、あれだけでかいダークスライムを倒しちまうなんてな。一体何したんだ」
「俺が高濃度魔素の雨を降らせて、マックがそれを聖水に変えただけだ。ランクSとか言ってたな」
「ランクSの聖水……そんなもんがこの世に存在してたなんて」
「それにしても面白い発想をしてるのね」
「俺はマックと会ってから、常識を覆されっぱなしだ。何せ最初の辺りのトラップで俺ら複合呪いに掛かったからな」
「複合呪い?! ちょ、セイジ、まだこれからって時に……!」
「もう呪いはねえよ。マックの持ち込んだディスペルハイポーションで呪いは解けたからな」
「どういうことだ……?」
「ランクSを作り上げたそうだ」
「……」
「……」
聞くとはなしに聞いていたセイジさんたちの会話。最後はだんまりになった二人に、俺はすごい目で見られた。あれは絶対「なにこいつマジ頭おかしい」って思われてるよ。だって二人の目が、変態を見る時の目みたいだったもん。
そっと二人の視線から目を逸らし、我関せずの体で足を進める。月都さんは無事鎧を着直したみたいだった。よかったね腐食しなくて。
ユイは海里にローブを借りて、ぼろぼろのローブは脱いでいた。
怖かったよおって雄太にくっつくユイは本気で泣きそうで、雄太はちらちらユイの足を見つつも、無言でユイの背中を撫でていた。視線、視線ヤバいよ雄太。でも後でユイにローブを買わされるのは海里的決定事項だから、ちょっとくらいはいいのかな。
「マック、ここが溶けてる」
「え?」
ヴィデロさんが俺の肩を手の平で撫でる。最初にポタっとダークスライムが垂れてきた場所だった。
俺は慌ててローブを脱いで、肩の所を見た。
ホントに穴が開いている。
大事なローブなのに。
大事な、ヴィデロさんに買ってもらった……。
おのれダークスライムめ……!
「もっとド派手に殲滅……」
「十分派手だったから、な、マック」
一瞬で怒りがこみ上げた俺をなだめるように、ヴィデロさんが俺の髪を指で梳く。そして、「これくらいいつでもプレゼントするから。それと、ブーツも」と耳元で囁いた。
「マックこそ無茶したんだろ。足、大丈夫か?」
「うん。もう治したよ」
ブーツが違うことに気付かれてたらしい。ヴィデロさんすごい。
でもそんなにプレゼントばっかりだと、俺が全然返せないんだけど。
俺も今度こそ白い鎧を……と思いながらヴィデロさんの鎧に視線を向ける。すっかり蓄積雷はなくなってるらしく、買った当初の色合いに戻っていた鎧は、どこも傷ついているようには見えなかった。
「さてと、ちょっと休んだところで、進むか」
セイジさんの一言で、俺たちは先に進むことになった。
広い回廊を進んでいくと、目の前に鉄でできた頑丈そうな扉が見えてくる。
セイジさんはその扉を見て、声を上げて笑った。
「多分あのダークスライム、ここから先には進めねえようになってるんだぜ。ここまで逃げるのが正解だったってことか」
「倒しちまったけどな」
「ああ。倒しちまったな」
笑いながら扉を開け、中を目視で確認すると、セイジさんが一番乗りで潜っていった。
中に入ると、そこは最初の所と同じように、青い岩で囲まれた広い洞窟だった。
青く光る壁に照らされて、そこまで部屋は暗くはなかった。ただ、床に変なマークが複数個ついてるのが気になる。
「ここでおのれの限界と対峙せよ」
誰かが天井に書かれた文字を読む。
おのれの限界? それってどういうことだろう。
首を傾げていると、段々と壁の青い光が落ち、薄暗くなっていった。
そして、闇に包まれた。
自分の指先も見えないほどの闇。
身体に纏わりつく様な闇が、不安を煽る。
せっかくヴィデロさんと合流したのに、またしても離れちゃうなんて。
辺りを見回しても誰も見えない声も聞こえない。目が開いてるのか閉じてるのかすらわからないくらいの闇。
ただ一つ、視界に入るのが、さっきの変なマーク。それだけが闇の中、光っていた。
「あそこに立てばいいのかな」
そっとステータス欄を開くと、そこだけはしっかりと見ることが出来たので、回復用の物をインベントリから取り出して、普通にカバンに入れておく。インベントリが使えなくなっても、これなら取り出せるから。
HPとMPもしっかりと回復させてから、俺は辺りをもう一度見回した。うん、全然わからない。
溜め息を吐いて、俺は半ばあきらめながら、光っている変なマークの方に足を動かした。
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