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88、誘惑、してみた
しおりを挟む「……どうしてそう、抗えないようなおねだりをするんだ、マックは」
「ダメなら、口でさせて。ヴィデロさんを俺で気持ちよくさせたいから」
ヴィデロさんは、俺の言葉にすごく考え込んでいた。
その間に、背伸びをしてヴィデロさんの唇をいただく。
ちゅ、ちゅ、とする間にヴィデロさんの眉がだんだんとハの字になっていった。
「マック、待て、ちょ……」
「もう待てない、から。お願い」
下腹部の奥の奥が、疼くんだ。
スリ……と何も生えてないっぽい手触りの下半身をヴィデロさんに摺り寄せると、ヴィデロさんのヴィデロさんはしっかりと硬くなっていて。
気持ちよくさせるつもりが、俺の方が気持ちよくなりそうだった。
っていうかこの身長差、俺からキスするにはちょっと辛い。
さらに貪ろうとして、つま先立ちした足がよろけてしまう。
「う、わ」
「マック?!」
ヴィデロさんに体重をかけてしまって、二人で床に転がる。
今ヴィデロさんお尻打たなかった? 俺、思いっきり体重かけちゃったよ。
「ごめん、ヴィデロ、さ……」
謝ろうと思って、ハッと気づく。
なんかこれ、押し倒した感じの体勢だ。
見下ろすヴィデロさんがすごく新鮮だった。
「怪我、しなかった?」
「いや、俺はこれくらいなんてことない」
「よかった」
大丈夫みたいだ。じゃあ、実力行使、しよう。
俺は床についた手をそのままに、ヴィデロさんにグイッと伸し掛かっていった。
今度こそ伸びなくてもキスできるのが俺的に満足で、自然と顔が緩む。
それに反して、ヴィデロさんは苦悩してるみたいだった。
回復薬が効かないのが心配で仕方ないから使わせたくない、けど、我慢が辛いっていう、苦悩の顔。美形はどんな顔をしててもかっこいい。
追い打ちとばかりに、俺はヴィデロさんのヴィデロさんを服の上から撫で上げた。
「これを、身体の中の、奥で」
味わわせて。
効果が切れるまで絶対に外に出ない、という約束で、俺は『細胞活性剤 小』を服用した。
下着が剥がれた瞬間にはすでに息子がしっかりと主張していた俺は、ポーションで口をすすいでから、全裸でベッドに転がった。手にはしっかりと『ホットゼリー』を持って。
備えあれば憂いなし、だから。ヤる気満々で来たわけじゃない、はず。
ゼリーが塗られていくたびに、そこが熱くなっていく。
もともと熱を持っていた俺のモノにも絡められて、熱で腰が溶けそうな錯覚に陥った。
ヌルヌル……と何度かヴィデロさんの大きな手でそこを擦られただけで、頭が飛びそうになった。
白い液体がヴィデロさんの手を伝って垂れていく。
「マック、可愛い……」
「は、早くてごめん……ヴィデロさんの手だって思うと、耐えられなくて……」
素直に暴露したら、ヴィデロさんが「くっ……」と呻いた。
「俺が耐えられなくなるようなこと、言わないでくれ。我慢が効かなくなる……」
「我慢しないで欲しいんだけど……俺を、欲しがって、一緒に気持ちよく……っあ、あぁ」
言い終わる前に、俺の中にヴィデロさんの長い指が挿入されていく。
足りない。もっと。
たくさんヴィデロさんを味わいたい。
「はやく、これを」
少しだけ身を起こして、ヴィデロさんの興奮した熱に手を伸ばす。
しっかりと硬くなっているそれを握り、擦り、手を離して。
ヴィデロさんの指が入った俺の恥ずかしい所を両手で開くように押さえた。
「ここに」
「マック……っ、まだ、解れて」
「だってもうこんなに、トロトロ……」
お腹の中が、すごく、蕩けてるんだ。
ヴィデロさんの指が抜き去られると、次への期待が込み上がってきて、熱い吐息が洩れる。
「痛いときは、言ってくれ……」
ヴィデロさんが、唇を啄ばむ。
熱いモノがトロトロになった俺のに宛がわれて、心臓が跳ねる。
ヴィデロさんの首に腕を回して、開かれた足をさらに自ら開く。
「あ、ぁああ……」
ヴィデロさんの熱い塊が、俺の内壁を押し分けて挿ってくる。
くらくらして、熱くて、愛しくて。
俺はまたも目の前が真っ白になった。
「挿れただけで、イったのか、マック」
「……っ、すご、きもちイイ……から」
「マックの中、熱くて、すごく、うねってる……」
お腹が痙攣してるような感覚があるから。
今日はなんか、ダメだ。
こうしてるだけでも頂点に行けるくらい気持ちいい。
俺のビクビクが収まると、ずる、とゆっくりとヴィデロさんが動き始める。
抜かれる感覚で、背中をゾクゾクゾク……と何かが走り抜ける。
ゆっくりと奥まで挿し込まれると、今度は下腹部がかああっと熱くなる。
だんだんとスピードを速くしていくヴィデロさんの熱に、俺はただただ喘ぐことしかできなかった。
奥にヴィデロさんの熱が吐き出されても、まだまだとばかりにさらに責められ、身体を持ち上げられて抱っこ状態で揺さぶられ、唇を貪り合って、何度目かの精を二人の腹の間に零す。
最後には疲れ切って、俺はヴィデロさんの肩に頬を預けて、荒い息を吐いていた。
「ヴィデロさん……絶倫なところも好き」
「悪い、自制できなかった……」
気付くとすでに、夜中。何時間くらい寝れるのかな。
っていうか、ヴィデロさん、こんな状態で、仕事大丈夫かな。
「俺に、付き合わせて、ごめん、ヴィデロさん……」
誘惑しちゃったから。そう謝ると、ヴィデロさんは「それは違う」と目を細めた。
「俺が、マックに無理をさせたんだ。でも、本当はもっともっとマックを味わっていたい。愛してる」
「俺も。体力つけて、今度はヴィデロさんを、疲れさせてみたい……」
こんなに息切れしてるのは、俺だけ。ヴィデロさんはうっすらと汗は掻いているものの、いつもとほぼ変わりない。
「それは、楽しみだな」
「うん……」
ヴィデロさんの腕の中が気持ちよくて、まだ挿入されたまま、抱っこ状態なのに、俺はそろそろ夢の世界に旅立ちそうだった。
そっとヴィデロさんの手のひらが俺の頭を撫でる。気持ちいい。好き。
「寝ていいよ、マック。身体は、俺が拭いておくから。中にたくさん出しちゃったしな……」
それはあれですか。俺が寝てる間に指が突っ込まれて掻きだされるということですか……。
「ほっといても、大丈夫……」
「ダメだ。体調崩したらどうするんだ」
「でも、恥ずかしい……」
「余計にしたくなるだろ。そんなこと言われると」
ああうん。今、ちょっと俺の中でヴィデロさんが成長したよ。でも、そろそろ限界。
「明日、農園に行くんだろ? 今日と同じような時間に迎えに行くから、気を付けろよ」
「ん……」
ヴィデロさんの言葉に、夢うつつで返事しつつ、俺は、ヴィデロさんに抱っこされたまま、闇に飲まれていった。
耳元で目覚ましがけたたましく鳴っている。
ううう、本気で寝不足だ。だが悔いはない。
目を開けられないまま身体だけを起こして、ふらふらとベッドから起き上がる。
途中ドアにガンと頭を打って少しだけ意識が覚醒した俺は、何とか気力を振り絞って学校の準備をした。
なんの授業をやったのかも定かじゃないまま雄太と共に帰路についた俺は、シャワーを浴びて頭をしゃっきりさせて、ようやく覚醒した。すでに夕方だけど。よし。農園に行こう。
ギアを被ってログインすると、昨日の宿屋の部屋で目が覚めた。
もちろん、隣はもぬけの殻。門には近寄るなって言われたから、顔を確かめに行くこともできない。
起き上がって、服がしっかり着せられているのに気付いて、カッと頬が熱くなる。
あの後、本当に中を掻きだされたのかな。なんかちょっと寝てたのが勿体なかったような、なんて。
突っ込まれたまま寝ちゃうなんて、ほんと、俺って。
と昨日のことを思い出しそうになって、慌てて頭を振る。
農園に行かないとなんだってば。それにここで興奮しても、右手が友達にすらなれないし。
活性剤の効果はすでに切れてて、パンツ張り付いた状態に戻ってるからね。
よし、と気合を入れて、装備を整え、俺は宿屋を後にした。
農園に行くと、モントさんが待っていてくれた。
「わかったぜ、あいつの特性。あいつの出す液体が万能薬の素になるんだってよ。っつっても俺は育てる専門だからそんなもんは作れねえんだけどな。マック、育てて液体持ってくか?」
「え、液体って……」
過剰摂取したらアカンやつだ。
万能薬の素は欲しいけど、なんか、エロゲ的嫌な予感しかしないんだけど……。
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