84 / 830
84、ヴィデロさんかっこよすぎる
しおりを挟む思わず足を速めて、門に近付く。すると、ヴィデロさんもこっちに気が付いたらしく、目を見開いた。口が「マック」と動いた気がした。
門の方に寄っていくと、ヴィデロさんとは反対側にいた門番さんが、手に持った槍で俺の行く手を塞いだ。
「ここから先に何用だ。用がなくば去れ」
「あ、いえ、この先には用はない、です」
「では、すぐに去れ」
これは、声を掛けるのも一苦労だ。街の門番さんの言ってた通りだ。
ヴィデロさんも、ハラハラしたような目で、口を引き結んでこっちを見ている。でも、動けないみたいだった。
きっと、立場上何もできないんだ。俺、確かに不審者っぽいし。
「あの、はい、すいません……」
槍を持った門番さんに頭を下げて、ちらりとヴィデロさんの方に視線を向けると、ヴィデロさんは少しだけ眉を寄せて、首を横に振った。
うん、ヴィデロさんの仕事の邪魔はしないよ。
とヴィデロさんに後ろ髪をひかれながら振り返ると、大通りから見たことのある馬車がこっちに向かってきた。
脱輪していた馬車だった。
道の隅に避難して、街の人たちが慌てて頭を下げたのを真似して頭を下げる。
すると、目の前で馬車が止まった。
すぐそこに門があるから、検問でもするのかな、と頭を下げつつ思っていたら、「あなたはもしや」とすぐ近くから声がした。
「頭をお上げください」
その言葉に、俺? と思いつつ少しだけ頭を上げると、やっぱりというか、さっきの御者さんが俺の目の前にいた。
「先ほどはとても助かりました。旦那様もあなた様のお薬でとてもよくなられまして。旦那様がお礼をしたいと申していたのですよ」
「あ、よくなったんですね。よかったです」
足治ったんだ、とちょっとだけホッとする。すると、馬車のドアが開いて、中から口髭を生やしたダンディなおっさんが顔を出した。
「旦那様」
「この少年か?」
「はい」
俺をちらっと見た髭の人に御者さんが頷くと、髭の人は馬車から降りてきて、俺の前に立った。
「先ほどのポーションはとてもよく効いた。礼がしたい、我が家に来い」
「いえ……俺は、当たり前のことをしただけで……」
そっと少しだけ身を引く。
だってなんか。礼がしたいと言いながら、この人。
すごく俺を見下してるみたいな目をしてるんだもん。
「遠慮することはない。来い」
「すいません。行くことは、できません」
近くで立っていた街の人が、ざわっとなったのは、貴族の申し出を断ったからかな。でもなんか、付いていきたくないような雰囲気を出してるんだもんこの人。
それに、クラッシュと砂漠都市の農園主さんの忠告もあるし。
「ほう、庶民が、私の誘いを断ると」
っていうかおっさん。それ、礼を言う態度じゃないから。
とは言えない、けど。
「申し訳ありません。用事がありますので……」
さらに一歩離れて頭を下げる。
途端に、手首を掴まれた。
「私の好意を無にする気か」
いやそれ好意じゃないから。
と思った瞬間、俺とおっさんの間に、槍が挿し込まれた。
おっさんが驚いたように、俺の手を離す。
すると、その槍を挿し込んで俺達の間に割り込んできたヴィデロさんが、槍の切っ先を戻して、タン、と地面を突いた。
「失礼します。レイモンド様。このような得体の知れない者はこの門には入れるなと忠告されたのはあなたです。通すわけにはいきません」
聞こえてくるヴィデロさんの久しぶりの声が心地よかった。得体の知れない者って言われたけど。
「しかしこの者は私を助けた少年だ。屋敷に招いて礼をするのは……」
「昨日、サンダース伯爵様が連れてきた冒険者を、得体の知れない者だと言って通さなかった方のお言葉とは思えません。これはあなたの命令です。得体の知れない者の上街への立ち入りは禁止されていますので、この者を立ち入らせることはできません」
「お前、私にそういう態度を取っていいと思っているのか」
「レイモンド様。あなたは誇り高き方。決して自身の言葉を違えるような愚かな真似はしないはずです」
ううう、ヴィデロさん、かっこいい。
俺を貴族街に入らせないようにしてくれてるのかな。でもそんなことをして、立場とか悪くならないかな。
すごく険しい顔をして、貴族のおっさんと対峙してる。
その顔がとても愛しくて。
ヴィデロさん。
ギュッと手を握りしめて、ヴィデロさんの名前を呼びたい衝動を堪える。
「お前、ここから先は行くことはできない。さっさとここを去れ」
ヴィデロさんは、手に持った槍をもう一度地面にタン! と突いて、厳しい目を俺に向けてきた。
おっさんの横をすり抜けて、おっさんを背に庇うように立ち、俺を見下ろす。
向き合った瞬間ふっと表情が変わって、一瞬だけ眉が下がる。声もなく口が「ごめん」と動いていた。
大丈夫。俺も口だけ動かして、少しだけ口元を上げる。
ヴィデロさんの口が、あとで、と動く。それに頷いて、俺は農園の方をちらりと向いた。そして、「すいませんでした」と頭を下げて、ヴィデロさんたちに背を向けて、今歩いてきた道を戻り始めた。
後ろでおっさんの悪態をつく言葉と、それに応えるヴィデロさんの声が聞こえる。振り返りたいけど、ここで振り返ったら、せっかく俺を逃がしてくれたヴィデロさんの苦労が水の泡だ。
心持ち足を速めて、門を離れた。
あとでって言ってたから。ひたすら農園を目指す。こっち側は先が農園くらいしかないような場所だから、ヴィデロさんも俺がどこにいるか見当付けやすいと思ったんだ。
少しだけ、モントさんの所で待たせてもらってもいいかな。
農園に着くと、ようやく俺は後ろを振り返った。とはいえ、ここからじゃ門は全く見えないんだけどな。ヴィデロさん、何のおとがめもないといいんだけど。
またも太い音のベルを鳴らすと、建物の中からモントさんの渋い顔が出てきた。
「よお。お早いお帰りじゃねえか。ま、入れや」
「ありがとうございます。あの、図々しいお願いなんですけど、ここで待機していてもいいですか?」
そこら辺の宿屋じゃ、ヴィデロさんが俺を見つけられないかもしれないから。
ここだったらわかりやすいかもしれないから。
顔は見れた。
あとでって言ってた。だから。
ギュッと唇を噛み、少しだけ俯く。
すると、「入って来いよ。こっちだ」というモントさんの野太い声が耳に飛び込んできた。
顔を上げると、モントさんが建物のドアを開けて、手招きしてくれていた。
「お邪魔します」
「おう。そこらへんに座れ」
と大雑把に指示されて、俺はでんと部屋に置かれているカウチソファにちょこんと腰を下ろした。部屋の中は、草が干してあったり、花が飾られていたり、ポプリっぽいいい香りが漂っていたりして、すごくくつろげる感じになっていた。雑多に物が置いてあるのもまた安心感。
「ハーブティー飲めるか? 何色がいい」
「い、色? お茶を色で選べるんですか」
「当たり前だろ。赤、青、黄色、緑、紫、ピンク、オレンジ、乳白色、どれがいい」
お茶なのにすごいラインナップだ。
感心しながら、「じゃあ、青で」と飲んだことがなさそうな色を指定してみた。
すると、本当に目の前に青い液体が出された。すごい。
そして、いい香り。
「リラックス効果がある。飲めよ」
「いただきます」
一口口に含むと、ふわっと花の香りがして、その後少しだけ甘さが広がって、すごく美味しい。
思わず「はぁ……」と息を吐いてしまった。
「何かあったみたいだな」
ニヤリと笑って、斜め前に座ってカウチに足を伸ばしたモントさんが口を開く。
やっぱり顔に出てたか。
さっきのやり取りで一瞬にして疲れたよ。でも、ヴィデロさんがかっこよかった。好き。
「貴族の門のところでちょっと」
「もしかして入ろうとしたのか?」
面白そうに先を促すモントさんに、さっきのやり取りを説明する。
すると、モントさんはじろりと俺を真正面から見つめてきた。
「マック、お前さんそいつになんかしたのか。厄介な野郎だぞレイモンドって男は」
「ちょっとここに来る途中その人の馬車が岩に挟まって動けなくなっていたのをみんなで助けただけなんですけど」
「それだけじゃねえだろ」
ズバリ指摘されて、何でわかるんだろうと首を捻りながら、薬を渡したことを教えた。
「それだな。貰ったポーションを使ってみたら、予想以上に効果が高くて、マックを囲い込もうとしたんだな、レイモンドは」
「囲い込み?!」
「こんな効果の高いポーションは出回ってねえ、ってことはこいつは自分で作ったのかもしれねえ。もしくはそんなもんに繋ぎを取れる奴かもしれねえ。そういう使い勝手のいい奴は手に入れて自分の利益に貢献させるべきだ。なあに相手は単なる庶民。一人くらい消えたところで問題にもならねえ、ってところか」
「まじか……だから、ヴィデロさんがあんなかたくなに止めてくれたんだ……」
しみじみとあのかっこいいヴィデロさんを思い出していると、ほら、おかわり飲め、とモントさんが追加のお茶をカップに注いでくれた。
「その門番、最近来たやつだろ。お前さん知り合いか」
「はい。あの……こ、恋人です」
モントさんの問いに、顔を赤くしながら答える。なんか、こんな風に恋人を名乗るって、気恥ずかしいよな。黙っていてもいいんだろうけど、最近ヴィデロさん不足だったせいか、なんか、何かがこみ上げて、余計なことまで言っちゃったんだ。
俺の真っ赤な顔を見て、モントさんは「へーー、ホーー、恋人かよ」と揶揄う様に俺を覗き込んで来る。
「んじゃまあ、これからちっとばかり苦労するかもな、マックは」
え、とモントさんの呟きに目を見開く。苦労って、何で。
わけがわからず首を捻ってると、モントさんが俺の態度に苦笑した。
「あいつが、何でこっちに来たのか、マックは知ってるか?」
いいえ、全然知りません。
932
お気に入りに追加
9,297
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます
ふくやまぴーす
BL
旧題:平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます〜利害一致の契約結婚じゃなかったの?〜
名前も見た目もザ・平凡な19歳佐藤翔はある日突然初対面の美形双子御曹司に「自分たちを助けると思って結婚して欲しい」と頼まれる。
愛のない形だけの結婚だと高を括ってOKしたら思ってたのと違う展開に…
「二人は別に俺のこと好きじゃないですよねっ?なんでいきなりこんなこと……!」
美形双子御曹司×健気、お人好し、ちょっぴり貧乏な愛され主人公のラブコメBLです。
🐶2024.2.15 アンダルシュノベルズ様より書籍発売🐶
応援していただいたみなさまのおかげです。
本当にありがとうございました!
【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる