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40、愛情ゲージ
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道中、とんでもない速さで夜中過ぎに砂漠都市に着いた俺たちは、いったん宿を取って休んだ。
ヴィデロさんが砂漠都市までクイックホースなら一日で余裕で行けるって言ってたけど、そんなもんじゃなかった。御者台は馬車の中に座って乗るのと違って転がることはなかったけど、なんて言ったらいいのか。安全バーのないジェットコースターって感じがすごかった。ちょっと、いや、かなり、うん。怖かった。
宿に着いて馬車を降りた瞬間膝ががくがくしたけど、クラッシュは平然としたものだった。すげえ。
そんでもって、ちゃんと荷物は俺のインベントリ内に入れて移動している。
魔物が出てきて瓶を割っちゃったらヤバいし、今品薄ならポーションってわかっただけで狙われるだろとか何とか理由を付けて、クラッシュには納得してもらってる。馬車の中には、野宿で使うものだけが入ってるんだけど、ちゃんと砂漠都市まで来たから不要になった。だって明日には着くし。何事もなければ。
今のところは襲撃系はない。途中の魔物は、クイックホースが速すぎて襲って来なかった。あれで魔物が襲ってきたら轢かれて終わると思う。一回見てみたかった気がするけど。
「今のところは順調かな。明日の夕方には着くよ」
「うん。早いなあクイックホース。普通の馬車とは全然違うな」
部屋で携帯していた食べ物で遅い食事をしながらしみじみと呟くと、クラッシュが驚いたように俺を見た。
「マック馬車乗ったことあるんだ」
「うん、クワットロまで乗ってったよ。あれも早かったけど、スピードが段違いだよ」
「へえ、クワットロまで」
「えと、お、おかしい?」
ニヤリ、とクラッシュの顔が崩れる。
え、俺なんかクラッシュを喜ばせるようなこと言った?
「ふうん……そっか。一緒に行ったのはヴィデロだね」
「ふあ?!」
ピンポイントで来た。
当たりだけど、当たりなんだけどさ。
「デートかあ。馬車デートなんて、ヴィデロも洒落てるね」
そんなニヤニヤしながら指摘するなよ。何その好奇心丸出しな顔。
「一体隣町までナニしに行ったんだ? 気になるなあ。お兄さんに教えなさい」
「お兄さんって、クラッシュ俺と同じ歳だろ!」
「俺は成人済み。マックは成人前。俺の方がお兄さんだろどう考えても」
クラッシュが成人済みってことは、パンツが剥がれるってことですね。俺もある特定の条件下では剝がれるから。秘密だけど。オトナへの階段は上ったからね?
ニヤニヤするクラッシュに、胸にぶら下がっている青い羽根のアクセサリーを見せた。
「これを一緒に買いに行ったんだ。ヴィデロさん、俺にお守りってこれをくれてさ」
「へえ、綺麗。鑑定していい?」
「いいよ」
っていうか今ふと確認したら、パーセンテージが7%に増えてた。これほんと、なんなんだろう。
「へえ、これすごいね。ヴィデロからプレゼントに貰ったのか。だから加護ゲージがあるんだ。これ、たまったらどう変化するのか教えてね」
「加護ゲージ?」
「うん、この羽根、ヴィデロとマックの想いの強さで加護が増えて行って、想いが溢れたら違うものに変化するアミュレットだよ。知らないで買ってもらったの? 『加護ゲージ』っていうのは一部では別名『愛情ゲージ』とも呼ばれてるんだよ」
「あ、愛情ゲージ?」
俺の胸に手を伸ばしたクラッシュが、まじまじと羽根を見る。
変化するアミュレットって、初めて聞いたよ。たぶんヴィデロさんも知らないと思う。
愛情ゲージって、この何気溜まってる7%って、俺とヴィデロさんのあは~んなことで溜まったってこと? あれ、でも買ってもらった時にすでに少し溜まってたよな。……ああ、うん、気持ちね、気持ち。行動だけじゃないんだよな。一瞬もっとたくさん愛し合わないとと思っちゃったじゃん。思春期脳怖い。
なんてことを考えていると、クラッシュが「ねえ」と思考を中断してくれた。
「これ、どこで買ったの? 俺も買いに行こうかなあ」
目をキラキラさせて羽根を鑑定し続けるクラッシュに、買った店の場所を教えると、クラッシュはきょとんとして「ああ、レガロの店か」と頷いた。クラッシュあのイケメン執事さんと知り合いなんだ。
そっかそっかと頷いて、クラッシュは羽根を離してくれた。
「ありがとう。店関連の集まりとかでレガロ本人は知ってるんだけどさ、あの人がどんなものを作ってるのか知らなかったよ。いい情報を貰った」
「あ、うん、役に立てたならいいけど」
「今度行ってみよう。頼んだら作ってくれるかな」
「これイケメン執事さん本人が作ったの?」
ただ取り扱ってるだけじゃなくて? と首を捻ってると、クラッシュは頷いた。
「前に話した時、趣味は小物づくりって言ってたから、それレガロの手作りだと思う」
なんていうか、手作りで愛情ゲージを織り込める小物を作る作り方を教えて欲しい。細工関係は出来ないけど。すげえ。手作りの物が変化するとか、どんな器用な手先してるんだよ。
ヴィデロさんの愛情、大事に大事にしよう。
なんてことを改めて思いながら、ベッドに腰かけた。早く寝ないと明日に支障をきたすから。一度ログアウトしてなんか食べて少しだけ寝よう。
腰のカバンもそのままにベッドにもぐりこんでいると、クラッシュが部屋の入り口の前に立った。
そして、指を動かして、宙に何かを描き始めた。
「クラッシュ?」
「簡易鍵を掛けてるだけ。先に寝てていいよ」
そんなことを言いながら、描くのは魔法陣。クラッシュの指から描かれる光の線が、薄暗い部屋にとても綺麗に光っている。
魔法陣って初めて見たよ。あれって覚えられるのかな。
「クラッシュは魔法も出来るんだ」
「まさか。魔力が少ないからちょっとした魔法しかできないよ。しかも魔物を倒すのは剣でしかできないし。それもたかが知れてる腕なんだけどね」
「でも、すごい。綺麗」
「教えてもらったんだ」
綺麗な紋様を描き上げたクラッシュは、一瞬だけ強く光って魔法陣が発動したのを確認すると、「よし」と頷いて自分のベッドに向かった。
「魔法陣って覚えられるものなんだ」
「そうだね。俺は母さんから古代魔道語を習ってたから出来るけど。古代魔道語を完璧に覚えて、一番最適な回路になるように配置を考えて図形を描くことが出来れば魔法陣を使えるようになるんだって。マックも覚える? 簡単な魔法陣なら俺でも教えられるし」
うわ、なんか簡単そうにとんでもないことを言ってる。最適な回路になる配置を考えて図形を描くって一体どういうこと。それに今まで聞いたことない言語来た。古代魔道語って何ですか。たぶん文字の解読も全く出来ない代物だよな。うん、魔法陣は無理。
「機会があったら」
「楽しみにしてるよ。今度古代魔道語で書かれた古い本を貸してあげるよ。教科書代わりに使ってみる?」
「時間があったら」
覚えられるわけないと思います。英語ですら散々な成績なのに、さらに古代魔道語とか。覚えられる気がしない。
おやすみ、と互いに挨拶をして、布団を頭から被る。まあでも、見るだけならちょっと見てみたいかも、古代魔道語書物。
って、もう夜中だ。ログアウトして寝るにしても、寝坊は出来ないから。明日も早くから出発だからな。と俺はログアウトした。
夜中の家の中は静まり返っている。明日も親たちは仕事だから。そっとキッチンに行って、戦利品のパンを片手に部屋に戻る。
ゲーム内のクイックホース馬車コースターとはいえ、現実の身体も結構疲れてるなあ。
俺はパンをもそもそ食べながら、雄太に「緊急クエストでクイックホース馬車乗ったよイエーイいいだろ。これからたぶん襲撃される予定。されなかったら明日の夕方にはセッテに着くよ~」とメッセージを送ると、パンを食べ終わらないうちにピロンとメッセージが返ってきて、驚いてメッセージを開く。
『クイックホースは俺も乗りましたー。あれ面白いな。襲ってきた魔物轢いたのを俺はこの目で見た。それにしても、何ヤバいもんに手を出してるんだよ。襲撃って一人二人じゃなくて結構な大人数で来るんだぞ? 護衛ってもっといるのかよ。いるならいいけど、健吾一人だとアウトだぞ』
「まじか」
一人なんだけど。クラッシュと二人、生産職と店の店主なんだけど。なんか来たら囲まれる前に逃げたらいけるかな。クイックホースに乗って逃げるにしても、アレ、大きすぎて逆に目立つよな。
俺一人なんだけどと雄太に返して、ちょっとヤバいかなと思いながらベッドにもぐりこむ。だったら余計に寝とかないと。目覚ましを早朝にセットして、俺は少しだけドキドキする胸を落ち着けるように深呼吸しながら目を閉じた。あ、歯磨き忘れた。
ヴィデロさんが砂漠都市までクイックホースなら一日で余裕で行けるって言ってたけど、そんなもんじゃなかった。御者台は馬車の中に座って乗るのと違って転がることはなかったけど、なんて言ったらいいのか。安全バーのないジェットコースターって感じがすごかった。ちょっと、いや、かなり、うん。怖かった。
宿に着いて馬車を降りた瞬間膝ががくがくしたけど、クラッシュは平然としたものだった。すげえ。
そんでもって、ちゃんと荷物は俺のインベントリ内に入れて移動している。
魔物が出てきて瓶を割っちゃったらヤバいし、今品薄ならポーションってわかっただけで狙われるだろとか何とか理由を付けて、クラッシュには納得してもらってる。馬車の中には、野宿で使うものだけが入ってるんだけど、ちゃんと砂漠都市まで来たから不要になった。だって明日には着くし。何事もなければ。
今のところは襲撃系はない。途中の魔物は、クイックホースが速すぎて襲って来なかった。あれで魔物が襲ってきたら轢かれて終わると思う。一回見てみたかった気がするけど。
「今のところは順調かな。明日の夕方には着くよ」
「うん。早いなあクイックホース。普通の馬車とは全然違うな」
部屋で携帯していた食べ物で遅い食事をしながらしみじみと呟くと、クラッシュが驚いたように俺を見た。
「マック馬車乗ったことあるんだ」
「うん、クワットロまで乗ってったよ。あれも早かったけど、スピードが段違いだよ」
「へえ、クワットロまで」
「えと、お、おかしい?」
ニヤリ、とクラッシュの顔が崩れる。
え、俺なんかクラッシュを喜ばせるようなこと言った?
「ふうん……そっか。一緒に行ったのはヴィデロだね」
「ふあ?!」
ピンポイントで来た。
当たりだけど、当たりなんだけどさ。
「デートかあ。馬車デートなんて、ヴィデロも洒落てるね」
そんなニヤニヤしながら指摘するなよ。何その好奇心丸出しな顔。
「一体隣町までナニしに行ったんだ? 気になるなあ。お兄さんに教えなさい」
「お兄さんって、クラッシュ俺と同じ歳だろ!」
「俺は成人済み。マックは成人前。俺の方がお兄さんだろどう考えても」
クラッシュが成人済みってことは、パンツが剥がれるってことですね。俺もある特定の条件下では剝がれるから。秘密だけど。オトナへの階段は上ったからね?
ニヤニヤするクラッシュに、胸にぶら下がっている青い羽根のアクセサリーを見せた。
「これを一緒に買いに行ったんだ。ヴィデロさん、俺にお守りってこれをくれてさ」
「へえ、綺麗。鑑定していい?」
「いいよ」
っていうか今ふと確認したら、パーセンテージが7%に増えてた。これほんと、なんなんだろう。
「へえ、これすごいね。ヴィデロからプレゼントに貰ったのか。だから加護ゲージがあるんだ。これ、たまったらどう変化するのか教えてね」
「加護ゲージ?」
「うん、この羽根、ヴィデロとマックの想いの強さで加護が増えて行って、想いが溢れたら違うものに変化するアミュレットだよ。知らないで買ってもらったの? 『加護ゲージ』っていうのは一部では別名『愛情ゲージ』とも呼ばれてるんだよ」
「あ、愛情ゲージ?」
俺の胸に手を伸ばしたクラッシュが、まじまじと羽根を見る。
変化するアミュレットって、初めて聞いたよ。たぶんヴィデロさんも知らないと思う。
愛情ゲージって、この何気溜まってる7%って、俺とヴィデロさんのあは~んなことで溜まったってこと? あれ、でも買ってもらった時にすでに少し溜まってたよな。……ああ、うん、気持ちね、気持ち。行動だけじゃないんだよな。一瞬もっとたくさん愛し合わないとと思っちゃったじゃん。思春期脳怖い。
なんてことを考えていると、クラッシュが「ねえ」と思考を中断してくれた。
「これ、どこで買ったの? 俺も買いに行こうかなあ」
目をキラキラさせて羽根を鑑定し続けるクラッシュに、買った店の場所を教えると、クラッシュはきょとんとして「ああ、レガロの店か」と頷いた。クラッシュあのイケメン執事さんと知り合いなんだ。
そっかそっかと頷いて、クラッシュは羽根を離してくれた。
「ありがとう。店関連の集まりとかでレガロ本人は知ってるんだけどさ、あの人がどんなものを作ってるのか知らなかったよ。いい情報を貰った」
「あ、うん、役に立てたならいいけど」
「今度行ってみよう。頼んだら作ってくれるかな」
「これイケメン執事さん本人が作ったの?」
ただ取り扱ってるだけじゃなくて? と首を捻ってると、クラッシュは頷いた。
「前に話した時、趣味は小物づくりって言ってたから、それレガロの手作りだと思う」
なんていうか、手作りで愛情ゲージを織り込める小物を作る作り方を教えて欲しい。細工関係は出来ないけど。すげえ。手作りの物が変化するとか、どんな器用な手先してるんだよ。
ヴィデロさんの愛情、大事に大事にしよう。
なんてことを改めて思いながら、ベッドに腰かけた。早く寝ないと明日に支障をきたすから。一度ログアウトしてなんか食べて少しだけ寝よう。
腰のカバンもそのままにベッドにもぐりこんでいると、クラッシュが部屋の入り口の前に立った。
そして、指を動かして、宙に何かを描き始めた。
「クラッシュ?」
「簡易鍵を掛けてるだけ。先に寝てていいよ」
そんなことを言いながら、描くのは魔法陣。クラッシュの指から描かれる光の線が、薄暗い部屋にとても綺麗に光っている。
魔法陣って初めて見たよ。あれって覚えられるのかな。
「クラッシュは魔法も出来るんだ」
「まさか。魔力が少ないからちょっとした魔法しかできないよ。しかも魔物を倒すのは剣でしかできないし。それもたかが知れてる腕なんだけどね」
「でも、すごい。綺麗」
「教えてもらったんだ」
綺麗な紋様を描き上げたクラッシュは、一瞬だけ強く光って魔法陣が発動したのを確認すると、「よし」と頷いて自分のベッドに向かった。
「魔法陣って覚えられるものなんだ」
「そうだね。俺は母さんから古代魔道語を習ってたから出来るけど。古代魔道語を完璧に覚えて、一番最適な回路になるように配置を考えて図形を描くことが出来れば魔法陣を使えるようになるんだって。マックも覚える? 簡単な魔法陣なら俺でも教えられるし」
うわ、なんか簡単そうにとんでもないことを言ってる。最適な回路になる配置を考えて図形を描くって一体どういうこと。それに今まで聞いたことない言語来た。古代魔道語って何ですか。たぶん文字の解読も全く出来ない代物だよな。うん、魔法陣は無理。
「機会があったら」
「楽しみにしてるよ。今度古代魔道語で書かれた古い本を貸してあげるよ。教科書代わりに使ってみる?」
「時間があったら」
覚えられるわけないと思います。英語ですら散々な成績なのに、さらに古代魔道語とか。覚えられる気がしない。
おやすみ、と互いに挨拶をして、布団を頭から被る。まあでも、見るだけならちょっと見てみたいかも、古代魔道語書物。
って、もう夜中だ。ログアウトして寝るにしても、寝坊は出来ないから。明日も早くから出発だからな。と俺はログアウトした。
夜中の家の中は静まり返っている。明日も親たちは仕事だから。そっとキッチンに行って、戦利品のパンを片手に部屋に戻る。
ゲーム内のクイックホース馬車コースターとはいえ、現実の身体も結構疲れてるなあ。
俺はパンをもそもそ食べながら、雄太に「緊急クエストでクイックホース馬車乗ったよイエーイいいだろ。これからたぶん襲撃される予定。されなかったら明日の夕方にはセッテに着くよ~」とメッセージを送ると、パンを食べ終わらないうちにピロンとメッセージが返ってきて、驚いてメッセージを開く。
『クイックホースは俺も乗りましたー。あれ面白いな。襲ってきた魔物轢いたのを俺はこの目で見た。それにしても、何ヤバいもんに手を出してるんだよ。襲撃って一人二人じゃなくて結構な大人数で来るんだぞ? 護衛ってもっといるのかよ。いるならいいけど、健吾一人だとアウトだぞ』
「まじか」
一人なんだけど。クラッシュと二人、生産職と店の店主なんだけど。なんか来たら囲まれる前に逃げたらいけるかな。クイックホースに乗って逃げるにしても、アレ、大きすぎて逆に目立つよな。
俺一人なんだけどと雄太に返して、ちょっとヤバいかなと思いながらベッドにもぐりこむ。だったら余計に寝とかないと。目覚ましを早朝にセットして、俺は少しだけドキドキする胸を落ち着けるように深呼吸しながら目を閉じた。あ、歯磨き忘れた。
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