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12、意趣返し
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糸に絡まないように間を抜けて、今度は違う方向に向かう。
ジャンピングスネークがどこにいるのかイマイチわからなかった俺は、今度はヴィデロさんに案内されて森を走った。
途中二人でスタミナポーションを飲み、俺の鞄に入っていた街の屋台で買っていたパンを二人で食べ、腹ごなししたところでまた進む。
俺達のデートはスタミナが命だな。スタミナが切れたらイって(逝って)しまう。ごめん、思春期なんだよ。規制かかってるから余計にな!
途中出てきた狼やらウサギやらを蹴散らしながら、ようやくヴィデロさんの言う蛇地帯にたどり着く。なんでも、ここでジャンピングスネークに襲われて、毒に侵されながら瀕死の状態で街にたどり着く人が結構いるんだとか。だから門番さんは毒消しは必須なんだって。今も腰のポーチに入ってるらしい。毒消しと、ハイポーション。道中足を動かしながら聞いた話によると、門番さんのところには国から薬類が支給されるらしいんだけど、その薬類がかなり粗悪なもので、良心的な衛兵の上の人の場合、こっそりギルドやクラッシュの店から仕入れているらしい。今ヴィデロさんの上についている上司はそういうの理解がある人で、クラッシュの店からこっそり仕入れているんだそうだ。使い終わった粗悪品の瓶を洗浄して、クラッシュにこれに作れと頼み込むらしい。やるな。
だから一瞬だけ俺が作ったポーションを使ってくれてるのか? なんて嬉しくなったけど勘違いだった。俺は普通の瓶に入れてるからなあ。今度俺の印でも作って貼り付けてみようかな。「M」とか。……まんまマックになるからやめとこう。雄太にスマイルも売るのかよとかツッコまれそうだし。
少しだけ歩調を緩め、ツタのぶら下がる木々の下を早歩きで歩く。探さなくても勝手に襲ってくるらしいんだけど。
一瞬がさっと音がした瞬間、上からシャーっと口を開けた蛇がとびかかってくる。
「わっ!」
俺が驚いてる間に、蛇はヴィデロさんの剣の餌食になっていた。ヴィデロさんは倒した後、さっき俺がしていたみたいにポーチを開けて中を覗いた。
「この蛇は『毒蛇の皮』というものを落としたぞ。これじゃないよな」
「あ、うん。欲しいのは『管毒素』っていう錬金術用素材だから、たぶん俺が倒さないと手に入らないんだ。でも攻撃方法はわかったし、ヴィデロさんはそっちを襲う蛇を相手しててもらってもいい?」
「わかった。もし何かあったらすぐに言ってくれ」
「ありがとうっ! っと」
話してる間にも蛇は次々襲ってくる。これは確かにやられるよ。っていうかどうしてこんな危ない道を通るんだ? その瀕死で街にたどり着く人。
だってこんな迂回しなくても街道はしっかりと整備されてるし。
それにしてもNPCもちゃんとドロップ品は直に荷物に入ってるんだなあ。解体とかないからどうなのかなって思ってたけど、一つ謎が解けた。
なんてことを考えてる間にも、間をおかずに蛇が降ってくる。これは一撃で殺らないと囲まれる系だよな。そしたら身体中がぶがぶ噛み付かれてゴーゴンの頭みたいな状態で死に戻り……あ、想像したら鳥肌が。ウネウネ怖い。
心の中で、ウギャーやべえよーやだよー! と悲鳴を上げながら剣を思わず突き出すと、狙いが完璧に正確な蛇は、正確に俺の剣に自ら飛び込んできた。あれ。
これってもしかして。
ふと思いついたことを実行してみる。
がさっと音がして、出てくるところを一瞬前に教えてくれるんだから、そっちに剣先を向けたらいけるんじゃね?
と、がさっとした瞬間剣を向けると、出来たよ、蛇の串刺し。これは面白い。反応が遅くなると剣が上がりきる前に攻撃されて噛みつかれると思うけど、レベルが多少上がって反応速度早くなってたら、この蛇そんなに苦戦しないんじゃね?
まあ、第三の街の森でそこまで苦戦する魔物ってのも勘弁なんだけど。
だんだん面白くなってきて、思わず刺さった瞬間あははと笑いながら次々串刺しにしていった俺は、たぶん100年の恋も冷めるレベルのヤバい奴だったと思う。ちらっと見たヴィデロさんは、ちゃんと剣で切って優雅にかっこよく立ち回ってたから俺一人でとってもヤバい奴。救いはヴィデロさんも蛇をいなすのに必死でこっちを見る余裕がないことじゃないかな、コイもサメルからな!
そして何匹倒したかわからないほどの蛇もそろそろ品切れらしく、だんだんと降ってくる頻度が減ってきた。
そしてやっぱり終わりに差しかかり気の抜ける俺。
ちゃんと素材が手に入ってなかったらヤバいなあ、って思ってインベントリをちらっとしたのが悪かったらしい。がさっとした方向に剣を向けるのが間に合わず、蛇が俺の腕に嚙みついた。痛え!
「マック!」
ヴィデロさんが慌てて俺の手に食いついていた蛇を切って捨てた。
噛まれたところがちょっと変色してるから、毒になったな。毒消し出さないと。なんて思いながら蛇をさばき、とうとう一匹も降ってこなくなったところでこの場所を移動することにした。
インベントリはしっかりと確認。あったよ、管毒素。かなーりインベントリに詰まってたよ。一番多いかも。こんなに要らない。
湿地帯を抜けたあたりで、少し足を緩めた。瞬間、くらりとめまいがする。
揺れた身体を、ヴィデロさんが支えてくれた。
「毒を受けていたならそう言ってくれ……!」
「ごめん、ありがと。今キュアポーション出すから……」
言い終わる前に、ヴィデロさんがポーチの中から毒消しを取り出した。
そして、瓶のふたを開けて。
あれ?
なんで自分の口に含んでるの、ヴィデロさん?
でもって、なんでこんなところでキスするの、ヴィデロさん?
あああー……口の中に苦い毒消しが流し込まれてくる。これってあれかな。前にハイポーションを口移しで飲ませたことの意趣返し?
苦いよーー……。でも全然毒くらってないヴィデロさんも苦いのかと思うと、申し訳ないというか苦いのなんか関係なくなるというかなんて言うか……ヴィデロさんの舌が気持ちいいよ……。
「あ……っ、ンぅ……」
毒のくらくらは引いたんだけど、なんか違うくらくらが襲ってくる。
ええと、ここ、フィールドなんだけど。誰かに見られる可能性大なんだけど。
途中から明らかに俺の舌を味わってるヴィデロさんの腕を叩くと、ヴィデロさんはハッとしたように口を離してくれた。
「すまなかった。頭に血が上って……」
頭に血が上るって……怒ってたの? ヴィデロさん怒ってたのか?!
「マックがあんまりにも無茶をするから」
「あ、ええと、すいません……」
確かにヴィデロさんの活躍はほぼなかったけれども。と素直に謝ったら、ヴィデロさんは少しだけ苦い笑顔で「違うんだ」と答えた。
「マックが思った以上に強いのはわかった。でも、戦い方が無謀すぎるのが心配で。でも俺はいつもは一緒に行くことも出来ないし、そんな自分に腹が立って。誰よりもマックを守りたいのに……」
「ヴィデロさん……」
謝らせるつもりはなかったんだ、と苦笑するヴィデロさんに、思わずべたっとひっつく。
なんかもう。この間から思いっぱなしだけど、ヴィデロさんいい男過ぎて胸が痛い。こんな人が俺を好きでいてくれるなんて、どんな奇跡。同性だとか全然関係ないくらい、嬉しい。
「じゃあ、はやい所薬を作ってカイルのところに持って行こうか」
「うん!」
気を散らすためにヴィデロさんが本来の道筋に話を戻してくれたんだけど焦った。俺、今自分がどういうクエストしてるのか忘れるところだった。一刻を争うんだった。幸い昨日の夕方にクエストを受けてからまだ一日も経っていない。これから錬金して薬を持っていけば、少なくとも農園全体が枯れるってことはないはずだ。
俺たちはまたも全力で俺の工房まで走った。
ジャンピングスネークがどこにいるのかイマイチわからなかった俺は、今度はヴィデロさんに案内されて森を走った。
途中二人でスタミナポーションを飲み、俺の鞄に入っていた街の屋台で買っていたパンを二人で食べ、腹ごなししたところでまた進む。
俺達のデートはスタミナが命だな。スタミナが切れたらイって(逝って)しまう。ごめん、思春期なんだよ。規制かかってるから余計にな!
途中出てきた狼やらウサギやらを蹴散らしながら、ようやくヴィデロさんの言う蛇地帯にたどり着く。なんでも、ここでジャンピングスネークに襲われて、毒に侵されながら瀕死の状態で街にたどり着く人が結構いるんだとか。だから門番さんは毒消しは必須なんだって。今も腰のポーチに入ってるらしい。毒消しと、ハイポーション。道中足を動かしながら聞いた話によると、門番さんのところには国から薬類が支給されるらしいんだけど、その薬類がかなり粗悪なもので、良心的な衛兵の上の人の場合、こっそりギルドやクラッシュの店から仕入れているらしい。今ヴィデロさんの上についている上司はそういうの理解がある人で、クラッシュの店からこっそり仕入れているんだそうだ。使い終わった粗悪品の瓶を洗浄して、クラッシュにこれに作れと頼み込むらしい。やるな。
だから一瞬だけ俺が作ったポーションを使ってくれてるのか? なんて嬉しくなったけど勘違いだった。俺は普通の瓶に入れてるからなあ。今度俺の印でも作って貼り付けてみようかな。「M」とか。……まんまマックになるからやめとこう。雄太にスマイルも売るのかよとかツッコまれそうだし。
少しだけ歩調を緩め、ツタのぶら下がる木々の下を早歩きで歩く。探さなくても勝手に襲ってくるらしいんだけど。
一瞬がさっと音がした瞬間、上からシャーっと口を開けた蛇がとびかかってくる。
「わっ!」
俺が驚いてる間に、蛇はヴィデロさんの剣の餌食になっていた。ヴィデロさんは倒した後、さっき俺がしていたみたいにポーチを開けて中を覗いた。
「この蛇は『毒蛇の皮』というものを落としたぞ。これじゃないよな」
「あ、うん。欲しいのは『管毒素』っていう錬金術用素材だから、たぶん俺が倒さないと手に入らないんだ。でも攻撃方法はわかったし、ヴィデロさんはそっちを襲う蛇を相手しててもらってもいい?」
「わかった。もし何かあったらすぐに言ってくれ」
「ありがとうっ! っと」
話してる間にも蛇は次々襲ってくる。これは確かにやられるよ。っていうかどうしてこんな危ない道を通るんだ? その瀕死で街にたどり着く人。
だってこんな迂回しなくても街道はしっかりと整備されてるし。
それにしてもNPCもちゃんとドロップ品は直に荷物に入ってるんだなあ。解体とかないからどうなのかなって思ってたけど、一つ謎が解けた。
なんてことを考えてる間にも、間をおかずに蛇が降ってくる。これは一撃で殺らないと囲まれる系だよな。そしたら身体中がぶがぶ噛み付かれてゴーゴンの頭みたいな状態で死に戻り……あ、想像したら鳥肌が。ウネウネ怖い。
心の中で、ウギャーやべえよーやだよー! と悲鳴を上げながら剣を思わず突き出すと、狙いが完璧に正確な蛇は、正確に俺の剣に自ら飛び込んできた。あれ。
これってもしかして。
ふと思いついたことを実行してみる。
がさっと音がして、出てくるところを一瞬前に教えてくれるんだから、そっちに剣先を向けたらいけるんじゃね?
と、がさっとした瞬間剣を向けると、出来たよ、蛇の串刺し。これは面白い。反応が遅くなると剣が上がりきる前に攻撃されて噛みつかれると思うけど、レベルが多少上がって反応速度早くなってたら、この蛇そんなに苦戦しないんじゃね?
まあ、第三の街の森でそこまで苦戦する魔物ってのも勘弁なんだけど。
だんだん面白くなってきて、思わず刺さった瞬間あははと笑いながら次々串刺しにしていった俺は、たぶん100年の恋も冷めるレベルのヤバい奴だったと思う。ちらっと見たヴィデロさんは、ちゃんと剣で切って優雅にかっこよく立ち回ってたから俺一人でとってもヤバい奴。救いはヴィデロさんも蛇をいなすのに必死でこっちを見る余裕がないことじゃないかな、コイもサメルからな!
そして何匹倒したかわからないほどの蛇もそろそろ品切れらしく、だんだんと降ってくる頻度が減ってきた。
そしてやっぱり終わりに差しかかり気の抜ける俺。
ちゃんと素材が手に入ってなかったらヤバいなあ、って思ってインベントリをちらっとしたのが悪かったらしい。がさっとした方向に剣を向けるのが間に合わず、蛇が俺の腕に嚙みついた。痛え!
「マック!」
ヴィデロさんが慌てて俺の手に食いついていた蛇を切って捨てた。
噛まれたところがちょっと変色してるから、毒になったな。毒消し出さないと。なんて思いながら蛇をさばき、とうとう一匹も降ってこなくなったところでこの場所を移動することにした。
インベントリはしっかりと確認。あったよ、管毒素。かなーりインベントリに詰まってたよ。一番多いかも。こんなに要らない。
湿地帯を抜けたあたりで、少し足を緩めた。瞬間、くらりとめまいがする。
揺れた身体を、ヴィデロさんが支えてくれた。
「毒を受けていたならそう言ってくれ……!」
「ごめん、ありがと。今キュアポーション出すから……」
言い終わる前に、ヴィデロさんがポーチの中から毒消しを取り出した。
そして、瓶のふたを開けて。
あれ?
なんで自分の口に含んでるの、ヴィデロさん?
でもって、なんでこんなところでキスするの、ヴィデロさん?
あああー……口の中に苦い毒消しが流し込まれてくる。これってあれかな。前にハイポーションを口移しで飲ませたことの意趣返し?
苦いよーー……。でも全然毒くらってないヴィデロさんも苦いのかと思うと、申し訳ないというか苦いのなんか関係なくなるというかなんて言うか……ヴィデロさんの舌が気持ちいいよ……。
「あ……っ、ンぅ……」
毒のくらくらは引いたんだけど、なんか違うくらくらが襲ってくる。
ええと、ここ、フィールドなんだけど。誰かに見られる可能性大なんだけど。
途中から明らかに俺の舌を味わってるヴィデロさんの腕を叩くと、ヴィデロさんはハッとしたように口を離してくれた。
「すまなかった。頭に血が上って……」
頭に血が上るって……怒ってたの? ヴィデロさん怒ってたのか?!
「マックがあんまりにも無茶をするから」
「あ、ええと、すいません……」
確かにヴィデロさんの活躍はほぼなかったけれども。と素直に謝ったら、ヴィデロさんは少しだけ苦い笑顔で「違うんだ」と答えた。
「マックが思った以上に強いのはわかった。でも、戦い方が無謀すぎるのが心配で。でも俺はいつもは一緒に行くことも出来ないし、そんな自分に腹が立って。誰よりもマックを守りたいのに……」
「ヴィデロさん……」
謝らせるつもりはなかったんだ、と苦笑するヴィデロさんに、思わずべたっとひっつく。
なんかもう。この間から思いっぱなしだけど、ヴィデロさんいい男過ぎて胸が痛い。こんな人が俺を好きでいてくれるなんて、どんな奇跡。同性だとか全然関係ないくらい、嬉しい。
「じゃあ、はやい所薬を作ってカイルのところに持って行こうか」
「うん!」
気を散らすためにヴィデロさんが本来の道筋に話を戻してくれたんだけど焦った。俺、今自分がどういうクエストしてるのか忘れるところだった。一刻を争うんだった。幸い昨日の夕方にクエストを受けてからまだ一日も経っていない。これから錬金して薬を持っていけば、少なくとも農園全体が枯れるってことはないはずだ。
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