最高の人生を(ADOバレンタイン番外編)

朝陽天満

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3、料理の合間に

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 家に帰り着くと、俺は早速エプロンを身に着けてキッチンに立った。貰った花束はすぐに花瓶に入れて、リビングのテーブルの上に飾ってある。花の種類はあんまり詳しくないけれど、オレンジ色のガーベラとピンクのバラ、そして黄色い小さめのユリの花とかカスミソウが綺麗にまとめられたその花束はとても可愛いと思う。俺のイメージそのままの花束だったんだっていうのは帰り道で聞いたヴィデロさんの言葉。俺、こんな可愛らしいのかな。ヴィデロさんが俺を可愛いって思ってくれてるのは嬉しいけど、やっぱり複雑。

 下ごしらえをしていた食材を取り出して、オーブンを温め始め、色々と手を加えてオーブンに突っ込むと、今度はスープを作るための野菜を切り分け。

 気付くと真横でヴィデロさんが俺を見下ろしていた。



「何か手伝うことはあるか?」

「ううん、大丈夫。少しはゆっくりしていて」

「でも一人だと暇なんだ。それだったらケンゴと一緒に何かをしたい。だから、何かを手伝わせてくれ」



 ううう、きゅんとする。一緒にキッチンとか嬉しすぎて俺頑張れる。

 野菜を切ったりするのは一緒にキッチンに立つようになってからかなり上達したので、俺は野菜カットを任せることにして、次の作業にかかった。





 そうして出来た沢山の料理。 

 途中ヴィデロさんとキスしたり、焼き上がる間待ち時間でちょっとエッチな戯れをして、スープがちょっと煮立っちゃってあわてて味を調えたりしたのは内緒。

 そんな感じで出来上がった料理の数々に、ヴィデロさんはとても満足そうな顔をしていた。決して途中ヴィデロさんのいたずらに我慢できなくってちょっとだけヴィデロさんと繋がったからじゃない、と思いたい。とても気持ちよかったけれど! ちょっと物足りないなんて思ってないから!



 メインの鳥の香草焼きをテーブルの中央付近にセットする。鳥を丸焼きできる程大きなオーブンは、俺が引っ越してからヴィルさんがぜひこれでご飯を作って欲しいと入れてくれたお高いオーブンだ。なんでも焼けるのが凄いと思う。これを使っちゃうと実家のオーブンじゃ物足りなくなる。

 ヴィデロさんも一緒に、テーブルセッティングをしてくれた。いつもよりもかなり飾りつけも頑張ったし、花も飾ってあるからか、リビングの大きなテーブルはとても豪華になった。きちんと並べられたカトラリーが凄く雰囲気を出している。

 ヴィデロさんは満足そうにテーブルを見る俺にチュッとキスをくれると、兄を呼んでくる、と言って部屋を出ていった。







 四人での晩餐はとても楽しかった。

 佐久間さんは目を輝かせて鳥の足に齧り付き、テーブルマナーがばっちりのヴィデロさん兄弟に白い目で見られながらワイルドスタイルを貫いた。

 飲み物は、ヴィルさんがワインを、佐久間さんが目の前でフルーツ酎ハイを作り、皆でお酒を飲んだ。俺もちょっとだけ飲んだけれど、すぐに顔が熱くなったのでヴィデロさんに取り上げられてしまった。

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