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本編※R-18

行きずり

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吸血鬼さんが来る前の悪魔くん




 はぁ......はぁ......

 だるい。気持ち悪い。目が霞む。息がしづらい。胸が、苦しい。魔力、......ない。

「最近、枯渇が早いなぁ......」

 セフレがいた時期もあったけど、今はそういう相手もいない。まぁそれなら、その都度見つければ良い。魔力をくれる奴。オレを抱いてくれる奴。
 この辺は治安が悪いから、声をかければ寄ってくる奴はいくらでもいる。ほら、ちょうどそこに、薬物かなんかキメて、ぼーっと座ってる奴。

「はぁ、うっ......苦しいぃ~」

 座り込む男の目の前でわざとらしくよろける。男はまだこちらには目もくれない。それなら......

「お兄さん......ちょっと、介抱してよ......?」

 弱々しく倒れかかる。魔力は乏しいけど、少しだけ人を誘惑する魔法を使う。オレと目を合わせれば、こいつは......

「あぁ......?借金なんてしらねえぞ、あっちいけぇ!」

 焦点の合わない目。全く見当違いの言葉を吐いて、突き飛ばされる。

「なんだよもう......ラリってて効かないじゃん、魔法」

 失敗。だめなときもあるな、オレはそそくさとその場を離れた。早く魔力がほしい。ラリっててもなんでもいいんだけど......

「金ねえのかぁ!?ならケツ出せや」

「なんでぼくをっ......」

 ......ん?
 向こうのほうから怒声と、弱々しい声。カツアゲをされているようだが、尻を出せ、と聞こえた。
 __チャンス!オレはほとんど何も考えず、声のする曲がり角を曲がった。

「オッサン、何してんの、こんな隅っこで」

「ひぃぃ......!」

 思った通り、小柄な若い男がチンピラに絡まれていた。腕を掴まれ、半ベソをかいているその青年は、突如現れたオレをチンピラの仲間だと思ったのか、さらに怯え出した。
 オレが赤い髪でヤンキーみたいだからって、見かけで判断すんなよ。

「こいつに正当に、金を要求してるだけだっつうの。首突っ込むなや」

「オッサンがそいつを離すなら、オレがケツ出してやってもいいけど?」

「なんだと?」

 ゲイのチンピラはちょっと動揺して、鼻息荒くオレをじろじろ見た。値踏みするつもりか。頭の先からつま先まで、何度も行ったり来たりする。オレはにやりと目を細めて、チンピラに流し目を送る。

「ふん......まぁいいだろう。こいつより素直そうだ。......てめえはさっさと失せろ!」

「うわぁぁ......!」

 チンピラに投げ出された青年は気弱な叫び声を上げて、一目散に駆けて行った。......全く、こんな裏通りに何の用で来たんだか。

「おい、さっさとケツ出せよ」

「......せっかちだなぁ。......はぁ、何?もう出そうなわけ?」

「生意気な。つーか荒い息して言えることか?」

 はぁ......はぁ。確かに、もう魔力量の限界が来てるからね。そろそろやばい。
 オレはするりとズボンを下ろすと、ざらざらした石の壁に手を付いた。道を風が通り抜け、剥き出しの皮膚を冷やしていく。

「細い腰だなァ、折れちまうんじゃないか?」

 チンピラはガチャガチャとなかなか外せないベルトにいらつきながら、自分のブツを出した。チラッと見遣ると、すでに立ち上がりかけているなかなか大きそうなソレが見える。

「おれは見てるから、てめえで解せ」

 なかなか横柄な奴だ。まぁカツアゲをした上セックスを要求するなんて、とんでもねえ奴でしかないけど。

「ふぅん。しっかり見てなよね」

 つー、自分の肌を両手の指でお腹、腰、お尻となぞっていき、尻の割れ目に到達する。人差し指と中指で尻をこじ開け、菊門に指を立てる。

「あぁ、そうだ」

 今まさに挿れんとしていた指をチンピラの口元に持っていき、だらしない半開きの中に押し込む。

「ほぐっ、......は?」

 べったりと唾液がつく。その指を再度尻穴へ。ぷすっ、と一本挿せば、たちまちチンピラ男の唾液から魔力が体内に沁み渡る。

「んっ......ぐっ......」

 ぐちっ、ぬちっ、と指でナカをかき混ぜていく。日頃慣らしているから、とろとろになるのは早い。チンピラ男にもそれが分かったようだ。熟れつつある尻の穴に釘付けになったまま、鼻息荒く自分のブツを扱く手を激しくする。

「......ふぅ。はい、できたよ。どうする?イれたい?」

「ごちゃごちゃ言ってないで早く後ろ向け!」

 チンピラの余裕ない様子ににやりと笑って、オレは壁に手を付き後ろに尻を突き出した。

「はい、どう......」

 ずこっ!
 勢いよく最初の一突き。ものの見事にほとんど全部を挿し込まれ、オレは衝撃に身体をのけ反らせる。

「んんっ、......オッサン、じょうず」

「はン、これくらいで」

 ずぶ、ずぶ、とどんどん奥に入ってくる。イけるとこまで挿れる気か。じわじわと迫る感覚。イイね、もっと。

「あぁ、柔らけえっ......柔らけえっ。ニンゲンじゃねえみたいだ」

 そりゃ人間じゃないからね。オレは楽しくなってついギュウギュウと締め付ける。魔力、早く魔力を。

 ずんっ、ずんっ。何度も何度も、突きまくられる。ガクガクと身体を揺さぶられて、本当に腰が折れそうだ。

「あああっ、もうイきそうだ。なんだこいつのナカ、温かくて、女より柔らかくて......とんだ淫魔だな」

「せいかいっ。オッサン、イきすぎて頭の血管千切れんなよ......っ」

 ぶるっ、と背中が、腰が震える。大量に入ってくる精液に歓喜の身震いをする。はぁ......魔力が満ちる。

「ふぅ......ふふふふ。はぁ。......オッサン?満足した?」

 肩越しに振り返ると、チンピラ男はオレのナカに挿れたまま、恍惚とした表情で余韻に浸っていた。

「大満足みたいだね。それじゃ、オレも満足したから、もう行くよ」

 手早く服を着て、バイバイ、と手を振った。魔力補充完了。あのオッサン、オレに堕ちちゃったかな。
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