それでは今から可愛い悪魔の話をします

モウキンルイ

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短めな話

お留守番

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*魔女さん目線。悪魔くんがショタの「昔の話」のころの話。






「出かけてくるねー」

 2人の背中に声をかける。シアンと天使は今日は2人で何やら熱中しているらしく、2人だけの世界でわいわい騒いでいる。
 まだ2人とも小さいので、留守番を頼むときはちゃんと言ってから出るようにしている。さらに、待たせてしまって寂しい思いをするといけないからと、お土産を買って帰ることも多い。
 しかし......

「ボク、シフォンケーキ!」

「レアチーズね、オレ」

 お土産を察した幼い2人は、いつになく素早い動きでくるっと振り返ると、早口で注文をまくしたてた。

「んもう、あったら買ってくるね。なかったら適当に買うよ」

 そう言いつつ頼んだら注文通りのものを買ってきてくれることを、この子たちは知っている。こりゃ、留守番を寂しがってなんていないな。
 やれやれと肩をすくめて、私は出て行った。




ガチャ

「ただいまー、って......あ」

 買い出しから戻ると、部屋は静かだった。出かけるとき楽しそうにはしゃいでいた天使とシアンの声がしない。帰ったのかな、と思って中を覗くと、ちゃんといた。
 2人して仲良く寝ていた。私のコレクションしている本を持ってきて読んでいたらしく、ページは開きかけだ。途中で眠くなってしまったのだろう。今はすぅすぅと寝息を立てている。
 2人にそっと毛布をかけて、買ってきたケーキを冷蔵庫にしまった。
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