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如月紫苑の事情
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※過去回想で、BLモブレを示唆する描写があります。
前世の話を、少ししよう。
ごくごくありふれた中流階級の家に、三兄弟の真ん中に生まれた俺は、成績もそこそこで部活に明け暮れるバスケ少年だった。
県内でもそれなり強豪校だったウチには、絶対的エースってのがいた。
吉川春翔。ポイントガードでチームの司令塔。アイツの手にかかれば、いつのまにか綺麗にパス回しが完遂され、フリーになっていた選手の手元にボールがついている。たまにアイツはエスパーなんじゃないかって思うくらいには。
ちなみに俺は、シューティングガード。某バスケ漫画の緑の人みたいな発想で、スリーポイント入れまくれば勝てるじゃん!っていう超絶短絡的な思考の元、ひたすらシュート練習をしていた。
でも実際、スリーバカスカ入ると勝てるからな。春翔の奴も、俺がフリーになった瞬間ボール回してくるし。そういう意味では、シュート技術を信頼してくれてるんだろう。
なんで春翔の話をしたかと言えば、俺が死んだ原因が、「春翔のストーカーに、春翔と間違われて誘拐されて、首絞められて殺されたから」だ。
無事に高校を卒業し、地元の大学に入学した。春翔も同じ大学に受かっていて、親交が続いていた。
そして、事件の日。
元々春翔と俺の背格好が似ていたのと、その日偶然アイツに借りたジャケットを羽織っていたせいで間違えたようだ。
しかもあんまり言いたくないんだが、誘拐された時に、人違いに気づいて逆上された誘拐犯に犯されている。
マジふっざけんなよ。なんで勝手に間違えといて、キレてレイプされた末に殺されなきゃいけないんだ。
春翔が無事だったのは、まあよかったんだが、だからといって俺が殺されてよかったわけじゃない。アイツは大事な友人だが、命大事にってのが一番だろ。
そんなこんなで悪役令嬢に転生したわけだが、何故か嫌がらせを繰り返していたはずの金髪美少女ーーーもとい、アリス・イストワールに好かれていた。
確かに俺が心を入れ替えて、潔く今までの嫌がらせの数々を詫び、アリスが受け入れたので、関係は良くなっている。
断罪イベントも、どういうわけかアリスが俺とそういうプレイ(???)に興じていたのだと言い出し、そして言いくるめてしまって納められた。
ちょっと意味がわからないですね……助かったのはありがたいけど。
いやでも、「シオン様、今日も美しいですわ。魔法で私だけの檻に閉じ込めてしまいたいくらい……♡」などと意味わからんことまで言い始めている。
「シオン!」
今日も今日とて、アリスにべったりくっつかれていると、般若の顔をした王子ーーーハル・アルバートが凄まじい勢いで走ってきた。
王子様がしていい顔じゃない。
「やあ、シオン。今日も美しいね。体の調子はどうだい?」
「あー、うん、節々が痛い……デス」
「無理をさせてしまったからね」
昨晩も王子にアンアン啼かされていたせいで、どことなく喉も痛い。執事のセバスチャンがそっと差し入れてくれたのど飴っぽいものを舐めていた。
「今夜も、いいかな?」
「いや、勘弁してください」
いや王子、元気すぎるだろ。
断罪イベント(平和的解決)が終わったその晩、王子の寝室に連れ込まれて、私刑に処されるやつか……?と戦々恐々していたら、押し倒された。
それからというもの、頻繁にヤッている。王子様の息子、めちゃくちゃデカイんだよね……裂けるかと思ったわ。ギリギリ無事だったけど。
前世の話を、少ししよう。
ごくごくありふれた中流階級の家に、三兄弟の真ん中に生まれた俺は、成績もそこそこで部活に明け暮れるバスケ少年だった。
県内でもそれなり強豪校だったウチには、絶対的エースってのがいた。
吉川春翔。ポイントガードでチームの司令塔。アイツの手にかかれば、いつのまにか綺麗にパス回しが完遂され、フリーになっていた選手の手元にボールがついている。たまにアイツはエスパーなんじゃないかって思うくらいには。
ちなみに俺は、シューティングガード。某バスケ漫画の緑の人みたいな発想で、スリーポイント入れまくれば勝てるじゃん!っていう超絶短絡的な思考の元、ひたすらシュート練習をしていた。
でも実際、スリーバカスカ入ると勝てるからな。春翔の奴も、俺がフリーになった瞬間ボール回してくるし。そういう意味では、シュート技術を信頼してくれてるんだろう。
なんで春翔の話をしたかと言えば、俺が死んだ原因が、「春翔のストーカーに、春翔と間違われて誘拐されて、首絞められて殺されたから」だ。
無事に高校を卒業し、地元の大学に入学した。春翔も同じ大学に受かっていて、親交が続いていた。
そして、事件の日。
元々春翔と俺の背格好が似ていたのと、その日偶然アイツに借りたジャケットを羽織っていたせいで間違えたようだ。
しかもあんまり言いたくないんだが、誘拐された時に、人違いに気づいて逆上された誘拐犯に犯されている。
マジふっざけんなよ。なんで勝手に間違えといて、キレてレイプされた末に殺されなきゃいけないんだ。
春翔が無事だったのは、まあよかったんだが、だからといって俺が殺されてよかったわけじゃない。アイツは大事な友人だが、命大事にってのが一番だろ。
そんなこんなで悪役令嬢に転生したわけだが、何故か嫌がらせを繰り返していたはずの金髪美少女ーーーもとい、アリス・イストワールに好かれていた。
確かに俺が心を入れ替えて、潔く今までの嫌がらせの数々を詫び、アリスが受け入れたので、関係は良くなっている。
断罪イベントも、どういうわけかアリスが俺とそういうプレイ(???)に興じていたのだと言い出し、そして言いくるめてしまって納められた。
ちょっと意味がわからないですね……助かったのはありがたいけど。
いやでも、「シオン様、今日も美しいですわ。魔法で私だけの檻に閉じ込めてしまいたいくらい……♡」などと意味わからんことまで言い始めている。
「シオン!」
今日も今日とて、アリスにべったりくっつかれていると、般若の顔をした王子ーーーハル・アルバートが凄まじい勢いで走ってきた。
王子様がしていい顔じゃない。
「やあ、シオン。今日も美しいね。体の調子はどうだい?」
「あー、うん、節々が痛い……デス」
「無理をさせてしまったからね」
昨晩も王子にアンアン啼かされていたせいで、どことなく喉も痛い。執事のセバスチャンがそっと差し入れてくれたのど飴っぽいものを舐めていた。
「今夜も、いいかな?」
「いや、勘弁してください」
いや王子、元気すぎるだろ。
断罪イベント(平和的解決)が終わったその晩、王子の寝室に連れ込まれて、私刑に処されるやつか……?と戦々恐々していたら、押し倒された。
それからというもの、頻繁にヤッている。王子様の息子、めちゃくちゃデカイんだよね……裂けるかと思ったわ。ギリギリ無事だったけど。
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