30 / 165
◆ 一章一話 池田屋の桜 * 元治元年 六月
対峙
しおりを挟む
土方の背も二階の闇に消え、近藤の指示で再び隊士達がそれぞれ動き始めた時。階段の前で立ち尽くしていた斎藤は、誰かに軽く背を叩かれた。
「あの松平って奴、悪い奴じゃないよ、ホント。いてくれて助かったんだ」
振り返ると、にんまりと目を細めた永倉が立っていた。近藤や愁介同様、汚れてはいるが元気そうだ。
「しかもかなり使えるね。クセがあるけど、うちにはあんまりいなかった手合いかも」
言って、永倉は満足げに腰に手を当てた。
かと思いきや、ぴくりとこめかみを引きつらせ、「っ痛」と呻いた。その右手には、血濡れのたすきが包帯代わりにぐるぐる巻きにされている。
「怪我を……?」
「ああ、ちょっと油断した。いかんねー、俺としたことが」
右手を顔の前に上げた永倉は、親指の付け根をなぞるように左の人差し指を動かした。ばつが悪そうに「ざっくりとね」と肩をすくめる。
「でも平気さね。ちょっぴし痛いだけで指は動くし、今後にも支障は出ないでしょうよ。たぶん、縫うのは縫うけど」
「そうですか……何よりです。他の人は?」
「ん」
問うた途端、永倉は寂しげに目を伏せて、土間の脇へと視線を送った。
「……奥沢が死んだ。安藤と新田もかなりの重症だ」
戸板が四つ並べられており、一番隅に乗せられた者の上には布がかけられていた。恐らく、あれが奥沢だろう。隣に並んで寝ている安藤と新田も、こちらに足を向けていて表情は見えないが、胸の上下が激しく、離れていてもぜいぜいと荒れた呼吸が聞こえてきそうだ。三名とも、立場は平隊士でありながら決して弱くはなかったのだが……。
順に視線を送って、もう一人、並んで横になっている人物の存在に気が付いた。やはり顔は見えないが、その隊士だけは呼吸も静かで、ただ眠っているだけのようにも見える。
「ああ、あれは平助」
問う前に、永倉があっけらかんと答えた。
「あいつの怪我は、俺と一緒で大したことないよ。出血は多いけど、ホントそれだけ。ここにね、勲章が増えたのよ」
ここ、と額を指差して、永倉は悪戯っぽく歯を見せて笑った。
すると会話が聞こえたようで、藤堂が横になったまま右手を挙げて軽く振った。そして拳を握り、地面と垂直に二度ほど上下させる。
「元気元気!」という、藤堂らしい明るい声が聞こえるようだった。
「斎藤くん」
そこで近藤に声をかけられた。
振り向くと、数名が斎藤の視線とすれ違うように脇を通り、二階へ駆け上がっていく。
「二階を頼めるか。今行った者達に灯りを持たせたから、後の指示は土方に任せてくれればいい。裏にいる隊士には、私から指示を出そう」
歩み寄ってきた近藤に、促すように肩を叩かれた。
「承知しました」
一礼すると、永倉が「俺も行こうか?」と自身を指差す。
近藤は慌てた様子で首を横に振った。
「おいおい、馬鹿を言うな。お前は先に出て治療を受けてくれ。安藤達も、今から外へ運ぶから」
心配している様子が見て取れ、永倉はそのことに申し訳なさそうに、そして少し照れくさそうにはにかんで見せる。
「へぇい、すんません」と首をすくめて、素直に従って去っていった。
斎藤も「では」と踵を返す。下駄を履いたままなので、階段を上る音がゴツ、ゴツと硬く響いた。
二階に着くと、廊下の奥、突き当たりの部屋の前で座り込んでいる沖田がいた。その傍らにしゃがみ込んで、何やら話している土方もいる。
愁介の姿は見えなかったが、階段の横手と後ろからは、倒れた浪士達を検分し、あるいは縛り捕らえているのであろう隊士達の声が聞こえた。
斎藤が真っ直ぐ向かうと、たどり着く前に、土方が肩に沖田の腕を担ぐようにして立ち上がった。支えられて立った沖田は、いつになくおぼつかない足取りでふらりと一歩を踏み出す。
「……沖田さん?」
声をかけると、土方が「おう」と視線を寄越し、沖田も続いてのろりと顔を上げた。
沖田の顔には血の気がなかった。薄暗がりの中で浮き上がって見えるほど蒼白だ。
斎藤は思わず足を止めた。貫いていた無表情を、わずかにしかめてしまう。
「……どこか、怪我を?」
「ぶっ倒れたらしい」
土方が不機嫌そうにぼそりと答えた。
「暑気当たりの貧血です、すみません……」
意識はしっかりしているようで、沖田自身がそう付け加えた。しかしハハハと眉を下げて笑うが、力はない。
「下に連れてってくる。お前は他の奴らと一緒に、生きてる奴をふん縛って、ひとつの部屋にまとめておいてくれ。死人は後で確認する」
「わかりました。……松平殿は?」
斎藤は声をひそめ、あらゆる意味を込めて問うた。
土方は歩き出しかけた足を止めて、斎藤を見返した。一瞬だけ困惑したように瞳を揺らめかせ、何かを逡巡するような間が空く。
「……奥にいる。倒した敵を捕らえているはずだ、手伝ってやれ」
静かに指示すると、土方は「行くぞ」と沖田に声をかけ、斎藤の隣をすり抜けていった。
離れていく二人の足音をしばらく聞いた後、斎藤も改めて奥に向けて歩き出す。
釈然としないモヤが胸中に湧く。「手伝ってやれ」とは、とんだ命令だ。つまりそれは、斬るなと――差し置けと言う意味だ。
何故なのか。
沖田がかばい、近藤が感謝を示し、永倉が認めていた。しかし、何が明らかになったわけでもない。土方が呼ばれた「愁介からの話」とやらも気になるが、複雑な土方の表情から察するに、それとて何が納得できたわけでも、ないのではなかろうか。
何者か。何が目的なのか。
混乱に乗じてうやむやにされる前に、つまびらかにすべきではないのか――。
襖が開け放たれたままの敷居をまたぎ、斎藤は最奥の部屋に足を踏み入れた。入ってすぐの視界に相手は見当たらず、左右に首を振る。
と、右手奥、よその料亭と隣接した壁にある格子窓の前に、愁介の姿を見つけた。そればかりか、愁介は戦闘で破れたのであろう格子の穴から、外に出て行こうとしているではないか。
「――どちらへ?」
剣呑な声をかけると、弾かれたように振り返った愁介が「げ」と顔をしかめた。
その一瞬で間を詰め、斎藤は抜き放った白刃の切っ先を愁介の鼻先に突きつけた。
「……土方さんに、あなたは『倒した敵を捕らえている』と伺いましたが」
「ああ、うん。……いや、会津兵がもうすぐ来るかもなぁと思って……」
愁介は、刃から逃れるように首を後ろに反らす。
が、斎藤はずいと腕を出し、隙を許さなかった。
「……はい、あの……ちょっと待った。これ、本気でやってる? 冗談じゃなく?」
冷や汗を滲ませながら、愁介は窓枠にかけていた足をゆっくり下ろした。刃に意識を向けつつも、静かに斎藤へ向き直る。
「冗談に見えますか」
「見えないね、困ったことに」
鋭く目を細めた斎藤の視線を真っ向から受け止めて、愁介は眉尻を下げた。言葉を探しているのか、所在なく視線を上げ下げする。が、口を開閉させるばかりで何も出ない。
「……加勢には礼を言います。しかし、それとこれとは別です。あなたは何者ですか? 答えてください」
無言の間がじれったくて、斎藤は先に問うた。威圧するように、さらに近く刀を突きつけて。
ところが、途端に愁介は「へっ?」と素っ頓狂な声を上げた。
「えっ……疑問、そこ? 怒ってるんじゃないの?」
随分ずれた返答に、何の話かと斎藤は目をすがめる。
「怒る……? ええ、そうですね、憤慨していますよ。よもや容保様のご落胤を名乗るなど……あの方に落胤などおられません。無礼にも程が」
「おぉ!? 待った! もしかしてお前……。……えっ、そういうもんなの?」
斎藤を遮り、愁介は唖然と言葉を詰まらせた。そして何故か、まるで傷付いたかのように唇を震わせる。
訳のわからない言動に、斎藤は顔をしかめた。その瞬間、
目の前から、唐突に愁介が消えた。
「あの松平って奴、悪い奴じゃないよ、ホント。いてくれて助かったんだ」
振り返ると、にんまりと目を細めた永倉が立っていた。近藤や愁介同様、汚れてはいるが元気そうだ。
「しかもかなり使えるね。クセがあるけど、うちにはあんまりいなかった手合いかも」
言って、永倉は満足げに腰に手を当てた。
かと思いきや、ぴくりとこめかみを引きつらせ、「っ痛」と呻いた。その右手には、血濡れのたすきが包帯代わりにぐるぐる巻きにされている。
「怪我を……?」
「ああ、ちょっと油断した。いかんねー、俺としたことが」
右手を顔の前に上げた永倉は、親指の付け根をなぞるように左の人差し指を動かした。ばつが悪そうに「ざっくりとね」と肩をすくめる。
「でも平気さね。ちょっぴし痛いだけで指は動くし、今後にも支障は出ないでしょうよ。たぶん、縫うのは縫うけど」
「そうですか……何よりです。他の人は?」
「ん」
問うた途端、永倉は寂しげに目を伏せて、土間の脇へと視線を送った。
「……奥沢が死んだ。安藤と新田もかなりの重症だ」
戸板が四つ並べられており、一番隅に乗せられた者の上には布がかけられていた。恐らく、あれが奥沢だろう。隣に並んで寝ている安藤と新田も、こちらに足を向けていて表情は見えないが、胸の上下が激しく、離れていてもぜいぜいと荒れた呼吸が聞こえてきそうだ。三名とも、立場は平隊士でありながら決して弱くはなかったのだが……。
順に視線を送って、もう一人、並んで横になっている人物の存在に気が付いた。やはり顔は見えないが、その隊士だけは呼吸も静かで、ただ眠っているだけのようにも見える。
「ああ、あれは平助」
問う前に、永倉があっけらかんと答えた。
「あいつの怪我は、俺と一緒で大したことないよ。出血は多いけど、ホントそれだけ。ここにね、勲章が増えたのよ」
ここ、と額を指差して、永倉は悪戯っぽく歯を見せて笑った。
すると会話が聞こえたようで、藤堂が横になったまま右手を挙げて軽く振った。そして拳を握り、地面と垂直に二度ほど上下させる。
「元気元気!」という、藤堂らしい明るい声が聞こえるようだった。
「斎藤くん」
そこで近藤に声をかけられた。
振り向くと、数名が斎藤の視線とすれ違うように脇を通り、二階へ駆け上がっていく。
「二階を頼めるか。今行った者達に灯りを持たせたから、後の指示は土方に任せてくれればいい。裏にいる隊士には、私から指示を出そう」
歩み寄ってきた近藤に、促すように肩を叩かれた。
「承知しました」
一礼すると、永倉が「俺も行こうか?」と自身を指差す。
近藤は慌てた様子で首を横に振った。
「おいおい、馬鹿を言うな。お前は先に出て治療を受けてくれ。安藤達も、今から外へ運ぶから」
心配している様子が見て取れ、永倉はそのことに申し訳なさそうに、そして少し照れくさそうにはにかんで見せる。
「へぇい、すんません」と首をすくめて、素直に従って去っていった。
斎藤も「では」と踵を返す。下駄を履いたままなので、階段を上る音がゴツ、ゴツと硬く響いた。
二階に着くと、廊下の奥、突き当たりの部屋の前で座り込んでいる沖田がいた。その傍らにしゃがみ込んで、何やら話している土方もいる。
愁介の姿は見えなかったが、階段の横手と後ろからは、倒れた浪士達を検分し、あるいは縛り捕らえているのであろう隊士達の声が聞こえた。
斎藤が真っ直ぐ向かうと、たどり着く前に、土方が肩に沖田の腕を担ぐようにして立ち上がった。支えられて立った沖田は、いつになくおぼつかない足取りでふらりと一歩を踏み出す。
「……沖田さん?」
声をかけると、土方が「おう」と視線を寄越し、沖田も続いてのろりと顔を上げた。
沖田の顔には血の気がなかった。薄暗がりの中で浮き上がって見えるほど蒼白だ。
斎藤は思わず足を止めた。貫いていた無表情を、わずかにしかめてしまう。
「……どこか、怪我を?」
「ぶっ倒れたらしい」
土方が不機嫌そうにぼそりと答えた。
「暑気当たりの貧血です、すみません……」
意識はしっかりしているようで、沖田自身がそう付け加えた。しかしハハハと眉を下げて笑うが、力はない。
「下に連れてってくる。お前は他の奴らと一緒に、生きてる奴をふん縛って、ひとつの部屋にまとめておいてくれ。死人は後で確認する」
「わかりました。……松平殿は?」
斎藤は声をひそめ、あらゆる意味を込めて問うた。
土方は歩き出しかけた足を止めて、斎藤を見返した。一瞬だけ困惑したように瞳を揺らめかせ、何かを逡巡するような間が空く。
「……奥にいる。倒した敵を捕らえているはずだ、手伝ってやれ」
静かに指示すると、土方は「行くぞ」と沖田に声をかけ、斎藤の隣をすり抜けていった。
離れていく二人の足音をしばらく聞いた後、斎藤も改めて奥に向けて歩き出す。
釈然としないモヤが胸中に湧く。「手伝ってやれ」とは、とんだ命令だ。つまりそれは、斬るなと――差し置けと言う意味だ。
何故なのか。
沖田がかばい、近藤が感謝を示し、永倉が認めていた。しかし、何が明らかになったわけでもない。土方が呼ばれた「愁介からの話」とやらも気になるが、複雑な土方の表情から察するに、それとて何が納得できたわけでも、ないのではなかろうか。
何者か。何が目的なのか。
混乱に乗じてうやむやにされる前に、つまびらかにすべきではないのか――。
襖が開け放たれたままの敷居をまたぎ、斎藤は最奥の部屋に足を踏み入れた。入ってすぐの視界に相手は見当たらず、左右に首を振る。
と、右手奥、よその料亭と隣接した壁にある格子窓の前に、愁介の姿を見つけた。そればかりか、愁介は戦闘で破れたのであろう格子の穴から、外に出て行こうとしているではないか。
「――どちらへ?」
剣呑な声をかけると、弾かれたように振り返った愁介が「げ」と顔をしかめた。
その一瞬で間を詰め、斎藤は抜き放った白刃の切っ先を愁介の鼻先に突きつけた。
「……土方さんに、あなたは『倒した敵を捕らえている』と伺いましたが」
「ああ、うん。……いや、会津兵がもうすぐ来るかもなぁと思って……」
愁介は、刃から逃れるように首を後ろに反らす。
が、斎藤はずいと腕を出し、隙を許さなかった。
「……はい、あの……ちょっと待った。これ、本気でやってる? 冗談じゃなく?」
冷や汗を滲ませながら、愁介は窓枠にかけていた足をゆっくり下ろした。刃に意識を向けつつも、静かに斎藤へ向き直る。
「冗談に見えますか」
「見えないね、困ったことに」
鋭く目を細めた斎藤の視線を真っ向から受け止めて、愁介は眉尻を下げた。言葉を探しているのか、所在なく視線を上げ下げする。が、口を開閉させるばかりで何も出ない。
「……加勢には礼を言います。しかし、それとこれとは別です。あなたは何者ですか? 答えてください」
無言の間がじれったくて、斎藤は先に問うた。威圧するように、さらに近く刀を突きつけて。
ところが、途端に愁介は「へっ?」と素っ頓狂な声を上げた。
「えっ……疑問、そこ? 怒ってるんじゃないの?」
随分ずれた返答に、何の話かと斎藤は目をすがめる。
「怒る……? ええ、そうですね、憤慨していますよ。よもや容保様のご落胤を名乗るなど……あの方に落胤などおられません。無礼にも程が」
「おぉ!? 待った! もしかしてお前……。……えっ、そういうもんなの?」
斎藤を遮り、愁介は唖然と言葉を詰まらせた。そして何故か、まるで傷付いたかのように唇を震わせる。
訳のわからない言動に、斎藤は顔をしかめた。その瞬間、
目の前から、唐突に愁介が消えた。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
浅井長政は織田信長に忠誠を誓う
ピコサイクス
歴史・時代
1570年5月24日、織田信長は朝倉義景を攻めるため越後に侵攻した。その時浅井長政は婚姻関係の織田家か古くから関係ある朝倉家どちらの味方をするか迷っていた。
日本が危機に?第二次日露戦争
杏
歴史・時代
2023年2月24日ロシアのウクライナ侵攻の開始から一年たった。その日ロシアの極東地域で大きな動きがあった。それはロシア海軍太平洋艦隊が黒海艦隊の援助のために主力を引き連れてウラジオストクを離れた。それと同時に日本とアメリカを牽制する為にロシアは3つの種類の新しい極超音速ミサイルの発射実験を行った。そこで事故が起きた。それはこの事故によって発生した戦争の物語である。ただし3発も間違えた方向に飛ぶのは故意だと思われた。実際には事故だったがそもそも飛ばす場所をセッティングした将校は日本に向けて飛ばすようにセッティングをわざとしていた。これは太平洋艦隊の司令官の命令だ。司令官は黒海艦隊を支援するのが不服でこれを企んだのだ。ただ実際に戦争をするとは考えていなかったし過激な思想を持っていた為普通に海の上を進んでいた。
なろう、カクヨムでも連載しています。
本能のままに
揚羽
歴史・時代
1582年本能寺にて織田信長は明智光秀の謀反により亡くなる…はずだった
もし信長が生きていたらどうなっていたのだろうか…というifストーリーです!もしよかったら見ていってください!
※更新は不定期になると思います。
連合航空艦隊
ypaaaaaaa
歴史・時代
1929年のロンドン海軍軍縮条約を機に海軍内では新時代の軍備についての議論が活発に行われるようになった。その中で生れたのが”航空艦隊主義”だった。この考えは当初、一部の中堅将校や青年将校が唱えていたものだが途中からいわゆる海軍左派である山本五十六や米内光政がこの考えを支持し始めて実現のためにの政治力を駆使し始めた。この航空艦隊主義と言うものは”重巡以上の大型艦を全て空母に改装する”というかなり極端なものだった。それでも1936年の条約失効を持って日本海軍は航空艦隊主義に傾注していくことになる。
デモ版と言っては何ですが、こんなものも書く予定があるんだなぁ程度に思ってい頂けると幸いです。
朝敵、まかり通る
伊賀谷
歴史・時代
これが令和の忍法帖!
時は幕末。
薩摩藩が江戸に総攻撃をするべく進軍を開始した。
江戸が焦土と化すまであと十日。
江戸を救うために、徳川慶喜の名代として山岡鉄太郎が駿府へと向かう。
守るは、清水次郎長の子分たち。
迎え撃つは、薩摩藩が放った鬼の裔と呼ばれる八瀬鬼童衆。
ここに五対五の時代伝奇バトルが開幕する。
土方歳三ら、西南戦争に参戦す
山家
歴史・時代
榎本艦隊北上せず。
それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。
生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。
また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。
そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。
土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。
そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。
(「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です)
永き夜の遠の睡りの皆目醒め
七瀬京
歴史・時代
近藤勇の『首』が消えた……。
新撰組の局長として名を馳せた近藤勇は板橋で罪人として処刑されてから、その首を晒された。
しかし、その首が、ある日忽然と消えたのだった……。
近藤の『首』を巡り、過去と栄光と男たちの愛憎が交錯する。
首はどこにあるのか。
そして激動の時代、男たちはどこへ向かうのか……。
※男性同士の恋愛表現がありますので苦手な方はご注意下さい
戦争はただ冷酷に
航空戦艦信濃
歴史・時代
1900年代、日露戦争の英雄達によって帝国陸海軍の教育は大きな変革を遂げた。戦術だけでなく戦略的な視点で、すべては偉大なる皇国の為に、徹底的に敵を叩き潰すための教育が行われた。その為なら、武士道を捨てることだって厭わない…
1931年、満州の荒野からこの教育の成果が世界に示される。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる