柚月さんの好きなところ。

第一章：結婚式

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誰が予想しただろう。
昔からいじめられっ子で、目立たなくて、陰キャで、トロイと言われていた、
古川柚月こがわゆづきが、まさか結婚をするだなんて。
学生時代を知る、柚月の周囲は本当に驚いていた。

両親を早くに亡くした柚月には、親代わりに鈴川家と暮らしていた。
そこには柚月の一つ下の美人な鈴川未来すずかわみらいがいる。
仲睦まじく周囲には演じていたが、実際には未来は柚月をネチネチといじめたり、
柚月の好きな人をわざと目の前で勝手にキスやらなにやらしていた。
未来に敵わないと悟っている柚月は何度も恋愛が出来なかった。

それから恋愛に臆病になってしまって、柚月はひたすら独り身だった。

学校時代はそれはそれは窮屈で、息がつまる生活だったが、
柚月は自立したくてわざと自宅から遠い街で暮らしたいと義父と義母に内緒で相談していた。
結果は、反対だった。

未来の話をしようとも思ったが、自分の娘がいじめている、だなんて信じない。
話をしても無駄だと決めつけていた。
１年ほどかけて説得に説得を重ね、見事高校を中退し、一人でひっそりと故郷から離れたのだ。