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第7章:リアライド王国・冒険編
第82話:悪魔の力
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三日後、ナハトたち一同は港町ラーバンに到着した。
ラーバンは陸地側と海に面した港側に分かれており、港側に行くと海の強い塩の臭いが鼻腔をくすぐった。
ウミネコたちがカー、カー、と鳴いている声が響く。
港には帆船が大量に接舷しており、この港では海路を通じた貿易を行う船と客船と海産物を搾取する漁船が一緒くたになって並んでいるようで帆船の群れもよくよく見ればその用途に合わせて微妙に異なった趣を見せていた。
客船、その中でも一際大きな船がナハトの目に入った。どうやら、あれが首都行きの船のようだ。港の様子はナハトの元いた世界と変わりはない。
勿論、全ての船が帆船の港などナハトの世界にはなく、ナハトの世界の港に泊まっているのはフェリーだったが、それでも近い雰囲気がある。ナハトは懐かしむように港の様子を眺めた。そんなナハトにイヴが声をかけてくる。
「ナハト様、随分と遠い目をしていらっしゃいますが……このような港に来た覚えがあるのですか?」
「ああ、まぁね」
積極的に来た訳ではないが、お盆や正月に本島から四国にある父方の実家に帰省する際に通った覚えがある。海の臭いはそれを思い起こさせてくれるものだった。
「ほー、そうかー、ナハトは海の民だったのかー!」
「いや、イーニッド、海の民って言う程のものじゃないよ」
苦笑して否定する。少し港を利用したということがあるだけで海の民だなんておこがましい。
懐かしさだけではなく、新鮮さも感じて、物珍しそうに辺りを見て回るナハト。
イヴやイーニッド、ドラセナやアイネも辺りを珍しそうにキョロキョロと見回していた。
「みんなは港に来るのは初めて?」
ナハトがそう訊ねるとグレース以外の全員が頷いてみせた。
「私たちは初めてですね」
「港町っていうもの自体、来るのは初めてね。なんていうか……独特の活気があるものなのね。交易都市のペルトーセに少し近いものを感じるわ」
「すごく塩の臭いがするね……なんだか新鮮」
「だが、開放的で悪い気はしないぞ!」
イヴ、アイネ、ドラセナ、イーニッドがそう言う。みんな港町は初めてのようだったが、悪い印象は持たなかったようだった。
グレースだけがそんな面々を見守るように、微笑ましそうにしている。そんなグレースにナハトは声をかけた。
「グレースは初めてじゃないんだ?」
「ん? ああ……まぁな。とはいえ、私もナハト殿と同じだ。慣れる程、港に来た覚えがある訳でもない」
とはいえ、辺りをキョロキョロと見回る程でもないということか。
グレースは一際大きな客船――リアライドの首都行きの客船に視線を止めると、「それより早く搭乗手続きを済ませてしまおう」と言った。
「私たちは物見遊山で旅をしている訳ではないのだからな」
「そうだな。さっさと行こう」
グレースの言葉にナハトは頷き、他の面々も頷いてみせる。
船のもとに行くと幸運にも今日、出港という話だった。六人分の乗船券を買い、船に乗る。
一行は港も珍しかった様子だったが、船の中はさらに珍しいようだった。
ナハトとグレース以外の一同は辺りをキョロキョロと見て回っている。ナハトはそうする程ではなかったが、それでもナハトの世界の船との違いに新鮮さを覚えたことは事実だった。
「船の中を見て回るのはいつでもできる。とりあえず客室に荷物を置いてしまおう」
グレースの言葉にみんなは同意し、客室に行く。
六人部屋の大きめの客室が一つ開いているというのでそこを取った。男女同室になってしまうが、一晩だけで首都に到着するというので、それくらいならば、とみんな我慢した形だ。
と、そんなことをしていると船が出港の時間を迎えたようだった。
独特の揺れが船を襲い、帆船が徐々に陸地を離れ、大海原へと旅立っていく。
その様子を一同は甲板に出て、離れて行く陸地を見届けた。
「なんだか不思議な気分ね……陸から離れて海の上を行くなんて……」
それはアイネの言葉だったが、他の一同も同じようなことを思っているようだった。
ナハトとて、船に乗ったことはあるが、慣れている訳ではない。独特の気持ちを覚える。
これで放っておいても目的地に到達するという安心感を抱きつつも、この船に敵は乗船していないのか、という不安感にかられる。
海の上で襲われてしまえば逃げ場はない。流石の連中も船一つを潰すような真似はしないと思いたいところだが……。その不安感が「みんな」と一同に声をかけていた。
「船の上は珍しいところだけど、一人で行動するのは避けるんだ。刺客が送り込まれているのなら一人でいるところを狙ってくるはずだから」
「そうですね。その可能性は高いです」
ナハトの言葉にイヴも同意する。皆、異論はないようだった。
自分たちは狙わるだけの存在。その自覚があるからこそ、ナハトは聖桜剣を腰のベルトに止めて持ち歩いているし、イヴも杖を、イーニッドはガントレットと具足を装備し、グレースはハルバードを背負い、アイネも腰のベルトに氷雪剣を止めている。
ゴルドニアース傭兵団の連中か、ヴァルチザンの人間か、それともベルード伯爵が送り込んできたそれ以外の刺客か。
誰が襲って来るかは分からないが、襲われる可能性がゼロという訳でもない。皆、警戒は当然だった。
とはいえ、常に六人全員が一緒になって動き回る程ではない。一同は一旦、部屋に戻るとそれぞれ一人にならないようにしつつも各々の好き勝手に過ごすことにした。
ドラセナが船の中を見て回りたいと言ったのでナハトはその護衛で一緒に見て回ることにした。
ドラセナは船のあちこちを明るい表情を浮かべて見て回っている。
最初に会った時の冷淡さはそこにはなく、完全に船に興奮し、そして、ナハトに気を許しているからこそできる表情だった。
自分は彼女にこんな表情をさせられるようになった。そう思うとナハトも悪い気分はせず、ナハト自身、物珍しいものを見る気分で船の中を見て回った。
(ん……?)
そんな折、ふと気配を感じた。何者かの気配。自分たちの後ろからまとわり付いてくるような気配を感じる。
ナハトは戦いの素人だった。だが、ここに来るまでの激戦をくぐり抜けてきてそういったものに関する感覚は鋭くなっている。
ドラセナは何も感じていないのか、相変わらず笑顔で船を見て回っている。ナハトはそんなドラセナに「ドラセナ」と声をかけた。
「何、ナハト? 恐い顔して……」
「俺の側を離れるな」
ナハトの様子にドラセナは驚いた顔をしたが、ただならぬ様子を察したのだろう。ナハトの側に体を寄せる。
廊下の角から数人の人間が姿を見せたのはそのすぐ後だった。全員、剣を持っている。
その視線はナハトたちにそそがれていて、ドラセナはビクリ、と体を震わせる。この物々しい雰囲気。間違いなく、自分たちに送り込まれた刺客だ。
「お前たち、何者だ?」
「ドラセナ・エリアスを渡せ」
ナハトの問いに答えることはなく、男たちはそう言う。渡せと言われて渡す訳がなかった。
「ゴルドニアース傭兵団……じゃないな。ってことはベルード伯爵の送り込んできた刺客か。俺たちはお前たちの王様に招待されて首都に行く途中だ。そこを襲うなんてのは自分たちの国に逆らうことになるんだぞ? それを分かっているのか?」
「……ドラセナ・エリアスの力は我が国のためにならない」
責めるようなナハトの言葉に男たちは反応した。後ろめたいことをしている自覚はあったのだろう。
「ドラセナ・エリアス……想力を身に秘めた魔女め。お前が我が国に来ることは決して我が国のためにならない」
「……っ!」
魔女、と言われたことにドラセナの表情が悲痛に歪む。「お前!」とナハトは声を荒げていた。
「ドラセナ・エリアスを渡さないというのなら、力づくで奪い取るまでだ」
そう言い、男たちは抜刀し、こちらに向かって迫り来る。
ナハトも聖桜剣を抜き放った。男たちの武器は全員、ただの剣のようだった。
数に任せて襲ってくるが、ドラセナをかばいながらでも全員を蹴散らすのは聖桜剣を持つナハトには容易いことだった。
あっという間に襲撃者たちは地に伏せることになった。
すぐさまナハトは仲間たちとこの船の船員に連絡した。仲間たちと船員たちはすぐにやって来て、自分たちを襲った男たちを拘束してもらう。
捕縛されながらも男たちはドラセナに対する呪詛の言葉を述べることはやめなかった。
「ドラセナ・エリアス! 呪われし、悪魔の力を宿した女! この国から出て行け!」
「貴様!」
グレースが言葉を荒らげる。ナハトとしても同じ気持ちだったが、今は捕縛された男たちに怒気を向けるより、それを言われたドラセナを気にかけることが先だった。
「魔女……悪魔の力……わたしは……」
ドラセナは青い顔をして、震えている。そんなドラセナにナハトは声をかけた。
「こんなヤツらの言うことなんて気にするな。ドラセナは魔女でも悪魔でも、なんでもないよ」
「……う、うん……」
とはいえ、全く気にするな、というのも無理な話のようだった。
ドラセナはナハトの言葉に頷きつつも、やはり顔色は悪い。ナハトだけではなく他の仲間たちもドラセナに声をかける。
それでも、完全に自分に向けられた言葉を振り切れているようにはナハトには見えなかった。
そんなドラセナの様子を心配しつつも、夜の帳が下りたので客室に戻り、横になる。
他にも刺客が送り込まれているかもしれないということで交代で見張りを立てて、眠ることになった。
幸いにもそれから先、刺客が襲って来ることはなく、朝を迎えると共に船はリアライドの首都に辿り着いた。
一晩眠っても、ドラセナの表情が晴れないままだったのが、ナハトには気になったが。
ラーバンは陸地側と海に面した港側に分かれており、港側に行くと海の強い塩の臭いが鼻腔をくすぐった。
ウミネコたちがカー、カー、と鳴いている声が響く。
港には帆船が大量に接舷しており、この港では海路を通じた貿易を行う船と客船と海産物を搾取する漁船が一緒くたになって並んでいるようで帆船の群れもよくよく見ればその用途に合わせて微妙に異なった趣を見せていた。
客船、その中でも一際大きな船がナハトの目に入った。どうやら、あれが首都行きの船のようだ。港の様子はナハトの元いた世界と変わりはない。
勿論、全ての船が帆船の港などナハトの世界にはなく、ナハトの世界の港に泊まっているのはフェリーだったが、それでも近い雰囲気がある。ナハトは懐かしむように港の様子を眺めた。そんなナハトにイヴが声をかけてくる。
「ナハト様、随分と遠い目をしていらっしゃいますが……このような港に来た覚えがあるのですか?」
「ああ、まぁね」
積極的に来た訳ではないが、お盆や正月に本島から四国にある父方の実家に帰省する際に通った覚えがある。海の臭いはそれを思い起こさせてくれるものだった。
「ほー、そうかー、ナハトは海の民だったのかー!」
「いや、イーニッド、海の民って言う程のものじゃないよ」
苦笑して否定する。少し港を利用したということがあるだけで海の民だなんておこがましい。
懐かしさだけではなく、新鮮さも感じて、物珍しそうに辺りを見て回るナハト。
イヴやイーニッド、ドラセナやアイネも辺りを珍しそうにキョロキョロと見回していた。
「みんなは港に来るのは初めて?」
ナハトがそう訊ねるとグレース以外の全員が頷いてみせた。
「私たちは初めてですね」
「港町っていうもの自体、来るのは初めてね。なんていうか……独特の活気があるものなのね。交易都市のペルトーセに少し近いものを感じるわ」
「すごく塩の臭いがするね……なんだか新鮮」
「だが、開放的で悪い気はしないぞ!」
イヴ、アイネ、ドラセナ、イーニッドがそう言う。みんな港町は初めてのようだったが、悪い印象は持たなかったようだった。
グレースだけがそんな面々を見守るように、微笑ましそうにしている。そんなグレースにナハトは声をかけた。
「グレースは初めてじゃないんだ?」
「ん? ああ……まぁな。とはいえ、私もナハト殿と同じだ。慣れる程、港に来た覚えがある訳でもない」
とはいえ、辺りをキョロキョロと見回る程でもないということか。
グレースは一際大きな客船――リアライドの首都行きの客船に視線を止めると、「それより早く搭乗手続きを済ませてしまおう」と言った。
「私たちは物見遊山で旅をしている訳ではないのだからな」
「そうだな。さっさと行こう」
グレースの言葉にナハトは頷き、他の面々も頷いてみせる。
船のもとに行くと幸運にも今日、出港という話だった。六人分の乗船券を買い、船に乗る。
一行は港も珍しかった様子だったが、船の中はさらに珍しいようだった。
ナハトとグレース以外の一同は辺りをキョロキョロと見て回っている。ナハトはそうする程ではなかったが、それでもナハトの世界の船との違いに新鮮さを覚えたことは事実だった。
「船の中を見て回るのはいつでもできる。とりあえず客室に荷物を置いてしまおう」
グレースの言葉にみんなは同意し、客室に行く。
六人部屋の大きめの客室が一つ開いているというのでそこを取った。男女同室になってしまうが、一晩だけで首都に到着するというので、それくらいならば、とみんな我慢した形だ。
と、そんなことをしていると船が出港の時間を迎えたようだった。
独特の揺れが船を襲い、帆船が徐々に陸地を離れ、大海原へと旅立っていく。
その様子を一同は甲板に出て、離れて行く陸地を見届けた。
「なんだか不思議な気分ね……陸から離れて海の上を行くなんて……」
それはアイネの言葉だったが、他の一同も同じようなことを思っているようだった。
ナハトとて、船に乗ったことはあるが、慣れている訳ではない。独特の気持ちを覚える。
これで放っておいても目的地に到達するという安心感を抱きつつも、この船に敵は乗船していないのか、という不安感にかられる。
海の上で襲われてしまえば逃げ場はない。流石の連中も船一つを潰すような真似はしないと思いたいところだが……。その不安感が「みんな」と一同に声をかけていた。
「船の上は珍しいところだけど、一人で行動するのは避けるんだ。刺客が送り込まれているのなら一人でいるところを狙ってくるはずだから」
「そうですね。その可能性は高いです」
ナハトの言葉にイヴも同意する。皆、異論はないようだった。
自分たちは狙わるだけの存在。その自覚があるからこそ、ナハトは聖桜剣を腰のベルトに止めて持ち歩いているし、イヴも杖を、イーニッドはガントレットと具足を装備し、グレースはハルバードを背負い、アイネも腰のベルトに氷雪剣を止めている。
ゴルドニアース傭兵団の連中か、ヴァルチザンの人間か、それともベルード伯爵が送り込んできたそれ以外の刺客か。
誰が襲って来るかは分からないが、襲われる可能性がゼロという訳でもない。皆、警戒は当然だった。
とはいえ、常に六人全員が一緒になって動き回る程ではない。一同は一旦、部屋に戻るとそれぞれ一人にならないようにしつつも各々の好き勝手に過ごすことにした。
ドラセナが船の中を見て回りたいと言ったのでナハトはその護衛で一緒に見て回ることにした。
ドラセナは船のあちこちを明るい表情を浮かべて見て回っている。
最初に会った時の冷淡さはそこにはなく、完全に船に興奮し、そして、ナハトに気を許しているからこそできる表情だった。
自分は彼女にこんな表情をさせられるようになった。そう思うとナハトも悪い気分はせず、ナハト自身、物珍しいものを見る気分で船の中を見て回った。
(ん……?)
そんな折、ふと気配を感じた。何者かの気配。自分たちの後ろからまとわり付いてくるような気配を感じる。
ナハトは戦いの素人だった。だが、ここに来るまでの激戦をくぐり抜けてきてそういったものに関する感覚は鋭くなっている。
ドラセナは何も感じていないのか、相変わらず笑顔で船を見て回っている。ナハトはそんなドラセナに「ドラセナ」と声をかけた。
「何、ナハト? 恐い顔して……」
「俺の側を離れるな」
ナハトの様子にドラセナは驚いた顔をしたが、ただならぬ様子を察したのだろう。ナハトの側に体を寄せる。
廊下の角から数人の人間が姿を見せたのはそのすぐ後だった。全員、剣を持っている。
その視線はナハトたちにそそがれていて、ドラセナはビクリ、と体を震わせる。この物々しい雰囲気。間違いなく、自分たちに送り込まれた刺客だ。
「お前たち、何者だ?」
「ドラセナ・エリアスを渡せ」
ナハトの問いに答えることはなく、男たちはそう言う。渡せと言われて渡す訳がなかった。
「ゴルドニアース傭兵団……じゃないな。ってことはベルード伯爵の送り込んできた刺客か。俺たちはお前たちの王様に招待されて首都に行く途中だ。そこを襲うなんてのは自分たちの国に逆らうことになるんだぞ? それを分かっているのか?」
「……ドラセナ・エリアスの力は我が国のためにならない」
責めるようなナハトの言葉に男たちは反応した。後ろめたいことをしている自覚はあったのだろう。
「ドラセナ・エリアス……想力を身に秘めた魔女め。お前が我が国に来ることは決して我が国のためにならない」
「……っ!」
魔女、と言われたことにドラセナの表情が悲痛に歪む。「お前!」とナハトは声を荒げていた。
「ドラセナ・エリアスを渡さないというのなら、力づくで奪い取るまでだ」
そう言い、男たちは抜刀し、こちらに向かって迫り来る。
ナハトも聖桜剣を抜き放った。男たちの武器は全員、ただの剣のようだった。
数に任せて襲ってくるが、ドラセナをかばいながらでも全員を蹴散らすのは聖桜剣を持つナハトには容易いことだった。
あっという間に襲撃者たちは地に伏せることになった。
すぐさまナハトは仲間たちとこの船の船員に連絡した。仲間たちと船員たちはすぐにやって来て、自分たちを襲った男たちを拘束してもらう。
捕縛されながらも男たちはドラセナに対する呪詛の言葉を述べることはやめなかった。
「ドラセナ・エリアス! 呪われし、悪魔の力を宿した女! この国から出て行け!」
「貴様!」
グレースが言葉を荒らげる。ナハトとしても同じ気持ちだったが、今は捕縛された男たちに怒気を向けるより、それを言われたドラセナを気にかけることが先だった。
「魔女……悪魔の力……わたしは……」
ドラセナは青い顔をして、震えている。そんなドラセナにナハトは声をかけた。
「こんなヤツらの言うことなんて気にするな。ドラセナは魔女でも悪魔でも、なんでもないよ」
「……う、うん……」
とはいえ、全く気にするな、というのも無理な話のようだった。
ドラセナはナハトの言葉に頷きつつも、やはり顔色は悪い。ナハトだけではなく他の仲間たちもドラセナに声をかける。
それでも、完全に自分に向けられた言葉を振り切れているようにはナハトには見えなかった。
そんなドラセナの様子を心配しつつも、夜の帳が下りたので客室に戻り、横になる。
他にも刺客が送り込まれているかもしれないということで交代で見張りを立てて、眠ることになった。
幸いにもそれから先、刺客が襲って来ることはなく、朝を迎えると共に船はリアライドの首都に辿り着いた。
一晩眠っても、ドラセナの表情が晴れないままだったのが、ナハトには気になったが。
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