29 / 42
救出2
しおりを挟む
コルネリアたちが法国の国境を越え、自国の村に帰る頃には辺りは薄っすらと日が沈み始めていた。
「不思議だわ」
国境を越えると、あれほど激しかった雨がぴたりと止んだ。びしょ濡れの状態で村へ入ると、村人たちが慌てて村長を連れてきてくれる。
「ヴァルター様!王妃様!何があったんですか?」
目を丸くして驚く村長の後ろから、乾いた布を持った村長の妻が走ってくる。コルネリアたちは礼を言って体を拭く。
「すまないが、1泊泊まらせてもらいたい」
「もちろんそれは大丈夫です。質素な寝床と食事になってはしまいますが、それでよろしければ。それよりも!奥で着替えてください」
村長の家に案内をされ、コルネリアとリューイは2階の部屋に通される。すぐに村長の妻が、着替えの服を持って部屋に来てくれた。
「上等なものではないので、申し訳ないのですが」
「貸していただけるだけで、とてもありがたいですわ。ありがとうございます」
コルネリアが微笑んでお礼を言うと、村長の妻は飛び上がらんばかりに驚く。
「王妃様。お声が出るようになったのですね」
「ええ」
返事をしたコルネリアが寒気を感じ、ぶるっと震えると村長の妻は慌てて部屋から出ようとした。
「すぐに出ますので、着替えてください」
ぱたん、と村長の妻が出ていくと、コルネリアが受け取ったワンピースをリューイに手渡す。ざらりとした手触りの服は確かに質は高くなさそうだが、質素に暮らしてきた二人にとっては特に気にならない。
「さあ。リューイ。着替えたら話を聞かせて」
コルネリアから服を受け取ったリューイが頷く。アイボリー色のワンピースに袖を通し、借りた布で髪の毛を拭く。
簡単に身支度を整えたコルネリアとリューイが階段を降りると、1階にヴァルターたちが集まっていた。
「レオンハルト様!お気づきになられたのですね!」
椅子には第三王子のレオンハルトも座っており、リューイが駆け寄る。
村長のこぢんまりとした部屋の居間は、兵士たちがいるととても窮屈だ。ヴァルターがクルトの方へ目配せをすると、クルトが5人の兵士を連れて外に出た。
これから大切な話が始まる、と気がついたら村長とその妻も、頭を下げて自分の家から出ていった。
「コルネリア。ここに座ってこれを飲むといい」
ヴァルターが隣の椅子をひいて、コルネリアを手招きする。テーブルの上には、温かそうに湯気が立つコップが置いてあった。
「村長の奥さんが湯を入れてくれた。温まるぞ」
「ありがとうございます」
まだ体の芯が冷えているように感じていたコルネリアは、コップのお湯をそっと口に含んだ。
「さて。自己紹介がまだだったな。私はネバンテ国の国王をしているヴァルターだ。コルネリアについては、説明はいらないだろう」
「初めまして。ネバンテの国王。僕は法国第三王子のレオンハルトだよ。今回は僕たちを救ってくれてありがとう」
レオンハルトがそう言って軽く頭を下げる。
「コルネリアの意思に従っただけだ。礼ならコルネリアに」
ヴァルターの無愛想とも取れる返事にコルネリアが慌てると、レオンハルトはコルネリアにウインクをして笑顔をみせた。
「コルネリア。どうもありがとう」
(――相変わらず、何を考えているか分からない方ですわ)
コルネリアが少し顔を引き攣らせてそう思うと、ふざけていたレオンハルトが真剣な表情を浮かべた。
「兄であるパトリックがクーデターを起こしたよ。共犯者で支援者は、我が国の宰相さ」
「宰相といえば、パトリック様のお祖父様に当たる方ですわね」
パトリックとレオンハルトは、母親が違う。パトリックの母は現王妃で宰相の娘だが、レオンハルトの母は側室で子爵家の娘だ。しかも、レオンハルトの母はすでに亡くなっている。
水色の髪と目を持つレオンハルトは、生まれながらに次期国王が決まっていた。しかし、王宮内で権力を持つ王妃は、パトリックを王にしたかったのだ。
「父と二番目の兄さんは、一緒に牢屋に捕まっていると聞いた。反対派の貴族や神官も、おそらく抵抗してなければ捕まっているんだと思う」
「聖女たちは?」
コルネリアの言葉には、リューイが答えた。
「不穏な気配を感じていたユーリエ様が、修行と偽って全員を領土へ避難させてくれています。国にとどまると危ないから、みんなを連れてカタリーナ姉さんの国に行くって言ってました」
リューイの言葉にほっと胸を撫で下ろす。
(――みんなでカタリーナ姉さんの国まで移動するのは大変だけど、きっと女神様が私を導いてくれたように助けてくださるわ)
「これからのことだが。どうするつもりだ?」
ヴァルターの言葉にレオンハルトが黙る。なんとかパトリックからは逃げ切ることができたが、今法国に戻れば確実に殺されるだろう。また、リューイは帝国へ無理やり嫁がされるはずだ。
「ヴァルター様。よろしいでしょうか?」
コルネリアが発言をすると、ヴァルターが頷き全員がコルネリアを見た。
「レオンハルト様は、女神様が認めた法国の次期国王ですわ。女神様は必ず第三王子を保護するように、と言われるはずです。私たち聖女は女神様の意思に従いたいと思っていますわ」
「私もコルネリアさんと同意見です。付け加えるならば、レオンハルト様が万が一にでも亡くなると、女神様の怒りは世界中に及ぶと思います」
リューイの言葉にコルネリアがぞっとして、身を震わせる。女神をよく知る二人の聖女は、第三王子が死ねば世界中に神罰を行う女神の姿が容易に想像できた。
「今は公にレオンハルト殿を支援するとは言えない。だが、内密に保護することはできる」
「ヴァルター殿。感謝する」
レオンハルトがそう言うと、彼の隣で静かに座っていたホルガーが安堵のため息を漏らした。
コルネリアたちは村で一泊すると、次の日には無事ヴァルターの屋敷がある首都へと帰ることができた。
「不思議だわ」
国境を越えると、あれほど激しかった雨がぴたりと止んだ。びしょ濡れの状態で村へ入ると、村人たちが慌てて村長を連れてきてくれる。
「ヴァルター様!王妃様!何があったんですか?」
目を丸くして驚く村長の後ろから、乾いた布を持った村長の妻が走ってくる。コルネリアたちは礼を言って体を拭く。
「すまないが、1泊泊まらせてもらいたい」
「もちろんそれは大丈夫です。質素な寝床と食事になってはしまいますが、それでよろしければ。それよりも!奥で着替えてください」
村長の家に案内をされ、コルネリアとリューイは2階の部屋に通される。すぐに村長の妻が、着替えの服を持って部屋に来てくれた。
「上等なものではないので、申し訳ないのですが」
「貸していただけるだけで、とてもありがたいですわ。ありがとうございます」
コルネリアが微笑んでお礼を言うと、村長の妻は飛び上がらんばかりに驚く。
「王妃様。お声が出るようになったのですね」
「ええ」
返事をしたコルネリアが寒気を感じ、ぶるっと震えると村長の妻は慌てて部屋から出ようとした。
「すぐに出ますので、着替えてください」
ぱたん、と村長の妻が出ていくと、コルネリアが受け取ったワンピースをリューイに手渡す。ざらりとした手触りの服は確かに質は高くなさそうだが、質素に暮らしてきた二人にとっては特に気にならない。
「さあ。リューイ。着替えたら話を聞かせて」
コルネリアから服を受け取ったリューイが頷く。アイボリー色のワンピースに袖を通し、借りた布で髪の毛を拭く。
簡単に身支度を整えたコルネリアとリューイが階段を降りると、1階にヴァルターたちが集まっていた。
「レオンハルト様!お気づきになられたのですね!」
椅子には第三王子のレオンハルトも座っており、リューイが駆け寄る。
村長のこぢんまりとした部屋の居間は、兵士たちがいるととても窮屈だ。ヴァルターがクルトの方へ目配せをすると、クルトが5人の兵士を連れて外に出た。
これから大切な話が始まる、と気がついたら村長とその妻も、頭を下げて自分の家から出ていった。
「コルネリア。ここに座ってこれを飲むといい」
ヴァルターが隣の椅子をひいて、コルネリアを手招きする。テーブルの上には、温かそうに湯気が立つコップが置いてあった。
「村長の奥さんが湯を入れてくれた。温まるぞ」
「ありがとうございます」
まだ体の芯が冷えているように感じていたコルネリアは、コップのお湯をそっと口に含んだ。
「さて。自己紹介がまだだったな。私はネバンテ国の国王をしているヴァルターだ。コルネリアについては、説明はいらないだろう」
「初めまして。ネバンテの国王。僕は法国第三王子のレオンハルトだよ。今回は僕たちを救ってくれてありがとう」
レオンハルトがそう言って軽く頭を下げる。
「コルネリアの意思に従っただけだ。礼ならコルネリアに」
ヴァルターの無愛想とも取れる返事にコルネリアが慌てると、レオンハルトはコルネリアにウインクをして笑顔をみせた。
「コルネリア。どうもありがとう」
(――相変わらず、何を考えているか分からない方ですわ)
コルネリアが少し顔を引き攣らせてそう思うと、ふざけていたレオンハルトが真剣な表情を浮かべた。
「兄であるパトリックがクーデターを起こしたよ。共犯者で支援者は、我が国の宰相さ」
「宰相といえば、パトリック様のお祖父様に当たる方ですわね」
パトリックとレオンハルトは、母親が違う。パトリックの母は現王妃で宰相の娘だが、レオンハルトの母は側室で子爵家の娘だ。しかも、レオンハルトの母はすでに亡くなっている。
水色の髪と目を持つレオンハルトは、生まれながらに次期国王が決まっていた。しかし、王宮内で権力を持つ王妃は、パトリックを王にしたかったのだ。
「父と二番目の兄さんは、一緒に牢屋に捕まっていると聞いた。反対派の貴族や神官も、おそらく抵抗してなければ捕まっているんだと思う」
「聖女たちは?」
コルネリアの言葉には、リューイが答えた。
「不穏な気配を感じていたユーリエ様が、修行と偽って全員を領土へ避難させてくれています。国にとどまると危ないから、みんなを連れてカタリーナ姉さんの国に行くって言ってました」
リューイの言葉にほっと胸を撫で下ろす。
(――みんなでカタリーナ姉さんの国まで移動するのは大変だけど、きっと女神様が私を導いてくれたように助けてくださるわ)
「これからのことだが。どうするつもりだ?」
ヴァルターの言葉にレオンハルトが黙る。なんとかパトリックからは逃げ切ることができたが、今法国に戻れば確実に殺されるだろう。また、リューイは帝国へ無理やり嫁がされるはずだ。
「ヴァルター様。よろしいでしょうか?」
コルネリアが発言をすると、ヴァルターが頷き全員がコルネリアを見た。
「レオンハルト様は、女神様が認めた法国の次期国王ですわ。女神様は必ず第三王子を保護するように、と言われるはずです。私たち聖女は女神様の意思に従いたいと思っていますわ」
「私もコルネリアさんと同意見です。付け加えるならば、レオンハルト様が万が一にでも亡くなると、女神様の怒りは世界中に及ぶと思います」
リューイの言葉にコルネリアがぞっとして、身を震わせる。女神をよく知る二人の聖女は、第三王子が死ねば世界中に神罰を行う女神の姿が容易に想像できた。
「今は公にレオンハルト殿を支援するとは言えない。だが、内密に保護することはできる」
「ヴァルター殿。感謝する」
レオンハルトがそう言うと、彼の隣で静かに座っていたホルガーが安堵のため息を漏らした。
コルネリアたちは村で一泊すると、次の日には無事ヴァルターの屋敷がある首都へと帰ることができた。
40
お気に入りに追加
2,664
あなたにおすすめの小説
実家を追放された名家の三女は、薬師を目指します。~草を食べて生き残り、聖女になって実家を潰す~
juice
ファンタジー
過去に名家を誇った辺境貴族の生まれで貴族の三女として生まれたミラ。
しかし、才能に嫉妬した兄や姉に虐げられて、ついに家を追い出されてしまった。
彼女は森で草を食べて生き抜き、その時に食べた草がただの草ではなく、ポーションの原料だった。そうとは知らず高級な薬草を食べまくった結果、体にも異変が……。
知らないうちに高価な材料を集めていたことから、冒険者兼薬師見習いを始めるミラ。
新しい街で新しい生活を始めることになるのだが――。
新生活の中で、兄姉たちの嘘が次々と暴かれることに。
そして、聖女にまつわる、実家の兄姉が隠したとんでもない事実を知ることになる。
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。

婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます
今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。
しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。
王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。
そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。
一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。
※「小説家になろう」「カクヨム」から転載
※3/8~ 改稿中
【完結】追放された元聖女は、冒険者として自由に生活します!
蜜柑
ファンタジー
レイラは生まれた時から強力な魔力を持っていたため、キアーラ王国の大神殿で大司教に聖女として育てられ、毎日祈りを捧げてきた。大司教は国政を乗っ取ろうと王太子とレイラの婚約を決めたが、王子は身元不明のレイラとは結婚できないと婚約破棄し、彼女を国外追放してしまう。
――え、もうお肉も食べていいの? 白じゃない服着てもいいの?
追放される道中、偶然出会った冒険者――剣士ステファンと狼男のライガに同行することになったレイラは、冒険者ギルドに登録し、冒険者になる。もともと神殿での不自由な生活に飽き飽きしていたレイラは美味しいものを食べたり、可愛い服を着たり、冒険者として仕事をしたりと、外での自由な生活を楽しむ。
その一方、魔物が出るようになったキアーラでは大司教がレイラの回収を画策し、レイラの出自をめぐる真実がだんだんと明らかになる。
※序盤1話が短めです(1000字弱)
※複数視点多めです。
※小説家になろうにも掲載しています。
※表紙イラストはレイラを月塚彩様に描いてもらいました。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる