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幼少期の推し編
推しのためにせっせと働く妖精2
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テレポートで部屋に戻ると、椅子にちょこんと座り真剣そうにベルるんが本を読んでいる。
集中しているみたいだし、先にお薬作っちゃおうかな。
私が帰ったことに気がついていないようなので、気つけ薬を作ることにする。
「調合」
ベルるんに聞こえないように小さくつぶやくと、見慣れた画面がぴょんと現れる。
作る個数を5に設定して、調合ボタンを押す。すると、目の前にぽんっと瓶に入った青色の薬が現われた。
この瓶はどこから?と疑問には感じたものの、とっても便利なので気にしないことする。
5個ともアイテムボックスにしまうと、ベルるんのところへ近づく。
声かけようか、と悩んでいると気配を感じたのか、ベルるんが顔を上げてこちらを見た。
「アリサ!おかえり!」
ぱたん、と本を閉じて立ち上がると、ぱたぱたとこちらへ走り寄る。
んんん!かわいい!
「ベルるん本当に可愛いね」
「え?初めて言われたよ」
私の言葉に、照れと戸惑いが半分ずつ混じったような表情を浮かべるベルるん。
「いや、本当に!ベルるんは存在するだけで尊くて可愛いから!」
「あ、ありがとう。そういえば、薬はできたの?」
「ばっちり!ウィスティアの森で材料を集めてきて、さっき作ったよ」
手で丸の形を作って言うと、ベルるんはウィスティアの森という単語に反応した。
「ウィスティアの森…。僕もそこに行くことってできないよね?」
「どうして?」
「侍女の子が昔家族とウィスティアの森の入り口でピクニックしたって聞いたことがあるんだ。あ、もちろん。無理なら大丈夫だよ!」
無理なら大丈夫、と言いながらも、ベルるんの表情から期待が満ち溢れている。
「僕、生まれてから1回もこのお屋敷の外に出たことがないんだ。だから、ピクニックしてみたくて」
「行こう!今日行こう!」
ベルるんの言葉に思わず、食い気味でそう言う。
だって10歳くらいの子なのに、侯爵家の一人息子なのに、1回もお出かけしたことなかっただなんて。
「本当?大丈夫かな?」
「大丈夫!せっかくだから、お弁当持って行こう!モンスターもいない綺麗な湖もあったから水遊びもできるよ」
そう言うと、ぱぁっとベルるんの表情が明るくなる。
気つけ薬をヨスの作る大量のスープに混ぜて、そのついでに簡単にサンドイッチを作って持って行くことにする。
「それじゃあ準備してくるから、ベルるんもうちょっと待っててね」
「うん!うん!僕ちゃんと待っとくよ」
ピクニックに行けることがよっぽど嬉しいのか、ベルるんは何度も頷きながらそう言った。
急いでやることやらないと!
私は早く用事を済ませるため調理場へ向かう。
ベルるんの部屋を出て、廊下を曲がったところでニナと知らない男性が歩いているのを見かけた。
あれは誰だろう?
ステータスを見ると特記事項に、偽医者、詐欺師の文字がある。
おそらく侯爵夫人の診察をしている医者も、叔父の息がかかった偽物なんだろう。
絶対に悪事を明らかにして、ベルるんのこと幸せにするから。待ってろよ。
と、ニナと偽医者の2人を睨み、調理場へ急いだ。
調理場へ行くと、今日も大きな鍋にスープができており、ちょうどヨスがかき混ぜているところだ。
ヨスのステータスを確認すると、魅了がまた付いている。おそらく、朝ニナに会ってしまったんだろう。
量も多いし、2つ入れてみようかな?
きゅぽん、と蓋を開けて、2つ透明化をさせている気つけ薬を入れていく。
青色の気つけ薬だけれど、スープ自体の色は変わっていない。
「味は…うん。こんなもんだろう」
ちょうどヨスが味見をしたので、ステータスを確認する。
魅了は、解けてる!この多さのスープなら2個でいけそう。
気つけ薬の効果が分かったので、後はニナのネックレスをどうにかするだけだ。
結果に満足してうんうん、と頷く。
気つけ薬の効果も分かったことだし、ベルるんとのピクニックのものを準備しよう。
せっかくなら喜んで欲しいから、美味しそうな食材ないかな?
と思いながら周りをキョロキョロ見ると、今朝に焼いたであろうロールパンがある。
ロールパンをアイテムボックスに入れると、部屋の隅にある大きな冷蔵庫の前にパタパタと羽を動かして移動する。
ヨスが冷蔵庫に背中を向けた時にパッと開ける。ハムとチーズらしきものがあったので、とりあえず出して透明化する。
味見をすると、塩味が濃いめのチーズとハムだった。
調理場の未使用ナイフを拝借して、アイテムボックスからパンを出し、真ん中を割りチーズとハムを挟む。
結構塩味が強いから、味付けはなくても美味しそうだね。
出来上がったサンドイッチをアイテムボックスに入れる。
再びヨスが背中を向けた時に、冷蔵庫を開けて飲み物を探す。
林檎の絵柄がついた瓶があるため、それも透明化して出す。
コルクを抜いて、コップに入れて少し飲んでみる。
美味しいリンゴジュースだ!これなら、ベルるんも喜びそう。
リンゴジュースもアイテムボックスに入れて、これで準備完了だ。
推しの喜ぶ顔を思い浮かべるだけで、にやにやしてしまう。
ニヤける表情を引き締めて、ベルるんの待つ部屋に急いで戻った。
集中しているみたいだし、先にお薬作っちゃおうかな。
私が帰ったことに気がついていないようなので、気つけ薬を作ることにする。
「調合」
ベルるんに聞こえないように小さくつぶやくと、見慣れた画面がぴょんと現れる。
作る個数を5に設定して、調合ボタンを押す。すると、目の前にぽんっと瓶に入った青色の薬が現われた。
この瓶はどこから?と疑問には感じたものの、とっても便利なので気にしないことする。
5個ともアイテムボックスにしまうと、ベルるんのところへ近づく。
声かけようか、と悩んでいると気配を感じたのか、ベルるんが顔を上げてこちらを見た。
「アリサ!おかえり!」
ぱたん、と本を閉じて立ち上がると、ぱたぱたとこちらへ走り寄る。
んんん!かわいい!
「ベルるん本当に可愛いね」
「え?初めて言われたよ」
私の言葉に、照れと戸惑いが半分ずつ混じったような表情を浮かべるベルるん。
「いや、本当に!ベルるんは存在するだけで尊くて可愛いから!」
「あ、ありがとう。そういえば、薬はできたの?」
「ばっちり!ウィスティアの森で材料を集めてきて、さっき作ったよ」
手で丸の形を作って言うと、ベルるんはウィスティアの森という単語に反応した。
「ウィスティアの森…。僕もそこに行くことってできないよね?」
「どうして?」
「侍女の子が昔家族とウィスティアの森の入り口でピクニックしたって聞いたことがあるんだ。あ、もちろん。無理なら大丈夫だよ!」
無理なら大丈夫、と言いながらも、ベルるんの表情から期待が満ち溢れている。
「僕、生まれてから1回もこのお屋敷の外に出たことがないんだ。だから、ピクニックしてみたくて」
「行こう!今日行こう!」
ベルるんの言葉に思わず、食い気味でそう言う。
だって10歳くらいの子なのに、侯爵家の一人息子なのに、1回もお出かけしたことなかっただなんて。
「本当?大丈夫かな?」
「大丈夫!せっかくだから、お弁当持って行こう!モンスターもいない綺麗な湖もあったから水遊びもできるよ」
そう言うと、ぱぁっとベルるんの表情が明るくなる。
気つけ薬をヨスの作る大量のスープに混ぜて、そのついでに簡単にサンドイッチを作って持って行くことにする。
「それじゃあ準備してくるから、ベルるんもうちょっと待っててね」
「うん!うん!僕ちゃんと待っとくよ」
ピクニックに行けることがよっぽど嬉しいのか、ベルるんは何度も頷きながらそう言った。
急いでやることやらないと!
私は早く用事を済ませるため調理場へ向かう。
ベルるんの部屋を出て、廊下を曲がったところでニナと知らない男性が歩いているのを見かけた。
あれは誰だろう?
ステータスを見ると特記事項に、偽医者、詐欺師の文字がある。
おそらく侯爵夫人の診察をしている医者も、叔父の息がかかった偽物なんだろう。
絶対に悪事を明らかにして、ベルるんのこと幸せにするから。待ってろよ。
と、ニナと偽医者の2人を睨み、調理場へ急いだ。
調理場へ行くと、今日も大きな鍋にスープができており、ちょうどヨスがかき混ぜているところだ。
ヨスのステータスを確認すると、魅了がまた付いている。おそらく、朝ニナに会ってしまったんだろう。
量も多いし、2つ入れてみようかな?
きゅぽん、と蓋を開けて、2つ透明化をさせている気つけ薬を入れていく。
青色の気つけ薬だけれど、スープ自体の色は変わっていない。
「味は…うん。こんなもんだろう」
ちょうどヨスが味見をしたので、ステータスを確認する。
魅了は、解けてる!この多さのスープなら2個でいけそう。
気つけ薬の効果が分かったので、後はニナのネックレスをどうにかするだけだ。
結果に満足してうんうん、と頷く。
気つけ薬の効果も分かったことだし、ベルるんとのピクニックのものを準備しよう。
せっかくなら喜んで欲しいから、美味しそうな食材ないかな?
と思いながら周りをキョロキョロ見ると、今朝に焼いたであろうロールパンがある。
ロールパンをアイテムボックスに入れると、部屋の隅にある大きな冷蔵庫の前にパタパタと羽を動かして移動する。
ヨスが冷蔵庫に背中を向けた時にパッと開ける。ハムとチーズらしきものがあったので、とりあえず出して透明化する。
味見をすると、塩味が濃いめのチーズとハムだった。
調理場の未使用ナイフを拝借して、アイテムボックスからパンを出し、真ん中を割りチーズとハムを挟む。
結構塩味が強いから、味付けはなくても美味しそうだね。
出来上がったサンドイッチをアイテムボックスに入れる。
再びヨスが背中を向けた時に、冷蔵庫を開けて飲み物を探す。
林檎の絵柄がついた瓶があるため、それも透明化して出す。
コルクを抜いて、コップに入れて少し飲んでみる。
美味しいリンゴジュースだ!これなら、ベルるんも喜びそう。
リンゴジュースもアイテムボックスに入れて、これで準備完了だ。
推しの喜ぶ顔を思い浮かべるだけで、にやにやしてしまう。
ニヤける表情を引き締めて、ベルるんの待つ部屋に急いで戻った。
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