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ふわふわとした独特な浮遊感。久しぶりに感じるその感覚に花梨は身を任せていた。
『花梨。久しいな』
「龍さん? って、何処に居るの?」
声に気がつき、きょろきょろと周りを見るがただ霧が広がるのみ。
『今日は龍の娘と我が会うのが目的ではないからな』
「え?じゃあ」
きょとんとしたように言う。
『世界の王と会わせる。花梨も良く知っているだろうがヴィラだ』
「う、嬉しいけど。何故急に?」
花梨の問いかけに、少しの沈黙。
『では、な』
「え?ちょ、ちょっと!また無視!?」
花梨がとっさにそう叫んだが、空間から何も返事は返ってこない。
(――忘れてた、そういえば龍さんってすっごいマイペースだったよね)
呆れるように一つため息を付いたとき、微かに空気が揺れた。
「花梨さんー!」
霧の中から嬉しそうに笑みを浮かべて、ヴィラが走ってくるのが見える。
「ヴィラ! 久しぶりだね」
なんだかんだ言っても、再会はやっぱり嬉しいもの。花梨はにこっと笑顔を浮かべた。
「はい!……?花梨さんも今回は、間が開いてたんですか?」
「あ、うん」
そう言って、曖昧な笑みを浮かべた。
正直、ヴィラに龍の娘だと明かして良いのか、花梨には分からなかった。花梨のその表情に、ヴィラが訝しげに眉を顰める。
「何かあったんですか?」
その言葉に思わず花梨は俯く。ますます意味が分からない、とばかりにヴィラは首をかしげてから、花梨の顔を覗き込んだ。
「花梨さん?」
「あ~、んっとね。実は……」
居心地悪げに視線をそらした後、決意したように花梨はヴィラと目線をあわせた。
「私、龍の娘になっちゃったみたい」
「あ、え?龍の娘……え!」
ぱっと目を見開いた後で、パチパチと数度瞬き。お~、まつげ長いな! といらないことまで花梨の頭によぎってしまう。
「花梨さんが……って言う事は今こちらの世界に?」
その言葉には無言で頷いた。ヴィラは暫く考えるように黙り込んだ。
「でも、私は普通に生きたいと思うんだよ。龍の娘って言っても。怪我が治せたり天候を変えることが出来たり。それくらいしか出来ないから」
「違う!」
突然大声を出したヴィラに、花梨は驚いたように見つめる。大声を出した本人も、自分の声に少しだけ驚いたようだ。
「ごめん、大きな声を出してしまって。けれど、違うんですよ。龍の娘の最大の力は。そんな事ではないんです」
首を振りながら言われた言葉に、花梨は何も言えずに黙っている。
「龍の娘の最大の力は……?……力は……」
「ヴィラ?」
「声が、出なくなります」
喉を痛そうに抑えて、喘ぐようにそう言った。
「声が?」
「はい。多分龍が止めているのだと思います。花梨さんが自分で気づくようにじゃないでしょうか?」
(――自分で気がつくためって、でも他に力なんて……)
「一番簡単です。龍の娘だからこそ出来ることがあるんです」
そう真剣な表情で言った後、ふっとヴィラは表情を緩めた。
「でも、今は久しぶりの会話を楽しみませんか?龍の娘の事は実際に会ってから話しましょう」
そう言ったヴィラの顔が少しやつれているのを、花梨は今頃になって気がついた。
「ヴィラ、最近忙しいの?」
労わるようにそっと頬を撫でれば、弱弱しい笑みが返ってきた。
「はい。王宮が今真っ二つになっているんです。私達は最初戦争をやめさせるべきだと行動をしてきましたが、どうにも収集がつかなくなっている事に気がつきました。
それで今ではどちらかへ王家が付き、早々に戦を終わらせるように考えが変わったんです」
「勝者を作るんだね?」
その言葉に、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
「はい。何よりも戦争を終わらせなければいけないのですから」
「それで、イガーに付くかツザカに付くか、真っ二つに意見が割れているんだね」
「はい。今のところ実はイガーの方が優勢なんですよ。王族の住む場所がイガーの土地なんです」
その言葉に花梨はんーと首をかしげた。
「イガーの下みたいだね」
その花梨のストレートな言葉に、ヴィラは苦笑した。
「まぁ、イガーとツザカで大陸分けしたのなら私達はイガーの土地。しかし根本的な考え方では、イガーもツガサも私達の土地と言う事になってるんですよ」
「ややこしいね」
ふぅっとため息をついた花梨に、ヴィラは目を細めた。
「今では一部国境にて戦争が起きているだけですが、今後戦地は広がります。だからこそ龍の娘の力は欲しいと思うんですよ」
(――あー。重いなぁ。一般人には重過ぎるよ)
ヴィラの言葉に「無理」とも「分かった」とも返せずに、花梨は視線を落とした。
たとえ龍の娘として表舞台に立ったとしても、どちらかに付くことが出来るだろうか?いやきっと出来ない。だからこそ、花梨は悩んでいる。
「ねぇ。事の発端は何だったの?」
「くだらない事ですよ。それでいて大きい。文化の違いが発端です」
厳しい表情のままそう言い放った。
「文化の違い。それって、ご飯とかの」
ふと花梨の頭の中に、タグミと米屋のやり取りが浮かんだ。
「えぇ。二つは全く異なる文化のために、相成れない。それでも今までは均衡を保ってきていたんです。
ある日、イガーの国を収めるマイヤ殿の次男パック殿が、ツザカ国の長女であるサラ殿に暴言を吐いてしまったんです。
本来ならば、友好を深めようとして両者を呼んで食事会を開いたのですが、それが裏目に出てしまったようです」
「二人の喧嘩で、戦争が始まったの?」
信じられない、とばかりに言う。
「きっかけ、ですね。その後すぐにパック殿が謝罪をすれば良かったのですが、二ヶ月ほど謝罪の言葉を一切口にしませんでした。
それどころか、女官にツザカ国の暴言を吐き、女官の口からその暴言が漏れました。激怒したマイヤ殿が直接乗り込もうというときに、パック殿は狩り中、事故で亡くなりました」
「死んだから、そこで終わりっていう風には」
「なりませんでした」
だろうなぁ。という風に数度頷いた。
(――それにしても、凄い勢いで大人びてる。やっぱり戦争がヴィラを無理やり成長させたのかな)
花梨は言いようの無い感情に、ぐっと唇をかんだ。
「……ヴィラ。私少し考えてみるよ」
「花梨」
ぎゅっと抱きしめられて、花梨は目を閉じた。異性に抱かれればドキドキするものだが、今の状況のせいか。穏やかなものを感じる抱擁だった。
「……ねぇ。今って私何語喋ってる?」
唐突に場の雰囲気を崩すような言葉に、ヴィラの反応は一呼吸遅れる。
「何語って、いつも通り共通語ですよ?」
何を今更、とばかりに言われ、花梨は意識して喋ってみた。
「あ~。三振、本塁打、完封試合……日本語じゃない!」
自分の口から流れるのは、今必死で覚えている言葉だった。
(――このまま、目が覚めても喋れれば良いのに。でもきっとあの龍さんのことだから無理だね)
諦めるようにため息をついて、ふっと目線をあげると真っ赤な肌。
(――んん?)
じーと見てみれば、ヴィラは首筋から耳まで真っ赤に染め上げていた。肌が白いのでよけに目立つ
自分から抱きしめたのにこの反応、花梨は思わず噴出してた。
「なっ?! どうかしましたか?」
「ヴィラこそ。熱でもあるの?」
そう言ってちょいちょいっと耳を触れば、バッと体を離される。
(――ヴィラが照れ屋で純情なのは、今までのでお見通し!)
にたぁっと少女にあるまじき笑顔を浮かべた後、花梨はヴィラに抱きついた。
「わぁ!?」
暴れるヴィラだが、花梨がさらにぎゅうと抱きつくと段々抵抗が弱っていった。
「痛い……」
ヴィラの腕が掠ったときに、わざとらしくそう言えばピタっとヴィラの動きは止まった。うふふ、と怪しげな笑みを浮かべる花梨は心底楽しそうだ。
『楽しんでるところを悪いが、時間だ』
突然響いた声に、驚いて花梨は腕を離した。
「うわ、初めてちゃんとしたお別れ出来るね」
そう言って笑えば、ヴィラも真っ赤な顔のままくすりと笑みを浮かべた。
「確かに。今までずっと中途半端でしたから」
「じゃあ。また、ね?」
「はい」
視線を合わせて笑うと、花梨の意識は遠ざかっていった。
『花梨。久しいな』
「龍さん? って、何処に居るの?」
声に気がつき、きょろきょろと周りを見るがただ霧が広がるのみ。
『今日は龍の娘と我が会うのが目的ではないからな』
「え?じゃあ」
きょとんとしたように言う。
『世界の王と会わせる。花梨も良く知っているだろうがヴィラだ』
「う、嬉しいけど。何故急に?」
花梨の問いかけに、少しの沈黙。
『では、な』
「え?ちょ、ちょっと!また無視!?」
花梨がとっさにそう叫んだが、空間から何も返事は返ってこない。
(――忘れてた、そういえば龍さんってすっごいマイペースだったよね)
呆れるように一つため息を付いたとき、微かに空気が揺れた。
「花梨さんー!」
霧の中から嬉しそうに笑みを浮かべて、ヴィラが走ってくるのが見える。
「ヴィラ! 久しぶりだね」
なんだかんだ言っても、再会はやっぱり嬉しいもの。花梨はにこっと笑顔を浮かべた。
「はい!……?花梨さんも今回は、間が開いてたんですか?」
「あ、うん」
そう言って、曖昧な笑みを浮かべた。
正直、ヴィラに龍の娘だと明かして良いのか、花梨には分からなかった。花梨のその表情に、ヴィラが訝しげに眉を顰める。
「何かあったんですか?」
その言葉に思わず花梨は俯く。ますます意味が分からない、とばかりにヴィラは首をかしげてから、花梨の顔を覗き込んだ。
「花梨さん?」
「あ~、んっとね。実は……」
居心地悪げに視線をそらした後、決意したように花梨はヴィラと目線をあわせた。
「私、龍の娘になっちゃったみたい」
「あ、え?龍の娘……え!」
ぱっと目を見開いた後で、パチパチと数度瞬き。お~、まつげ長いな! といらないことまで花梨の頭によぎってしまう。
「花梨さんが……って言う事は今こちらの世界に?」
その言葉には無言で頷いた。ヴィラは暫く考えるように黙り込んだ。
「でも、私は普通に生きたいと思うんだよ。龍の娘って言っても。怪我が治せたり天候を変えることが出来たり。それくらいしか出来ないから」
「違う!」
突然大声を出したヴィラに、花梨は驚いたように見つめる。大声を出した本人も、自分の声に少しだけ驚いたようだ。
「ごめん、大きな声を出してしまって。けれど、違うんですよ。龍の娘の最大の力は。そんな事ではないんです」
首を振りながら言われた言葉に、花梨は何も言えずに黙っている。
「龍の娘の最大の力は……?……力は……」
「ヴィラ?」
「声が、出なくなります」
喉を痛そうに抑えて、喘ぐようにそう言った。
「声が?」
「はい。多分龍が止めているのだと思います。花梨さんが自分で気づくようにじゃないでしょうか?」
(――自分で気がつくためって、でも他に力なんて……)
「一番簡単です。龍の娘だからこそ出来ることがあるんです」
そう真剣な表情で言った後、ふっとヴィラは表情を緩めた。
「でも、今は久しぶりの会話を楽しみませんか?龍の娘の事は実際に会ってから話しましょう」
そう言ったヴィラの顔が少しやつれているのを、花梨は今頃になって気がついた。
「ヴィラ、最近忙しいの?」
労わるようにそっと頬を撫でれば、弱弱しい笑みが返ってきた。
「はい。王宮が今真っ二つになっているんです。私達は最初戦争をやめさせるべきだと行動をしてきましたが、どうにも収集がつかなくなっている事に気がつきました。
それで今ではどちらかへ王家が付き、早々に戦を終わらせるように考えが変わったんです」
「勝者を作るんだね?」
その言葉に、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
「はい。何よりも戦争を終わらせなければいけないのですから」
「それで、イガーに付くかツザカに付くか、真っ二つに意見が割れているんだね」
「はい。今のところ実はイガーの方が優勢なんですよ。王族の住む場所がイガーの土地なんです」
その言葉に花梨はんーと首をかしげた。
「イガーの下みたいだね」
その花梨のストレートな言葉に、ヴィラは苦笑した。
「まぁ、イガーとツザカで大陸分けしたのなら私達はイガーの土地。しかし根本的な考え方では、イガーもツガサも私達の土地と言う事になってるんですよ」
「ややこしいね」
ふぅっとため息をついた花梨に、ヴィラは目を細めた。
「今では一部国境にて戦争が起きているだけですが、今後戦地は広がります。だからこそ龍の娘の力は欲しいと思うんですよ」
(――あー。重いなぁ。一般人には重過ぎるよ)
ヴィラの言葉に「無理」とも「分かった」とも返せずに、花梨は視線を落とした。
たとえ龍の娘として表舞台に立ったとしても、どちらかに付くことが出来るだろうか?いやきっと出来ない。だからこそ、花梨は悩んでいる。
「ねぇ。事の発端は何だったの?」
「くだらない事ですよ。それでいて大きい。文化の違いが発端です」
厳しい表情のままそう言い放った。
「文化の違い。それって、ご飯とかの」
ふと花梨の頭の中に、タグミと米屋のやり取りが浮かんだ。
「えぇ。二つは全く異なる文化のために、相成れない。それでも今までは均衡を保ってきていたんです。
ある日、イガーの国を収めるマイヤ殿の次男パック殿が、ツザカ国の長女であるサラ殿に暴言を吐いてしまったんです。
本来ならば、友好を深めようとして両者を呼んで食事会を開いたのですが、それが裏目に出てしまったようです」
「二人の喧嘩で、戦争が始まったの?」
信じられない、とばかりに言う。
「きっかけ、ですね。その後すぐにパック殿が謝罪をすれば良かったのですが、二ヶ月ほど謝罪の言葉を一切口にしませんでした。
それどころか、女官にツザカ国の暴言を吐き、女官の口からその暴言が漏れました。激怒したマイヤ殿が直接乗り込もうというときに、パック殿は狩り中、事故で亡くなりました」
「死んだから、そこで終わりっていう風には」
「なりませんでした」
だろうなぁ。という風に数度頷いた。
(――それにしても、凄い勢いで大人びてる。やっぱり戦争がヴィラを無理やり成長させたのかな)
花梨は言いようの無い感情に、ぐっと唇をかんだ。
「……ヴィラ。私少し考えてみるよ」
「花梨」
ぎゅっと抱きしめられて、花梨は目を閉じた。異性に抱かれればドキドキするものだが、今の状況のせいか。穏やかなものを感じる抱擁だった。
「……ねぇ。今って私何語喋ってる?」
唐突に場の雰囲気を崩すような言葉に、ヴィラの反応は一呼吸遅れる。
「何語って、いつも通り共通語ですよ?」
何を今更、とばかりに言われ、花梨は意識して喋ってみた。
「あ~。三振、本塁打、完封試合……日本語じゃない!」
自分の口から流れるのは、今必死で覚えている言葉だった。
(――このまま、目が覚めても喋れれば良いのに。でもきっとあの龍さんのことだから無理だね)
諦めるようにため息をついて、ふっと目線をあげると真っ赤な肌。
(――んん?)
じーと見てみれば、ヴィラは首筋から耳まで真っ赤に染め上げていた。肌が白いのでよけに目立つ
自分から抱きしめたのにこの反応、花梨は思わず噴出してた。
「なっ?! どうかしましたか?」
「ヴィラこそ。熱でもあるの?」
そう言ってちょいちょいっと耳を触れば、バッと体を離される。
(――ヴィラが照れ屋で純情なのは、今までのでお見通し!)
にたぁっと少女にあるまじき笑顔を浮かべた後、花梨はヴィラに抱きついた。
「わぁ!?」
暴れるヴィラだが、花梨がさらにぎゅうと抱きつくと段々抵抗が弱っていった。
「痛い……」
ヴィラの腕が掠ったときに、わざとらしくそう言えばピタっとヴィラの動きは止まった。うふふ、と怪しげな笑みを浮かべる花梨は心底楽しそうだ。
『楽しんでるところを悪いが、時間だ』
突然響いた声に、驚いて花梨は腕を離した。
「うわ、初めてちゃんとしたお別れ出来るね」
そう言って笑えば、ヴィラも真っ赤な顔のままくすりと笑みを浮かべた。
「確かに。今までずっと中途半端でしたから」
「じゃあ。また、ね?」
「はい」
視線を合わせて笑うと、花梨の意識は遠ざかっていった。
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