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トニトの語る第二話 2
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生まれた時に言われた。
そしてことあるごとに言われ続けてきたことだ。
僕とミコーは、お母様の腹の中にいた頃からひとつを分け合ってきた。
人の要素と狼の要素を、綺麗に半分に分けて生まれたんだろうって。
今からずっとずっと前、神話で語られるほど昔のこと。
僕らは『人』と『獣人』という、ふたつの種族だった。
農耕民族だった人と、狩猟民族だった獣人。
価値観も身体能力も習性も違い、衝突を繰り返していたこの二種族が、『大災厄』という天変地異によって絶滅寸前まで追い込まれたことがある。
危機を乗り越えるべく、種を超え交わって生き残ることを選んだ結果、何千年という時間をかけて血は重ねられ、今や僕らは混血種という新たな種族になった。
知者が語ったところによると、人と獣人の設計図は、血を繋げる際に何がしかの規則と優先順位があるらしい。
純血の人と純血の獣人から生まれた子は、まず必ず人になった。
何代か血を重ねているうちに、人同士からでも獣人が生まれたりするようになり、今や誰がどう結婚しても獣人と人、どちらが生まれてくるか分からない。
『遺伝』というものの神秘なのだと、僕らは幼いうちに教えられ、神の設計図は人が手を伸ばしてはならない領域。生まれた我ら人と獣人は、等しく神の愛する民。優劣などないと、学ぶんだ。
僕らは今世に生まれ落ち、一歳を迎えた時に人か獣人かの判定を受けるため、神殿に向かう。
『性別』と呼ばれるその儀式は、王族貴族、平民や流民、神を信じないとする無神の民すら受ける、この世に生まれ出た者の義務。
狼の姿で生まれたミコーは、誰がどう見ても獣人だったから、疑いようもなく『獣人』とされたのだけど、僕は特別鼻の良い大司教に確認してもらってすら……。
「人でございます」
と、告げられた。
だけど……これはありえないことだった。
僕ら混血種は、獣人の血が濃いと複数人を同時に身籠る『複産』になる可能性が高くなる。
だから双子で生まれること自体は、さほど珍しくもないのだけど……。
複産は、腹の中にふたつの部屋が用意され、子を育てる器官もふたつある。文字通り、同時に二人身籠ることを言うんだ。
生まれてくる子は、兄弟程度には似ているものの、特別似すぎるということもなく、種や性別だって同じとは限らない。
だけど僕らの場合、胎盤・羊膜共に同じものを分け合っていたと、出産に立ち会った複数の医師による報告書が残っていた。
これは複産ではなく、一卵性の、まごうことなき双子。
同じものから二人に分かれて生まれてくる、とても珍しい例だった。
けれどそこで、僕を人だと告げた大司教は困惑の表情を浮かべたそう。
「ひとつから二人になった双子の場合……性別も種も、同じであるはずなのですが……」
そのどちらもを、僕らは覆してしまっている。
僕は三度、司祭、司教、大司教の計六人から性別を受けたけれど、人であるという判断は覆らなかった。
また、僕らが複産ではなく、一卵性の双子であることも疑いようがなかった。
出生時に情報の改竄などがないことも、徹底的に調べられ、確認されたからだ。
なにより毛色と瞳色が全く一緒。形は違っても僕らは似ていた。
そして離れていても、何故か互いのことを察する時があった。
◆
「初めての獣化か……おそらく命の危機に身体が生存率の高い姿を取ろうとしたんだろう。ままあることだ。お前だけではないから、安心しなさい」
混乱のあまり暴れる僕を押さえ込みながら、巨躯の男は言い聞かせるように囁いた。
僕は『人』だから、そもそも獣化なんてするわけがないのだけど、この男は僕を獣人だと思ったよう。
「落ち着いて。自分が人だった時の姿をしっかり思い出すんだ。人しか持っていない部分を強く意識しなさい。例えば指や、舌、髪……それがどこにどんなふうにあるか。そこから少しずつ、人の自分の部分の意識を広げる感覚だ」
首周りをトントンと、あやすように叩いたり撫でたりしながら、男は僕を離さない。
狼の体毛越しでもゴツゴツとした硬い手だ。王宮の騎士たちの手と似てる、剣ダコだらけの手の感触と。
誰が僕らを襲撃したか、まだ分からなかった。
こいつが誰かも分からなかったけれど、この人は関係なさそうだと僕は感じていた。
直感なんて当てにならないのに、どういうわけか確信を持って。
それよりも気になるのは、僕を落ち着かせようとしているこの人の言動の方だ。
狼に変貌した者に慣れている反応だと思った。獣化狼は大抵が人の時より大柄になるし、多分今の僕も、ミコーと変わらないくらいになっているはず。
そこら辺の狼なんか比べ物にならないほどに大きいから、慣れてなければ怖いとすら感じるものなのに、暴れる僕を苦もなく押さえ込んでいる。
獣化できるほどに血の濃い獣人って、実はそれほど多くない。
まず、フェルドナレンの総人口のうち、人は六割強、獣人は三割強だと、僕は習った。
その獣人の中で、獣化ができる者は一割にも満たない。
身体を変形させるような特殊技能だから、獣化ができるということはそれだけでもてはやされる。
就職にも有利だし、優遇のある仕事も沢山ある。
例えば郵便業務の配達員や、王宮勤めがそれに当たった。
極端な話、獣化でき、剣が扱えれば騎士にだってなれるんだ。平民の生まれでも、花形である近衛騎狼隊所属すら夢じゃない。
――獣人が多い職に就いてたのかな。
この人自身は獣人じゃない。尾もないし耳もひとのそれ。獣化できるくらい血の濃い獣人は、人の形をとっている時すら獣の特徴が顕著に出ているものだ。
体の部位に狼の特徴を残している。多いのは耳や尾が狼のまま残っている人。
――僕にも特徴はなかった。あれば獣人だって性別されたはずなのに……。
思考の端っこでそう思いつつ、僕は言われるがまま、人の姿の自分を思い出そうとした。
ついこの前、鏡に映したようにそっくりな姿を見てる。人になったミコーの姿を、目に焼き付けているから、想像は容易にできた。
あれに戻るんだ。僕は人で十二年生きてきてるんだから、思い出すなんて簡単なはずだ。
「……よし、ちゃんと戻れたな」
そう言った男が、ポンと僕の頭を撫でた。
「疲れたろう、慣れないうちの獣化は寝込む奴も多い」
言われた通り、身体が非常に重かった。限界まで全力疾走したみたいに息が荒れてるし、明日は全身筋肉痛になる予感がする。
「とりあえず寝なさい。何も気にしなくていいから、まずは傷を治すんだ」
寝たい。怠いし、疲れた……。だけどミコーを探さなきゃ……追手だって来るはずだ。
「大丈夫。奴らはお前がもっとずっと下流に流されたと思っているからな」
本当?
「あぁ。万が一来ても上手く誤魔化してやる」
それを聞けて僕は、ホッと肩の力を抜いた。
ひどく疲れていた僕は、聞いた男の言葉にある違和感を、見事に聞き流してしまっていたことに、気づいてなかったんだ。
おそらく……中途半端に人に戻っちゃった弊害。獣化は脳が本能に引っ張られ、単純化してしまう。
この慣れない獣化に、起きた後の僕は振り回されることになるんだけど……この時はまだ、自分がちゃんと人に戻りきれてないことにすら、気づいていなかった。
そしてことあるごとに言われ続けてきたことだ。
僕とミコーは、お母様の腹の中にいた頃からひとつを分け合ってきた。
人の要素と狼の要素を、綺麗に半分に分けて生まれたんだろうって。
今からずっとずっと前、神話で語られるほど昔のこと。
僕らは『人』と『獣人』という、ふたつの種族だった。
農耕民族だった人と、狩猟民族だった獣人。
価値観も身体能力も習性も違い、衝突を繰り返していたこの二種族が、『大災厄』という天変地異によって絶滅寸前まで追い込まれたことがある。
危機を乗り越えるべく、種を超え交わって生き残ることを選んだ結果、何千年という時間をかけて血は重ねられ、今や僕らは混血種という新たな種族になった。
知者が語ったところによると、人と獣人の設計図は、血を繋げる際に何がしかの規則と優先順位があるらしい。
純血の人と純血の獣人から生まれた子は、まず必ず人になった。
何代か血を重ねているうちに、人同士からでも獣人が生まれたりするようになり、今や誰がどう結婚しても獣人と人、どちらが生まれてくるか分からない。
『遺伝』というものの神秘なのだと、僕らは幼いうちに教えられ、神の設計図は人が手を伸ばしてはならない領域。生まれた我ら人と獣人は、等しく神の愛する民。優劣などないと、学ぶんだ。
僕らは今世に生まれ落ち、一歳を迎えた時に人か獣人かの判定を受けるため、神殿に向かう。
『性別』と呼ばれるその儀式は、王族貴族、平民や流民、神を信じないとする無神の民すら受ける、この世に生まれ出た者の義務。
狼の姿で生まれたミコーは、誰がどう見ても獣人だったから、疑いようもなく『獣人』とされたのだけど、僕は特別鼻の良い大司教に確認してもらってすら……。
「人でございます」
と、告げられた。
だけど……これはありえないことだった。
僕ら混血種は、獣人の血が濃いと複数人を同時に身籠る『複産』になる可能性が高くなる。
だから双子で生まれること自体は、さほど珍しくもないのだけど……。
複産は、腹の中にふたつの部屋が用意され、子を育てる器官もふたつある。文字通り、同時に二人身籠ることを言うんだ。
生まれてくる子は、兄弟程度には似ているものの、特別似すぎるということもなく、種や性別だって同じとは限らない。
だけど僕らの場合、胎盤・羊膜共に同じものを分け合っていたと、出産に立ち会った複数の医師による報告書が残っていた。
これは複産ではなく、一卵性の、まごうことなき双子。
同じものから二人に分かれて生まれてくる、とても珍しい例だった。
けれどそこで、僕を人だと告げた大司教は困惑の表情を浮かべたそう。
「ひとつから二人になった双子の場合……性別も種も、同じであるはずなのですが……」
そのどちらもを、僕らは覆してしまっている。
僕は三度、司祭、司教、大司教の計六人から性別を受けたけれど、人であるという判断は覆らなかった。
また、僕らが複産ではなく、一卵性の双子であることも疑いようがなかった。
出生時に情報の改竄などがないことも、徹底的に調べられ、確認されたからだ。
なにより毛色と瞳色が全く一緒。形は違っても僕らは似ていた。
そして離れていても、何故か互いのことを察する時があった。
◆
「初めての獣化か……おそらく命の危機に身体が生存率の高い姿を取ろうとしたんだろう。ままあることだ。お前だけではないから、安心しなさい」
混乱のあまり暴れる僕を押さえ込みながら、巨躯の男は言い聞かせるように囁いた。
僕は『人』だから、そもそも獣化なんてするわけがないのだけど、この男は僕を獣人だと思ったよう。
「落ち着いて。自分が人だった時の姿をしっかり思い出すんだ。人しか持っていない部分を強く意識しなさい。例えば指や、舌、髪……それがどこにどんなふうにあるか。そこから少しずつ、人の自分の部分の意識を広げる感覚だ」
首周りをトントンと、あやすように叩いたり撫でたりしながら、男は僕を離さない。
狼の体毛越しでもゴツゴツとした硬い手だ。王宮の騎士たちの手と似てる、剣ダコだらけの手の感触と。
誰が僕らを襲撃したか、まだ分からなかった。
こいつが誰かも分からなかったけれど、この人は関係なさそうだと僕は感じていた。
直感なんて当てにならないのに、どういうわけか確信を持って。
それよりも気になるのは、僕を落ち着かせようとしているこの人の言動の方だ。
狼に変貌した者に慣れている反応だと思った。獣化狼は大抵が人の時より大柄になるし、多分今の僕も、ミコーと変わらないくらいになっているはず。
そこら辺の狼なんか比べ物にならないほどに大きいから、慣れてなければ怖いとすら感じるものなのに、暴れる僕を苦もなく押さえ込んでいる。
獣化できるほどに血の濃い獣人って、実はそれほど多くない。
まず、フェルドナレンの総人口のうち、人は六割強、獣人は三割強だと、僕は習った。
その獣人の中で、獣化ができる者は一割にも満たない。
身体を変形させるような特殊技能だから、獣化ができるということはそれだけでもてはやされる。
就職にも有利だし、優遇のある仕事も沢山ある。
例えば郵便業務の配達員や、王宮勤めがそれに当たった。
極端な話、獣化でき、剣が扱えれば騎士にだってなれるんだ。平民の生まれでも、花形である近衛騎狼隊所属すら夢じゃない。
――獣人が多い職に就いてたのかな。
この人自身は獣人じゃない。尾もないし耳もひとのそれ。獣化できるくらい血の濃い獣人は、人の形をとっている時すら獣の特徴が顕著に出ているものだ。
体の部位に狼の特徴を残している。多いのは耳や尾が狼のまま残っている人。
――僕にも特徴はなかった。あれば獣人だって性別されたはずなのに……。
思考の端っこでそう思いつつ、僕は言われるがまま、人の姿の自分を思い出そうとした。
ついこの前、鏡に映したようにそっくりな姿を見てる。人になったミコーの姿を、目に焼き付けているから、想像は容易にできた。
あれに戻るんだ。僕は人で十二年生きてきてるんだから、思い出すなんて簡単なはずだ。
「……よし、ちゃんと戻れたな」
そう言った男が、ポンと僕の頭を撫でた。
「疲れたろう、慣れないうちの獣化は寝込む奴も多い」
言われた通り、身体が非常に重かった。限界まで全力疾走したみたいに息が荒れてるし、明日は全身筋肉痛になる予感がする。
「とりあえず寝なさい。何も気にしなくていいから、まずは傷を治すんだ」
寝たい。怠いし、疲れた……。だけどミコーを探さなきゃ……追手だって来るはずだ。
「大丈夫。奴らはお前がもっとずっと下流に流されたと思っているからな」
本当?
「あぁ。万が一来ても上手く誤魔化してやる」
それを聞けて僕は、ホッと肩の力を抜いた。
ひどく疲れていた僕は、聞いた男の言葉にある違和感を、見事に聞き流してしまっていたことに、気づいてなかったんだ。
おそらく……中途半端に人に戻っちゃった弊害。獣化は脳が本能に引っ張られ、単純化してしまう。
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