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晴天の霹靂 3
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「随分と遅くなってしまいましたね。申し訳ない」
「アギー公爵様の急なお召しですもの。気になさらないで下さいまし」
陛下の元を辞して直ぐに、晩餐の席へ挑むこととなった。
配下の皆にも伏せよとのお達しであったから、予定はそのまま……どれだけ気持ちが乱れていようが、何もなかったを通す以外に無い。
サヤには少々酷なことかもしれないと思ったけれど、一応表情は、にこやかと言えるものを維持している様子。
本日はお客様として、礼儀に反しない程度に着飾ったクレフィリア殿と、その雇主として、グラヴィスハイド様、両名がお越しだ。
グラヴィスハイド様は俺とサヤを見るなり、少し眉を寄せ、心配そうにされたけれど……口を開くことはなさらなかった。
陛下の件……この方も耳にされているのだろうか?
そう思ったものの、口にできるわけもなく、俺は使い慣れた笑顔の仮面を、今日も被る。
「とても良くお似合いですね。早速使っていただけているとは……嬉しいことです」
「あっ、ありがとうございますっ……年甲斐もなく、はしゃぎすぎかとは、思ったのですが……」
落ち着いた銅色が主の装いは、色としては地味めであるけれど、光沢のある絹地。
刺繍や飾り紐も極力取り払われた簡素な意匠が、逆に大人っぽさを際立たせていると思う。
柔らかそうな赤茶の髪はいつも通りきっちり目に結えられていたけれど、職務時はひっつめにされている前髪が下され、片側にふんわりと流して、髪留で纏めてあった。
寸劇の裏方役として参加してくださった方々にも、記念にと渡した、あの髪留だ。
席に促すと、後ろ髪にももう少し大きめの髪飾り。湾曲した飾り板に簪を挿して留める、今年新たに提案された形。
クレフィリア殿のものは、透し彫りの金属板。簪には金属の花を閉じ込めた硝子珠がついており、その根元から細い鎖で垂らされた、チリチリと揺れて鳴る金属の花弁という仕様。
まだ殆ど出回っていないはずだから、きっとこれもヘイスベルトのお土産だろう。
対し、グラヴィスハイド様は、いつも通り。
落ち着いた色合いの衣装は普段着なのだろう。表情はあくまでもにこやかで、うっすらと微笑みをたたえている。
波風を立てまいとしているのだと思う。
俺たちとの縁を絶つことが、グラヴィスハイド様の中では決定事項となっており、それをこちらも察しているのだと、理解している。
けれど、クレフィリア殿の将来を考え、それをいったん保留としてくれているのだ。
さて……ここからだ。
「まっ、堅苦しいのはここまでにしましょう。ヘイスベルトもこちらへ。
グラヴィスハイド様も、まずは腹を満たしましょう。
ルフス、料理を運ぶように伝えてもらえる?」
サヤは俺と共に晩餐へ同席するし、ハインは調理場。それでルフスが、本日の給仕役。
公爵家の方を前に、多少緊張しているようであったけれど、問題無く振る舞えている。
そこでついでのように付け足したのは……。
「オブシズも。護衛は良いから、一緒に席へ」
「は? いや、しかし……」
急に言われて戸惑うオブシズ。まぁね……普通はこんなことはしないのだけど……変に思われないよう、外堀から埋めていくことにする。
「クレフィリア殿、構いませんよね?」
「はっ、はい!」
「どうせだから、寸劇を共に乗り切った同志として、その慰労会を兼ねよう?」
さも当然と言う顔で言うと、グラヴィスハイド様からも援護があった。
「私を気にしているのかい? だけど本日、私はただの付き添いだからね。
全然構わないし、クレフィリアは草紙の登場人物の中でもとりわけ君がお気に入りなんだよ。
弟の同僚のよしみで、付き合ってやってくれると嬉しい」
さらっとバラされたクレフィリア殿は真っ赤になって、手が宙を泳ぐ。
その様子をクスクスと笑って流すグラヴィスハイド様。
公爵家の方に請われれば否とは言えない……。
良識あるオブシズは特に。
というわけで、晩餐の席にオブシズも加わった。
「本日は、サヤの国の郷土料理です。
こちらがホワイトシチュー。これが干し野菜のラタトゥイユと言うのだそうですよ」
そして麵麭は、乳清を使ったしっとりめのものとなっている。
まだ野菜の不足している春先に、夏の野菜である胡瓜や茄子、赤茄子が使われているのを、まるで魔法のようですわとクレフィリア殿。
「まだ実用化までは至っておりませんので……これも早く、無償開示品にできれば良いのですけどね」
「このような素晴らしいものも、無償開示に⁉︎ レイシール殿は、本当に素晴らしい研究をなさっておいでなのですね!」
「おや、これは面白いね。汁物に肉を入れているのかい? 食べたことのない食感がする」
「それは肉を細かくなるまで叩いて、刻み野菜と共に捏ねてから、丸めてあるんです」
グラヴィスハイド様は穏やかにしておられたけれど、オブシズは緊張している様子。
まぁ、ライアルドを読んでいる場面に遭遇してしまっているから、その緊張は仕方がないのかもしれない。
その反面、俺はだいぶん落ち着いていられた。
この方の力がどういったものであるかを、サヤが教えてくれたし……王都で、グラヴィスハイド様本人がおっしゃったのだ。
きちんと自分の気持ちと表情を管理していれば、私だってそんなに簡単には読めないのだと……。
私には、お前の思考までは見えない。表情と、瞳、感情の色で、おおよそを把握しているだけだから。
隠し事があること、知られてはいけないことがあることは見えても、その中身までは分からない。
サヤの知識が、その発言の裏付けとなってくれた。
この方の先読みの鋭さは、あくまで努力の結果であって、感情の色を見るという能力は、ほんの切っ掛け程度のものでしかないのだと……。
この方を孤独にしているのは、その聡明さと、情報不足。
ただ二色に滲んでいるだけの瞳を持つオブシズが、それを隠して生きなければならなかったように、異端を恐れる世が、ほんの少しの違いを認めないことが、この方を孤独にするのだ。
だからサヤの知識をこの人にと思った。貴方は決して異端ではないのだと、そう伝えるために。
でも……それはサヤが異界の者なのだということを、晒すことになりはしないか。
彼女こそが異端の身で、権力者にそれを知らせてしまうことは、己の首を絞める結果になりはしまいか。
その葛藤は当然あったけれど、サヤは「皆で幸せになるためでしょう?」と、その知識をグラヴィスハイド様に晒すことを、当然のことと受け入れてくれた……。
グラヴィスハイド様を見た。
穏やかな表情……。けれど、俺との間に線を引いていた。
敢えて踏み込ませないように。
この方は、きっと俺の感情の動きを色で感じている。
俺が何かを成そうとしていると、分かって隙を作らぬようにしている。
秘めた何かを見せぬように。
それは顔を合わせた時から感じていたのだけど……まだ読めない。
そんな風にして、見た目だけは恙無く、晩餐を終えた。そしてそのままお茶の時間。
この頃までには多少お互いに慣れていて、オブシズが自らクレフィリア殿に話しかけたりもするようになっていて、とりあえず内心でほっとする。
全く感性が合わないということはなさそうだな……。問題は、どうやって二人きりにさせるかって部分だけど……。
あまりあからさまにすると、オブシズはすぐに勘付くだろうしなぁ……と、そんな風に思っていたのだけど。
「……そうそう。お前たちに伝えておかないとね」
世間話の延長のように、グラヴィスハイド様が続けたのは……。
「この春のうちに、また別の国に行ってみることにしたよ。
だから申し訳ないけれど、お前たちの婚儀には参加できないことになった。
代役はクオンが引き受けてくれると思うけれど、私からの祝いの品は、クレフィリアに届けてもらうことにしよう」
クレフィリア殿の表情が固まった。
「アギー公爵様の急なお召しですもの。気になさらないで下さいまし」
陛下の元を辞して直ぐに、晩餐の席へ挑むこととなった。
配下の皆にも伏せよとのお達しであったから、予定はそのまま……どれだけ気持ちが乱れていようが、何もなかったを通す以外に無い。
サヤには少々酷なことかもしれないと思ったけれど、一応表情は、にこやかと言えるものを維持している様子。
本日はお客様として、礼儀に反しない程度に着飾ったクレフィリア殿と、その雇主として、グラヴィスハイド様、両名がお越しだ。
グラヴィスハイド様は俺とサヤを見るなり、少し眉を寄せ、心配そうにされたけれど……口を開くことはなさらなかった。
陛下の件……この方も耳にされているのだろうか?
そう思ったものの、口にできるわけもなく、俺は使い慣れた笑顔の仮面を、今日も被る。
「とても良くお似合いですね。早速使っていただけているとは……嬉しいことです」
「あっ、ありがとうございますっ……年甲斐もなく、はしゃぎすぎかとは、思ったのですが……」
落ち着いた銅色が主の装いは、色としては地味めであるけれど、光沢のある絹地。
刺繍や飾り紐も極力取り払われた簡素な意匠が、逆に大人っぽさを際立たせていると思う。
柔らかそうな赤茶の髪はいつも通りきっちり目に結えられていたけれど、職務時はひっつめにされている前髪が下され、片側にふんわりと流して、髪留で纏めてあった。
寸劇の裏方役として参加してくださった方々にも、記念にと渡した、あの髪留だ。
席に促すと、後ろ髪にももう少し大きめの髪飾り。湾曲した飾り板に簪を挿して留める、今年新たに提案された形。
クレフィリア殿のものは、透し彫りの金属板。簪には金属の花を閉じ込めた硝子珠がついており、その根元から細い鎖で垂らされた、チリチリと揺れて鳴る金属の花弁という仕様。
まだ殆ど出回っていないはずだから、きっとこれもヘイスベルトのお土産だろう。
対し、グラヴィスハイド様は、いつも通り。
落ち着いた色合いの衣装は普段着なのだろう。表情はあくまでもにこやかで、うっすらと微笑みをたたえている。
波風を立てまいとしているのだと思う。
俺たちとの縁を絶つことが、グラヴィスハイド様の中では決定事項となっており、それをこちらも察しているのだと、理解している。
けれど、クレフィリア殿の将来を考え、それをいったん保留としてくれているのだ。
さて……ここからだ。
「まっ、堅苦しいのはここまでにしましょう。ヘイスベルトもこちらへ。
グラヴィスハイド様も、まずは腹を満たしましょう。
ルフス、料理を運ぶように伝えてもらえる?」
サヤは俺と共に晩餐へ同席するし、ハインは調理場。それでルフスが、本日の給仕役。
公爵家の方を前に、多少緊張しているようであったけれど、問題無く振る舞えている。
そこでついでのように付け足したのは……。
「オブシズも。護衛は良いから、一緒に席へ」
「は? いや、しかし……」
急に言われて戸惑うオブシズ。まぁね……普通はこんなことはしないのだけど……変に思われないよう、外堀から埋めていくことにする。
「クレフィリア殿、構いませんよね?」
「はっ、はい!」
「どうせだから、寸劇を共に乗り切った同志として、その慰労会を兼ねよう?」
さも当然と言う顔で言うと、グラヴィスハイド様からも援護があった。
「私を気にしているのかい? だけど本日、私はただの付き添いだからね。
全然構わないし、クレフィリアは草紙の登場人物の中でもとりわけ君がお気に入りなんだよ。
弟の同僚のよしみで、付き合ってやってくれると嬉しい」
さらっとバラされたクレフィリア殿は真っ赤になって、手が宙を泳ぐ。
その様子をクスクスと笑って流すグラヴィスハイド様。
公爵家の方に請われれば否とは言えない……。
良識あるオブシズは特に。
というわけで、晩餐の席にオブシズも加わった。
「本日は、サヤの国の郷土料理です。
こちらがホワイトシチュー。これが干し野菜のラタトゥイユと言うのだそうですよ」
そして麵麭は、乳清を使ったしっとりめのものとなっている。
まだ野菜の不足している春先に、夏の野菜である胡瓜や茄子、赤茄子が使われているのを、まるで魔法のようですわとクレフィリア殿。
「まだ実用化までは至っておりませんので……これも早く、無償開示品にできれば良いのですけどね」
「このような素晴らしいものも、無償開示に⁉︎ レイシール殿は、本当に素晴らしい研究をなさっておいでなのですね!」
「おや、これは面白いね。汁物に肉を入れているのかい? 食べたことのない食感がする」
「それは肉を細かくなるまで叩いて、刻み野菜と共に捏ねてから、丸めてあるんです」
グラヴィスハイド様は穏やかにしておられたけれど、オブシズは緊張している様子。
まぁ、ライアルドを読んでいる場面に遭遇してしまっているから、その緊張は仕方がないのかもしれない。
その反面、俺はだいぶん落ち着いていられた。
この方の力がどういったものであるかを、サヤが教えてくれたし……王都で、グラヴィスハイド様本人がおっしゃったのだ。
きちんと自分の気持ちと表情を管理していれば、私だってそんなに簡単には読めないのだと……。
私には、お前の思考までは見えない。表情と、瞳、感情の色で、おおよそを把握しているだけだから。
隠し事があること、知られてはいけないことがあることは見えても、その中身までは分からない。
サヤの知識が、その発言の裏付けとなってくれた。
この方の先読みの鋭さは、あくまで努力の結果であって、感情の色を見るという能力は、ほんの切っ掛け程度のものでしかないのだと……。
この方を孤独にしているのは、その聡明さと、情報不足。
ただ二色に滲んでいるだけの瞳を持つオブシズが、それを隠して生きなければならなかったように、異端を恐れる世が、ほんの少しの違いを認めないことが、この方を孤独にするのだ。
だからサヤの知識をこの人にと思った。貴方は決して異端ではないのだと、そう伝えるために。
でも……それはサヤが異界の者なのだということを、晒すことになりはしないか。
彼女こそが異端の身で、権力者にそれを知らせてしまうことは、己の首を絞める結果になりはしまいか。
その葛藤は当然あったけれど、サヤは「皆で幸せになるためでしょう?」と、その知識をグラヴィスハイド様に晒すことを、当然のことと受け入れてくれた……。
グラヴィスハイド様を見た。
穏やかな表情……。けれど、俺との間に線を引いていた。
敢えて踏み込ませないように。
この方は、きっと俺の感情の動きを色で感じている。
俺が何かを成そうとしていると、分かって隙を作らぬようにしている。
秘めた何かを見せぬように。
それは顔を合わせた時から感じていたのだけど……まだ読めない。
そんな風にして、見た目だけは恙無く、晩餐を終えた。そしてそのままお茶の時間。
この頃までには多少お互いに慣れていて、オブシズが自らクレフィリア殿に話しかけたりもするようになっていて、とりあえず内心でほっとする。
全く感性が合わないということはなさそうだな……。問題は、どうやって二人きりにさせるかって部分だけど……。
あまりあからさまにすると、オブシズはすぐに勘付くだろうしなぁ……と、そんな風に思っていたのだけど。
「……そうそう。お前たちに伝えておかないとね」
世間話の延長のように、グラヴィスハイド様が続けたのは……。
「この春のうちに、また別の国に行ってみることにしたよ。
だから申し訳ないけれど、お前たちの婚儀には参加できないことになった。
代役はクオンが引き受けてくれると思うけれど、私からの祝いの品は、クレフィリアに届けてもらうことにしよう」
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