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魔手 3
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焦りのあまり、表情に気を回す余裕がない。言葉を詰まらせてしまった、その時……っ!
男の真横から、垣根を跳躍で飛び越えた影が、ハヴェルを捕える男に組み付いた。
人が現れるはずのなかった場所から、しかも宙を舞ってなど、流石の男も想定していなかったのだろう。
「サヤ!」
垣根ごと水路を飛び越えるなんてことができるのは、狼でなければ、ひとりだけだ!
飛びつきざま、剣を握る男の手を掴んだサヤは、その手を捻り上げた。
剣が雨でぬかるむ地面に落ち、飛沫が飛び、ハヴェルが男の手を離れる。
すると直ぐに男を離し、サヤはハヴェルを抱え込んだ。
サヤも夜着だった。
取るものも取り敢えず駆けつけてくれた。そうしてハヴェルを取り返してくれた!
これならば巻き返せる。大丈夫だ!
「サヤ、ハヴェルは後ろへ! シザー、頼む!」
そう叫び、短剣を引き抜く。
守るだけ。守るだけなら俺でもできる。サヤが来てくれたなら、逆から回り込まれても防げる。ハインもオブシズも間もなく到着するだろう。それまでを守ればいい!
そう、気力を奮い起こしたのに、シザーは動かなかった。
……いや、動けなかった。
ハヴェルが、隠し持っていた小刀を、サヤの喉元に突きつけていたから……。
なんでだ。の、理由が、唐突に、理解できた。
ハヴェルが、漏らしたのか……。
こいつらに、この村の情報を…………。
呆然とするしかない俺に向かい、サヤに投げられ、地面に転がっていた男が、笑いながら顔を上げる。
「あんたらが悪いんだぜぇ? こいつらはもともと俺らの仲間。それをかっ拐っていきやがったのは、そっちなんだからよぉ。
今頃は中も、トゥーレが押さえてらぁ。運の悪い奴はもう来世に旅立ってるかもなぁ」
むくりと身を起こした男がそう言って嘲笑。
その間にも、水路を渡った悪漢らが俺たちを取り囲み、剣を突きつけられ、身動きが取れなくなった。
男は、落としていた小剣を拾い上げ。
そうしてハヴェルの手によって、小刀を顎に突き出され、動けないサヤを見て、にたりと笑う。
「黒髪の女…………」
確認するようにそう呟き……。
「いい眺めだ……。舐めた真似をしてくれた礼に、後でじっくり楽しませてもらおうじゃねぇか……。
おぅ、この女縛っとけ。戦利品に加えようや」
俺たちを取り囲む者らが一斉に、下卑た笑い声を上げた。
「流石お頭!」
「あぁ、確かにいい女だ。ガキのわりに育ってらぁ」
「やっと女日照りから解放されるなぁ!」
サヤが動けない理由も、それで理解した。
男どもの視線……それがいくつもサヤを、舐め回し、鎖となって縛り上げていたから……っ。
ハヴェルの裏切りが、全部を、ひっくり返した……。
そういう修羅の道だと、理解するしかない……。
唐突に、夢の中の兄上の言葉が、頭の中に響いた。
あぁ、これか、またこれなのか……。
絶望が……。
またこうして、俺の手から、全てを奪おうとしている…………。
◆
ハヴェルの小刀は、サヤの顎裏に刃先を突き込んでいた……。
ツッ……と、垂れた血が、そのまま雨に流され、夜着の襟元に染みを作る。
うっすらと桃色に染まる夜着は、サヤのしなやかな肢体に張り付いており、体の曲線が全て、露わになっていた。
水路を渡って来た男らが掲げる行灯で、その様子が嫌が応にもよく見える……。
「腕を後ろに回せ。動くんじゃねぇぞ……ハヴェル! まだ手ぇ下げんな」
ビクッと、ハヴェルの肩が強張り、より深く刃がサヤの顎下に食い込んだのだろう。血の量が増えた。
男はそんなことは意に介さず、背中側に回されたサヤの腕を縄で縛り上げていく。
「止めろ! その娘に手を出すな! 人質なら、俺がそっちへ行くから!
そうすれば、他の誰も手出しは……っ」
「黙ってろ! ここでこいつの服を引ん剝いてやったっていいんだぜ⁉︎」
グッと、サヤの夜着の襟元を掴んだ男が、そのままサヤを力任せに揺さぶる。ハヴェルの持つ小刀はサヤから外れたが、サヤの夜着から、ブチブチと釦が千切れて飛び散った。
左肩が剥き出しになり、胸元もはだけて下着が露わになる。周りの男が喝采をあげ、サヤが悲鳴を必死で飲み込み、唇を噛み締めたのが見えた。
「止めろ!」
恐怖に引きつるサヤの表情が、男らの持つ灯りで、嫌でも視界に張り付く。
「止めてくれ!……もう、声はあげない。抵抗しないから……」
そう言い短剣を男の足元に投げ捨てると、男はまたニヤリと口元を歪めた。
「そっちの黒いのもだ。その大層な獲物、さっさと離せ」
シザーも大剣を離し、腰の後ろの短剣も引き抜き、投げ捨てた。
穏やかな彼が珍しく、闘気を漲らせ、瞳を開いている……。だけど、踏み出せない。サヤの縛られた腕を掴んだ男が、拾い上げた小剣をサヤに突き付けたから。
そんな俺たちの様子に、周りの男どもが嫌な笑い声をあげる。
「面白ぇくらい采配通りだぜおい。笑いがとまらねぇなこりゃ」
「けど嗅ぎつけられんのが早すぎだ。予定じゃ目標確保が先だったろ」
「どっちだっていいだろそんなん。確保できりゃ同じだヨォ」
「獲物取りに行った中のやつはまだかよ。……まさか女で遊んじゃいねぇだろうな」
「金目のもん漁ってんじゃねぇっすか?」
「馬鹿野郎、孤児院にそんなもんねぇよ。あるなら村の方だ。寄り道すんなって急かしてこい」
ゴロツキどもが、そんな言葉をかわしつつ、サヤの肢体を物欲しげに覗き込んでいく……。
シザーも腕を後ろに回され、縛られ、念のためにと足も縛られて転がされた。次は俺……。
「マジで男だな……信じられんつーか、もったいねぇっつーか……」
「男でもかまやしねぇよ。どうせやれりゃ一緖だろうが」
「マジかお前、ねぇわー」
「お貴族様はケツなんか掘られたら、恥辱で憤死しちまうんじゃねぇか?」
「ほら、後ろに腕回しやがれ」
「ご子息様って言うよりゃ、ほんとご令嬢様だよなぁ」
サヤに続き、俺まで人質に取られたら、ここは終わりだ……。
そう思ったけれど、従わないわけにはいかない……。でなければ、きっとサヤが酷い目にあう……っ。
言われるがまま後ろに腕を回すと、縄が食い込む程にきつく、容赦なく、腕を縛り上げられた。
サヤの瞳が俺を見て、必死に、逃げて、抵抗してと叫んでいたけれど、ごめんなと小さく笑い掛ける。
サヤをここに置いていくなら、俺にとってそれは死も同然なんだよ……。
縄で縛るということは、抵抗しないならば酷いことはしない……ということだ。ひとまずは。
俺たちを生かしておく意思があるということ。
おそらく俺は、逃亡用の人質。この村を安全に出るための命綱であるはずだ。
ならば今は大人しくして、機会を伺う。そのために、相手を油断させるために耐える。
そうして考えている間にも、男は孤児院に人を向かわせていた。中の子供たちのもとに、カタリーナの所に……っ。
焦るな。
絶望しか見えなかったとしても、焦った先にあるのは更なる絶望だけだ。
そう自分に言い聞かせ、消えそうになる気力の灯火を、必死になって、守っていた……。
隙を探せ。機会はきっとある。増援が来ないのは、状況が伝わっているから。あちらも機会を伺っているからだ。きっとそうだ。
そんな風に必死で自分を奮い立たせていたら、舎の中から小さな人影が出てきた。その人物を見て、俺は、今まで堪えていた胸の痛みを、もう無視できなくなった……。
「……トゥーレ…………」
やっぱり、お前もなのか……。
グラグラと、視界が歪む……、今まで彼らと過ごした時間が、全て、彼ら自身によって否定された……。
男の真横から、垣根を跳躍で飛び越えた影が、ハヴェルを捕える男に組み付いた。
人が現れるはずのなかった場所から、しかも宙を舞ってなど、流石の男も想定していなかったのだろう。
「サヤ!」
垣根ごと水路を飛び越えるなんてことができるのは、狼でなければ、ひとりだけだ!
飛びつきざま、剣を握る男の手を掴んだサヤは、その手を捻り上げた。
剣が雨でぬかるむ地面に落ち、飛沫が飛び、ハヴェルが男の手を離れる。
すると直ぐに男を離し、サヤはハヴェルを抱え込んだ。
サヤも夜着だった。
取るものも取り敢えず駆けつけてくれた。そうしてハヴェルを取り返してくれた!
これならば巻き返せる。大丈夫だ!
「サヤ、ハヴェルは後ろへ! シザー、頼む!」
そう叫び、短剣を引き抜く。
守るだけ。守るだけなら俺でもできる。サヤが来てくれたなら、逆から回り込まれても防げる。ハインもオブシズも間もなく到着するだろう。それまでを守ればいい!
そう、気力を奮い起こしたのに、シザーは動かなかった。
……いや、動けなかった。
ハヴェルが、隠し持っていた小刀を、サヤの喉元に突きつけていたから……。
なんでだ。の、理由が、唐突に、理解できた。
ハヴェルが、漏らしたのか……。
こいつらに、この村の情報を…………。
呆然とするしかない俺に向かい、サヤに投げられ、地面に転がっていた男が、笑いながら顔を上げる。
「あんたらが悪いんだぜぇ? こいつらはもともと俺らの仲間。それをかっ拐っていきやがったのは、そっちなんだからよぉ。
今頃は中も、トゥーレが押さえてらぁ。運の悪い奴はもう来世に旅立ってるかもなぁ」
むくりと身を起こした男がそう言って嘲笑。
その間にも、水路を渡った悪漢らが俺たちを取り囲み、剣を突きつけられ、身動きが取れなくなった。
男は、落としていた小剣を拾い上げ。
そうしてハヴェルの手によって、小刀を顎に突き出され、動けないサヤを見て、にたりと笑う。
「黒髪の女…………」
確認するようにそう呟き……。
「いい眺めだ……。舐めた真似をしてくれた礼に、後でじっくり楽しませてもらおうじゃねぇか……。
おぅ、この女縛っとけ。戦利品に加えようや」
俺たちを取り囲む者らが一斉に、下卑た笑い声を上げた。
「流石お頭!」
「あぁ、確かにいい女だ。ガキのわりに育ってらぁ」
「やっと女日照りから解放されるなぁ!」
サヤが動けない理由も、それで理解した。
男どもの視線……それがいくつもサヤを、舐め回し、鎖となって縛り上げていたから……っ。
ハヴェルの裏切りが、全部を、ひっくり返した……。
そういう修羅の道だと、理解するしかない……。
唐突に、夢の中の兄上の言葉が、頭の中に響いた。
あぁ、これか、またこれなのか……。
絶望が……。
またこうして、俺の手から、全てを奪おうとしている…………。
◆
ハヴェルの小刀は、サヤの顎裏に刃先を突き込んでいた……。
ツッ……と、垂れた血が、そのまま雨に流され、夜着の襟元に染みを作る。
うっすらと桃色に染まる夜着は、サヤのしなやかな肢体に張り付いており、体の曲線が全て、露わになっていた。
水路を渡って来た男らが掲げる行灯で、その様子が嫌が応にもよく見える……。
「腕を後ろに回せ。動くんじゃねぇぞ……ハヴェル! まだ手ぇ下げんな」
ビクッと、ハヴェルの肩が強張り、より深く刃がサヤの顎下に食い込んだのだろう。血の量が増えた。
男はそんなことは意に介さず、背中側に回されたサヤの腕を縄で縛り上げていく。
「止めろ! その娘に手を出すな! 人質なら、俺がそっちへ行くから!
そうすれば、他の誰も手出しは……っ」
「黙ってろ! ここでこいつの服を引ん剝いてやったっていいんだぜ⁉︎」
グッと、サヤの夜着の襟元を掴んだ男が、そのままサヤを力任せに揺さぶる。ハヴェルの持つ小刀はサヤから外れたが、サヤの夜着から、ブチブチと釦が千切れて飛び散った。
左肩が剥き出しになり、胸元もはだけて下着が露わになる。周りの男が喝采をあげ、サヤが悲鳴を必死で飲み込み、唇を噛み締めたのが見えた。
「止めろ!」
恐怖に引きつるサヤの表情が、男らの持つ灯りで、嫌でも視界に張り付く。
「止めてくれ!……もう、声はあげない。抵抗しないから……」
そう言い短剣を男の足元に投げ捨てると、男はまたニヤリと口元を歪めた。
「そっちの黒いのもだ。その大層な獲物、さっさと離せ」
シザーも大剣を離し、腰の後ろの短剣も引き抜き、投げ捨てた。
穏やかな彼が珍しく、闘気を漲らせ、瞳を開いている……。だけど、踏み出せない。サヤの縛られた腕を掴んだ男が、拾い上げた小剣をサヤに突き付けたから。
そんな俺たちの様子に、周りの男どもが嫌な笑い声をあげる。
「面白ぇくらい采配通りだぜおい。笑いがとまらねぇなこりゃ」
「けど嗅ぎつけられんのが早すぎだ。予定じゃ目標確保が先だったろ」
「どっちだっていいだろそんなん。確保できりゃ同じだヨォ」
「獲物取りに行った中のやつはまだかよ。……まさか女で遊んじゃいねぇだろうな」
「金目のもん漁ってんじゃねぇっすか?」
「馬鹿野郎、孤児院にそんなもんねぇよ。あるなら村の方だ。寄り道すんなって急かしてこい」
ゴロツキどもが、そんな言葉をかわしつつ、サヤの肢体を物欲しげに覗き込んでいく……。
シザーも腕を後ろに回され、縛られ、念のためにと足も縛られて転がされた。次は俺……。
「マジで男だな……信じられんつーか、もったいねぇっつーか……」
「男でもかまやしねぇよ。どうせやれりゃ一緖だろうが」
「マジかお前、ねぇわー」
「お貴族様はケツなんか掘られたら、恥辱で憤死しちまうんじゃねぇか?」
「ほら、後ろに腕回しやがれ」
「ご子息様って言うよりゃ、ほんとご令嬢様だよなぁ」
サヤに続き、俺まで人質に取られたら、ここは終わりだ……。
そう思ったけれど、従わないわけにはいかない……。でなければ、きっとサヤが酷い目にあう……っ。
言われるがまま後ろに腕を回すと、縄が食い込む程にきつく、容赦なく、腕を縛り上げられた。
サヤの瞳が俺を見て、必死に、逃げて、抵抗してと叫んでいたけれど、ごめんなと小さく笑い掛ける。
サヤをここに置いていくなら、俺にとってそれは死も同然なんだよ……。
縄で縛るということは、抵抗しないならば酷いことはしない……ということだ。ひとまずは。
俺たちを生かしておく意思があるということ。
おそらく俺は、逃亡用の人質。この村を安全に出るための命綱であるはずだ。
ならば今は大人しくして、機会を伺う。そのために、相手を油断させるために耐える。
そうして考えている間にも、男は孤児院に人を向かわせていた。中の子供たちのもとに、カタリーナの所に……っ。
焦るな。
絶望しか見えなかったとしても、焦った先にあるのは更なる絶望だけだ。
そう自分に言い聞かせ、消えそうになる気力の灯火を、必死になって、守っていた……。
隙を探せ。機会はきっとある。増援が来ないのは、状況が伝わっているから。あちらも機会を伺っているからだ。きっとそうだ。
そんな風に必死で自分を奮い立たせていたら、舎の中から小さな人影が出てきた。その人物を見て、俺は、今まで堪えていた胸の痛みを、もう無視できなくなった……。
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