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夜会 11
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「承知しましたわ。
……では私も、貴族社会に生きる者の一人として、お力になれればと思います。
それに、私にとっても人ごとではないですわ……。私だって、囲いのない蝶……などと言われている身ですもの」
耳飾を得るためには自分の今後の人生を決定しなければならない。あのライアルドのような者にも、身を任せなければならない……。
なのに、そのような重大な事柄が、自分の意思で選べないどころか、政略に使われる場合もあるのが貴族社会だ。
全部が悪いとは言わない。それによってしか進めなかった道もあったろうし、守れなかったものもあったろう。
だけど、やはり『それしか選べない』は、違うと思う。
また、その政略の一環として、女性を追い詰め、貶める行為を肯定するのは、絶対に間違っている。
「ありがとうございます……」
だから、こうやって賛同してくれる一人が、貴重だ。とても有難いと思った。
その思いから礼を述べたのだけど、リヴィ様は「で、どうやって周知を広げるおつもりでしたの?」と、俺に問うてきた。
「それは……。
このまま夜会に参加して、まずは、見知っていただいて……そこから理解を広めていこうと……」
「遅いですわ。
それではサヤが成人するまでかけたところで、終わらなくってよ」
「……まぁ、正直厳しいとは思いますが、そうやって少しずつでも、実績を積み上げていくしか方法が……」
無い。
俺もサヤも、夜会への参加自体が初めてだし、自領に閉じこもって生活していた俺には、そういった伝手も無いのだ。
とにかくアギーの社交界でお披露目しておいてから、バート商会や拠点村の活動を通して周知を広げていこう。そんな風に考えていた。
その間中サヤを危険に晒しているのだと思うと身を切られる思いだが、無理やりでも一歩ずつ、進んでいくしかない。
けれどリヴィ様は、そんな俺たちに溜息を吐いて。
「レイ殿、社交界において流行とは、どこから発信されるものだと思いまして?」
「…………どこ?」
「礼服の意匠然り、襟飾のような、新しい習慣然り、どこから発せられ、広がっていくのだと思われます?」
「…………え……と……」
そんなの、分かるわけがない……。
答えられない俺に対し、リヴィ様は厳しい表情。
ご教授いただけますか? と、問うと、また溜息を吐いて、居住まいを正した。
「必ず成功する。という手段は無くってよ。けれど、いく筋かの道筋がありますの。
私は……アギーとはいえど、さしたる権威は持ち合わせておりませんし、あまりお力にはなれませんけれど、その道筋について、少々伝手を持つ身内ならば、おりますわ。
今、その者を呼びにいかせているのですけれど……遅いですわね」
頬に手をやり、ふぅ……と、息を吐く。
呼びに行かせてるって……クオンティーヌ様をだろうか?
先ほど名が出たクオン様というのは、おそらくそうだと思う。
「まぁ、ならば来るまでに、こちらも勝率を上げるための打ち合わせをしておきましょうか」
「勝率……ですか?」
「ええ。ではレイ殿、よくお聞きになって」
真剣な表情で身を乗り出したリディ様に、俺とサヤも居住まいを正した。
そうして、まず大切なことは……と、リディ様が口にしたのは……。
「恥ずかしい言動ほど、クオンは喜びますわ」
「…………はい?」
「甘い言葉や、絵物語の王子様のような所作などです。幸いレイ殿は女性的で見目も麗しいと思いますし、威圧感もございませんから、外見に関しては、クオン好みの王子様だと思いますの」
「……………………あの…………?」
「お茶会の時のような感じでよろしくってよ。
できればもう少し、サヤと密着して……あ、でもクオンはまだ十五ですから、あまり破廉恥な行為は慎んでいただけます?」
「いや……えぇ?」
俺たちは今……いったい何を真剣に語られているのだろう……?
意味が分からず困惑するしかない俺たちに、リヴィ様は想像を膨らませる余地を残した言動が鍵だと念を押す。
「全部を語ってしまわずとも良いのですわ。思わせぶりな隠語で誤魔化す等もクオンは好みます。
とにかく、あの娘の興味を引くことが肝要。気に入れば、そこかしこで吹聴して回りますし、話の種とネタ帳に記しますわ。でもそれだけでは一過性で終わるか、ネタの備蓄にされていつ日の目を見るやら分からぬことになってしまいますから、それ以上の興味を引き出す必要がございましてよ」
「あっあのですね……確認しますが、今俺たち、耳飾周知の手段について話し合っているのですよね⁉︎」
「ええ、その通りですわ」
いや、ならなおのこと意味が分かりませんが⁉︎
正直なところ、もう困惑を通り越して、この人どうしちゃったんだろうと不安を掻き立てられるまでに思考が進んでしまっていたのだけど、そこでコンコンと扉が叩かれた。
で、返事も待たず開いたかと思うと、何故か女装版クリスタ様がズカズカと部屋に踏み込んできたので、唖然とする……。
「……あの……何か?」
「クオンに用があると聞いてな。ほれ」
「もぅ! 姉様のバカッ。折角どこぞのお貴族様の逢瀬を盗み見る絶好の機会だったのに!」
「覗きの現場を抑えてな、説教しておったところだったのだ。遅れてすまぬな」
ディート殿に担がれた女性。ディート殿が担いでいるという時点でなんかこう……え? と、なったのだけど、皆様驚いていらっしゃらないご様子。
それどころか、リヴィ様は大きな溜息を吐いて……。
「クオン…………貴女まだ夜会に紛れ込もうとしていらしたの?」
「だって! 折角夜会に出れると思ってたのに直前で鞍替えよ⁉︎ 男爵家ごときの小倅が私を捨てたせいで絶好の機会を逃したのよ⁉︎
ならそいつの顔を拝んでやろうと思うのが普通じゃなくって? で、忍び込んでみたら丁度中庭の露台で逢瀬を楽しんでる人たちがいたから、後学のために見ておこうと思って!」
「そもそもお主、その男爵家の小倅に全く興味無かったではないか。それであっさり縁を繋げる話を切ることも承諾しておいて、今更なんだ」
「知らなかったのよ! もう夜会参加は決定だと思ってたのにそれも無しなんて! それに例のディート様とやりあう美麗幼従者の主人だって先に言っててくれてたら断らなかったもんっ!」
「とまぁ、こんな具合でな。手を焼いておるのよ」
「………………」
担がれた女性……というか少女が喚く言葉の内容が、なんか俺のこと言ってませんか……。
そしてなにその『美麗幼従者』って。そんな言葉初めて聞いたんですけど……。
どう反応して良いのかも分からず呆然と見ていたのだけれど、その視線に気付いた少女はギッと俺を睨んで「何見てんのよ! 見世物じゃないわよ!」と、噛み付いてきた。
そしてジタバタ暴れ出したのだが、ディート殿は当然、こ揺るぎもしない。
………………え……今ここ、修羅場?
「とりあえずどうする。話にならんようならこのまま持ち帰るぞ。
折角その、男爵家小倅と美麗幼従者を目の前にしてもこれではな。話もできんだろうし」
絶対に分かってて言っていますよね、それ。
姫様の言葉にピタリと暴れるのをやめた少女。目を皿のようにして部屋を見回し始めた。
その様子にほくそ笑みながら姫様は、固唾を飲んで状況を見守っていたサヤに視線をやって……。
「あぁでも、丁度二人が揃うておるし、ここで話しておくのも良いな。
オリヴィエラ。サヤとは仲良うやっていけそうか?」
「ええ。元よりサヤは気に入っておりましたし、強さも、勇気も、心根の優しさも、尊敬できる方でしてよ。
ただ……それを考えれば、私はまだまだ未熟……本当に、宜しいのでしょうか……そちらの方が、不安ですわ」
また意味のわからない会話が始まった。
だけど俺はともかくサヤの名が出たことで、思考の放棄をしている場合ではないと、自分を奮い立たせた。
「あ、あの……クリスタ様。うちのサヤが、何か?」
「ん? んー……まぁ良いか。ここで伝えておこう。
先日渡した襟飾だがな、あれは新たに設けることとなった近衛部隊の襟飾なのだよ。
それで、その近衛部隊にそこなオリヴィエラも推挙しておるのだが、まだ本人の気持ちが定まらぬようでな」
新たな近衛?…………え? でもリヴィ様は女性……。
「流石にこの国では、女性武芸者を探すこと自体がなかなか難しくてな。とはいえ貴族が一人もおらぬでは困るし……本当に其方が頼りなのだ。
どうか引き受けてもらえぬものかな、オリヴィエラ。サヤも確かに所属させるが、こやつはまだ成人しておらぬのだ。
どうせレイシールとともに行動させることになろうし、私の守りにはならぬ。せいぜい、式典の時などに借受けるくらいしか無理だろう」
「ちょっと待ってください⁉︎ サヤの引き抜きはやめてくださいって前にも言いましたよ⁉︎
そもそも俺はサヤを手放す気なんてありませんし、彼女は俺の将来の妻です‼︎ 成人したって王都にやりはしませんからね⁉︎」
「分かっておるわ! だが、其方が参列する式典の時などはどうせついてくるではないか! その時ちょっと仕事を任せるくらいは承知してもらうぞ!」
「拒否権無し⁉︎ サヤに無理強いなんてそんなの許さないですよ!」
「ちょっと手伝わせるだけだろうが!」
「あ、あの……あの、ちょっと待ってください。話が分からないです。もう一回、初めから説明していただけませんか⁉︎」
「サヤ……サヤってあのサヤよね⁉︎……でもこの人女性……あ、でも黒髪! お身内⁉︎ あああぁぁ、もう離してよこの手!」
「クオン、慎みがなくってよ。ディート殿にも失礼ですわ!」
「こんな体勢なのにどうやって慎み持てっていうの⁉︎」
ギャーギャー始めてしまった俺たちを、ただ黙って見守るディート殿。
一通りが騒ぎ疲れて落ち着いてきた頃に、爽やかな笑顔を振りまいて言ったことは……。
「言いたいことは出尽くしたかな?
ではとりあえず、自己紹介から始めることを勧めよう。その方が、話が早いぞ」
……では私も、貴族社会に生きる者の一人として、お力になれればと思います。
それに、私にとっても人ごとではないですわ……。私だって、囲いのない蝶……などと言われている身ですもの」
耳飾を得るためには自分の今後の人生を決定しなければならない。あのライアルドのような者にも、身を任せなければならない……。
なのに、そのような重大な事柄が、自分の意思で選べないどころか、政略に使われる場合もあるのが貴族社会だ。
全部が悪いとは言わない。それによってしか進めなかった道もあったろうし、守れなかったものもあったろう。
だけど、やはり『それしか選べない』は、違うと思う。
また、その政略の一環として、女性を追い詰め、貶める行為を肯定するのは、絶対に間違っている。
「ありがとうございます……」
だから、こうやって賛同してくれる一人が、貴重だ。とても有難いと思った。
その思いから礼を述べたのだけど、リヴィ様は「で、どうやって周知を広げるおつもりでしたの?」と、俺に問うてきた。
「それは……。
このまま夜会に参加して、まずは、見知っていただいて……そこから理解を広めていこうと……」
「遅いですわ。
それではサヤが成人するまでかけたところで、終わらなくってよ」
「……まぁ、正直厳しいとは思いますが、そうやって少しずつでも、実績を積み上げていくしか方法が……」
無い。
俺もサヤも、夜会への参加自体が初めてだし、自領に閉じこもって生活していた俺には、そういった伝手も無いのだ。
とにかくアギーの社交界でお披露目しておいてから、バート商会や拠点村の活動を通して周知を広げていこう。そんな風に考えていた。
その間中サヤを危険に晒しているのだと思うと身を切られる思いだが、無理やりでも一歩ずつ、進んでいくしかない。
けれどリヴィ様は、そんな俺たちに溜息を吐いて。
「レイ殿、社交界において流行とは、どこから発信されるものだと思いまして?」
「…………どこ?」
「礼服の意匠然り、襟飾のような、新しい習慣然り、どこから発せられ、広がっていくのだと思われます?」
「…………え……と……」
そんなの、分かるわけがない……。
答えられない俺に対し、リヴィ様は厳しい表情。
ご教授いただけますか? と、問うと、また溜息を吐いて、居住まいを正した。
「必ず成功する。という手段は無くってよ。けれど、いく筋かの道筋がありますの。
私は……アギーとはいえど、さしたる権威は持ち合わせておりませんし、あまりお力にはなれませんけれど、その道筋について、少々伝手を持つ身内ならば、おりますわ。
今、その者を呼びにいかせているのですけれど……遅いですわね」
頬に手をやり、ふぅ……と、息を吐く。
呼びに行かせてるって……クオンティーヌ様をだろうか?
先ほど名が出たクオン様というのは、おそらくそうだと思う。
「まぁ、ならば来るまでに、こちらも勝率を上げるための打ち合わせをしておきましょうか」
「勝率……ですか?」
「ええ。ではレイ殿、よくお聞きになって」
真剣な表情で身を乗り出したリディ様に、俺とサヤも居住まいを正した。
そうして、まず大切なことは……と、リディ様が口にしたのは……。
「恥ずかしい言動ほど、クオンは喜びますわ」
「…………はい?」
「甘い言葉や、絵物語の王子様のような所作などです。幸いレイ殿は女性的で見目も麗しいと思いますし、威圧感もございませんから、外見に関しては、クオン好みの王子様だと思いますの」
「……………………あの…………?」
「お茶会の時のような感じでよろしくってよ。
できればもう少し、サヤと密着して……あ、でもクオンはまだ十五ですから、あまり破廉恥な行為は慎んでいただけます?」
「いや……えぇ?」
俺たちは今……いったい何を真剣に語られているのだろう……?
意味が分からず困惑するしかない俺たちに、リヴィ様は想像を膨らませる余地を残した言動が鍵だと念を押す。
「全部を語ってしまわずとも良いのですわ。思わせぶりな隠語で誤魔化す等もクオンは好みます。
とにかく、あの娘の興味を引くことが肝要。気に入れば、そこかしこで吹聴して回りますし、話の種とネタ帳に記しますわ。でもそれだけでは一過性で終わるか、ネタの備蓄にされていつ日の目を見るやら分からぬことになってしまいますから、それ以上の興味を引き出す必要がございましてよ」
「あっあのですね……確認しますが、今俺たち、耳飾周知の手段について話し合っているのですよね⁉︎」
「ええ、その通りですわ」
いや、ならなおのこと意味が分かりませんが⁉︎
正直なところ、もう困惑を通り越して、この人どうしちゃったんだろうと不安を掻き立てられるまでに思考が進んでしまっていたのだけど、そこでコンコンと扉が叩かれた。
で、返事も待たず開いたかと思うと、何故か女装版クリスタ様がズカズカと部屋に踏み込んできたので、唖然とする……。
「……あの……何か?」
「クオンに用があると聞いてな。ほれ」
「もぅ! 姉様のバカッ。折角どこぞのお貴族様の逢瀬を盗み見る絶好の機会だったのに!」
「覗きの現場を抑えてな、説教しておったところだったのだ。遅れてすまぬな」
ディート殿に担がれた女性。ディート殿が担いでいるという時点でなんかこう……え? と、なったのだけど、皆様驚いていらっしゃらないご様子。
それどころか、リヴィ様は大きな溜息を吐いて……。
「クオン…………貴女まだ夜会に紛れ込もうとしていらしたの?」
「だって! 折角夜会に出れると思ってたのに直前で鞍替えよ⁉︎ 男爵家ごときの小倅が私を捨てたせいで絶好の機会を逃したのよ⁉︎
ならそいつの顔を拝んでやろうと思うのが普通じゃなくって? で、忍び込んでみたら丁度中庭の露台で逢瀬を楽しんでる人たちがいたから、後学のために見ておこうと思って!」
「そもそもお主、その男爵家の小倅に全く興味無かったではないか。それであっさり縁を繋げる話を切ることも承諾しておいて、今更なんだ」
「知らなかったのよ! もう夜会参加は決定だと思ってたのにそれも無しなんて! それに例のディート様とやりあう美麗幼従者の主人だって先に言っててくれてたら断らなかったもんっ!」
「とまぁ、こんな具合でな。手を焼いておるのよ」
「………………」
担がれた女性……というか少女が喚く言葉の内容が、なんか俺のこと言ってませんか……。
そしてなにその『美麗幼従者』って。そんな言葉初めて聞いたんですけど……。
どう反応して良いのかも分からず呆然と見ていたのだけれど、その視線に気付いた少女はギッと俺を睨んで「何見てんのよ! 見世物じゃないわよ!」と、噛み付いてきた。
そしてジタバタ暴れ出したのだが、ディート殿は当然、こ揺るぎもしない。
………………え……今ここ、修羅場?
「とりあえずどうする。話にならんようならこのまま持ち帰るぞ。
折角その、男爵家小倅と美麗幼従者を目の前にしてもこれではな。話もできんだろうし」
絶対に分かってて言っていますよね、それ。
姫様の言葉にピタリと暴れるのをやめた少女。目を皿のようにして部屋を見回し始めた。
その様子にほくそ笑みながら姫様は、固唾を飲んで状況を見守っていたサヤに視線をやって……。
「あぁでも、丁度二人が揃うておるし、ここで話しておくのも良いな。
オリヴィエラ。サヤとは仲良うやっていけそうか?」
「ええ。元よりサヤは気に入っておりましたし、強さも、勇気も、心根の優しさも、尊敬できる方でしてよ。
ただ……それを考えれば、私はまだまだ未熟……本当に、宜しいのでしょうか……そちらの方が、不安ですわ」
また意味のわからない会話が始まった。
だけど俺はともかくサヤの名が出たことで、思考の放棄をしている場合ではないと、自分を奮い立たせた。
「あ、あの……クリスタ様。うちのサヤが、何か?」
「ん? んー……まぁ良いか。ここで伝えておこう。
先日渡した襟飾だがな、あれは新たに設けることとなった近衛部隊の襟飾なのだよ。
それで、その近衛部隊にそこなオリヴィエラも推挙しておるのだが、まだ本人の気持ちが定まらぬようでな」
新たな近衛?…………え? でもリヴィ様は女性……。
「流石にこの国では、女性武芸者を探すこと自体がなかなか難しくてな。とはいえ貴族が一人もおらぬでは困るし……本当に其方が頼りなのだ。
どうか引き受けてもらえぬものかな、オリヴィエラ。サヤも確かに所属させるが、こやつはまだ成人しておらぬのだ。
どうせレイシールとともに行動させることになろうし、私の守りにはならぬ。せいぜい、式典の時などに借受けるくらいしか無理だろう」
「ちょっと待ってください⁉︎ サヤの引き抜きはやめてくださいって前にも言いましたよ⁉︎
そもそも俺はサヤを手放す気なんてありませんし、彼女は俺の将来の妻です‼︎ 成人したって王都にやりはしませんからね⁉︎」
「分かっておるわ! だが、其方が参列する式典の時などはどうせついてくるではないか! その時ちょっと仕事を任せるくらいは承知してもらうぞ!」
「拒否権無し⁉︎ サヤに無理強いなんてそんなの許さないですよ!」
「ちょっと手伝わせるだけだろうが!」
「あ、あの……あの、ちょっと待ってください。話が分からないです。もう一回、初めから説明していただけませんか⁉︎」
「サヤ……サヤってあのサヤよね⁉︎……でもこの人女性……あ、でも黒髪! お身内⁉︎ あああぁぁ、もう離してよこの手!」
「クオン、慎みがなくってよ。ディート殿にも失礼ですわ!」
「こんな体勢なのにどうやって慎み持てっていうの⁉︎」
ギャーギャー始めてしまった俺たちを、ただ黙って見守るディート殿。
一通りが騒ぎ疲れて落ち着いてきた頃に、爽やかな笑顔を振りまいて言ったことは……。
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