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荊縛の呪い 10
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まず確認したことは、ロゼの母親について……。
名はノエミ。獣人の特徴が強く出た女性であるようだ。顔はほぼ獣のそれで、尾も生えているらしい。
「確かに、ロゼの母親は獣人です……。ですが! 彼女はロゼを人だと言いましたよ⁉︎」
「そもそもロゼに獣の特徴なんて一つも無いだろうが」
オブシズもノエミと面識がある様子だ。ロゼを庇うように言葉を口にするから、必死に擁護しようとする二人を落ち着けと宥めた。
「なにも、特徴が謙虚な者だけが獣人とは限らない。
見ての通り、ハインは一見獣人だとは分からない……ガウリィも、そこの浅葱もだな。
だが、彼らは獣人なんだ」
「獣人だらけじゃねぇかよ!
お前……自分が何してるか分かってるのか⁉︎」
「無論分かっている。だけど今はそのことより、ロゼのことだよ」
あえて冷静に。言葉を発することを意識した。
「この通り、俺は獣人を多く身近に置いている身だ。獣人をとやかく言う立場にはないんだよ。
だから、ノエミが獣人であったってなんら支障はないし、ロゼだって本当はそうなんだ。
つまり、種がなんであるかを問題にしているのではない。
ロゼに獣人を嗅ぎ分ける能力が備わっているかどうかが、問題なんだ。あの赤縄の中には……今、獣人が数多くいる。
あの子が、それを嗅ぎ分けて、縄の中に入った可能性が考えられないかと」
「そんな馬鹿な! あの子がカーチャに分類する相手はかなり見境なくて、誰彼構わずといった様子だったんですよ⁉︎」
「……まぁ、幼いですし……獣人だけをきっちり選別していたとは限りませんからねぇ」
マルの横槍に、エルランドは更なる混乱に突入した様子だ。
まあ正直、その気持ちは分からなくもない。
「獣人同士は、お互いを匂いで判別できるらしい。だから、ロゼからもその匂いがしていなければおかしいということになるんだが……」
「例外もある」
俺の認識を覆す言葉を浅葱が重ねたものだから、俺たちは視線を彼に集中させた。
浅葱はつとめて冷静な表情で「俺はそこのハインの匂いは、かなり気をつけなければ判別できない」と、言った。
彼らは只人である俺たちよりはるかに鼻が効くのだが、相当慎重に確認しなければ、ハインを嗅ぎ分けられないし、おそらくガウリィもそうだという。
「そいつはかなり薄い。人と獣人の、ギリギリの境界線を半歩だけ跨いでいるといった感じなんだ」
そんな特徴の薄いハインだが、それでも獣人だと嗅ぎ分けることができる者がいる。
それができるのが……胡桃さんほどに、血の濃い者であるのだそうだ。
「しかも、移り香からすら判別するというなら、それは下手をしたら胡桃以上だ。
そして胡桃ぐらい血が濃いと、特徴も強く出ているものだぞ。
だから、その母親は特徴的にも獣人であるだろうし、その者が子を人だと言ったならば、そうなのだろう。匂いで判別しているはずだ」
「でもそれじゃ……ロゼが獣人を嗅ぎ分けているというのは?」
「結論としては、気のせい。ということになる」
その言葉に、エルランドは少し落ち着きを取り戻した。
ロゼはまだ幼い。しかも親に獣人を持つ身だと言うなら、将来の苦難は約束されたようなものだ。その上で更に、本人まで獣人となれば、あの天真爛漫さが失われてしまうかもしれない……。そう思えば、獣人を嗅ぎ分けられるかどうかなんて、気のせいだと考えたくなるのだろう。だけど…………。
「だけど、赤縄を越えたのだとしたら、嗅ぎ分けているとしか思えない……」
「……主。笛だ。子は見つかったらしい」
瞬間で耳を押さえた獣人二人。笛が聞こえたらしい。
二人の急な反応に、エルランドとオブシズは何が起こっているか分からないと言った様子。
だから、彼らには我々が聞き取れない音が聞こえるんだよと、説明しておいた。
ロゼが見つかったと聞いて、ホッとしたものの、更なる問題に頭が痛い…………。
しかもやはり、赤縄の中に入っていたのか……カーチャの匂いを追って?
「エルランド……申し訳ないが、ロゼはしばらくあの場で隔離だ」
そう言うと、エルランドは蒼白になってしまった。
入ってはいけない場所に入ったがために、罰せられるのだと勘違いした様子だから、違うのだと言葉を重ねる。
「あそこには今、荊縛に囚われた者らがいる。だから隔離していたんだ」
「荊縛⁉︎」
更にもたらされた凶報に、エルランドがぐらりと身体を傾けた。
それを慌ててオブシズが支える。
彼もさすがに、赤縄の理由については口外していなかったんだな……。まぁ、言えば混乱は、こんなものじゃ済まなかったろう。
「心配するな、あそこにはサヤもいるし、今しがた医師も向かった。薬師だっているんだよ。
飛び火していなければ、数日で解放される」
万全の状態だと伝えると、幾分慰めにはなった様子。けれど、ここに数日も囚われていれば、祝詞日が終わり、新しい年が来てしまう。
「す、数日……ですか……」
「うん。本格的に雪が降り出すよな。
エルランドはアギーまで戻らなければならないし、そこまで滞在してはいられないだろうから、この冬、ロゼはこちらで預かろうと思う。
……大丈夫だよ。越冬のための備蓄は問題無いし、子供一人くらい、なんとでもなるから」
そう言うと、また困ったように頭を抱えてしまった。
問題が次から次へと降りかかっているからな。それはもう、頭だって抱えたくなるだろう。
そんなエルランドに、見兼ねたらしいオブシズが、労わるように、俺がロゼを引き受けると口を開く……。
「俺が預かろう。ホセの一家は俺だって知らない仲じゃないし、お前が気にしてるのは貴族の厄介になるって部分だろう?」
「それはそうだが、それだけじゃない。…………っ、やっぱり駄目だ。
レイシール様、ロゼを預かったのは私です。冬の間は、私が親で、私に責任がある。
他の者らは帰還させます。けれど、どうか私とロゼに、この村への滞在をお許しいただけませんか。
幸い私は独り身ですから、待たせている家族もおりませんので、戻っても、どうせ一人寂しい越冬なんです」
苦笑して、そう言うエルランド。
あまりの状況に、少々吹っ切れてきたのかもしれない。腹を括るしかないと開き直った様子だ。
「分かった。滞在を許可しよう。
だが、滞在理由に獣人が含まれることは、気心知れた仲間であっても、伏せてくれ。
こちらも今、混乱の渦中でね……情報の整理ができていない。
とにかく、村の中に病をのさばらせるわけにはいかないから、それを抑え込むことに全力を注ぎたいんだ。
それ以外のことは、おいおい片付けていこう。
なに、越冬に入れば、時間は余るほどにあるからね」
そう言うと、エルランドはこくりと頷いた。
名はノエミ。獣人の特徴が強く出た女性であるようだ。顔はほぼ獣のそれで、尾も生えているらしい。
「確かに、ロゼの母親は獣人です……。ですが! 彼女はロゼを人だと言いましたよ⁉︎」
「そもそもロゼに獣の特徴なんて一つも無いだろうが」
オブシズもノエミと面識がある様子だ。ロゼを庇うように言葉を口にするから、必死に擁護しようとする二人を落ち着けと宥めた。
「なにも、特徴が謙虚な者だけが獣人とは限らない。
見ての通り、ハインは一見獣人だとは分からない……ガウリィも、そこの浅葱もだな。
だが、彼らは獣人なんだ」
「獣人だらけじゃねぇかよ!
お前……自分が何してるか分かってるのか⁉︎」
「無論分かっている。だけど今はそのことより、ロゼのことだよ」
あえて冷静に。言葉を発することを意識した。
「この通り、俺は獣人を多く身近に置いている身だ。獣人をとやかく言う立場にはないんだよ。
だから、ノエミが獣人であったってなんら支障はないし、ロゼだって本当はそうなんだ。
つまり、種がなんであるかを問題にしているのではない。
ロゼに獣人を嗅ぎ分ける能力が備わっているかどうかが、問題なんだ。あの赤縄の中には……今、獣人が数多くいる。
あの子が、それを嗅ぎ分けて、縄の中に入った可能性が考えられないかと」
「そんな馬鹿な! あの子がカーチャに分類する相手はかなり見境なくて、誰彼構わずといった様子だったんですよ⁉︎」
「……まぁ、幼いですし……獣人だけをきっちり選別していたとは限りませんからねぇ」
マルの横槍に、エルランドは更なる混乱に突入した様子だ。
まあ正直、その気持ちは分からなくもない。
「獣人同士は、お互いを匂いで判別できるらしい。だから、ロゼからもその匂いがしていなければおかしいということになるんだが……」
「例外もある」
俺の認識を覆す言葉を浅葱が重ねたものだから、俺たちは視線を彼に集中させた。
浅葱はつとめて冷静な表情で「俺はそこのハインの匂いは、かなり気をつけなければ判別できない」と、言った。
彼らは只人である俺たちよりはるかに鼻が効くのだが、相当慎重に確認しなければ、ハインを嗅ぎ分けられないし、おそらくガウリィもそうだという。
「そいつはかなり薄い。人と獣人の、ギリギリの境界線を半歩だけ跨いでいるといった感じなんだ」
そんな特徴の薄いハインだが、それでも獣人だと嗅ぎ分けることができる者がいる。
それができるのが……胡桃さんほどに、血の濃い者であるのだそうだ。
「しかも、移り香からすら判別するというなら、それは下手をしたら胡桃以上だ。
そして胡桃ぐらい血が濃いと、特徴も強く出ているものだぞ。
だから、その母親は特徴的にも獣人であるだろうし、その者が子を人だと言ったならば、そうなのだろう。匂いで判別しているはずだ」
「でもそれじゃ……ロゼが獣人を嗅ぎ分けているというのは?」
「結論としては、気のせい。ということになる」
その言葉に、エルランドは少し落ち着きを取り戻した。
ロゼはまだ幼い。しかも親に獣人を持つ身だと言うなら、将来の苦難は約束されたようなものだ。その上で更に、本人まで獣人となれば、あの天真爛漫さが失われてしまうかもしれない……。そう思えば、獣人を嗅ぎ分けられるかどうかなんて、気のせいだと考えたくなるのだろう。だけど…………。
「だけど、赤縄を越えたのだとしたら、嗅ぎ分けているとしか思えない……」
「……主。笛だ。子は見つかったらしい」
瞬間で耳を押さえた獣人二人。笛が聞こえたらしい。
二人の急な反応に、エルランドとオブシズは何が起こっているか分からないと言った様子。
だから、彼らには我々が聞き取れない音が聞こえるんだよと、説明しておいた。
ロゼが見つかったと聞いて、ホッとしたものの、更なる問題に頭が痛い…………。
しかもやはり、赤縄の中に入っていたのか……カーチャの匂いを追って?
「エルランド……申し訳ないが、ロゼはしばらくあの場で隔離だ」
そう言うと、エルランドは蒼白になってしまった。
入ってはいけない場所に入ったがために、罰せられるのだと勘違いした様子だから、違うのだと言葉を重ねる。
「あそこには今、荊縛に囚われた者らがいる。だから隔離していたんだ」
「荊縛⁉︎」
更にもたらされた凶報に、エルランドがぐらりと身体を傾けた。
それを慌ててオブシズが支える。
彼もさすがに、赤縄の理由については口外していなかったんだな……。まぁ、言えば混乱は、こんなものじゃ済まなかったろう。
「心配するな、あそこにはサヤもいるし、今しがた医師も向かった。薬師だっているんだよ。
飛び火していなければ、数日で解放される」
万全の状態だと伝えると、幾分慰めにはなった様子。けれど、ここに数日も囚われていれば、祝詞日が終わり、新しい年が来てしまう。
「す、数日……ですか……」
「うん。本格的に雪が降り出すよな。
エルランドはアギーまで戻らなければならないし、そこまで滞在してはいられないだろうから、この冬、ロゼはこちらで預かろうと思う。
……大丈夫だよ。越冬のための備蓄は問題無いし、子供一人くらい、なんとでもなるから」
そう言うと、また困ったように頭を抱えてしまった。
問題が次から次へと降りかかっているからな。それはもう、頭だって抱えたくなるだろう。
そんなエルランドに、見兼ねたらしいオブシズが、労わるように、俺がロゼを引き受けると口を開く……。
「俺が預かろう。ホセの一家は俺だって知らない仲じゃないし、お前が気にしてるのは貴族の厄介になるって部分だろう?」
「それはそうだが、それだけじゃない。…………っ、やっぱり駄目だ。
レイシール様、ロゼを預かったのは私です。冬の間は、私が親で、私に責任がある。
他の者らは帰還させます。けれど、どうか私とロゼに、この村への滞在をお許しいただけませんか。
幸い私は独り身ですから、待たせている家族もおりませんので、戻っても、どうせ一人寂しい越冬なんです」
苦笑して、そう言うエルランド。
あまりの状況に、少々吹っ切れてきたのかもしれない。腹を括るしかないと開き直った様子だ。
「分かった。滞在を許可しよう。
だが、滞在理由に獣人が含まれることは、気心知れた仲間であっても、伏せてくれ。
こちらも今、混乱の渦中でね……情報の整理ができていない。
とにかく、村の中に病をのさばらせるわけにはいかないから、それを抑え込むことに全力を注ぎたいんだ。
それ以外のことは、おいおい片付けていこう。
なに、越冬に入れば、時間は余るほどにあるからね」
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