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後遺症 2
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朝食の後、俺たちは一旦執務室に集合することにした。
マルの発言に緊急招集が必要だと判断したのだ。
執務机を挟み、マルと対峙する。俺の右後ろにはハイン。マルの後ろの長椅子には、ギルと、サヤが見守っている。
朝の報告を、もうちょっと詳しく説明してくれと伝えると、マルは了承した。
「いえね、土嚢壁の方は至極順調に進んでます。強度なんですが、既に計算上は氾濫を余裕で防止できるまでに到達してるんですよ。ただ、それを言葉で説明しても伝わらないんですよねぇ。必要ならしますけど……計算式とか聞きます?」
「いや、多分、何を言ってるのかさっぱりわからないと思う……」
まさか、もう氾濫を防止できる規模になっていると言われるとは……。
え?じゃあ、もう工事は終了で良いんじゃ? なんでまだ続けてるんだ?
「今の段階で、もう氾濫対策は万全だと言えます。ただ、守る範囲が狭いでしょう? この際だから、万全を期して、残りの日数は長さと幅を拡張していこうと思ってるんですよ。で、来年以降もどんどん伸ばしていこうかなと」
終わるどころか……拡張ときた。
しかも来年以降もって…………来年で終了しないってこと⁉︎
「な、何を言ってるのマル……? 雨季を終えたら、来年までに河川敷を作る。だったよな?
来年以降もって、どういうことだ?」
「どうって、新事業を立ち上げるんですよ。
河川敷を川に沿って、メバックの傍まで繋げるんです。ゆくゆくは、アギーに繋がればと思いますが」
いや待って、ほんと待って、マルの話がどこに飛躍しているのかが、いまだに分からない。氾濫対策をしているんだよな? 新事業を立ち上げるって、どこからそんな話が⁉︎
俺が魚よろしく口をパクパクさせていると、マルが「エゴンの財産がね、浮くんですよ」と、言い出した。
「氾濫対策と、河川敷作りの資金はもう、確保の目処が立ってるんです。
そこに、長年氾濫対策の為に集められていた寄付金が、横領されていたと判明しました。そして回収されるんです。対策の為の寄付ですから、当然、対策に使うべきです。
でですね、道の構造に着目して下さい。道は、地面より高い位置にあります。見晴らしが良い道で、襲撃しにくく、守りやすい。更に人の手で作る道です。高低差を極力無くし、馬車に適した道にすることが出来る。幅がもう少しあれば、とても輸送に適した構造なんですよ。これを利用しない手は無いでしょう?
長年の寄付はメバックの街人から為されたものですから、メバックに還元することを反対する者は居ないでしょう。更にメバックは、アギー領に近く、セイバーンの流通の要となる街の一つです。ここを発展させることは、セイバーン全体の利益に繋がります。
川に沿って地形も確認しましたが、川沿いを河川敷にしていくことは可能です。
しかも、メバックは異母様方に利用されておらず、ここに一番繋がりが強いのはレイ様、貴方です。この意味、お分り頂けます? 僕、言いましたよ? 貴方の、フェルドナレンでの立ち位置を確保すると。その一手に、この新事業を加えることにしたんですよ。
ついでにね、フェルドナレンにも恩を売っておこうと思うので、工事は数年続けたいんです。まあそこは、今は関係無いので、また今度、時期が来たら再度ご説明しますけど……聞きたいですか?」
「…………いや、聞かなくて良い……既にもう分からないから……」
頭が破裂しそうだ。
フェルドナレンに恩を売るって……国にってことか? まさか王家?……いや、流石にそれは無いよな?
とりあえず、十数年に渡って横領されていた寄付金が戻るけれど、元が氾濫対策に当てる予定だった資金だから、領の財政に組み込むのも収まりが悪い。だからそのまま氾濫対策に使うという名目で、河川敷の拡張に当てるということだよな?
ついでに、メバックの利益になる様、メバックに繋げる……異母様らが利用しておらず、俺が最も関わる街だから、俺にとっても良いと。
「ええと……メバックに繋げるのは分かった。で、輸送に適した構造なのも分かった。
この際道幅と長さの拡張は良いとして……どこにウーヴェが絡んでるんだ? なんで雇うってことになった?」
「この新事業は、レイ様、貴方の事業なのですよ。
氾濫対策の一環として、行われるのです。総指揮は私ですが、資金管理と運用に手間が掛かります。
数年に渡る事業になるでしょうし、私一人では大変なので、専門知識のある者を雇うべきかと。で、丁度良いのでウーヴェです。貴方に借りがあり、本人もやる気があります。家業もたたむし、問題無いでしょう?」
「もう打診済みってことか⁉︎ いやいやいや、工事の拡張とか俺が勝手にどうこう出来ることじゃないだろ⁉︎ 俺は領主代行。代行だからな⁉︎ 領地全体に関わる様なことは、俺では決断できないんだよ! しかもエゴンの財産程度で出来ることじゃ無いし!」
「いえいえ、出来ますよ。ていうか、させます。異母様方にも口出しさせませんから。
そこは、こっちに任せておいて下されば大丈夫ですって」
「何が大丈夫なのか全然見えないんだけど‼︎ 根拠はどこに⁉︎」
「あー……今日到着すると思ってたんですけどね、明日か、明後日になりそうですって。根拠」
「………………っ、根拠が来るって、どういうこと⁉︎」
今日来るのは楽しみにしておく何かじゃなかったの? なんかもう、混乱が混乱を呼んでるよ⁉︎
俺は状況把握を断念した。もう無理、頭がついていかない……。
俺とマルの応酬に、周りも全くついて来れていない。
机に突っ伏す俺に、マルは「レイ様は胆力だけ発揮してくだされば大丈夫ですから」と、ヘラヘラ笑い。
「じゃあ、僕は現場管理に行ってきます」
と、逃げ出した。
執務室に重い沈黙が続く……。
「……胆力だけ発揮しろって、どういうこと……」
「とりあえずマルの奇行に耐えてろってこったろ」
俺の心からの疑問に、溜息を吐きつつ、答えたのはギルだった。
「あいつが意味不明なのは今更、いつものことだろ。
まあ、何思いついたにしろ、やれるって言ってんだからやらしときゃ良いんじゃねぇの?」
「ウーヴェを雇うのは聞き捨てなりませんが、金貸しに不向きな性格は、高額資金の管理に向いているのでしょうしね。父親と違い、横領の心配がありません」
ハインも言う。
二人の反応に、自分が普段より過敏になっていることを悟る。
通常なら、マルの奇行に二人が文句を言い、俺が宥める役なのだ。
やばい……いつも通りにしていないと……。二人の手を煩わしておきながら、俺が拘ってるんじゃ、あべこべじゃないか……。
「そうだな……。どの道マルに任せるしかないし……な」
無理矢理笑みを作って、そう流しておいた。
俺をじっと見るサヤが、少し、眉を寄せていたので、慌てて表情に気合を入れて。
マルの発言に緊急招集が必要だと判断したのだ。
執務机を挟み、マルと対峙する。俺の右後ろにはハイン。マルの後ろの長椅子には、ギルと、サヤが見守っている。
朝の報告を、もうちょっと詳しく説明してくれと伝えると、マルは了承した。
「いえね、土嚢壁の方は至極順調に進んでます。強度なんですが、既に計算上は氾濫を余裕で防止できるまでに到達してるんですよ。ただ、それを言葉で説明しても伝わらないんですよねぇ。必要ならしますけど……計算式とか聞きます?」
「いや、多分、何を言ってるのかさっぱりわからないと思う……」
まさか、もう氾濫を防止できる規模になっていると言われるとは……。
え?じゃあ、もう工事は終了で良いんじゃ? なんでまだ続けてるんだ?
「今の段階で、もう氾濫対策は万全だと言えます。ただ、守る範囲が狭いでしょう? この際だから、万全を期して、残りの日数は長さと幅を拡張していこうと思ってるんですよ。で、来年以降もどんどん伸ばしていこうかなと」
終わるどころか……拡張ときた。
しかも来年以降もって…………来年で終了しないってこと⁉︎
「な、何を言ってるのマル……? 雨季を終えたら、来年までに河川敷を作る。だったよな?
来年以降もって、どういうことだ?」
「どうって、新事業を立ち上げるんですよ。
河川敷を川に沿って、メバックの傍まで繋げるんです。ゆくゆくは、アギーに繋がればと思いますが」
いや待って、ほんと待って、マルの話がどこに飛躍しているのかが、いまだに分からない。氾濫対策をしているんだよな? 新事業を立ち上げるって、どこからそんな話が⁉︎
俺が魚よろしく口をパクパクさせていると、マルが「エゴンの財産がね、浮くんですよ」と、言い出した。
「氾濫対策と、河川敷作りの資金はもう、確保の目処が立ってるんです。
そこに、長年氾濫対策の為に集められていた寄付金が、横領されていたと判明しました。そして回収されるんです。対策の為の寄付ですから、当然、対策に使うべきです。
でですね、道の構造に着目して下さい。道は、地面より高い位置にあります。見晴らしが良い道で、襲撃しにくく、守りやすい。更に人の手で作る道です。高低差を極力無くし、馬車に適した道にすることが出来る。幅がもう少しあれば、とても輸送に適した構造なんですよ。これを利用しない手は無いでしょう?
長年の寄付はメバックの街人から為されたものですから、メバックに還元することを反対する者は居ないでしょう。更にメバックは、アギー領に近く、セイバーンの流通の要となる街の一つです。ここを発展させることは、セイバーン全体の利益に繋がります。
川に沿って地形も確認しましたが、川沿いを河川敷にしていくことは可能です。
しかも、メバックは異母様方に利用されておらず、ここに一番繋がりが強いのはレイ様、貴方です。この意味、お分り頂けます? 僕、言いましたよ? 貴方の、フェルドナレンでの立ち位置を確保すると。その一手に、この新事業を加えることにしたんですよ。
ついでにね、フェルドナレンにも恩を売っておこうと思うので、工事は数年続けたいんです。まあそこは、今は関係無いので、また今度、時期が来たら再度ご説明しますけど……聞きたいですか?」
「…………いや、聞かなくて良い……既にもう分からないから……」
頭が破裂しそうだ。
フェルドナレンに恩を売るって……国にってことか? まさか王家?……いや、流石にそれは無いよな?
とりあえず、十数年に渡って横領されていた寄付金が戻るけれど、元が氾濫対策に当てる予定だった資金だから、領の財政に組み込むのも収まりが悪い。だからそのまま氾濫対策に使うという名目で、河川敷の拡張に当てるということだよな?
ついでに、メバックの利益になる様、メバックに繋げる……異母様らが利用しておらず、俺が最も関わる街だから、俺にとっても良いと。
「ええと……メバックに繋げるのは分かった。で、輸送に適した構造なのも分かった。
この際道幅と長さの拡張は良いとして……どこにウーヴェが絡んでるんだ? なんで雇うってことになった?」
「この新事業は、レイ様、貴方の事業なのですよ。
氾濫対策の一環として、行われるのです。総指揮は私ですが、資金管理と運用に手間が掛かります。
数年に渡る事業になるでしょうし、私一人では大変なので、専門知識のある者を雇うべきかと。で、丁度良いのでウーヴェです。貴方に借りがあり、本人もやる気があります。家業もたたむし、問題無いでしょう?」
「もう打診済みってことか⁉︎ いやいやいや、工事の拡張とか俺が勝手にどうこう出来ることじゃないだろ⁉︎ 俺は領主代行。代行だからな⁉︎ 領地全体に関わる様なことは、俺では決断できないんだよ! しかもエゴンの財産程度で出来ることじゃ無いし!」
「いえいえ、出来ますよ。ていうか、させます。異母様方にも口出しさせませんから。
そこは、こっちに任せておいて下されば大丈夫ですって」
「何が大丈夫なのか全然見えないんだけど‼︎ 根拠はどこに⁉︎」
「あー……今日到着すると思ってたんですけどね、明日か、明後日になりそうですって。根拠」
「………………っ、根拠が来るって、どういうこと⁉︎」
今日来るのは楽しみにしておく何かじゃなかったの? なんかもう、混乱が混乱を呼んでるよ⁉︎
俺は状況把握を断念した。もう無理、頭がついていかない……。
俺とマルの応酬に、周りも全くついて来れていない。
机に突っ伏す俺に、マルは「レイ様は胆力だけ発揮してくだされば大丈夫ですから」と、ヘラヘラ笑い。
「じゃあ、僕は現場管理に行ってきます」
と、逃げ出した。
執務室に重い沈黙が続く……。
「……胆力だけ発揮しろって、どういうこと……」
「とりあえずマルの奇行に耐えてろってこったろ」
俺の心からの疑問に、溜息を吐きつつ、答えたのはギルだった。
「あいつが意味不明なのは今更、いつものことだろ。
まあ、何思いついたにしろ、やれるって言ってんだからやらしときゃ良いんじゃねぇの?」
「ウーヴェを雇うのは聞き捨てなりませんが、金貸しに不向きな性格は、高額資金の管理に向いているのでしょうしね。父親と違い、横領の心配がありません」
ハインも言う。
二人の反応に、自分が普段より過敏になっていることを悟る。
通常なら、マルの奇行に二人が文句を言い、俺が宥める役なのだ。
やばい……いつも通りにしていないと……。二人の手を煩わしておきながら、俺が拘ってるんじゃ、あべこべじゃないか……。
「そうだな……。どの道マルに任せるしかないし……な」
無理矢理笑みを作って、そう流しておいた。
俺をじっと見るサヤが、少し、眉を寄せていたので、慌てて表情に気合を入れて。
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