92 / 1,121
大店会議 11
しおりを挟む
「ある子供の母親は、薬一つで治せる病で亡くなったよ。畑と家の再建に、莫大な金が掛かるのが分かっていたから、病であることを伏せていたんだ。
父親の方も亡くなっているのに……子を残して逝くことになるのに……どんな気持ちでその選択をしたのかを思うと、俺は正直、居た堪れない気持ちになるのだけどね……。
税金や寄付で再建するからといって、農民たちはそれに胡座をかいたりしない。申し訳ないからと、遠慮する。
俺はね……そんな、命懸けの選択を、してほしくないんだ。村の者にも、君たちにも。
死んでからじゃ、取り返せないんだよ」
ユミルとカミルの母親は、そうやって逝ったと聞いている。
セイバーンを離れていた俺は、何もできなかった。セイバーンに戻るまで、知りもしなかった。
俺が知らないうちに、俺たち貴族が普通に生活しているのに、そんな風に道を選ばざるを得なかった人がいることが、俺は納得できない……。
そこで机を叩いたのはルカだった。ガタンと椅子を鳴らして立ち上がる。
「俺、組合長がなんて言おうが工事に参加したい!
あんたすげぇいい奴だって思うし、土嚢のことも気になるし、もし氾濫を無くせるなら、子や孫にだって自慢できると思うんだ。俺、こんなすげぇもんを手掛けたんだぞって。胸を張って言える。
なあ、俺一人だけでもいいかな。絶対役に立つっ! 駄目か⁉︎ 俺、工事に参加したい!」
場の空気が氷点下まで下がった気がした。前の会話完全無視か⁉︎
土建組合長は白目をむいてしまっている。多分横合いからの殺気めいた何かはハインじゃないかな。視界の端でウーヴェが机に突っ伏してしまったのが見えるし、ギルは顔を手で覆ってしまっていた。
こいつ、マジで何も考えず発言しやがった……! という、皆の思考が手に取るように分かって、俺は笑ってしまった。
引き摺られ、少し燻っていた負の感情が、暴風に吹き消された心地だ。
ほんと凄いなルカは! ここまで開けっぴろげな奴は、初めてだ。
「俺としては大歓迎するけどね。でも、組合長の心労をもう少し配慮してやってほしい。
ルカは今、手掛けている仕事があったりしないのか? ルカが急に抜けてしまったら、他の職人にも迷惑を掛けてしまう。それは俺も申し訳ないよ。
だから、ちゃんと戻って話し合って、調整がついてからだ。それで納得して貰えるかな?」
そう諭すと、ルカはバツが悪そうに頭を掻いた。
「ご子息様がそう言うなら、そうする」と、答えたので、笑って「期待して待ってるよ」と伝えておいた。
そこからは、沈黙の時間が続くことは無かった。とにかく早く、ルカの搔き乱した空気をなんとかしようと、皆が率先して口を開いたのだ。
それぞれが疑問点や要望を口にし、話し合って結論を導き出す時間となる。
俺は内心、喝采をあげたい気分だった。
お互いの懸案事項を照らし合わせていくうちに、問題点がきちんと見えてくるし、その問題が解消されていたり、さして問題ではなかったことが分かってきたのだ。
そのうち、昨日大半を占めていた否定的な意見が減んじ、土嚢を使った水害対策を行うにはどうすれば効率的かという意見まで出てきた。
馬車で半日近く掛かるセイバーンまで出稼ぎに出るとなると、日帰りは無理だ。
雇う者を数日滞在する前提とする方が良いであるとか、人と食料を一緒に運ぶ様にすれば馬車代の節約になるのではとか、先程の細かく上がった数字をもう少し手頃にする案が各々から上がる。
また、想定外であったのがサヤである。
意見が飛び交う中、挙手をしたのだ。
サヤは意見を述べる時、何故か挙手をする。多分、サヤの国の習慣なのだろう。俺達はそれを知っているのだが、組合長らは知る筈もない。俺の背後に立つサヤが手を挙げ、組合長らの視線がサヤに釘付けになった。場が一気に静まり返る。
ハインが「何か意見があるのですか」と話を振って、俺は初めて、サヤが発言をする気でいると知り、振り返った。いや……止めてないから、別に良いんだけど……想定してなかったな……。
「あ、あの……使用人の身で、不躾にも意見を述べることをお許し下さい……。
日雇いの賃金についてなのですが……賄いをつけることで、手当てを減らすという方法もあるかと思ったのです……。
屋台の設置に、結構大きな予算が組まれていますよね。屋台の賃借料、運搬料、調理人を雇う費用……。更に、食材費用、日々の食材の運搬料……。
屋台への出費は日雇いの方々の実費ですし、それを惜しんで持参する人も増え、手荷物が増え、馬車で移送できる人数も減ってしまいます。しかも屋台での収入はあまり見込まれてません……。これは、持参する人が結構多いということですよね? けれど、屋台を利用する人がいる以上、置かないわけにはいかない。
なので、屋台を用意するのをやめて食事を提供し、そのぶん賃金を安く設定するのはどうかと。
日雇いの方々は、手荷物が減ります。我々も、人数が把握できれば、購入する食材をある程度絞り込め、費用を抑えられますし、大量生産すれば良いので屋台ほどの資金も手間も掛からない……。日雇いの方も、日雇いの期間に出費がありませんから、仕事を終える時には賃金が丸々手元に残る。少々割安でも、納得してくれるのではと、思ったのです」
サヤが口を閉ざしても、場は静まり返っていた。
居たたまれない沈黙の中、サヤがどんどん縮こまっていったのだが、うん! と、マルが口を開く。
「それ良いですね。賄い製作を村の女達に依頼すれば、調理の人員確保にもなりますし、手間賃ですみます。メバックから屋台を運ぶ必要もないので運搬代も、屋台の賃借料も、料理人を雇う費用も掛かりません。食材の厳選もできます。売れ残りぶんを捨てることもなくなります。
ざっと頭で計算しただけなんで、ざっくりした金額ですけど、ここに想定していた資金の六割は削減できますねぇ。食事をつけることで日雇いの賃金も割安にできることを考えると……結構な金額が、浮きます」
どよりと、場が湧いた。
サヤがますます身を縮めたが、恥ずかしがっているだけなのは一目瞭然だ。俺はなんだか誇らしい気分になってしまった。
「ところで、土嚢を使った水害対策を行うか、行わないかの賛否を問う筈だったのですが、話が先に進んでしまっています。
先に、再決を取らせて頂いてもよろしいでしょうか」
場の空気をバッサリと切って、ハインがそう口を挟んだ。
それに組合長らがまた笑い、騒めく。忘れてた!とか、そういやそうだったなぁ。とか、もう決まったようなもんだろう。など、明るい雰囲気で言葉を交わす。
「あと、それぞれが意見を言う時間をという話でしたが……まだ発言していない方はいらっしゃいますか。挙手を願います」
場が静まって、おずおずと、一つだけ手が上がった。ウーヴェだ。
ハインがギロリと目を光らせて「再決の前に意見をお願いします」と、促す。今言え。すぐ言え。そう言ってる……。
「……物資の輸送に、川を利用できればと、思ったのですが……全て馬車で運ぶのですか……」
「川?」
「その……物資の運搬は馬車より船の方が多く運べて安く、早く着くかと」
「……それも、賛否についてではなく、先の話ですが」
ハインが冷え切った視線で突っ込むが、うっと詰まるウーヴェに長らはどっと湧いた。
もうなにを言っても笑える心境なのかな……。
「もう良いですから、決を採ります。
賛成の人は挙手を願います。一、二、三、四、五」
付き合ってられないと、ハインが採決を勝手に始めてしまう。それに次々と手が上がった。
結果は賛成九票。土嚢を使った氾濫対策が決定した。
そこで俺は最後の通達を付け足す。
「すまない、税に関してなんだが、無理な要求をしているのに、その報いが無いのも良くない。まだきっちりと話し合ってないので、金額についてははっきり言えないが、寄付をしてくれた組合や大店からは、税の減額を検討しようと思っている。あと、貸付を行ってくれた者には貸付期間に応じ利息を払う。それでも資金繰りの負担になる場合は相談してくれ、対応を考えるから」
湧いていた空気が急速に冷えた。
え……まさか、この提案歓迎されていない……?
場の雰囲気に狼狽えた俺に、レブロンが咳払いをし、口を開いた。
「レイシール様、それは交渉の席で、利用すべき情報だと思うのですが……」
「え?駄目だろ。本来はやって当然の配慮だ。
今まで身分差で誤魔化されていた部分を正しただけだ。交渉ごとに利用することじゃない」
俺の返答に、レブロンは苦笑し、肩を竦める。「人たらしですねぇ」と、小声で呟いた。
父親の方も亡くなっているのに……子を残して逝くことになるのに……どんな気持ちでその選択をしたのかを思うと、俺は正直、居た堪れない気持ちになるのだけどね……。
税金や寄付で再建するからといって、農民たちはそれに胡座をかいたりしない。申し訳ないからと、遠慮する。
俺はね……そんな、命懸けの選択を、してほしくないんだ。村の者にも、君たちにも。
死んでからじゃ、取り返せないんだよ」
ユミルとカミルの母親は、そうやって逝ったと聞いている。
セイバーンを離れていた俺は、何もできなかった。セイバーンに戻るまで、知りもしなかった。
俺が知らないうちに、俺たち貴族が普通に生活しているのに、そんな風に道を選ばざるを得なかった人がいることが、俺は納得できない……。
そこで机を叩いたのはルカだった。ガタンと椅子を鳴らして立ち上がる。
「俺、組合長がなんて言おうが工事に参加したい!
あんたすげぇいい奴だって思うし、土嚢のことも気になるし、もし氾濫を無くせるなら、子や孫にだって自慢できると思うんだ。俺、こんなすげぇもんを手掛けたんだぞって。胸を張って言える。
なあ、俺一人だけでもいいかな。絶対役に立つっ! 駄目か⁉︎ 俺、工事に参加したい!」
場の空気が氷点下まで下がった気がした。前の会話完全無視か⁉︎
土建組合長は白目をむいてしまっている。多分横合いからの殺気めいた何かはハインじゃないかな。視界の端でウーヴェが机に突っ伏してしまったのが見えるし、ギルは顔を手で覆ってしまっていた。
こいつ、マジで何も考えず発言しやがった……! という、皆の思考が手に取るように分かって、俺は笑ってしまった。
引き摺られ、少し燻っていた負の感情が、暴風に吹き消された心地だ。
ほんと凄いなルカは! ここまで開けっぴろげな奴は、初めてだ。
「俺としては大歓迎するけどね。でも、組合長の心労をもう少し配慮してやってほしい。
ルカは今、手掛けている仕事があったりしないのか? ルカが急に抜けてしまったら、他の職人にも迷惑を掛けてしまう。それは俺も申し訳ないよ。
だから、ちゃんと戻って話し合って、調整がついてからだ。それで納得して貰えるかな?」
そう諭すと、ルカはバツが悪そうに頭を掻いた。
「ご子息様がそう言うなら、そうする」と、答えたので、笑って「期待して待ってるよ」と伝えておいた。
そこからは、沈黙の時間が続くことは無かった。とにかく早く、ルカの搔き乱した空気をなんとかしようと、皆が率先して口を開いたのだ。
それぞれが疑問点や要望を口にし、話し合って結論を導き出す時間となる。
俺は内心、喝采をあげたい気分だった。
お互いの懸案事項を照らし合わせていくうちに、問題点がきちんと見えてくるし、その問題が解消されていたり、さして問題ではなかったことが分かってきたのだ。
そのうち、昨日大半を占めていた否定的な意見が減んじ、土嚢を使った水害対策を行うにはどうすれば効率的かという意見まで出てきた。
馬車で半日近く掛かるセイバーンまで出稼ぎに出るとなると、日帰りは無理だ。
雇う者を数日滞在する前提とする方が良いであるとか、人と食料を一緒に運ぶ様にすれば馬車代の節約になるのではとか、先程の細かく上がった数字をもう少し手頃にする案が各々から上がる。
また、想定外であったのがサヤである。
意見が飛び交う中、挙手をしたのだ。
サヤは意見を述べる時、何故か挙手をする。多分、サヤの国の習慣なのだろう。俺達はそれを知っているのだが、組合長らは知る筈もない。俺の背後に立つサヤが手を挙げ、組合長らの視線がサヤに釘付けになった。場が一気に静まり返る。
ハインが「何か意見があるのですか」と話を振って、俺は初めて、サヤが発言をする気でいると知り、振り返った。いや……止めてないから、別に良いんだけど……想定してなかったな……。
「あ、あの……使用人の身で、不躾にも意見を述べることをお許し下さい……。
日雇いの賃金についてなのですが……賄いをつけることで、手当てを減らすという方法もあるかと思ったのです……。
屋台の設置に、結構大きな予算が組まれていますよね。屋台の賃借料、運搬料、調理人を雇う費用……。更に、食材費用、日々の食材の運搬料……。
屋台への出費は日雇いの方々の実費ですし、それを惜しんで持参する人も増え、手荷物が増え、馬車で移送できる人数も減ってしまいます。しかも屋台での収入はあまり見込まれてません……。これは、持参する人が結構多いということですよね? けれど、屋台を利用する人がいる以上、置かないわけにはいかない。
なので、屋台を用意するのをやめて食事を提供し、そのぶん賃金を安く設定するのはどうかと。
日雇いの方々は、手荷物が減ります。我々も、人数が把握できれば、購入する食材をある程度絞り込め、費用を抑えられますし、大量生産すれば良いので屋台ほどの資金も手間も掛からない……。日雇いの方も、日雇いの期間に出費がありませんから、仕事を終える時には賃金が丸々手元に残る。少々割安でも、納得してくれるのではと、思ったのです」
サヤが口を閉ざしても、場は静まり返っていた。
居たたまれない沈黙の中、サヤがどんどん縮こまっていったのだが、うん! と、マルが口を開く。
「それ良いですね。賄い製作を村の女達に依頼すれば、調理の人員確保にもなりますし、手間賃ですみます。メバックから屋台を運ぶ必要もないので運搬代も、屋台の賃借料も、料理人を雇う費用も掛かりません。食材の厳選もできます。売れ残りぶんを捨てることもなくなります。
ざっと頭で計算しただけなんで、ざっくりした金額ですけど、ここに想定していた資金の六割は削減できますねぇ。食事をつけることで日雇いの賃金も割安にできることを考えると……結構な金額が、浮きます」
どよりと、場が湧いた。
サヤがますます身を縮めたが、恥ずかしがっているだけなのは一目瞭然だ。俺はなんだか誇らしい気分になってしまった。
「ところで、土嚢を使った水害対策を行うか、行わないかの賛否を問う筈だったのですが、話が先に進んでしまっています。
先に、再決を取らせて頂いてもよろしいでしょうか」
場の空気をバッサリと切って、ハインがそう口を挟んだ。
それに組合長らがまた笑い、騒めく。忘れてた!とか、そういやそうだったなぁ。とか、もう決まったようなもんだろう。など、明るい雰囲気で言葉を交わす。
「あと、それぞれが意見を言う時間をという話でしたが……まだ発言していない方はいらっしゃいますか。挙手を願います」
場が静まって、おずおずと、一つだけ手が上がった。ウーヴェだ。
ハインがギロリと目を光らせて「再決の前に意見をお願いします」と、促す。今言え。すぐ言え。そう言ってる……。
「……物資の輸送に、川を利用できればと、思ったのですが……全て馬車で運ぶのですか……」
「川?」
「その……物資の運搬は馬車より船の方が多く運べて安く、早く着くかと」
「……それも、賛否についてではなく、先の話ですが」
ハインが冷え切った視線で突っ込むが、うっと詰まるウーヴェに長らはどっと湧いた。
もうなにを言っても笑える心境なのかな……。
「もう良いですから、決を採ります。
賛成の人は挙手を願います。一、二、三、四、五」
付き合ってられないと、ハインが採決を勝手に始めてしまう。それに次々と手が上がった。
結果は賛成九票。土嚢を使った氾濫対策が決定した。
そこで俺は最後の通達を付け足す。
「すまない、税に関してなんだが、無理な要求をしているのに、その報いが無いのも良くない。まだきっちりと話し合ってないので、金額についてははっきり言えないが、寄付をしてくれた組合や大店からは、税の減額を検討しようと思っている。あと、貸付を行ってくれた者には貸付期間に応じ利息を払う。それでも資金繰りの負担になる場合は相談してくれ、対応を考えるから」
湧いていた空気が急速に冷えた。
え……まさか、この提案歓迎されていない……?
場の雰囲気に狼狽えた俺に、レブロンが咳払いをし、口を開いた。
「レイシール様、それは交渉の席で、利用すべき情報だと思うのですが……」
「え?駄目だろ。本来はやって当然の配慮だ。
今まで身分差で誤魔化されていた部分を正しただけだ。交渉ごとに利用することじゃない」
俺の返答に、レブロンは苦笑し、肩を竦める。「人たらしですねぇ」と、小声で呟いた。
0
お気に入りに追加
838
あなたにおすすめの小説
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
残念ながら、定員オーバーです!お望みなら、次期王妃の座を明け渡しますので、お好きにしてください
mios
恋愛
ここのところ、婚約者の第一王子に付き纏われている。
「ベアトリス、頼む!このとーりだ!」
大袈裟に頭を下げて、どうにか我儘を通そうとなさいますが、何度も言いますが、無理です!
男爵令嬢を側妃にすることはできません。愛妾もすでに埋まってますのよ。
どこに、捻じ込めると言うのですか!
※番外編少し長くなりそうなので、また別作品としてあげることにしました。読んでいただきありがとうございました。
【改稿版・完結】その瞳に魅入られて
おもち。
恋愛
「——君を愛してる」
そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった——
幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。
あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは……
『最初から愛されていなかった』
その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。
私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。
『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』
『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』
でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。
必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。
私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……?
※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。
※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。
※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。
※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる