(仮)暗殺者とリチャード

春山ひろ

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2.天使?精霊?妖精?

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 庭師かと思ったら、まさかの大公爵夫人だった。
 俺は真っ青になった。
「も、申し訳」
「そういうのはいいから。ジョシュアだよ。宜しく」
 ジョシュア様は俺をぎゅっと抱きしめてくれた。
 あったかい。なんてあったかいんだろう。
「マ、マヌーシュです」
 俺はターゲットに抱きしめられながら名前を呟いた。

「さあ、朝食を食べよう!」
 そういうとジョシュア様は俺ともう一度、手をつないで階段を上った。

 まさかこんなに早くターゲットと会うなんて思ってもみなかった。これじゃ、だめだ、プロは常に三歩先を読まねば。
 俺はチラッとジョシュア様を見た。俺よりは背は高いけど、ほんとに小さい。顔も小さい。そして、つないだ手はとても温かかった。
 俺が見ていたのに気づいたジョシュア様は、階段の中ほどで止まって「ようこそ、グランフォルドへ」と言ってくれた。

 そんなに歓迎してくれちゃっていいの?俺、暗殺者だよ?あんたは俺のターゲットなんだよ。
胸がチクっとした。

 そのまま階段を上がりきって、たぶん2階?につくと、制服を着た侍従と侍女が左右に分かれて壁際に並んでいた。
 すっごく立派な紳士が前に出て「おはようございます、奥様」というと、控えていた全員が「おはようございます。奥様」と声を揃えた。

「おはよう。今日もいい天気だ。レイモンド」
 さっきの立派な紳士が礼を取る。
「彼が今日からヤヌシュ殿下の侍従となるマヌーシュだ」

 いきなり全員から注目された。
「あ、あ、宜しくお願いします」
「家令のレイモンド・ブキャナンと申します。こんなにお小さいのに、はるばる海を越えてよう来られた」
「しばらくは離宮でなく、本邸こちらに住まわせようと思う」
「はい。お部屋の準備は出来ております」
「いろいろ慣れないと思うので、リチャードと一緒に家庭教師から学ばそうと考えているんだ」
「承知いたしました」

 ジョシュア様は、俺を見て「困ったことがあったら、すぐに彼に伝えるように」と教えてくれた。
 そのままジョシュア様は侍従と侍女の間をまっすぐに歩いていく。俺はずっとジョシュア様と手をつないだままだ。
 殿下がレイモンドさんにボークリーを紹介している声が後ろから聞こえ、「ボークリー様にはこちらに朝食を準備しております」と、レイモンドさんが言っている。

 ここでボークリーとはお別れだと、ちょっと寂しい。彼と一緒に飯が食いたくて、思わずジョシュア様に声をかける。
「あ、あの」
「お腹がすいただろう。朝食を食べよう」
 ジョシュア様がにこやかにいうので、言葉が続かなかった。

 そのまま歩いていくと、両脇に侍従が立っている扉の前に着き、ジョシュア様が頷いた。それを合図に、さーっと開かれた扉の先は広々した部屋で、その中央に大きなテーブルがあり、そこにいた人たちが一斉に席を立ったのが見えた。

 ジョシュア様と一緒に彼らに近づく。
「みんなに紹介しよう。新しい家族、マヌーシュだ」

 え、え、家族?家族って…何?
 頭が真っ白になった俺に構わず、ジョシュア様は俺をお誕生日席に座る男性に紹介した。
「オリバー、マヌーシュだ。マヌーシュ、私の夫のオリバーだ」

 目、目がチカチカする。オリバー様は彫像のように整った顔立ちだった。まるで作り物のよう。でも目が笑っていた。
 いい匂いがするオリバー様は膝をついて「よろしく、マヌーシュ。オリバーだ。『父上』と呼んでくれてもいいよ」と言いながら俺を抱きしめた。
 ちちうえ?うそ、何を言っているんだろう?

 パコーンという音がした。
 ジョシュア様がオリバー様の後頭部を叩いたんだ!
「オリバー、それをいうのは早すぎ!」
 叩かれたオリバー様は、なぜか胸を抑えている。頭を叩かれて胸を抑えるって、どういうこと?
「はあ、すまない。感動して胸が苦しくなった」

 え、頭を叩かれたのに?

「父上、何事もタイミングというのがあるんですよ」
「そうですわ。急いては事を仕損じると申しますでしょう」

 声の方を向く。俺よりかは年上だけど、大人じゃない。男の子?男の子なのか?とにかく大人じゃないけど、顔は大公爵とそっくりな少年?青年?がいた。まるで拡大→縮小だ。そのくらい似ていた。
「彼はガブリエル。長男だ」
 ジョシュア様が紹介してくれる。
 あ、いずれ王の配偶者になるという…。確かに大公爵にそっくりだ。
「ガブリエルの隣が長女のアナベル」
 こっちもすごい。少女だよな、大人じゃないよな?だけどヤルガント修道院の院長(50代・男性)と同じくらい貫禄があった。なんで?

「ガブリエルだ」
「アナベルよ」
「あ、お、私はマヌーシュです」
「そんなに畏まらないで」
 少女なのに、なんでそんなに堂々としているんだ!

「はい!僕も!」
 アナベル様の横から元気な声が聞こえた。見れば、またもやオリバー様そっくりの少年だ。つまり拡大→縮小→さらに縮小っていう感じでそっくり!俺がオリバー様、次いでガブリエル様、そして少年と順番に見たことで、三人が「ぷっ」と笑った。その笑い方までそっくりだ。「さらに縮小」の少年がいう。
「次男のウェスティンです」
 ウェスティン様の横にヤヌシュ殿下が並んだ。二人で見つめ合ってる。殿下はとても幸せそうだ。

「はい!はい!僕はエリオットです!」
 ひときわ元気な声がした。見れば殿下の隣にジョシュア様そっくりな少年がいた。こっちもまさに縮小版。俺は目を右から左に移動させ、ジョシュア様とエリオット様を見比べた。
「ジョシュアとエリオットはそっくりなんだよ」
 オリバー様がうっとりした表情でいった。

「たぶん、一番僕と遊ぶと思うから、宜しくね」
「エリオットはマヌーシュと同い年だ」
「あ、宜しくお願いします」
 俺はぺこりと頭を下げた。

「僕も、僕もご挨拶したいでしゅ!」
 
 今度は高い幼児の声だ。しかしエリオット様の隣を見ても、誰もいない。ジョシュア様がテーブルの下を覗き込んだので俺もマネした。

 そこに…天使がいた!

 いや精霊か?それとも妖精?ああ、なんでもいい。とにかく人外の生き物だ。

 ブルーのジャケットを着て、ふくふくした体に満面の笑顔!髪は金色に輝き、血色のいい肌艶にピンクのほっぺだ。その天使は、テーブルの下をとことこ歩いて、俺に近づくとにーっと笑い、「リチャードでしゅ」と言った。
 少し離れたところにいた侍女たちもテーブルの下を覗き込んで胸を抑えている。ああ、やばい、分かる!俺もだ。なんてかわいいんだろう!

 朝食を食べ始めていたからだろうか。天使の口の周りに少しパンがついていた。俺が口を見ていたことに気づいた天使は、「お口、ふく?」といって、んーと言いながら、口を突き出した。俺はとっさに自分の袖口で拭いてしまった。

「リチャード、自分で出来るでしょ?」
 ジョシュア様だ。ジョシュア様の声がお母さんの声になってる。
「母上、今日は、とくべちゅ!マヌ!ごはん、たべよ!」

 マヌ?それは俺のことですね?
 天使ことリチャード様は、俺の手を取って、さっきと同じようにテーブルの下をとことこ歩いて自分の席に戻ろうとする。さすがに俺は少しかがんでついていった。
「マヌはここ!」
 侍女がリチャード様の隣に椅子を持ってきた。

 ここに俺が座るの?だってご家族だけの朝食の席になのに、そこに俺が入っちゃっていいの?
 オリバー様が当然のように頷くと、あっという間に皿やナイフがセットされた。

「マヌ!はい!」
 リチャード様がばんざいしている?え、なに?どうすればいいんだろう?

「やれやれ。リチャードは自分で椅子に登れるのに…。ごめんね、マヌーシュ。リチャードを抱えて椅子に座らせてあげて」
 確かに椅子には子供が登れるように小さい階段がついていた。けれど俺はジョシュア様に言われた通り、天使を抱き上げて椅子に座らせた。
 はあ、天使を抱き上げてしまった。ふくふくした体は思った以上に重かった。身がぎっしり詰まっている感じだ。

「マヌ、ありがと。食べよ?野菜も卵もパンもおいちいよ!」
 天使がパンを俺の皿に置き、同時にスープが出てきた。

「めずらしいよね。リチャードは、最近は抱き上げられるのを嫌うのに」
 エリオット様だ。
「いいの!マヌはとくべちゅ!エリー兄上、一つ、訂正でちゅ。マヌは僕といちばん遊ぶでしゅよ」

 全員がびっくりした顔している。天使だけがお口をもぐもぐさせてパンを食べ続けた。あんなちっちゃい口なのに、ちゃんと口だった!それだけで感動する俺。 
 天使はみんなの目など無視して、器用にフォークを使って、今度は卵を食べて始める。はあ、あの手!骨ばったところが一つもない。ぷにぷにしてるのに、ちゃんと手だった!

「マヌ、食べない?おなか、すいてない?」
 いかん。天使が心配している。慌てて俺も食事をはじめた。
 一口、スープを飲む。美味しい!
「ブロッコリーのポタージュでございます」
 ダイニングメイドが教えてくれた。
 ついでカリカリのベーコンにブロッコリーが添えられた卵料理。ブロッコリーの茎までうまい!
 ふと見ると、みんな俺を見ていた。
「マニューシュは美味しそうに食べてくれるね」
 ジョシュア様が嬉しそうにいった。ただ食べてるだけなのに、なんでそんなに嬉しそうなの?

 ふと隣の天使を見ると、ナイフとフォークを皿の上に置いてしまった。あれ、もう終わり?それとも俺が来る前から食べていたから、お腹がいっぱいになったのかな?それともお腹が痛いのか?

「マヌーシュ、この後、リチャードは家庭教師と勉強があるんだ。だから朝食は少な目でいいんだよ」
 ジョシュア様がいう。ということは、またもや俺が何を考えているか、顔に出たということか!まずい!でもなんで勉強があると食事の量が少ないんだろう?

「マヌーシュは優しい子だね、ジョシュア。リチャードの食事の量まで心配して」
「だね」
「こんなに優しい7人の子に恵まれ、私はなんて幸せ者なんだろう」

 オリバー様の周りだけ後光が差して天から音楽が降ってきた…ではなく、本日二度目のパコーンという音が降ってきた。ジョシュア様がオリバー様の後頭部をぶったのだ。そしてオリバー様が胸をおさえるという一連の動作が続き、これはグランフォルド家の定番なんだと気が付いた。

 しかし、7人の子供?ここにおられる大公爵のお子は5人で、いずれは息子になる殿下を入れても6人だ。あと一人はどこにいるんだろう。俺がきょろきょろとあたりを見回すと、天使が俺を見つめていた。

「マヌ、ごはん、おわった?」
「ま、まだです」
 俺は急いで食事をおえた。

「マヌ、はい!」
 天使が両手をあげてアピールする。今度は分かった。俺は席を立って椅子から天使をおろした。

「ほんとにどうしちゃったの、リチャード。ついこの間、『僕はもう子供じゃないので、抱っこはしましぇん』宣言してたよね?」

 このエリオット様の言いように、天使は「ちょうれいぼかいって、しってましゅか、兄上。国でさえそうなんだから、個人の意見は、ときどきに変化するんでしゅ!」と、両足を開き、左手は腰、右手でビシっとエリオット様を指してポーズを決めた。
 ちょうれいぼかい?どういう意味だろう。

 俺が目を白黒させていると、「やれやれアナベルの教育かい?」とオリバー様がいえば、「いいえ、リチャードには洗脳、もとい私の教育はさほど影響してません。リチャードは末っ子ですのに、甘えより独立心の方が強いようです。ねえ、兄上」とアナベル様が答え、「まあ、いいんじゃないかな」とガブリエル様がその場を収めた。

「マヌ、こっちでしゅ!」
 天使は皆様を置き去りにして俺の手をとり、とことこと部屋を出ていく。さながら天使のお通りだという雰囲気で、侍女たちの本日何度目かの「くっ!」という声を背に、俺は天使に付いていった。

 長い廊下を歩きながら「きょうは、貴族年鑑を学ぶでしゅ。僕のお勉強する部屋は、こっちでしゅ」と、天使が説明してくれた。
 天使にまで俺の考えていることが分かってしまったのだろうか。
「どこに行くんだろうなと思っていたでちょ?」
 ああ、やっぱりバレているんだ。ちょっとしょんぼりする俺。
「顔にでるのはいいことでしゅ。貴族は表情を読ませないものだと、アナベル姉上はいうけど、母上は人間だから顔に出たほうがいいっていいまちた」
 
 天使は本物の天使だった。

 そして侍従が立っている部屋の前にくると、天使が頷く。その仕草はジョシュア様そっくりだ。
 部屋の中には既に一人の品のいい老紳士が立っていた。銀髪で背は高くない。威厳はあるけど偉そうではない。でも俺はなぜか老人が苦手だ。なぜか分からないけど、とにかく苦手なのだ。天使が俺を見る。顔がこわばっているのがバレたのか。

「スタリ―先生でしゅ。ものすっごくやさしいでしゅよ」

 やっぱりバレてた。いくら天使とはいえ、3歳児に気を遣わせるってどうなんだろう。しっかりしろ、俺!

「リチャード様の家庭教師のベンジャミン・スタリ―でございます。奥様から伺っております。本日より一緒に学ぶマヌーシュ様ですね」
 スタリ―先生は優し気に微笑んだ。

 大丈夫だ、大丈夫。こんなところで失敗するわけにはいかない。何しろ、俺は暗殺者だ。どんだけ大公爵夫妻がいい人でも、俺は暗殺者なんだ。

 俺は決死の覚悟をした。天使がまた両手をあげて「マヌ!」と呼ぶ。俺は天使を抱き上げて椅子に座らせた。
「これは驚きました。リチャード様は『抱き上げ禁止令』を発令しておられましたよね?」
「それはいつの情報?事態は二転三転するでしゅよ、マシュター(マスター)」
「ほほほ。なるほど、承知いたしました。では、さっそく前回の復習を始めましょう。前回は王家から伯爵家までの貴族家を暗記いたしました」
「はぁい、マシュター!」
 天使が元気に手を上げた。

「では、よろしいか?さっそく王家、大公爵家、3公爵家を述べてください」
「GG(ジージ―)が、アルトをくれーといった!イエーイ!」
「それは?」
「グレイヴィル王家、グランフォルド家、アルベルト家、クレイトン家、イエナガン家!」
「正解!」
「ご褒美!」
 これは、ど、どういう覚え方なんだ?

 茫然としているのは俺だけで、スタリ―先生はバスケットからオレンジ色のクッキーを取り出して皿に並べて天使と俺の前に出した。同時に侍従がティーポットから二つのカップに紅茶を注ぎ、天使の前にはホットミルクを置く。
 
 天使が「にんじんクッキー!」とテンション高めに言いながら、さっそくぷにぷにした手でクッキーを取り、「マヌも!」と俺に声をかけた。俺は何もしていない。なのにご褒美クッキーを食べていいのか?

「いいんでしゅよ!マヌ!」
 また3歳児に気を遣わせた!
「どうぞ、マヌーシュ様もお召し上がりください。当家自慢のにんじんクッキーでございます」

 スタリ―先生に勧められたクッキーは美味しかった。そうか、ご褒美クッキーがあるから、朝食が少な目だったんだ。
「うふふ。そうでしゅ」

 なんでわかるの??この天使は本物の天使か!?

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