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39、ララサラーマ(2)
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テロ発生3時間後 ロンドン・英国
時間は、今から8ヶ月前に遡る。
ガンガンと音が鳴り響くロンドンのクラブ。自分がひどく場違いなところに来ていると思い、ナオミは居心地の悪さを感じていた。
普段、それほど深い付き合いをしていないナイジェリア人の同僚から「ナオミのことを話したら、どうしても紹介してって言われたの!お願い、一緒に来て!」と、懇願され仕方なくここに来たが、もうナオミは後悔し始めていた。
ナオミを引っ張り出した同僚は、いつの間にかいなくなっており、彼女はカウンター近くの壁ぎわに隠れるように立つことしかできない。
「ジャンボ!ハバーリ!(こんばんは。調子はどう?)」
いきなりスワヒリ語で声を掛けられ、驚いたナオミが振り向くと、背の高い端正な顔立ちの黒人男性が立っていた。
その後ろから顔を出した同僚は、「ごめーん!彼を探しに行ってたの!クマリよ、クマリ!ナオミのことを話したら、会いたいと言ったのは、この彼!なんと、ケニア人!しかもSEよ!」と、言うだけ言って「あとは二人でね!」と、意味深な言葉を残し人混みに消えた。
ナオミはどうしたらいいのか分からなかった。
あとは二人で、何をするというのだろう。
しかし、クマリと紹介された彼は戸惑っていながらも「彼女、元気がいいね」と、話しかけてきた。
そこでナオミは、初めてマジマジと彼を見て、すぐに気づいた。同僚はケニア人と言ったが、このクマリという男性はソマリア人だ。
ソマリアはケニア以上に貧しい国で、多くのソマリア人がケニアに難民として流入しており、その対処にケニア政府は四苦八苦しているのが現状だった。
彼も難民だったが、幸運にもケニア国籍を取得して、ケニア人になったのだろう。そういう意味ではケニア人とも言えるわけで、間違ってはいない。
ソマリア人は一目で分かる。美男美女が多いのだ。
彼もそうだ。背は高いのに、顔が小さい。パーツの一つひとつが整い、それが完璧な位置に配置されていた。その上、服装もこぎれいだった。
自分とは明らかに違う。
こんな自分に、なぜ彼が興味を持つのか。ロンドンには多くのケニア人がいるというのに。
しかし、同僚のいうことは本当のようで、クマリは並々ならぬ熱意で、ナオミに接してきた。
ナオミは、若いが雰囲気に流されるタイプではない。この若さにしては、あまりに多くの苦労をしてきたからだ。
その後、クマリと何度か会ううちに、ナオミは気づいた。
クマリはさり気なく、彼女の仕事の様子を聞いてくるが、その時の彼の目は、父の目と同じだということに。
これは、女を利用しようとしている男の目だ。もう何年も会っておらず、この先、きっと会うこともないであろう父は、母を見る時、こんな目をしていた。
私の仕事?私の仕事に何の価値があるというの?
単なる美容師見習いでしかない彼女に、ここまでの労力と時間を費やすほどの価値はない。普通に考えれば。
騙し取れるほどのお金も、勿論ないのだ。
あるとすれば一つだけ。
キートン首相のヘアデザインを担当しているオーナーについて、毎月一回、首相官邸に行っていること。
これ以外に考えられなかった。
それに気づいたナオミは、誓約書にサインしたからという理由以上に、自分から話しかけたことはないものの、常に優しく接してくれる首相を裏切らないと、強く決意した。
そう、決意していたのだ、クマリと肉体関係になる前までは。
出会って2ヶ月経った頃、クマリとセックスをした。彼女に取っては初めてだった。
その次にクマリに会った時、彼は指輪を用意してきた。プロポーズだった。
初めて見たベルベットの小箱。そこに鎮座している輝く小さな石と、彼の口から発せられた、ウットリするような言葉。それらが、彼女から理性を奪ったといっていい。
少しずつだが、ボソボソと彼女はクマリに首相の様子を話してしまった。
それは、最初はたわいないことだけだった。テレビとは印象が全然違う、優しくて高圧的な言葉を聞いたことなどない。
そう、そんな当たり障りのない感想だけ。
そのうちクマリは、首相の家族について聞いてきた。
ナオミが首相官邸に出入りするようになって6年、その中で、官邸で見かけた首相の家族は、首相が「孫」といった二人の子供だけだ。
東洋系の二人の子供。初めて会った時は10歳ぐらいに見えたが、実は、その時すでに14歳と13歳だったそうで、今なら19歳と18歳になっているはずだ。
この6年の間、彼女が、官邸で二人を見かけたのは、そのたった一度しかない。
彼女は、それを言うのは、流石に臆した。
首相の家族は、常にメディアに登場している。
サミットだ、国連総会だと、首相が外遊する際、必ず寄り添っている首相の夫。「英国の誇り」、「現代のシェークスピア」と言われる、いかにも英国貴族然としたサー・キートン。
息子は海軍大将で、ついこの間、NATOの最高司令官も兼務することになったと報道されていた。
しかし、あの二人の子供のことは、どこも報道していない。
だから、これは決して口外してはいけないことなのだと、ナオミでも分かっていた。
そう、あの日までは。
今年の3月初め。通常なら2月下旬の予定が、首相により一週間先延ばしになった、あの日。
仕事を終え官邸から出るべく、長い廊下をオーナーに着いて歩いている時だった。廊下の先の開いた扉の中から楽しそうな笑い声が響いていた。
そこを通る時、自然とオーナーの足取りも緩くなり、それにナオミもならった。
チラッと中を見る。気難しいと有名なサー・リチャード・オブライエン外務大臣が、満面の笑顔で、あの二人の孫と話していたのだ。
二人のどちらかが、外務大臣に「ワシントンの自然史博物館に行ったことがあるか」と聞きいていた。
それに対して外務大臣が、何かジョークを言ったのだろう。一際、大きな笑い声がしばらく廊下まで聞こえてきた。
オーナーが歩調を早めたので、ナオミもそれに合わせる。
車に乗り込んでから、オーナーが「きっと夏のバカンスで、ワシントンに行くのね」と言った。
ナオミもそうだと思った。夏のバカンスまで、まだ半年はある。それでも、もう予定を立てるんだ。
ナオミがそんなことを考えていると、オーナーが言った。
「あのお二人は、日本とイングランドのハーフなの。この官邸で育ったらしいわ。首相官邸で育つなんて、想像もつかないわね」
ナオミは既に誓約を破って、色々とクマリに首相の事を話してしまっていた。それでも、なけなしの理性を掻き集め、家族については話していなかった。
しかし、この時、彼女の理性が崩壊した。
半分、日本人の血が入っている。似ているのはそれだけで、あとはまるで境遇が違う。
店にも多くのセレブが来る。このオーナーを始め、沢山の富裕層を見てきた。
でも、それでも、こんなに恵まれた子供がいるだろうか。祖母が首相で、祖父は著名なノーベル賞作家。父親は海軍大将。貴族に生まれ、首相官邸で育った子供。「NOしか言わない」と評判の気難しい外相でさえ満面の笑顔にさせる子供。
生真面目なナオミは、気の利いたことが言えず、失笑されることはあっても、誰かを笑わせるなどという芸当はできない。
そして、首相がナオミに優しくしてくれたのは、彼女にも日本人の血が半分流れていたからだという事が、何よりも彼女を傷つけた。
ナオミは、自身が結局は誰にも受け入れてもらえない、まるで価値のない人間だと感じてしまったのだ。
惨めだった。この上なく。
そうであるならば、自分に少しでも価値を見出してくれたクマリに応えよう。
翌月、官邸を訪れたナオミは、二人の子供が、いつワシントンの自然史博物館に行く予定なのかを、さり気なくオーナーが首相に聞くように仕向け、その情報を入手した。
そして、クマリに自分から、その情報を流したのだ。
それが半年前だ。
クマリは、ナオミから情報を得てからというもの、連絡の頻度が格段に落ちた。
仕事が忙しいからと、だんだんと会えなくなった。メールを送っても、返信が遅い。
1ヶ月前からは、完全に連絡自体をよこさなくなった。
先々週、彼女はかつてクマリと愛し合った彼の部屋に行った。合鍵を貰っていたのに、ドアが開かない。焦った彼女は隣室の人に聞いた。隣人は面倒くさそうに、そこは既に空室だと、教えてくれた。
呆然とした彼女は、先週、彼の職場に行った。そこで彼女は、クマリなんて人物は、その会社に在籍していなかったことを知る。
そして今週。彼女はクマリからもらった指輪を宝石商に持ち込んで鑑定してもらった。
「これは紛い物で、全く価値はありません」
彼女が大事にしていた指輪を一目見るなり、鑑定士は言い捨てた。
あまりにも顔色が悪くなった彼女に、慌てた鑑定士が、もしかして大金を払ったのかと、心配して声を掛けたくらいだ。
しかし、その声は彼女には届かない。
それからどうやって部屋に戻ったのか、覚えていない。
そして今日だ。
時間は、今から8ヶ月前に遡る。
ガンガンと音が鳴り響くロンドンのクラブ。自分がひどく場違いなところに来ていると思い、ナオミは居心地の悪さを感じていた。
普段、それほど深い付き合いをしていないナイジェリア人の同僚から「ナオミのことを話したら、どうしても紹介してって言われたの!お願い、一緒に来て!」と、懇願され仕方なくここに来たが、もうナオミは後悔し始めていた。
ナオミを引っ張り出した同僚は、いつの間にかいなくなっており、彼女はカウンター近くの壁ぎわに隠れるように立つことしかできない。
「ジャンボ!ハバーリ!(こんばんは。調子はどう?)」
いきなりスワヒリ語で声を掛けられ、驚いたナオミが振り向くと、背の高い端正な顔立ちの黒人男性が立っていた。
その後ろから顔を出した同僚は、「ごめーん!彼を探しに行ってたの!クマリよ、クマリ!ナオミのことを話したら、会いたいと言ったのは、この彼!なんと、ケニア人!しかもSEよ!」と、言うだけ言って「あとは二人でね!」と、意味深な言葉を残し人混みに消えた。
ナオミはどうしたらいいのか分からなかった。
あとは二人で、何をするというのだろう。
しかし、クマリと紹介された彼は戸惑っていながらも「彼女、元気がいいね」と、話しかけてきた。
そこでナオミは、初めてマジマジと彼を見て、すぐに気づいた。同僚はケニア人と言ったが、このクマリという男性はソマリア人だ。
ソマリアはケニア以上に貧しい国で、多くのソマリア人がケニアに難民として流入しており、その対処にケニア政府は四苦八苦しているのが現状だった。
彼も難民だったが、幸運にもケニア国籍を取得して、ケニア人になったのだろう。そういう意味ではケニア人とも言えるわけで、間違ってはいない。
ソマリア人は一目で分かる。美男美女が多いのだ。
彼もそうだ。背は高いのに、顔が小さい。パーツの一つひとつが整い、それが完璧な位置に配置されていた。その上、服装もこぎれいだった。
自分とは明らかに違う。
こんな自分に、なぜ彼が興味を持つのか。ロンドンには多くのケニア人がいるというのに。
しかし、同僚のいうことは本当のようで、クマリは並々ならぬ熱意で、ナオミに接してきた。
ナオミは、若いが雰囲気に流されるタイプではない。この若さにしては、あまりに多くの苦労をしてきたからだ。
その後、クマリと何度か会ううちに、ナオミは気づいた。
クマリはさり気なく、彼女の仕事の様子を聞いてくるが、その時の彼の目は、父の目と同じだということに。
これは、女を利用しようとしている男の目だ。もう何年も会っておらず、この先、きっと会うこともないであろう父は、母を見る時、こんな目をしていた。
私の仕事?私の仕事に何の価値があるというの?
単なる美容師見習いでしかない彼女に、ここまでの労力と時間を費やすほどの価値はない。普通に考えれば。
騙し取れるほどのお金も、勿論ないのだ。
あるとすれば一つだけ。
キートン首相のヘアデザインを担当しているオーナーについて、毎月一回、首相官邸に行っていること。
これ以外に考えられなかった。
それに気づいたナオミは、誓約書にサインしたからという理由以上に、自分から話しかけたことはないものの、常に優しく接してくれる首相を裏切らないと、強く決意した。
そう、決意していたのだ、クマリと肉体関係になる前までは。
出会って2ヶ月経った頃、クマリとセックスをした。彼女に取っては初めてだった。
その次にクマリに会った時、彼は指輪を用意してきた。プロポーズだった。
初めて見たベルベットの小箱。そこに鎮座している輝く小さな石と、彼の口から発せられた、ウットリするような言葉。それらが、彼女から理性を奪ったといっていい。
少しずつだが、ボソボソと彼女はクマリに首相の様子を話してしまった。
それは、最初はたわいないことだけだった。テレビとは印象が全然違う、優しくて高圧的な言葉を聞いたことなどない。
そう、そんな当たり障りのない感想だけ。
そのうちクマリは、首相の家族について聞いてきた。
ナオミが首相官邸に出入りするようになって6年、その中で、官邸で見かけた首相の家族は、首相が「孫」といった二人の子供だけだ。
東洋系の二人の子供。初めて会った時は10歳ぐらいに見えたが、実は、その時すでに14歳と13歳だったそうで、今なら19歳と18歳になっているはずだ。
この6年の間、彼女が、官邸で二人を見かけたのは、そのたった一度しかない。
彼女は、それを言うのは、流石に臆した。
首相の家族は、常にメディアに登場している。
サミットだ、国連総会だと、首相が外遊する際、必ず寄り添っている首相の夫。「英国の誇り」、「現代のシェークスピア」と言われる、いかにも英国貴族然としたサー・キートン。
息子は海軍大将で、ついこの間、NATOの最高司令官も兼務することになったと報道されていた。
しかし、あの二人の子供のことは、どこも報道していない。
だから、これは決して口外してはいけないことなのだと、ナオミでも分かっていた。
そう、あの日までは。
今年の3月初め。通常なら2月下旬の予定が、首相により一週間先延ばしになった、あの日。
仕事を終え官邸から出るべく、長い廊下をオーナーに着いて歩いている時だった。廊下の先の開いた扉の中から楽しそうな笑い声が響いていた。
そこを通る時、自然とオーナーの足取りも緩くなり、それにナオミもならった。
チラッと中を見る。気難しいと有名なサー・リチャード・オブライエン外務大臣が、満面の笑顔で、あの二人の孫と話していたのだ。
二人のどちらかが、外務大臣に「ワシントンの自然史博物館に行ったことがあるか」と聞きいていた。
それに対して外務大臣が、何かジョークを言ったのだろう。一際、大きな笑い声がしばらく廊下まで聞こえてきた。
オーナーが歩調を早めたので、ナオミもそれに合わせる。
車に乗り込んでから、オーナーが「きっと夏のバカンスで、ワシントンに行くのね」と言った。
ナオミもそうだと思った。夏のバカンスまで、まだ半年はある。それでも、もう予定を立てるんだ。
ナオミがそんなことを考えていると、オーナーが言った。
「あのお二人は、日本とイングランドのハーフなの。この官邸で育ったらしいわ。首相官邸で育つなんて、想像もつかないわね」
ナオミは既に誓約を破って、色々とクマリに首相の事を話してしまっていた。それでも、なけなしの理性を掻き集め、家族については話していなかった。
しかし、この時、彼女の理性が崩壊した。
半分、日本人の血が入っている。似ているのはそれだけで、あとはまるで境遇が違う。
店にも多くのセレブが来る。このオーナーを始め、沢山の富裕層を見てきた。
でも、それでも、こんなに恵まれた子供がいるだろうか。祖母が首相で、祖父は著名なノーベル賞作家。父親は海軍大将。貴族に生まれ、首相官邸で育った子供。「NOしか言わない」と評判の気難しい外相でさえ満面の笑顔にさせる子供。
生真面目なナオミは、気の利いたことが言えず、失笑されることはあっても、誰かを笑わせるなどという芸当はできない。
そして、首相がナオミに優しくしてくれたのは、彼女にも日本人の血が半分流れていたからだという事が、何よりも彼女を傷つけた。
ナオミは、自身が結局は誰にも受け入れてもらえない、まるで価値のない人間だと感じてしまったのだ。
惨めだった。この上なく。
そうであるならば、自分に少しでも価値を見出してくれたクマリに応えよう。
翌月、官邸を訪れたナオミは、二人の子供が、いつワシントンの自然史博物館に行く予定なのかを、さり気なくオーナーが首相に聞くように仕向け、その情報を入手した。
そして、クマリに自分から、その情報を流したのだ。
それが半年前だ。
クマリは、ナオミから情報を得てからというもの、連絡の頻度が格段に落ちた。
仕事が忙しいからと、だんだんと会えなくなった。メールを送っても、返信が遅い。
1ヶ月前からは、完全に連絡自体をよこさなくなった。
先々週、彼女はかつてクマリと愛し合った彼の部屋に行った。合鍵を貰っていたのに、ドアが開かない。焦った彼女は隣室の人に聞いた。隣人は面倒くさそうに、そこは既に空室だと、教えてくれた。
呆然とした彼女は、先週、彼の職場に行った。そこで彼女は、クマリなんて人物は、その会社に在籍していなかったことを知る。
そして今週。彼女はクマリからもらった指輪を宝石商に持ち込んで鑑定してもらった。
「これは紛い物で、全く価値はありません」
彼女が大事にしていた指輪を一目見るなり、鑑定士は言い捨てた。
あまりにも顔色が悪くなった彼女に、慌てた鑑定士が、もしかして大金を払ったのかと、心配して声を掛けたくらいだ。
しかし、その声は彼女には届かない。
それからどうやって部屋に戻ったのか、覚えていない。
そして今日だ。
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